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    <title>侍戦隊シンケンジャーを見たか？</title>
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    <updated>2010-02-09T12:43:02Z</updated>
    <subtitle>侍戦隊シンケンジャーを見て、適当に書き連ねるブログ</subtitle>
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    <title>最終幕「侍戦隊永遠」</title>
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    <published>2010-02-09T07:10:26Z</published>
    <updated>2010-02-09T12:43:02Z</updated>

    <summary>　はい。総数86枚のキャプ画でお送りする最終幕解説。 　怒濤のバトルと静かなエピ...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
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        <![CDATA[<p>　はい。総数86枚のキャプ画でお送りする最終幕解説。</p>
<p>　怒濤のバトルと静かなエピローグのコントラストを、なるべくプレーンなままお伝えする事を、心がけました。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠の父親については謎のまま終わってしまいましたが、いわゆる「読後感」の中では、それが謎のままでも良かろうと。そんな素晴らしい最終回でした。</p>
<p>　血祭ドウコクとのパワーバランスも、最後の最後まで素晴らしく、矛盾ない完璧な構成だったと思います。</p>
<p><br /></p>
<p>　では、どうぞ！</p>]]>
        <![CDATA[<p>　幕開けた、血祭ドウコク達外道衆との最終決戦！</p>
<p><br /></p>
<p>　いきなり、物凄い数のナナシ連中との斬り合いから、本エピソードは開始されます。ナナシ連中のスーツ数とアクター数は限られている筈ですから、見事な合成と巧みなカット割りにより、大人数を違和感なく表現しています。最終決戦という雰囲気作りにも素晴らしい効果をもたらしていますね。</p>
<p><br /></p>
<p>　シンケンジャーとナナシ連中の激しい斬り合いを、六門船の上から眺めている血祭ドウコクと骨のシタリ。</p>
<p><br /></p>
<p>「封印の文字が効かないと分かって仕掛けてくるとはねぇ。昔からシンケンジャーってのは、私達外道衆より命を大切にしない奴らだったよ」</p>
<p>「だから気に入らねぇ。人間なら人間らしく命乞いして、哭き喚けばいいもんを...が、今日上げさせてやろうじゃねぇか。命乞いじゃねぇ、早く殺してくれって悲鳴をな！」</p>
<p><br /></p>
<p>　セリフのテンション、のっけから高過ぎ！</p>
<p>　外道衆より命を大切にしないシンケンジャー。それは、現当主である丈瑠の姿勢そのものでした。仲間達との関わりによって、その姿勢はやや緩くなったものの、根幹は変わっていません。要するに、丈瑠は出発点を影武者としながらも、歴代のシンケンジャーのポリシーを最も鮮烈に体現した存在だったということになります。こういう帰結点を、サラっと描いてみせる余裕が「シンケンジャー」にはあります。</p>
<p><br /></p>
<p>　そしていよいよ、六門船を戦場に突っ込ませ、血祭ドウコクは自ら単独で降り立ちます。敵の移動可能な本拠が攻めてくるというシチュエーションは、古くは「ゴレンジャー」から多用されてきました。</p>
<p><img src="images/49_01.jpg" alt="六門船とシンケンレッド" /></p>
<p><img src="images/49_02.jpg" alt="血祭ドウコク" /></p>
<p>　最強最大の敵との、幾度目かの対面。緊張感はMAXに達します。ここでオープニングに突入。TVシリーズ最後のオープニングを堪能しましょう。薫のクレジットが「志葉薫」単独になっているのに注目。ダブルレッドによる最終決戦といった落とし処を探らなかったのは、丈瑠と5人の仲間達のドラマを描いてきた「シンケンジャー」にとって、最適な措置だったと思います。それでも、薫の存在価値が揺らぐことは全くなかったし、むしろこういったキャラクターにも充分な見せ場があったのは、凄いことです。</p>
<p><br /></p>
<p>　最終幕 侍戦隊永遠に！</p>
<p><img src="images/49_03.jpg" alt="最終幕 侍戦隊永遠" /></p>
<p><br /></p>
<p>　ここで、志葉家のモヂカラが破壊的であり、丈瑠自身への負担というより、秘伝ディスク自体がその使用に1回しか耐えられないであろうことが分かります。薫にディスクを託された際に、丈瑠がそう忠告されていたわけです。</p>
<p><img src="images/49_04.jpg" alt="志葉家のモヂカラのディスク" /></p>
<p>　丈瑠は、1回だけのチャンスに賭けることを余儀なくされていますが、元々血祭ドウコクとの戦いは一発勝負にほど近い性格であり、正に「Dead or Alive」。秘伝ディスクの耐用性は、そのあたりの緊張感を補完しているに過ぎません。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は、</p>
<p><br /></p>
<p>「流ノ介」</p>
<p><br /></p>
<p>と一言。すぐさま流ノ介が、</p>
<p><br /></p>
<p>「はっ。茉子、ことは、殿の進路の確保を。源太は後ろを守れ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と指示します。具体的な指示がなくとも、臨機応変にフォーメーションを組み立てるのがカッコいい。流ノ介に参謀格の印象はありませんが、サブリーダー的存在であることは、最終幕に至るまで揺るがなかったということが分かります。</p>
<p><br /></p>
<p>「千明は私と」</p>
<p><br /></p>
<p>という流ノ介の言葉に、</p>
<p><br /></p>
<p>「丈瑠の盾になるんだろ？」</p>
<p><br /></p>
<p>と、すぐに状況判断して追随する千明も素敵。各人が丈瑠中心に、自らのポジションを完全に把握しているあたり、前回までで既に彼等の葛藤を含めたドラマが終結していることを感じさせます。</p>
<p>　いわば、今回は血祭ドウコクとの決戦を、徹底してシミュレーション的に描いているわけです。その中で、それぞれのキャラクターの機微を浮き彫りにしています。</p>
<p><br /></p>
<p>「狙うは血祭ドウコク！行くぞ！」</p>
<p><img src="images/49_05.jpg" alt="シンケンジャー" /></p>
<p>　フォーメーションを組んで、ナナシ連中による陣形に突っ込んでいくシンケンジャー。</p>
<p><img src="images/49_06.jpg" alt="外道衆 VS シンケンジャー" /></p>
<p>「この一撃...絶対に！」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は、この怒濤の突入に際しても、冷静さを欠いていませんでした。それは、仲間達のフォローに全幅の信頼を寄せているからに他なりません。それを示すように、ノサカマタによる後方からの砲撃にも、源太がダイゴヨウのディスク射出で適切に対処します。</p>
<p><br /></p>
<p>「来い...絶望ってのを、教えてやる」</p>
<p><br /></p>
<p>　低く静かに呟く血祭ドウコク。その一撃を流ノ介と千明が身を呈して防ぎ、二人の間から丈瑠が飛び出していきます。</p>
<p><img src="images/49_07.jpg" alt="スーパーシンケンレッド" /></p>
<p>　流れるようなカットの繋ぎが、スピード感と重厚感を同時に実現しています。</p>
<p><br /></p>
<p>「志葉家十九代目当主・志葉丈瑠、参る！」</p>
<p><br /></p>
<p>　ここで丈瑠、雄々しい名乗りを披露！否が応にもテンションを上げてきます。志葉家当主を名乗ることにより、自らを鼓舞しているようにも見えます。</p>
<p>　一気に突っ込んだ丈瑠は、血祭ドウコクの左胸に、シンケンマルの切っ先を突き刺します。</p>
<p><img src="images/49_08.jpg" alt="血祭ドウコク" /></p>
<p>　ところが...。</p>
<p><br /></p>
<p>「なるほど...ちったぁ考えてきたらしいな。が、こんな程度じゃ俺は倒せねぇぜ」</p>
<p><br /></p>
<p>　シンケンマルの刃を素手で握り、自らの左胸より引き抜いた血祭ドウコク。そのまま丈瑠を、片手で投げ飛ばしてしまいます。</p>
<p><br /></p>
<p>「所詮、手前ぇは偽物ってことだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　いわゆる血統的に本物の志葉の当主であった薫を退けた余裕か、丈瑠にこんな皮肉を投げかける血祭ドウコクでしたが、既に丈瑠にとって、偽者だの本物だのといった事は、丈瑠の志葉の当主としての存在を揺るがす事にはならないのでした。なので、志葉のモヂカラを込めた秘伝ディスクが破損しても、丈瑠に敗北感は微塵も感じられません。</p>
<p><img src="images/49_09.jpg" alt="割れる秘伝ディスク" /></p>
<p>　ただし、危機感は高まります。</p>
<p><br /></p>
<p>「さぁて、手前ぇらが哭き叫ぶまでどれぐらいかかるか」</p>
<p><br /></p>
<p>　余裕を見せる血祭ドウコクは、シンケンジャーを弄ぶかのように、凄まじい一撃を放ちます。その衝撃はシンケンジャー達に襲い掛かり、ダイゴヨウも傷付いてしまいます。</p>
<p><img src="images/49_10.jpg" alt="ダイゴヨウ" /></p>
<p>　そして、シンケンジャー達は変身解除。</p>
<p><img src="images/49_11.jpg" alt="変身解除" /></p>
<p>　今回は、主役陣の見せ場を豊富に作る為、変身解除シーンが多いのですが、それが逆に危機感を煽るのは、スーパー戦隊シリーズ恒例ですね。毎年のように書いているような気がしますが、主役陣が最終局面でスーツに入り始めたのは、「ダイナマン」あたりから。最終決戦の巨大戦を素面で行ったのは、「ジェットマン」が最初。素面名乗りを取り入れたのは、「ダイレンジャー」が最初です。特に「ダイレンジャー」は衝撃的だった覚えがあります。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠達は、血祭ドウコクの一撃で多大なダメージを負い、苦悶の表情を浮かべていますが、戦う意志は潰えることなく、また苦悶に大きな声を上げることもありません。外道衆で最も深い苛立ちを抱えた血祭ドウコクは、そんな丈瑠達の態度に、</p>
<p><br /></p>
<p>「は？聞こえねぇな。命乞いならもっとでけぇ声で言え！」</p>
<p><br /></p>
<p>と苛立ちを露にしてきます。その言葉に鼓舞されるかの如く、立ち上がる丈瑠達！</p>
<p><img src="images/49_12.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　丈瑠の目からは、枯れない闘士が感じられます。</p>
<p><br /></p>
<p>「それだ...その目！どうして哭き喚かねぇ！助けてくれと言わねぇ！さっさと絶望してみせろ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　苛立ちが頂点に達した血祭ドウコクは、さらなる莫大な衝撃波を見舞います。ただし、その衝撃は丈瑠達を直撃するわけではなく、巧みに彼等を苦しめる方向に作用します。</p>
<p><br /></p>
<p>「シンケンジャー、すぐには殺さねぇぞ。手前ぇらの目の前に、志葉の小娘の首を置いてやろうじゃねぇか。せいぜい楽しみに待ってることだな」</p>
<p><img src="images/49_13.jpg" alt="血祭ドウコク" /></p>
