Mission 45「謹賀新年!小さな強敵、再び」

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 謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 というわけで、めでたく最終回を迎えた後の仕切り直しとなった「ゴーバスターズ」ですが(笑)。

 趣向としては、「勘違い騒動」のパターンにのっとったコメディ編となりました。戦隊シリーズ新春編の定番は色々ありますが、ここまでドタバタなのも珍しいのではないでしょうか。

 加えて、各キャラクターが通常とは異なる衣装を幾つか披露する「コスプレ編」の趣もプラスされ、賑やかで華やかな画面が新春第一弾を彩りました。エンターやエスケイプを敢えて登場させない趣向も、コメディ編として巧く機能していたと思います。

 今回は「ゴーバスターズ」において幾つか数えられるコメディ編の中でも、屈指の完成度と魅力を誇るものだと思います。「ゴーバスターズ」のようなシリアスな作風の中でドタバタコメディを展開する際、最も大事な事項の一つは、キャラクターが自然かつオーバーリアクションで動く事だと思いますが、今回はヒロム、リュウジ、ヨーコだけでなく、陣も森下も素晴らしい立ち回りをしており、それぞれが一丸となってコミカルなストーリーを盛り上げていました。

 自然さという点では、ヴァグラス側の行動がいかにも「残党」っぽい感じだった事が奏功しているでしょう。

 エンターとエスケイプが登場しないという事で、特命部側の危機感もやや緩み、ヴァグラスの残党狩りといった雰囲気で動く事が出来、リュウジをお見合いの席に残したまま、ヒロムとヨーコがメタロイド討伐に奮闘する面白さを担保しています。まぁ、実際は森下も含めて、こんな事をしていてはマズいのですが、黒木司令官の目を盗むようにしてやっている辺りが逆にリアルで、こういったいつもとは別種のリアリティが、また「ゴーバスターズ」らしくていいんですよね。

 さて、冒頭に示した通り、今回は「勘違い騒動」のパターンを踏襲していますが、面白いのは、「勘違い」自体がメインストリームになるのではなく、リカのエピソードとして傍らに置いている事でしょう。勿論、メインはリュウジ。しかも「勘違い」ではなく、本当に来たお見合いの話。一度黒木によって封印された話をゴリサキが掘り返し、勝手に進めてしまうという、変則パターンの巧さが光る構成でした。さらには、元々成立する筈のないお見合いだったとあって、リュウジにとっては正に踏んだり蹴ったり。冒頭の一戦を除いて、一切リュウジが戦闘に参加しないという構成も異色で、シリーズ終盤に来ても、オーソドックスではあるものの、構成の妙で新鮮味を打ち出してくるのは凄いの一言でした。ラストのホッとしたようなガッカリしたようなリュウジの表情は、素晴らしすぎます。

 コミカルな味を支えているのは、レギュラー陣だけでなくメタロイドも。

 以前のケシゴムロイドを彷彿させる(というより、劇中実際に類似点に関する言及がある)オモチロイド。そもそも、「モチロイド」ではなく「"オ"モチロイド」なのが笑えます。見た目がケシゴムロイドと殆ど変わらないのも笑えます。存在自体がパロディ精神に満ちていて、しかも焼くと等身大まで巨大化する(もっと焼くともっと巨大化するらしい...)という、ケシゴムロイドを超える特性を持っているのも、やはり笑えます。

 メサイアカード編は、メタロイドが割とコミカルなモチーフでありながら殺伐とした雰囲気を漂わせていたのに対し、何とも緩いというか、エンターがまだ愉快犯的であった初期編を思い出させます。ついでに言えば、初期編では愉快犯的なヴァグラスに対し、ゴーバスターズが全力でクールにエネトロン強奪を阻止する図式でしたが、今回に至っては、遂にコミカル VS コミカルの図式が成立しており、随分変わったものだなぁ...と思う次第。ケシゴムロイド編と比べてみると、その辺りが浮き彫りになります。ケシゴムロイド編では、まだ一生懸命事態に対処する中で、少しずつコミカルな味が漏れ出す感覚だったのに対し、今回は、全員が全力でコメディを成立させる為に奔走している雰囲気になっています。メサイアカード編をバラエティ編と捉えると、今回はその総仕上げだったのかも知れませんね。実に興味深い処です。

 それにしても、リュウジはやけに可哀想なキャラになっている気がするのですが...(笑)。

 ヒロムやヨーコが弟あるいは妹として、リュウジをフォローするシーンがありますけど、それぞれが言いたい放題。忙しすぎるとかフラフラしているとか、口から出任せにしても随分な物言いです。また、年長者という要素を引き合いに出して、「まだそれらしいお相手も見つかっていないキャラ」として振る舞わせる辺りの悪意(笑)も横溢。ホント、何とも可哀想ですよね。実は結構モテているという描写も皆無なので、益々大変です。もし、本編終了後にリュウジの後日譚があると夢想すれば、恐らくエンジニアとしての成功を描くものになると思うので、ここでも女性の影は皆無(笑)。もう完全にネタキャラです...。

 ところで、今回のアクションの魅力は、冒頭にかなり集約されていると思うわけですが、特に素晴らしいと思ったのは、戦闘の後ろで繰り広げられたブルーバスターによるバグラーの追跡カット。結構な高さから両者がヒラリと飛び降りるカットなのですが、いかにもマット上に飛び込むといったジャンプではなく、非常に自然な飛び降りで驚きました。「ゴーバスターズ」では、リアル感覚の追求の手段として、たまにパルクールの動きが導入されているのですが、今回は「いかにもパルクール」ではなく、自然にその技術を使ってみましたといった感覚。凄いですね。次なる戦隊に、この辺りの成果が導入されるものと期待しています。

 2013年第一弾の「ゴーバスターズ」では笑わせて頂きました。次回からは、最終編と称して怒濤の展開を見せるようですが、これまでの二度のクライマックスをどう超えてくるのか、刮目いたしましょう。