<p>　血祭ドウコクの狙いは、丈瑠達シンケンジャーをさっさと倒してしまうことではなく、あくまでシンケンジャーの口から降伏の言葉を聞く事なのです。永きに渡って、志葉家率いるシンケンジャーに煮え湯を飲まされて来た血祭ドウコクは、自らが人の世に君臨するより先に、シンケンジャーを屈服させたかったのでしょう。それが血祭ドウコクの底なしの苛立ちを、幾分か軽減させるかどうかは、判然としませんが、ここではどうでも良い事のようです。</p>
<p><br /></p>
<p>　血祭ドウコクが去ったのを見届け、昏倒してしまうシンケンジャー達。</p>
<p><img src="images/49_14.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　この戦いの様子は、すぐに黒子を通じて志葉家の屋敷にもたらされたものと思われます。</p>
<p><br /></p>
<p>　その志葉家の屋敷では、薫がもう一枚ディスクを作ろうとしていました。歳三は、怪我で動くこともままならない身に、それ以上の負担はかけられないと制止します。</p>
<p><img src="images/49_15.jpg" alt="薫と歳三" /></p>
<p>　歳三によれば、一枚目を作る際も相当な負担があったらしく、出陣こそしませんが、薫もまた丈瑠達と同様に命懸けで最終決戦に臨んでいた事が分かって、熱いのです。</p>
<p><br /></p>
<p>「無茶でございます。それに影...いや、ご当主達はドウコクに敗れ、もう...」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠達の苦戦の報告を受けて、歳三は薫を心配するあまり諦め気味。しかし、薫は、</p>
<p><br /></p>
<p>「生きているならもう一度立つ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と、丈瑠達が決して諦めない事を信じていました。このシーンは、歳三の心境が変化する契機になっており、非常に重要なシーンかつ、熱い感動を呼び起こします。</p>
<p><br /></p>
<p>「いや、それは...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、歳三は絶望的な状況を冷静に受け止めているようですが、</p>
<p><br /></p>
<p>「立つ！丈瑠は、絶対に戦いを止めない！丈瑠が影と知っても、傍を離れなかった侍達も同じだ！私はそう見込んだから、彼等に託した。だから私も、今出来る事を！」</p>
<p>「しかし、姫は志葉家の...」</p>
<p>「丹波、何故分からぬ！志葉家だけが残っても意味はないのだ。この世を、守らなければ。その思いは皆同じ筈。皆の力を合わせれば、きっと！」</p>
<p><img src="images/49_16.jpg" alt="薫と歳三" /></p>
<p>　薫もまた、丈瑠達に出会って変わったのかも知れません。当初は、志葉家の代表として、志葉家に伝わる封印のモヂカラを切り札的に行使すべく、表舞台に現れたのですが、丈瑠と出会い、1人の力ではこの世を守る事が出来ないと学び、そして、前述のセリフにあるような結論に至ったのです。</p>
<p>　歳三にとっては、薫を守ることが第一義であり、この世を守るという根幹的な処まで考えが回っていない。しかし歳三も、薫の訴えに遂に心を動かされるのです。</p>
<p><img src="images/49_17.jpg" alt="歳三" /></p>
<p><br /></p>
<p>　一方、血祭ドウコクは去ったものの、未だ昏倒する丈瑠達の周囲には、ナナシ連中が押し寄せてきます。</p>
<p><br /></p>
<p>　その時、彦馬が参上！ナナシ連中を華麗な槍捌きでなぎ倒していきます！</p>
<p><img src="images/49_18.jpg" alt="彦馬 VS ナナシ連中" /></p>
<p>　殺陣の安定感と、腰の入った重厚感は、さすが時代劇のベテラン。伊吹さんならではの見せ場です。ちょっと短いのが残念。</p>
<p><img src="images/49_19.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>　彦馬の呼び掛けで気が付いた丈瑠は、</p>
<p><br /></p>
<p>「お前達...立てるよな！」</p>
<p><br /></p>
<p>と、一同に声を掛けます。</p>
<p><br /></p>
<p>千明「当然でしょ」</p>
<p>源太「ちょっと休んでただけだ」</p>
<p>ことは「うちも」</p>
<p>茉子「この程度で倒れてたら、この世も人も守れない」</p>
<p>流ノ介「我々全員、この一年でいやと言う程...」</p>
<p>千明「ああ」</p>
<p>ことは「絶対に、外道衆を！」</p>
<p><br /></p>
<p>　それぞれのキャラクター性にあった応じ方が秀逸です。こういったブレのなさが、一年間のシリーズの安定感を支えていた事は、もはや議論の余地のない処でしょう。</p>
<p>　ナナシ連中を鮮やかに片付けた彦馬は、同様にシンケンマルを振るって、周囲のナナシ連中を一掃した丈瑠達の元に駆け寄ってきます。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿！皆も、大丈夫か」</p>
<p><br /></p>
<p>　常に丈瑠だけでなく、若き侍達を見守ってきた彦馬。このような場面でも、しっかりキャラクター性が存続しています。何と理知的な作劇なのでしょうか。</p>
<p>　丈瑠は、</p>
<p><br /></p>
<p>「ああ。すぐにドウコクを追う」</p>
<p><br /></p>
<p>と答え、流ノ介も家臣を代表して、</p>
<p><br /></p>
<p>「大丈夫です」</p>
<p><br /></p>
<p>と答えます。</p>
<p><img src="images/49_20.jpg" alt="彦馬、流ノ介" /></p>
<p>　続いてことはも、</p>
<p><br /></p>
<p>「きっと勝ちます」</p>
<p><br /></p>
<p>と誓いを見せます。千明は、</p>
<p><br /></p>
<p>「ジイさん、全部終わったら、美味いもん食わせてくれよな」</p>
<p><br /></p>
<p>と、彼らしく答えます。彦馬は、</p>
<p><br /></p>
<p>「分かった。お前達の好きなもの、全部用意しておく」</p>
<p><br /></p>
<p>と笑顔で応じ、これから壮絶な決戦に臨む侍達を激励。重鎮が画面を締めるとは、正にこのような局面を言うのでしょう。見事に場面のメリハリがついてしまいました。</p>
<p><img src="images/49_21.jpg" alt="ことは、千明、彦馬" /></p>
<p><img src="images/49_22.jpg" alt="茉子、丈瑠、ことは、千明" /></p>
<p>　茉子は千明の提案と彦馬の言葉を受け、</p>
<p><br /></p>
<p>「楽しみにしてます」</p>
<p><br /></p>
<p>と笑顔を見せます。ここでは、茉子らしいクールな言い草はなく、純粋な気持ちを見ることが出来て、ちょっと可憐なのです。</p>
<p>　源太は、彦馬に傷付いたダイゴヨウを託します。</p>
<p><br /></p>
<p>「こいつ頼む。ダイゴヨウ、帰ったら直してやるからな」</p>
<p>「親分...」</p>
<p><img src="images/49_23.jpg" alt="源太とダイゴヨウ、彦馬" /></p>
<p>　皆が一様に「勝って帰還する事」を宣言していて、悲壮感が完全に払拭されています。これはスーパー戦隊のブランドが持つ、非常に明るい面を如実に反映してきているのではないでしょうか。爽快という二文字がピッタリです。しかし、上滑りしないよう、ある程度の悲壮感は彦馬が担います。搾り出すように丈瑠達の武運を祈る彦馬の、</p>
<p><br /></p>
<p>「どうか...」</p>
<p><br /></p>
<p>という力強い呟きは、スーパー戦隊シリーズにおける最終決戦時に、じっと待っている後見人達の姿に重なります。</p>
<p><img src="images/49_24.jpg" alt="彦馬とダイゴヨウ" /></p>
<p>　異色作たる「シンケンジャー」もまた、やはり正統なスーパー戦隊シリーズなのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　Bパートが開始されると、そこには、我々の予想を超える、素晴らしいシーンが待っていました。</p>
<p><br /></p>
<p>　瓦礫と化した街の中で、丈瑠の到着をひざまずきながら待っていたのは、何と歳三でした。</p>
<p><br /></p>
<p>「これを...姫が渾身のディスク」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠に志葉家のモヂカラのディスクを手渡す歳三。その表情は、正に丈瑠を志葉家当主と認めたものになっています。</p>
<p><img src="images/49_25.jpg" alt="歳三" /></p>
<p>　そして、これだけならまだ歳三の真意をはかりかねる処があるのですが、ダメ押し的な一発が用意されていました。</p>
<p><br /></p>
<p>「それからこれは、不肖、丹波が得意とする、モヂカラ」</p>
<p><br /></p>
<p>　何と、丈瑠に自らの「双」のモヂカラを込めた、秘伝ディスクを手渡すのです。</p>
<p><img src="images/49_26.jpg" alt="双ディスク" /></p>
<p>「御武運を」</p>
<p><br /></p>
<p>と短く激励する歳三の姿には、思わず目頭を熱くさせられます。</p>
<p><img src="images/49_27.jpg" alt="歳三" /></p>
<p>　そう、歳三も含めて、志葉家に関わるあまねく全ての者の意志が一つになった瞬間です。勿論、歳三も志葉家に強固なポリシーを持って仕えるキャラクターですが、あくまで薫中心でした。ここで丈瑠を頂点とした、完璧無比な意志のオブジェクトが形成されたことによって、シンケンジャーは血祭ドウコクに対抗出来得る力を手にしたと考えていいでしょう。</p>
<p>　志葉家のモヂカラディスクを二枚使ったからだとか、奇襲作戦に近しいフォーメーションが奏功したとか、そういったことではなく(もちろん、そういったタクティカルな面があるから説得力も増すのですが)、志葉家に関わる全ての人間が、覚悟を持って渾身の力を注ぐことにより、やっと血祭ドウコクに比肩する力を得たと考えるべきでしょう。それが今回のドラマツルギーであり、前回までに完成した若き侍達の絆の物語に、歳三という最後のピースがはまることで、永代に存続する志葉家の絆の物語が完成したのです。</p>
<p>　歳三に松澤さんという名バイプレイヤーがキャスティングされた意義を、はっきり感じ取れた瞬間でした。</p>
<p><br /></p>
<p>　いよいよ、本当の最終決戦です。</p>
<p><br /></p>
<p>　街を襲う血祭ドウコク達の前に、颯爽と現れる素顔のシンケンジャー達！</p>
<p><img src="images/49_28.jpg" alt="シンケンジャー" /></p>
<p>「手前ぇら、待ってろと言った筈だぜ」</p>
<p><br /></p>
<p>と、未だ余裕の血祭ドウコク。すかさず源太が、</p>
<p><br /></p>
<p>「悪ぃな。俺達はせっかちでよ」</p>
<p><br /></p>
<p>と源太流のジョークで牽制します。この時の低い姿勢をとる源太が反則的なカッコ良さ。丈瑠は実直に、</p>
<p><br /></p>
<p>「その先へは行かせないお前を倒し、必ずこの世を守る！」</p>
<p><br /></p>
<p>と血祭ドウコクへの宣戦布告を果たします。</p>
<p>　そしていよいよ、素面での名乗りを披露！</p>
<p><br /></p>
<p>「シンケンレッド・志葉丈瑠！」</p>
<p><img src="images/49_29.jpg" alt="シンケンレッド・志葉丈瑠" /></p>
<p>「同じくブルー・池波流ノ介！」</p>
<p><img src="images/49_30.jpg" alt="同じくブルー・池波流ノ介" /></p>
<p>「同じくピンク・白石茉子！」</p>
<p><img src="images/49_31.jpg" alt="同じくピンク・白石茉子" /></p>
<p>「同じくグリーン・谷千明！」</p>
<p><img src="images/49_32.jpg" alt="同じくグリーン・谷千明" /></p>
<p>「同じくイエロー・花織ことは！」</p>
<p><img src="images/49_33.jpg" alt="同じくイエロー・花織ことは" /></p>
<p>「同じくゴールド・梅盛源太！」</p>
<p><img src="images/49_34.jpg" alt="同じくゴールド・梅盛源太" /></p>
<p>「天下御免の侍戦隊」</p>
<p><img src="images/49_35.jpg" alt="天下御免の侍戦隊" /></p>
<p>「シンケンジャー、参る！」</p>
<p><img src="images/49_36.jpg" alt="シンケンジャー、参る！" /></p>
<p><br /></p>
<p>　拍手の嵐、真打登場！</p>
<p><br /></p>
<p>　元々、それ程複雑なポーズではないものの、時代劇のタメが要求されるポーズは、実は意外に難しい。キャスト陣は多忙な中スーツアクター諸氏に教示を受けたとのこと。その完成度は、手放しで満点とは言えないまでも、説得力は抜群だったように思います。</p>
<p>　丈瑠はシンケンレッドそのもの、流ノ介はパワーよりもキレを重んじた爽やかなもの、茉子は大和撫子よりもキマり具合の良さを感じさせています。千明もシンケングリーンそのままな感じ、ことははより可憐で可愛らしく決めていました。源太はサカナマルを用い、回転アクションを織り交ぜたおなじみのポーズを、完璧に披露。源太のポーズが最も難易度が高く、よくぞやってくれたと拍手喝采なのです！</p>
<p><br /></p>
<p>　名乗りに続いて、お待ちかね、素面のアクションに突入。ナナシ連中を華麗に切り倒していく面々を、一人一人キメのカットを織り交ぜつつ描きます。皆、ちゃんと腰が入っていて、一年間の成長振りを垣間見ることが出来ます。こういうシーンを見ると、年季の入った戦隊ファンは感動してしまうのです。</p>
<p><br /></p>
<p>「諦めろ！手前ぇらは俺に勝てねぇ！」</p>
<p><img src="images/49_37.jpg" alt="血祭ドウコク" /></p>
<p>　快進撃を見せる侍達に、血祭ドウコクは得意の衝撃波を投げ付けて来ます。が、丈瑠達はその衝撃を巧みにかわし、瞬時に変身を果たします。</p>
<p><img src="images/49_38.jpg" alt="一筆奏上！一貫献上！" /></p>
<p>　素晴らしいテンポ。矢継ぎ早という形容が相応しいです。ここで流れは止まらず。続いて、各々が文字の一部を書き、それが血祭ドウコクに纏わり付いて「縛」のモヂカラを形成。血祭ドウコクの動きを封じます。</p>
<p><img src="images/49_39.jpg" alt="ヽ、十、田" /></p>
<p><img src="images/49_40.jpg" alt="糸、寸" /></p>
<p>　さらには、歳三より託された「双」のディスクで、丈瑠が烈火大斬刀の二刀流！一部のカットはCGによる合成ですが、実際にあの重量級のプロップを二つ携えているカットもあり、凄いの一言です。</p>
<p><img src="images/49_41.jpg" alt="シンケンレッド VS 血祭ドウコク" /></p>
<p>　この二刀流による一撃は、血祭ドウコクの身体を刺し貫くのですが、なおも血祭ドウコクは丈瑠に衝撃波を食らわし、跳ね飛ばします。しかし、ここでも流れは止まりません。丈瑠の一声で、茉子、千明、ことは、源太が一斉に血祭ドウコクに近付き、力任せに切りかかります。</p>
<p><img src="images/49_42.jpg" alt="シンケンジャー VS 血祭ドウコク" /></p>
<p>　最後、志葉家のモヂカラのディスクを使うのは、何と流ノ介！</p>
<p>　これは意外でした。丈瑠を先鋒とし、流ノ介を大将としたのです。先の戦いでは、この逆でしたが、やはり丈瑠はシリーズ当初から、先陣を切るタイプだったわけで、自分の戦闘スタイルに則した戦い方を組み立てたことになります。流ノ介にトリを任せる等、信頼性をも表現されているのが素晴らしいです。</p>
<p>　この流ノ介の一撃は、確実に血祭ドウコクの体内へ、志葉家のモヂカラを注ぎ込むことに成功したのですが...。</p>
<p><img src="images/49_43.jpg" alt="シンケンブルー" /></p>
<p>　血祭ドウコクの底なしの苛立ちから来る叫びは、凄まじい衝撃波となり、丈瑠達はまたも変身解除に追い込まれます。</p>
<p><img src="images/49_44.jpg" alt="またも変身解除" /></p>
<p>　これは、巨大戦を素面で展開する為の措置ですが、素面の名乗りからずっと連続させるのではなく、敢えてスーツアクションを間に挟んだことにより、メリハリを付けています。勿論、スーツアクションのシーンが、非常に激しい水準を要求されていたという事もあります。</p>
<p><br /></p>
<p>　志葉家のモヂカラは徐々に浸透し、遂に血祭ドウコクの一の目撃破と相成ります。</p>
<p><img src="images/49_45.jpg" alt="血祭ドウコク" /></p>
<p><br /></p>
<p>　安堵したのも束の間、血祭ドウコクも、アヤカシ共と同様に二の目を持っており、そのまま巨大戦へと突入していきます。源太の、</p>
<p><br /></p>
<p>「こっからが、本当の力ずくか」</p>
<p><br /></p>
<p>という言葉に、丈瑠も力強く、</p>
<p><br /></p>
<p>「ああ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と答え、インロウマルを使ってサムライハオーを出します。</p>
<p><img src="images/49_46.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　そして、いわゆるコクピットには、素面で乗り込みます。実に絵になる！！</p>
<p><img src="images/49_47.jpg" alt="茉子、千明、源太、丈瑠、流ノ介、ことは" /></p>
<p>「無駄にでけぇナリしやがって！手前ぇらに勝ちはねぇんだ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　西さんのアドリヴじゃなかろうかと思える血祭ドウコクのセリフに続き、凄まじい一撃が放たれ、サムライハオーに大ダメージを与えます。</p>
<p><img src="images/49_48.jpg" alt="血祭ドウコク VS サムライハオー" /></p>
<p>　内部にもダメージが及んでいるのが確認できるのが凄い。それぞれが長丁場の苦闘を覚悟し始め、源太がモヂカラを込めようとすると、</p>
<p><br /></p>
<p>「待て！モヂカラを使うな！」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠が制止します。意外に思う面々でしたが、</p>
<p><br /></p>
<p>「小出しにするな。残ったモヂカラ全部、一撃に集中する！」</p>
<p><br /></p>
<p>という言葉に納得します。</p>
<p><img src="images/49_49.jpg" alt="茉子、千明、源太、丈瑠、流ノ介、ことは" /></p>
<p>千明「一撃？...外れたら終わりか」</p>
<p>丈瑠「だから絶対外さない至近距離まで突っ込む。どんなに攻撃されても、バラバラになっても、たとえ折神一体になっても突っ込む！」</p>
<p>流ノ介「なるほど、分かりました！」</p>
<p>茉子「覚悟は出来てる」</p>
<p><br /></p>
<p>　源太は黙って頷き、千明の、</p>
<p><br /></p>
<p>「行けるって。ジイさん達に飯、約束したしな！」</p>
<p><br /></p>
<p>という言葉に、ことはも頷きます。</p>
<p><br /></p>
<p>「行くぞ！全員モヂカラを集中しろ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　シンケンオーを始めて完成させた時を思わせる、丈瑠の強い号令を受け、サムライハオーは進撃を続けます。</p>
<p>　その間も、血祭ドウコクは攻撃の手を緩めることなく、弩級のサムライハオーを吹っ飛ばす攻撃を連発。次の瞬間、大ダメージを負ったサムライハオーより、牛折神や烏賊折神が離脱、テンクウシンケンオーに。</p>
<p><img src="images/49_50.jpg" alt="テンクウシンケンオー" /></p>
<p>　全合体の妙味を見事に活用した好例！正確にはサムライハオーからテンクウシンケンオーになるには、複雑な合体プロセスを経る必要がありますが、ここは雰囲気だけで充分です。テンクウシンケンオーは、なおも歩みを緩めず、血祭ドウコクに向かって突き進んで行きます。</p>
<p>　内部もかなりのダメージを被っています。</p>
<p><img src="images/49_51.jpg" alt="茉子、千明、源太、丈瑠、流ノ介、ことは" /></p>
<p>　さらなる攻撃を受け、遂に虎折神も離脱、シンケンオーになります。最後の最後で、当初の1号ロボになるという展開には、燃えるものがあります。</p>
<p><br /></p>
<p>「このっ...なんで手前ぇらは諦めるってことを知らねぇ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　少々の焦りを感じ始めた血祭ドウコクに、正に「肉を斬らせて骨を断つ」戦法で近付くシンケンオー。</p>
<p>　ここで丈瑠は突如、</p>
<p><br /></p>
<p>「今のうちに言っておく。お前達と、一緒に戦えて良かった。感謝してる」</p>
<p><br /></p>
<p>と仲間達に最大の謝辞を送ります。</p>
<p><img src="images/49_52.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　丈瑠は死を覚悟したのではなく、勝利への確信があったと思います。きっと、丈瑠がこのタイミングで感謝の気持ちを表したのは、仲間と繰り出す最後の一太刀に、皆で同じ思いを込めたかったからではないでしょうか。</p>
<p><img src="images/49_53.jpg" alt="茉子、千明、源太、丈瑠" /></p>
<p>千明「何だよいきなり。」</p>
<p>流ノ介「殿、私の方こそ」</p>
<p>ことは「うちもです」</p>
<p>茉子「六人一緒だから、戦ってこれたんだし」</p>
<p>源太「タケちゃん。巻き込んでくれてありがとな」</p>
<p><br /></p>
<p>　それぞれの反応は、勿論温かいものでした。双方向の感謝というテーマは、ここでもチラッと振り返られているのでした。千明の、</p>
<p><br /></p>
<p>「よっしゃ！行こうぜ！最後の一発だ！」</p>
<p><br /></p>
<p>の掛け声により、一気に集中力を高める一同。血祭ドウコクの剣がシンケンオーの腹部に刺さりつつも、最後の一太刀を振り下ろします！</p>
<p><img src="images/49_54.jpg" alt="血祭ドウコク VS シンケンオー" /></p>
<p>　別アングルで三度繰り返す、インパクトある演出が素晴らしいです。必殺技の名を叫ぶわけでもなく、ただ一太刀を振り下ろす。「シンケンジャー」ならではの、最高の決め技だったように思います。スーパー戦隊黎明期では、突如最終回用の新必殺技が登場して大ボスを倒したりしてましたからね(笑)。</p>
<p><br /></p>
<p>「シンケンジャー...！俺がいなくなっても、いつか手前ぇらも哭く時が来る！...三途の川の隙間は、開いてるぜ...」</p>
<p><br /></p>
<p>　シンケンオーの兜を掴み、呪いの言葉を吐く血祭ドウコク。そう、三途の川自体が無くなることはないのです。</p>
<p><img src="images/49_55.jpg" alt="血祭ドウコク VS シンケンオー" /></p>
<p>　遂に、最強の巨敵、血祭ドウコクを打ち破りました！</p>
<p><img src="images/49_56.jpg" alt="大爆発！" /></p>
<p>　血祭ドウコクが敗れたことにより、その底なしの苛立ちによって溢れかえっていた三途の川も、一気に引いて行きます。六門船も急激にスキマへと吸い込まれて行き、中に居た骨のシタリにも被害が及びます。</p>
<p><br /></p>
<p>「ドウコク、太夫...悪いがアタシゃ生きるよ！...三途の川だって、泥ん中だって、生きることがアタシの、外道さねぇぇぇっ！」</p>
<p><img src="images/49_57.jpg" alt="骨のシタリ" /></p>
<p>　骨のシタリは、六門船と共に三途の川に沈んで行きました。即ち、生死不明となったわけです。骨のシタリの「生きること」への執着は、それとなく匂わされていましたが、この土壇場ではっきりと述べられることになりました。骨のシタリは、人の世に乗り出す事よりも、三途の川の水が枯れないよう、コンスタントに人の苦しみを得て、穏便に暮らしたかっただけなのかも知れません。その執着は、果たして死によって潰えたのでしょうか。それはまだ、分かりません。</p>
<p>　なお、敵の本拠は最終回において盛大に破壊されることになっていますが、六門船は破壊されていません。ただ、骨のシタリが三途の川の水の奔流に飲み込まれるシーンに、カタルシスを感じることが出来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>　辛く苦しい戦いが終わり...。</p>
<p><br /></p>
<p>　侍達を出迎える彦馬。</p>
<p><img src="images/49_58.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>　約束通り、彦馬の元に若き侍達は帰ってきました。</p>
<p><img src="images/49_59.jpg" alt="千明" /></p>
<p><img src="images/49_60.jpg" alt="茉子" /></p>
<p><img src="images/49_61.jpg" alt="ことは" /></p>
<p><img src="images/49_62.jpg" alt="源太" /></p>
<p><img src="images/49_63.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p><img src="images/49_64.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　抱き合って勝利の喜びを分かち合うシーンは、正に感涙必至です。</p>
<p><img src="images/49_65.jpg" alt="侍達" /></p>
<p>　公式サイトによれば、このシーンが彦馬役・伊吹さんのラストカットだったそうで。長丁場での若い俳優達の奮闘振りを、称えているかのようでした。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここから数日のときを経て、いよいよ別れの時がやって来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>「丈瑠、志葉家を頼む。ドウコクを倒したとは言え、三途の川がある以上、志葉の当主は必要」</p>
<p>「姫は、この丹波がしっかりと育てます故、十九代は頼みますぞ。ご当主」</p>
<p><img src="images/49_66.jpg" alt="歳三" /></p>
<p>「ああ」</p>
<p><img src="images/49_67.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p><img src="images/49_68.jpg" alt="薫" /></p>
<p>　志葉家の本流は丈瑠が担うものの、薫は薫で分家としての仕事が待っています。勿論、薫も外道衆が現れた時には戦いに身を投じるでしょう。歳三も、しばらくは薫の事だけ心配していれば良い生活に戻ることになります。</p>
<p>　薫付きの黒子と丈瑠付きの黒子が別れを惜しんでいる姿も見られて、微笑ましいです。</p>
<p><img src="images/49_69.jpg" alt="別れ" /></p>
<p>　そして、歳三は、早くも薫の世話を焼き始めます。</p>
<p><br /></p>
<p>「姫、お見合いでもと考えておるのですが、ちょっと顔は長いんですがな...」</p>
<p><br /></p>
<p>　ハリセンで一発！</p>
<p><img src="images/49_70.jpg" alt="薫と歳三" /></p>
<p>「気が早い」</p>
<p><br /></p>
<p>　薫と歳三の関係は、相変わらずのようです。薫の和装が、非常に良く似合っていて、いいですねぇ。とても中学生だとは思えない色気があります。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、辛く長い戦いを共に駆け抜けてきた仲間達とも、しばしの別れの時が訪れます。しかし、それぞれが侍でなくなるわけではないので、あくまで一時的な別れという感じになっているのが爽やかです。何となく、部活を卒業していくような...そんな爽やかさがあります。</p>
<p><br /></p>
<p>　茉子は、ハワイで両親としばらく暮らし、また戻ってくる予定。改めて、母親との絆を醸成する事が、戦いを終えた茉子にとって必要なことなのかも知れません。</p>
<p>　千明は、大学受験のしなおし。振り返れば、千明は卒業式に出席出来ないまま、戦いに身を投じることになったのでした。いわば浪人生になったわけですが、戦いの中で著しく成長した千明の事ですから、きっと成功するでしょう。流ノ介の公演の招待状なんか要らないと毒づくあたりは、やっぱり千明ですが。</p>
<p>　ことはは、姉の待つ京都に帰ります。何事にも不器用だったことはもまた、著しい成長を果たし、誰の代わりでもないシンケンイエローとなりました。故郷での本業でも、きっと辣腕を振るうことでしょう。流ノ介の京都公演があれば、姉と一緒に見に行くという約束も、ことはらしい可愛らしいものでした。</p>
<p>　源太は、さらなる飛躍を目指して、何とパリで屋台を曳く事を決心していました。</p>
<p><img src="images/49_71.jpg" alt="千明、流ノ介、ことは、源太、茉子、ダイゴヨウ" /></p>
<p>　しかし、シェフ帽に付けた模様は、イタリアの国旗の色に...。相変わらず本業については詰めの甘い源太ですが、持ち前のガッツと努力家の一面を以ってすれば、パリジャン、パリジェンヌの舌を満足させられることでしょう。最後の最後に笑いを忘れないところも眩しいです。</p>
<p><br /></p>
<p>　そして、流ノ介は本業の歌舞伎の世界に戻って行きます。一度は、侍としての本文を全うする為に捨てた世界。しかし、晴れて流ノ介は歌舞伎の世界へと還って行くのです。戦いの中での精神の研鑽を経て、流ノ介の舞にも磨きがかかっている筈。</p>
<p><br /></p>
<p>「お別れの舞をひとさし...」</p>
<p><br /></p>
<p>と舞を献上する流ノ介の姿には、今度は歌舞伎の世界に全力を尽くす覚悟が見えます。</p>
<p><img src="images/49_72.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p>　流ノ介が舞う中、丈瑠と別れの挨拶。それぞれ、涙ぐんだり、爽やかな笑顔を浮かべていたりと、印象的な表情を浮かべています。</p>
<p><img src="images/49_73.jpg" alt="茉子" /></p>
<p><img src="images/49_74.jpg" alt="千明" /></p>
<p><img src="images/49_75.jpg" alt="ことは" /></p>
<p><img src="images/49_76.jpg" alt="源太" /></p>
<p><img src="images/49_77.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p><br /></p>
<p>「タケちゃん、おフランスの土産、楽しみにしてろよ」</p>
<p><img src="images/49_78.jpg" alt="源太" /></p>
<p><br /></p>
<p>「殿様、ホンマに、ホンマに有難うございました」</p>
<p><img src="images/49_79.jpg" alt="ことは" /></p>
<p><br /></p>
<p>「ま、追い越すのは、次に会った時だ。忘れんなよ」</p>
<p><img src="images/49_80.jpg" alt="千明" /></p>
<p><br /></p>
<p>「外道衆が現れたら、いつでも飛んで来るし。あ、でも人見知りは直した方がいいかも」</p>
<p><img src="images/49_81.jpg" alt="茉子" /></p>
<p><br /></p>
<p>　流ノ介は、舞い終わると黙って一礼して去って行きます。</p>
<p><img src="images/49_82.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p><br /></p>
<p>　去り際は後を引かず。侍達の心意気でした。しかし、彼等が去った後は、間が妙に広々と...。</p>
<p><br /></p>
<p>「行ってしまいましたな。...ここがこんなに広いとは」</p>
<p><br /></p>
<p>と彦馬。</p>
<p><img src="images/49_83.jpg" alt="丈瑠と彦馬" /></p>
<p>「何だ。ジイも孫の処に行くんじゃないのか？」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は少々の寂しさに浸りつつも、悟られまいと、こんな強がりを見せます。</p>
<p><br /></p>
<p>「何の。孫にはいつでも。それよりジイはこれから、殿に侍以外の生活も体験して頂こうと思いまして。まずはカルチャー教室などいかがで。パンフレットもこの通り。料理、英会話、カラオケ。お、ちなみにジイは、これを。どうです？殿も」</p>
<p><br /></p>
<p>　ギターを手に取り、丈瑠に勧める彦馬。エンディングで披露していた彦馬のギターが、ここに登場するとは！</p>
<p><img src="images/49_84.jpg" alt="彦馬と丈瑠" /></p>
<p>「いい。一人でやってろ」</p>
<p>「試しに持ってみるだけでも。ほら、殿！」</p>
<p><br /></p>
<p>　彦馬と丈瑠もまた、薫と歳三のように、当初の関係に戻って行ったのでした。</p>
<p><img src="images/49_85.jpg" alt="丈瑠と彦馬" /></p>
<p><br /></p>
<p><br /></p>
<p>　侍戦隊シンケンジャー、これにて、一件落着！</p>
<p><br /></p>
<p><br /></p>
<p>　次は、天装戦隊ゴセイジャー！</p>
<p><img src="images/49_86.jpg" alt="ゴセイジャーにバトンタッチ" /></p>
<p><br /></p>
<p><br /></p>
<p>　さて、「シンケンジャー」、皆様はどのような感想をお持ちになったでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>　私は、近来稀に見る大傑作シリーズだったと思います。現代の侍というモチーフを用い、シリアスな展開で惹き付けられる画面作り、魅力的なキャスト、理知的なシリーズ構成。どれをとっても異色作という呼称を超えた、正にスーパー戦隊シリーズ、ひいては特撮TVドラマにおける傑作たりえたと評価出来るのではないでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>　今シリーズのブログは、百科事典的なサイトから脱却する意味も込めて、かなりまったりと運営していこうと考えた上でのスタートだったのですが、いざ蓋を開けてみると「適当に書き連ねる」事が出来なくなるようなパワーが作品に溢れており、文字通り「真剣」に向き合わざるを得なくなりました。</p>
<p>　そんなこんなで、毎回結構なボリュームになってしまいましたが、それだけ「シンケンジャー」は面白かったということです。はっきり言って、粗探しなどする余裕もありませんでした。完全に「シンケンジャー」の熱に当てられてしまったのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　本ブログの記事を書くにあたっては、録画が不可欠だったのですが、今シリーズは一度もアクシデントがなかったという、運に恵まれました。毎年、何らかの障害があるのですが、これ程障害がなかったシリーズは、「シンケンジャー」が初めてです。何となく、運命めいたものを感じましたね。</p>
<p>　プライベートで時間がなくなったりといった局面はあったものの、モチベーションも衰えることなく、一年間続けて来れたのは、温かいコメントやメッセージを下さった皆様のおかげだと思っています。コメントにレスを付けなくて申し訳ございませんが、この場を借りてお礼申し上げます。</p>
<p><br /></p>
<p>　なお、数年前から百科事典的なサイトを、ごく最近は「見たか？」シリーズを sirmiles.com で展開してきましたが、「シンケンジャー」で完全に燃え尽きてしまったので、「ゴセイジャー」は「<a href="http://sirmiles.blog117.fc2.com/" title="SirMilesのマニアックな日々">SirMilesのマニアックな日々</a>」の方の1カテゴリとして、今度こそ本当にまったりと適当に書き連ねるつもりです。</p>
<p><br /></p>
<p>　一年間、駄文にお付き合い頂いて、ありがとうございました。</p>
<p>　今後とも、SirMilesを宜しくお願いいたします。</p>
<p><br /></p>
<p><br /></p>
<p>　最後に、お知らせ。</p>
<p><br /></p>
<p>　「<a href="http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B00371AN7O/sirmilescentr-22" title="帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕">帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕</a>」が、2010年6月21日発売予定です！</p>
<p><br /></p>
<p>　VSシリーズではない、単独OVは異例中の異例！まだまだ「シンケンジャー」は続きます！</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>第四十八幕「最後大決戦」</title>
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    <published>2010-02-03T15:23:01Z</published>
    <updated>2010-02-03T15:24:59Z</updated>

    <summary>　遂に、最終回の1話前となりました。 　薄皮太夫の最期、薫による封印の文字の使用...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
        <uri>http://www.sirmiles.com/</uri>
    </author>
    
        <category term="感想" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="ストーリー" label="ストーリー" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.sirmiles.com/shinkengers/">
        <![CDATA[<p>　遂に、最終回の1話前となりました。</p>
<p><br /></p>
<p>　薄皮太夫の最期、薫による封印の文字の使用、十九代目当主誕生...。とにかく怒濤の展開ですが、悲壮感はあまりなく、ユーモラスな要素も交えつつ、爽やかにまとめられているのが凄いところ。</p>
<p><br /></p>
<p>　とにかく、早いとこ本編の方に移ります。詳しくは、全て本編紹介の中で！</p>]]>
        <![CDATA[<p>　今回のアバンタイトルは、前回のあらすじのみで、ごく短くまとめられており、かえって期待を煽るものになっています。「前回はこんな感じ。さて、今回は？」といったところで主題歌が「キラ～ン」と入るあたり、タイミングも絶妙です。</p>
<p><br /></p>
<p>　サブタイトルも荘厳に処理され、前回ラスト、血祭ドウコク復活の続きから物語が始まります。傍らには、茉子の太刀をまともに受けて傷ついた薄皮太夫が居ます。</p>
<p><br /></p>
<p>「手前ぇが三味線を手放すとはな。最後の音色、聴いたぜ」</p>
<p>「...そうか」</p>
<p>「だが、昔みてぇな腹に染みる音じゃなかった。ちっとも響いて来ねぇ」</p>
<p>「あれが、本当の三味だよ、ドウコク。わちきは、初めて上手く弾けた。これほど気が晴れたのは、数百年振りだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　薄皮太夫を抱き寄せる血祭ドウコク。</p>
<p><img src="images/48_01.jpg" alt="血祭ドウコクと薄皮太夫" /></p>
<p>　やはり、血祭ドウコクは薄皮太夫にある種の愛情を抱いていたのか...？と思ったのも束の間。</p>
<p><br /></p>
<p>「もう俺が欲しかった手前ぇじゃねぇな」</p>
<p>「昔のようには弾けん。二度とな...」</p>
<p>「だったら、終わるか」</p>
<p>「あぁ、それもいいな」</p>
<p><br /></p>
<p>　何と、自分の執着していた薄皮太夫の物悲しい三味線を、二度と聴けないと知った血祭ドウコクは、何の躊躇もなく「終わるか」と告げるのです。外道衆とは正にこういう者。血祭ドウコクにとって薄皮太夫の存在意義は、新左への執着心がまとわりついた三味線の音色にあり、薄皮太夫本人にあるわけではないのでした。外道衆に愛情といったものはなく、そこにあるのは、何かへの執着のみです。</p>
<p>　ある意味、この血祭ドウコクの描写はカッコいいと思えます。敵の大将が最高に悪くてカッコいいが故に、ヒーローのカッコ良さも引き立つ。これは昔から変わらない図式に他なりません。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方の薄皮太夫。「初めて上手く弾けた」というセリフは、実に興味深い処です。</p>
<p>　三味線を「初めて上手く弾けた」のに、その音色は血祭ドウコクにはちっとも響いて来ない。この関係性に着目すると、面白いことに気付きます。前回「人であることを捨てた」ことにより、真の外道となった薄皮太夫。しかし、同時に執着心も捨ててしまったことにより、外道衆としてのアイデンティティをも失ってしまいました。つまり、薄皮太夫は真の外道となって気が晴れたにも関わらず、気が晴れたことによって数百年振りに人間・薄雪であった頃を取り戻してしまったわけです。</p>
<p>　だから、後で薄皮太夫が血祭ドウコクに取り込まれた時、「半分人間の身体」として機能したのだと考えられます。</p>
<p>　しかしながら、単に物語の進むままに身を任せても納得出来る構成です。逆にこのような深読みをして楽しむことも出来るわけで、非常に懐が深いと言えるでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>「お行き...」</p>
<p><br /></p>
<p>と呟き、ススコダマを放する薄皮太夫。茉子は思わず、</p>
<p><br /></p>
<p>「駄目...やめて！」</p>
<p><br /></p>
<p>と肩をすくませます。</p>
<p><img src="images/48_02.jpg" alt="シンケンピンク" /></p>
<p>　一度は薄皮太夫の心を知った茉子。たとえ容赦なく斬ると宣言したにしろ、未練と執着を断ち切るべく自ら斬られに行った薄皮太夫に、茉子は薄雪を見た筈です。そんな薄皮太夫が、無抵抗のまま血祭ドウコクの手にかかるのを、平然と見ていられるわけがありません。</p>
<p><br /></p>
<p>「じゃあな、太夫」</p>
<p><br /></p>
<p>　蜂須賀さんと朴さんの見事な演技のコラボレーションにより、恍惚としているようにも見える薄皮太夫は、そのまま消えて血祭ドウコクと一体になり、薄雪の着物だけが残ります。</p>
<p><img src="images/48_03.jpg" alt="血祭ドウコク" /></p>
<p>　外道衆ながら、実に美しいイメージでまとめられているのが印象的。「薄雪の着物」という処が、薄皮太夫の最期の在り方を現しており、前述の深読みが強ち的外れではないことを伺わせます。</p>
<p>　薄皮太夫を吸収することにより、血祭ドウコクが水切れによって負ったダメージが、跡形もなく消えてしまいます。水切れが完全に解消されていなかったのは何故だろうかと思っていましたが、薄皮太夫の吸収を印象付ける意味があったわけです。非常に分かりやすい演出だと言えるでしょう。</p>
<p>　血祭ドウコクは、完全復活の雄叫びを上げます。その叫びに気付く丈瑠。</p>
<p><img src="images/48_04.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　いよいよ丈瑠も、血祭ドウコクの待つ戦場へと誘われて行きます。</p>
<p><br /></p>
<p>　自分を騙していた志葉の当主は何処だと息巻く、血祭ドウコク。その声を受けて、薫が姿を現します。いよいよ決戦の時。そんな盛り上がりが尋常ではありません。実際、この決戦は作劇上、空振りに終わるのですが、第一のクライマックスといった感じの、凄まじい迫力が圧巻です。</p>
<p><br /></p>
<p>　薫は、いよいよ封印の文字を使うと宣言します。封印の文字を使うのには、かなりの時間がかかるらしく、完成までのフォローを流ノ介達に依頼します。姫という身分にあるといえども、さり気なく家臣達に敬意を払う薫が素敵です。その敬意は、流ノ介にインロウマルを、千明に恐竜ディスクを託すという行動に現れています。</p>
<p>　流ノ介と千明は、薫の心意気を真摯に受け止め、すぐさまスーパーシンケンブルーとハイパーシンケングリーンに変身。茉子、ことは、源太と共に、薫が封印の文字を完成させるまでの、身を賭した時間稼ぎへと突入します。なお、千明がハイパーシンケングリーンになれたという事は、恐竜ディスクの使用に際して志葉烈堂の血族である必要がない事の証左となり、丈瑠が恐竜ディスクを使えた事に対する、一つのエクスキューズになっています。</p>
<p><img src="images/48_05.jpg" alt="スーパーシンケンブルーとハイパーシンケングリーン" /></p>
<p>　5人は、とにかく血祭ドウコクの足止めを狙うのですが、血祭ドウコクの力が凄まじいものであることは、既に証明済です。</p>
<p><img src="images/48_06.jpg" alt="シンケンジャー VS 血祭ドウコク" /></p>
<p>　今回は、せせら笑いつつ、空中を自在に舞ってシンケンジャー達を痛めつけていきます。血祭ドウコクが、初回から登場していて、姿形が変わらずとも最強の敵である事が揺るがないというのは、近年のシリーズでは非常に珍しいのですが、折に触れてその強大な力を描き、常に強力な足枷を嵌められていたことにより、全くそのキャラクター性がスポイルされることなく保たれました。これは、緻密に計算された理知的なシリーズ構成の成せる業ですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　薫は、懸命にモヂカラを込め、封印の文字を一画ずつゆっくりと書いていきます。一筆毎に炎のエフェクトが入るあたりが熱いです。</p>
<p><br /></p>
<p>「絶対、成功させる！この日の為にこそ...父上！」</p>
<p><img src="images/48_07.jpg" alt="シンケンレッド" /></p>
<p><img src="images/48_08.jpg" alt="シンケンレッド" /></p>
<p>　この大きな門構えが、複雑な封印の文字の完成形を想像させてくれて、ワクワクします。いわゆるタイムリミットのスリルに近い感覚も盛り込まれており、物語前半から非常に高いテンションで飛ばしまくっている感じです。</p>
<p><br /></p>
<p>　その間にも、血祭ドウコクは流ノ介達を痛めつけています。</p>
<p><img src="images/48_09.jpg" alt="シンケンジャー VS 血祭ドウコク" /></p>
<p>　太刀の一閃でシンケンジャー達を吹き飛ばす迫力は、巨大な爆破によってさらに高められています。今回のナパームの規模は凄まじいものがあります。</p>
<p><br /></p>
<p>　そして、血祭ドウコクが迫り来る中、薫は遂に封印の文字を完成させます。</p>
<p><img src="images/48_10.jpg" alt="封印の文字" /></p>
<p>　門構えに、「悪」の変体、その下に「炎」の文字をあしらった、非常に表意的な文字。一見して威圧的な感じで、どことなく呪術的な感覚も漂っており、既存の文字にしなかった効果は非常に高いです。</p>
<p><br /></p>
<p>「外道封印！」</p>
<p><br /></p>
<p>の掛け声と同時に、血祭ドウコクの衝撃波も放たれますが、封印の文字はそれを跳ね返し、そのまま血祭ドウコクに炸裂、血祭ドウコクは吹き飛ばされます。岩に打ち付けられた血祭ドウコクは大爆発！</p>
<p><img src="images/48_11.jpg" alt="シンケンレッド" /></p>
<p>　この爆発も凄い規模。いかにも「倒した！」という感じが秀逸です。</p>
<p><img src="images/48_12.jpg" alt="シンケンレッドと丈瑠" /></p>
<p>　疲労困憊して膝をつく薫。駆けつけた丈瑠がそれを遠くから見守ります。</p>
<p><br /></p>
<p>　しかし、血祭ドウコクは封印されていなかったのです。</p>
<p><img src="images/48_13.jpg" alt="丈瑠と血祭ドウコク" /></p>
<p>　直前のキャプ画と見比べると、巧く対比構図になっていて、丈瑠が傍観する中、薫がみるみる不利な状況に追い込まれていく様子が、ありありと描出されています。また、血祭ドウコクの身体の一部が、薄皮太夫のものと思しきディテールに変化しています。</p>
<p><br /></p>
<p>「太夫、手前ぇの身体、役に立ったぜ」</p>
<p><br /></p>
<p>　血祭ドウコクがまず、こう言ってきっかけを作ります。何のきっかけか。それは、血祭ドウコクがいかにして封印を逃れたかという説明です。続いて、茉子が、</p>
<p><br /></p>
<p>「もしかして、はぐれ外道の薄皮太夫を、取り込んだから...」</p>
<p><br /></p>
<p>との見解を示しますが、これは流れを壊さないよう、完全に的を射ています。洞察力に優れた茉子に言わせるところがミソです。ここで更に視聴者向けに補完したのは、骨のシタリで、</p>
<p><br /></p>
<p>「良かった...太夫のおかげだねぇ。半分人間の体が封印の文字から守ったんだ！」</p>
<p><br /></p>
<p>という説明を付け加えています。</p>
<p><br /></p>
<p>　動揺するシンケンジャーにゆっくりと歩み寄る血祭ドウコクは、一撃でシンケンジャーを一掃！</p>
<p><img src="images/48_14.jpg" alt="シンケンジャー" /></p>
<p>　更に薫に狙いをつけ、凄まじい衝撃波を飛ばします。高台から落下する薫！</p>
<p><img src="images/48_15.jpg" alt="シンケンレッド" /></p>
<p>　正に絶望的展開...の筈ですが、何故かそこまで危機感を感じない。それは、やはり丈瑠の存在が大きいのかも知れません。丈瑠はすぐさま薫の元に駆けつけ、煙の文字で煙幕を張り、一同を引かせます。</p>
<p><img src="images/48_16.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　殿という存在を退いた丈瑠が、的確なフォローをしている、秀逸なシーンです。</p>
<p><br /></p>
<p>「ちっ、トドメはお預けか」</p>
<p><br /></p>
<p>　煙幕に目眩ましを食った血祭ドウコクは、薄雪の着物を拾って六門船に帰っていくのでした。</p>
<p><img src="images/48_17.jpg" alt="薄皮太夫の内掛" /></p>
<p>　それとなく薄皮太夫に対する思念が残存しているということに加え、いつでも志葉家を根絶やしに出来るという余裕を見せる血祭ドウコクの姿は、恐ろしくもあり、やや物悲しくもあります。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、志葉家の屋敷に戻ってきたシンケンジャー達...。</p>
<p><br /></p>
<p>　薫は重傷を負いましたが、命に別状はないとのこと。血祭ドウコクが封印の文字のダメージを負っており、それ故に、薫に致命傷を与えるだけの力を発揮出来なかったとも推察出来ます。</p>
<p>　眠っている薫に付き添う歳三は、先代からの策が完全に失敗したと嘆きます。が、それは薫の失敗を嘆いているわけではなく、あくまで薫を慮った上での発言です。薫はここで目を覚まし、「影」と二人で話がしたいと言い始めます。</p>
<p><img src="images/48_18.jpg" alt="薫" /></p>
<p>　この時、薫はとんでもないことを密かに考えていたわけです。</p>
<p><br /></p>
<p>　さてその頃、流ノ介達は、血祭ドウコクに封印の文字が効かないことを受け、様々な対策案を考えていた...のではなく、殆ど呆気に取られている様子で感想を述べ合っています。今回が、未曾有の危機であるにも関わらず、どことなく楽観的で爽快な雰囲気なのは、こういった場面の効果なのかも知れません。</p>
<p><img src="images/48_19.jpg" alt="茉子と源太" /></p>
<p>源太「参ったな。封印の文字まで効かねぇとは」</p>
<p>茉子「本当だったら、効く筈だったんだよ。でも、薄皮太夫が」</p>
<p>流ノ介「ドウコクの奴、命拾いを...もう一歩早ければ」</p>
<p>千明「どうすれば、どうやって、ドウコクを...」</p>
<p><br /></p>
<p>　各々の感想はこんな感じ。しかし、ことはだけは薫自身の事を心配しています。</p>
<p><br /></p>
<p>「お姫様、辛いやろな。お父さんから受け継いで、一生懸命稽古してきはったのに」</p>
<p><br /></p>
<p>　薫と最も年近く、同じ女性であることは。そこには、侍一筋を覚悟した者のみが感じ得るシンパシィもあるでしょう。このことはの言葉を聞き、他の一同もハッとするのでした。こうした静かな「気付き」も、ごく自然に演出されています。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、薫の元に丈瑠が招かれます。ここでも丹波歳三、大活躍(笑)。</p>
<p><br /></p>
<p>「影の分際で、姫に直々に話など。本来なら...」</p>
<p><br /></p>
<p>と早速丈瑠を牽制しまくります。いわゆる「イヤなヤツ」として登場したキャラクターですが、ここまで来ると、既にコミカル以外の何物でも無くなってきている為、逆に「憎めないキャラ」になってしまっています。「シンケンジャー」にはステレオタイプな憎まれ役を置かないという事が、申し合わせ事項にあったのかも知れませんね。</p>
<p>　当然、薫は、</p>
<p><br /></p>
<p>「丹波！早く出てけ。二人だけで話がしたい」</p>
<p><br /></p>
<p>と歳三を叱ります。</p>
<p><br /></p>
<p>「いや、しかしそれは...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、なおも食い下がる歳三。今度は彦馬が動き、</p>
<p><br /></p>
<p>「丹波様。姫のお言いつけでございますぞ。ささ...」</p>
<p><br /></p>
<p>と歳三の退室を促します。これにはさすがの歳三も引き下がりますが、</p>
<p><br /></p>
<p>「無礼があってはならんぞ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と最後まで一言付け加えるのが実に可笑しいところです。</p>
<p><img src="images/48_20.jpg" alt="彦馬、歳三、丈瑠、薫" /></p>
<p>　更には、丈瑠が室内へと進むと、</p>
<p><br /></p>
<p>「ああ！それ以上近づいてもならん！良いなぁぁっ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と釘を刺すのでした。</p>
<p>　そして、ダメ押しの一発。</p>
<p><br /></p>
<p>「丹波...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、薫が静かに言い放つと、麩が開き、麩の向こうで耳を澄ましていた丹波が倒れてくるという、コントのようなギャグで締められます。文章にすると長いですが、この一連のシーンのテンポは軽快なので厭味は全くありません。</p>
<p>　ようやくまともに話が出来るようになった所で、静かに薫の方から話し始めます。</p>
<p><img src="images/48_21.jpg" alt="丈瑠と薫" /></p>
<p>「許せ。丹波は、私の事しか頭に無いのだ」</p>
<p>「当然ですよ」</p>
<p>「ずっと、自分の影がどういう人間なのかと思っていた。私より時代錯誤ではないな。私は、丹波の所為でこの通りだ」</p>
<p>「...」</p>
<p><br /></p>
<p>　時代錯誤。シリーズ当初では、丈瑠も少しだけこの言葉を感じさせていました。彦馬や流ノ介あたりが、もっとコミカルに強調していましたが、現代にある侍の姿は、シリーズを経る過程で違和感を払拭し、独特の世界観を築いてきたのです。それ故に、薫の登場に際しても、時代錯誤な感はあまり感じられませんでした。逆に薫が自覚していた事が明かされるとハッとしてしまいます。</p>
<p><br /></p>
<p>「でも、逢わなくても、一つだけ分かっていた。きっと、私と同じように一人ぼっちだろうと。いくら丹波や日下部が居てくれてもな。自分を偽れば、人は一人になるしか無い」</p>
<p>「はい。ただ...」</p>
<p>「ただ？」</p>
<p>「それでも、一緒に居てくれる者が居ます」</p>
<p><img src="images/48_22.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>「あの侍達だろう。私もここへ来て分かった。自分だけで志葉家を守り、封印までなど、間違いだった。一人では駄目だ」</p>
<p><img src="images/48_23.jpg" alt="薫" /></p>
<p>「俺も、やっとそう思えるように」</p>
<p><br /></p>
<p>　仲間の笑顔が丈瑠の脳裏に浮かびます。</p>
<p>　孤独か否か。ある意味、血祭ドウコクは孤独です。彼の底抜けな苛立は、誰にも理解されることはありません。孤独な敵を打ち破るのは、仲間との絆を実感として持っている者のみといったテーマ性を感じます。</p>
<p><br /></p>
<p>「丈瑠、考えがある」</p>
<p><br /></p>
<p>　薫はいよいよ、秘めた奇策を丈瑠に示すのです。</p>
<p>　ここで薫は、初めて丈瑠を「影」ではなく「丈瑠」と呼びます。「影」と呼び続けたのは、この瞬間のインパクトを確保する為だったのだと、溜飲が下がりました。この瞬間、薫は丈瑠を自分の影武者という存在ではなく、自らと同格の真の侍だと認めたのでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、六門船は激しく揺れていました。三途の川が溢れ始める予兆です。骨のシタリはその喜びを隠すことなくはしゃいでいます。骨のシタリの様子とは裏腹に、血祭ドウコクは、静かに薄雪の着物を三途の川に投げ入れるのでした。</p>
<p><img src="images/48_24.jpg" alt="骨のシタリと血祭ドウコク" /></p>
<p>「何て言うんだろうね。外道衆のアタシ達に念仏もないだろうし。ドウコク、お前さんも、因果だねぇ」</p>
<p><br /></p>
<p>　実に気の利いたセリフではありませんか。骨のシタリ役のチョーさんのお芝居も格別です。念仏とか因果とか、仏教に関わるタームが少しばかり織り交ぜられて、いい雰囲気が醸し出されています。</p>
<p><br /></p>
<p>「...行くぜ」</p>
<p><br /></p>
<p>　静かに言い放つ血祭ドウコク。薄皮太夫への、少しばかりの思慕があったと見るか、それとも、因果という言葉に思うところがあったか。微妙な空気が、場を支配しています。この静けさが、逆に後の壮絶な戦いを想像させるのです。西さんの抑え気味の声が、迫力をアップさせてくれます。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、一同が厳しい表情で見守る中、薫は次なる戦いに際して、侍達に自らの考えと覚悟を知らしめるべく、姿を現しました。</p>
<p><img src="images/48_25.jpg" alt="源太、ことは、流ノ介" /></p>
<p><img src="images/48_26.jpg" alt="彦馬、千明、茉子" /></p>
<p><img src="images/48_27.jpg" alt="薫" /></p>
<p>「戦いを前に、伝えることがある。封印の文字が効かない以上、私は、当主の座から離れようと思う」</p>
<p><br /></p>
<p>　薫の言葉、一同を驚かせるに十分でした。一番驚いて大騒ぎし始めたのは、やはり歳三です。</p>
<p><br /></p>
<p>「しかし、シンケンレッド抜きにしては、戦いが...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、薫に反論するのですが、薫は自信を持って言い放ちます。</p>
<p><br /></p>
<p>「シンケンレッドは居る。丈瑠！」</p>
<p><br /></p>
<p>　薫に呼ばれ、現れた丈瑠。静かに仲間達の傍を歩き抜け、いきなり高座に座します。</p>
<p><img src="images/48_28.jpg" alt="高座に座る丈瑠" /></p>
<p>　丈瑠の行動に過敏に反応し、引きずり降ろそうとする歳三。そこに現れた一人の黒子が、志葉家当主の系譜を示します。</p>
<p><img src="images/48_29.jpg" alt="志葉家当主の系譜" /></p>
<p>　さて、この系譜をわざわざテキストに起こしてみましょう。</p>
<p><br /></p>
<p>初代・志葉烈堂</p>
<p>二代目・烈心</p>
<p>三代目・伊織</p>
<p>四代目・朔哉</p>
<p>五代目・行康</p>
<p>六代目・越成</p>
<p>七代目・篤秀</p>
<p>八代目・勝之進</p>
<p>九代目・明継</p>
<p>十代目・有継</p>
<p>十一代目・有重</p>
<p>十二代目・守信</p>
<p>十三代目・誠輔</p>
<p>十四代目・晶</p>
<p>十五代目・幸一郎</p>
<p>十六代目・陽次郎</p>
<p>十七代目・雅貴</p>
<p>十八代目・薫</p>
<p>そして、十九代目・丈瑠</p>
<p><br /></p>
<p>「私の養子にした」</p>
<p><br /></p>
<p>　薫のあっと驚く奇策に、驚く一同。</p>
<p><br /></p>
<p>「お母さんにならはったんですか？」</p>
<p><br /></p>
<p>という素直なことはが可愛らしい。</p>
<p><br /></p>
<p>「そうだ」</p>
<p><br /></p>
<p>という薫の真剣な表情に対し、バツの悪そうな丈瑠の表情がコミカル。</p>
<p><img src="images/48_30.jpg" alt="薫と丈瑠" /></p>
<p>　すぐに真面目な表情に戻るあたりも、さらにコミカルです。</p>
<p><img src="images/48_31.jpg" alt="薫と丈瑠" /></p>
<p>「封印の文字は使えなくても、丈瑠のモヂカラは戦うには充分。跡継ぎがなければ養子を迎えるのは昔からあることだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　薫の論に、歳三は、</p>
<p><br /></p>
<p>「メチャクチャでございます！大切なのは、志葉のチ・ス・ジ！...大体、この者の方が年上ではございませぬか！」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠を再び引きずり降ろそうとします。ここで薫、</p>
<p><br /></p>
<p>「無礼者！年上であろうと、血が繋がってなかろうと、丈瑠は私の息子、志葉家十九代目当主である。頭が高い！一同ひかえろ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と鶴の一声。「ははぁーーーっ！」と大げさにひれ伏す一同が清々しい！</p>
<p><img src="images/48_32.jpg" alt="頭が高い！" /></p>
<p>　ここで千明が、丈瑠の前で初めて正座をしているのに注目。この瞬間の為に、千明の正座が温存されていた！というのは考え過ぎでしょうか(笑)。</p>
<p><img src="images/48_33.jpg" alt="千明と茉子" /></p>
<p><img src="images/48_34.jpg" alt="源太、ことは、流ノ介" /></p>
<p><img src="images/48_35.jpg" alt="黒子" /></p>
<p><img src="images/48_36.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p><img src="images/48_37.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p><img src="images/48_38.jpg" alt="薫と丈瑠" /></p>
<p>　歳三まで低頭しているのには、ある種のカタルシスを感じることが出来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>　で、いわゆる養子問題。</p>
<p><br /></p>
<p>　法的根拠が云々という話は、「シンケンジャー」がファンタジーの世界である以上、あまり効力を発揮しません。そもそも、志葉家当主の系譜を眺めると、ある事に気付きます。そう、血統を重んじてきた家にしては、あまりにも名前に統一性がないのです。有名な武家では、よく似たような名前が続いたりしますが、志葉家にはそれが殆どありません。故に、私はこの「志葉家当主・シンケンレッド」という存在は、血統による継承ではなく、あくまで「芸道の襲名」に近いものだと解釈します。つまり、今回の丈瑠の「襲名」は長い志葉家の歴史の中でも例外というわけではなく、このような養子縁組的な措置は散見されたのではないかということです。</p>
<p>　「志葉家の火のモヂカラ」という言葉が後に登場しますが、これが単純に血統で解決される事項なら、前述の論と矛盾します。しかし、この「志葉家の火のモヂカラ」というものが、血統を拠り所として継承されているという論は、疑わしいと思えるのです。丈瑠は、体の隅々まで火のモヂカラが染み渡っていませんでしたが、それは丈瑠が自分を影武者だと自覚していたからであり、もし志葉家当主として純粋に育てられていたら、案外「志葉家の火のモヂカラ」を遺憾なく発揮していたかも知れません。封印の文字も、結局丈瑠に教示するものが居なかっただけで、もし教示者が居れば、丈瑠は封印の文字を会得していたかも知れません。</p>
<p>　そう考えると、志葉家当主が何度か血統を外れて襲名されていたかも知れないという推論も、的外れではないと思うのですが。</p>
<p><br /></p>
<p>　それと。</p>
<p><br /></p>
<p>　このおかしな母子の関係は、あくまでスーパー戦隊シリーズの持つ荒唐無稽さを、良い方面で体現させたものだと考えられます。とにかく楽しいではないですか。そんな馬鹿なと思える事を、真剣に描く。それが「シンケンジャー」というタイトルに込められた思いであることに、異論はないでしょう。つまりは、この「養子」は一流のスーパー戦隊的ギャグなのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　さらには。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠がわざわざ「殿」に就任する必要がないのでは、という意見もあって当然です。</p>
<p>　しかしながら、丈瑠が記号的な「殿」でないシンケンジャーを想像してみると、かなり収まりが悪い。命を預け、命を預かる。そんな双方向性が「シンケンジャー」のテーマですが、丈瑠が他の侍より一段上の立場にないと、この関係性は直ちに崩壊します。丈瑠と他の面々が同格である事は、「シンケンジャー」のテーマの否定に繋がりかねないのではないでしょうか。丈瑠が一段上に立つからこそ、「仲間」という言葉が価値を持つ。そんな風に捉えられるのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、丈瑠が志葉家十九代目当主に就いたのはよしとして、歳三は当然の疑問を口にします。</p>
<p><br /></p>
<p>「恐れながらお尋ね致します。封印の文字が効かぬ今、一体どのように、ドウコクを倒すおつもりであるか」</p>
<p><br /></p>
<p>　ここで丈瑠は、</p>
<p><br /></p>
<p>「策ならある。力ずくだ」</p>
<p><br /></p>
<p>とニヤリ。</p>
<p><img src="images/48_39.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　この自信たっぷりの表情が、実に秀逸です。これまで丈瑠が見せた、いかなる笑顔とも異なるものであり、丈瑠の「偽りない殿としての自信」がありありと表現されています。</p>
<p><br /></p>
<p>「それの、どこが策...？」</p>
<p><br /></p>
<p>と呆気にとられる歳三。一同の反応がまた、的確。</p>
<p><br /></p>
<p>千明「そりゃそうだ」</p>
<p>茉子「確かに、倒すしか無いんだもんね」</p>
<p>流ノ介「おお、殿、素晴らしい策ですぞ」</p>
<p>ことは「うち、頑張ります」</p>
<p><br /></p>
<p>　源太にセリフはありませんが、歳三の肩に馴れ馴れしく手をおき、サムズアップ。これまた的確です。</p>
<p><br /></p>
<p>　以前に一度は「血祭ドウコクを倒す事」を諦めたことのある侍達。しかし、此度は違います。血祭ドウコクが、先の戦いで封印の文字のダメージを負っているのは間違いありません。さらに、志葉家の火のモヂカラが有効なのは間違いないとする丈瑠は、一枚の秘伝ディスクを取り出します。</p>
<p><img src="images/48_40.jpg" alt="志葉家のモヂカラを込めたディスク" /></p>
<p>「姫が...いや、母上が作った、志葉家のモヂカラのディスクだ。封印することは出来ないが、俺でも使えるし、今なら倒せる可能性はある。ギリギリの戦いになるのは、間違いないがな」</p>
<p><br /></p>
<p>　姫を母上と言い直すあたりが微笑ましい。そして、この土壇場に、新たな秘伝ディスクを登場させるのが凄いですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　その時、スキマセンサーが反応し、沢山の「おみくじ」が出て来ます。</p>
<p><img src="images/48_41.jpg" alt="スキマセンサー" /></p>
<p>　こんな現象に遭遇すると、普通はスキマセンサーの故障を疑うのですが、彦馬は、</p>
<p><br /></p>
<p>「三途の川が溢れた...」</p>
<p><br /></p>
<p>と的確に状況を把握します。やはり、封印の文字を打ち破った血祭ドウコクの存在あっての推測でしょう。彦馬の推測通り、いよいよ六門船が人の世に現れます。</p>
<p><img src="images/48_42.jpg" alt="六門船" /></p>
<p>　敵の要塞が最終回に際して、街にやって来るというアレです！ちゃんと王道パターンをも踏んでくれる「シンケンジャー」。同時にナナシ連中が大挙して人間に襲いかかります。久々に人々が斬られる様子等を描き、シンケンジャー達だけの危機ではなく、人々の危機であることをぬかりなく表現しています。充実度はMAXです。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここで彦馬の久々の、</p>
<p><br /></p>
<p>「殿のご出陣！」</p>
<p><br /></p>
<p>が登場！</p>
<p><img src="images/48_43.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>　いやが上にも盛り上がっていきます。</p>
<p><br /></p>
<p>　出陣した丈瑠達は、堂々、外道衆の前に立ちはだかります。</p>
<p><br /></p>
<p>「どうあっても外道衆は倒す！俺達が負ければ、この世は終わりだ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と宣言する丈瑠。さらに、</p>
<p><br /></p>
<p>「お前達の命、改めて預かる！」</p>
<p><br /></p>
<p>と侍達に告げます。</p>
<p>　流ノ介は、</p>
<p><br /></p>
<p>「もとより」</p>
<p><br /></p>
<p>と異論なし。千明も、</p>
<p><br /></p>
<p>「当然でしょ」</p>
<p><br /></p>
<p>と納得ずくです。茉子は、</p>
<p><br /></p>
<p>「何度でも預けるよ」</p>
<p><br /></p>
<p>と、これまでの自身の発言を踏まえての返答。ことはは、</p>
<p><br /></p>
<p>「うちは何個でも」</p>
<p><br /></p>
<p>と、土壇場で天然に可愛くボケて見せます。千明がすかさず、</p>
<p><br /></p>
<p>「いや、一個だから」</p>
<p><br /></p>
<p>とツッコむと、源太はダイゴヨウを持って、</p>
<p><br /></p>
<p>「じゃ、俺達は二人合わせて、さらに倍だ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と、威勢良く付き合います。</p>
<p><br /></p>
<p>「持ってけ泥棒！」</p>
<p><br /></p>
<p>というダイゴヨウの宣言も素敵です。</p>
<p><br /></p>
<p>　いよいよ血祭ドウコクとの決戦の幕が上がります。</p>
<p><img src="images/48_44.jpg" alt="一筆奏上！一貫献上！" /></p>
<p><img src="images/48_45.jpg" alt="シンケンジャー、参る！" /></p>
<p><br /></p>
<p>「シンケンジャー、参る！」</p>
<p><br /></p>
<p>　次回、いよいよ最終幕！！</p>]]>
    </content>
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    <title>第四十七幕「絆」</title>
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    <published>2010-01-26T06:47:20Z</published>
    <updated>2010-01-26T06:49:23Z</updated>

    <summary>　丈瑠と十臓の決着、丈瑠と「仲間」の絆の確認、源太による薫の評価などなど。 　静...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
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    </author>
    
        <category term="感想" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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        <![CDATA[<p>　丈瑠と十臓の決着、丈瑠と「仲間」の絆の確認、源太による薫の評価などなど。</p>
<p>　静かに色々な物事が推移していく雰囲気なのですが、血祭ドウコクとの最終決戦に向けて、一気に物語の糸をまとめ、それぞれを見応えある決着としています。</p>
<p><br /></p>
<p>　今回のメインとして描かれるのは、勿論丈瑠と十臓の決着。以前繰り広げられた一騎打ちでも、十臓は丈瑠に敗れており、丈瑠の実力が十臓の実力を上回っているのは確たるものとされました。しかし、以前の一騎打ちの結果が、裏正を折られるという象徴的な描写になっていたのに対し、今回は、復活したその裏正に、正に「足元をとられる」という結果を提示しており、必ずしも丈瑠の実力だけの勝利でないところが素晴らしいのです。</p>
<p>　もし、裏正が十臓を止めなかったら、もし、茉子達の叫びが丈瑠に届かなかったら、丈瑠は十臓の思惑通りに外道に堕ち、十臓の欲望に引き摺られるまま、「なかなか死ねない身体」になって永劫の斬り合いに巻かれていったかも知れません。</p>
<p>　丈瑠の「勝利」は、人の絆を信じる人々によってもたらされた...というのが、今回のテーマだったように思います。</p>
<p><br /></p>
<p>　また、十臓も「実は嘘をついていた」ように見えます。心の奥底まで外道に染まっていた十臓にとって、十臓を止めようとするも、裏正に化身させられた妻こそが、嘘のほころびだったのでは。厭世感にとらわれた十臓は、外道に身をやつすことで人斬りの快楽を正当化していたわけですが、そもそも厭世感こそが人である証左。そこを隠蔽して身も心も外道になった十臓もまた、「嘘から出た真」に知らぬ間に支配されていたのでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠の嘘の上に積み重ねられた絆が真実となった一方、十臓の嘘の上に積み重ねられた外道としての所業もまた、真実たり得ました。しかし、丈瑠は人としての真実を構築したのに対し、十臓は外道としての真実を構築したのです。そして、かつて人であった十臓は、契りを結んだ(つまり絆を紡いだ)妻によって、嘘＝土台を崩され、人として死んでいったのです。これは、根底にある嘘が暴かれても、人の絆で繋ぎとめられていた丈瑠の真実とは、対照的だと言えます。</p>
<p><br /></p>
<p>　このくだりは、十臓というキャラクターの着地点として見ても、一級の完成度でした。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、朔太郎というキャラクターを再登場させ、流ノ介に「侍のなんたるか」を再確認させるのも見事です。朔太郎は流ノ介としか関わりのないキャラクターでしたから、流ノ介と絡ませるにはうってつけです。また、黒子に戻ったことを流ノ介が知らないという点も重要で、この時点で登場するインパクトは非常に強いものがあります。朔太郎が黒子に戻ったきっかけは、かつて流ノ介が与えました。今度は逆に、丈瑠に命を預けた侍としての自分を、流ノ介を再認識させたのです。ここにもまた、絆があったわけです。</p>
<p><br /></p>
<p>　逆に、「絆」を完全に否定したのは薄皮太夫。いや、求めたのは血祭ドウコクとの「絆」だったのかも...？</p>
<p>　絆という言葉は似つかわしくないですが、とりあえず人の世と外道の間を、三味線＝新左が繋いでいたわけで、その三味線を捨てることにより、薄皮太夫は真の外道となりました。</p>
<p><br /></p>
<p>　では、見所たっぷりの本編に移ります。キャプも大盤振る舞いで。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　丈瑠と十臓の激しい戦いが繰り広げられている様子は、六門船にも何となく伝わっていました。薄皮太夫は、</p>
<p><br /></p>
<p>「ざわついているな...」</p>
<p><br /></p>
<p>と呟き、遠くに視線を投げかけているように見えます(そう見える演技が凄い)。</p>
<p><img src="images/47_01.jpg" alt="薄皮太夫" /></p>
<p>　骨のシタリは、</p>
<p><br /></p>
<p>「ドウコクの水切れもそろそろ戻りかけてるんだよ。ま、まだ決め手に欠けるがね」</p>
<p><br /></p>
<p>と、「ざわつき」の原因を血祭ドウコク復活の予兆として捉えています。</p>
<p><br /></p>
<p>「このざわつき、それだけではないらしいが...」</p>
<p><br /></p>
<p>　薄皮太夫は、丈瑠と十臓の決戦、そして血祭ドウコクの復活を感じつつ、恐らく自分自身の中にも「ざわつき」を感じていたものと思われます。</p>
<p><br /></p>
<p>　ざわつきの原因の一つである、丈瑠と十臓の決戦は、なおも続いています。</p>
<p><img src="images/47_02.jpg" alt="シンケンレッド VS 腑破十臓" /></p>
<p>　彦馬の「決して嘘ではなかった筈」という言葉が、丈瑠の脳裏に去来するものの、丈瑠は確かな実感を伴う剣の手応えと、受けた傷の痛みに「真」を見出すのでした。</p>
<p><br /></p>
<p>「それでも、嘘は嘘だ。俺には、これが...」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は、丈瑠という人物が嘘を土台に形作られたものであると、自ら悲しく深い誤解をしているのです。そんな丈瑠の戦いを止めるべく、茉子、千明、ことはの三人は丈瑠の元に急ぎます。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここでオープニングへ。</p>
<p><br /></p>
<p>　CM明けのサブタイトルには、通常のBGMが乗らないという、イレギュラーな処置。静かな雰囲気が逆に荘厳な雰囲気を作り出しています。</p>
<p>　志葉家の屋敷に一人残る流ノ介。</p>
<p><br /></p>
<p>「結局私は、答えも出さずにこのまま...」</p>
<p><br /></p>
<p>　流ノ介は「丈瑠を放棄してでも姫を守る」という答えを出した筈。なのに、流ノ介の呟きはその「答え」を否定しています。つまり、流ノ介の答えはほぼ「丈瑠が自分にとっての殿であること」。しかし、侍の建前を重んじる流ノ介にとって、薫の存在もまた重いのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここで一人の黒子が流ノ介の前に座ります。黒子は、</p>
<p><br /></p>
<p>「今行かなければ、後悔の苦しさは今以上の物に」</p>
<p><br /></p>
<p>と言い、その顔を流ノ介に見せるのでした。</p>
<p><img src="images/47_03.jpg" alt="朔太郎" /></p>
<p>　小松朔太郎再登場！</p>
<p><br /></p>
<p>　第七幕で黒子として顔を覆ったラストシーンと、今回は対になっています。黒子もまた、我を覆いつつも侍達と絆を紡いできた仲間であり、ここでプライバシーを明かすことにより、それを強調していると言えます。さらには、黒子といえど、侍のセオリーだけで動いているのではないという、確たる「意志」を感じさせています。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、丈瑠と十臓の斬り合いは、いよいよ力任せに互いの身体に刀を滑らせるという、凄絶なものにシフトしていきます。</p>
<p><br /></p>
<p>「最高だな！これこそ、究極の快楽！外道に生きるものだけが味わえる！」</p>
<p><br /></p>
<p>　この局面では、やや十臓が有利になっており、快楽を存分に味わう余裕を見せています。</p>
<p><img src="images/47_04.jpg" alt="腑破十臓 VS シンケンレッド" /></p>
<p>「外道...のみ...」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠はここで、自分が斬り合いの中に確かな「実感」を覚え、その実感の中に自分の存在意義を感じていたことを想起したのでしょう。快楽とはまた別物ではありますが、自らを十臓の生き様に重ねた瞬間です。</p>
<p>　その悟りに似た心理(ここではまだ、丈瑠はギリギリ「人」です)は丈瑠の剣を研ぎ澄まし、十臓との間合いを一気に詰めます。そして、裏正を弾き飛ばし、上段より十臓を一刀両断！</p>
<p><img src="images/47_05.jpg" alt="シンケンレッド VS 腑破十臓" /></p>
<p>　弾き飛ばされた裏正は、立ち尽くす十臓の足元に突き刺さります。スローモーションで印象を強めていますが、それは勿論、後の「ある仕掛け」の為です。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、朔太郎が黒子だと知らなかった流ノ介は、驚きつつも会話を交わしています。</p>
<p><br /></p>
<p>「まさかあなたが...」</p>
<p>「あんたのおかげで、また戦う気になったんだ。侍達や殿と一緒にな」</p>
<p>「でも、その殿は...」</p>
<p>「ああ。で、動くに動けないんだろう。あんたらしいな」</p>
<p>「侍として守るべきは姫です。これは間違ってない！ただ、ただ私は」</p>
<p>「あの殿なら命を預けて一緒に戦える！...あんたが言ったんだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　侍の影で働き、礼を尽くす黒子達。しかし、ひとたび素顔をみせれば、そこには侍に関わる人生の先輩と後輩の姿が浮かび上がります。朔太郎は、非常にシンプルで、かつ含蓄ある語りにより、流ノ介の心の矛盾を突いていきます。</p>
<p><br /></p>
<p>　流ノ介は、舵木折神を釣り上げた際、朔太郎に言った「あの殿なら命を預けて一緒に戦える」という言葉を思い出しました。</p>
<p><img src="images/47_06.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p>　更に朔太郎は畳み掛けます。</p>
<p><br /></p>
<p>「あんたが命を預けた殿というのは、志葉家当主という器か？それとも中身か！？...勿論、姫は守らなければならない、当然だ。が、人は犬じゃない。主は自分で決められる」</p>
<p><br /></p>
<p>　これは、一度侍に仕える身から離れた、朔太郎ならではの言葉かも知れません。昔の侍は家に厳しく縛られていた為、主を自分で決めることは、よほどのことがない限り難しかったのではないかと思います。が、今は現代。「姫を守る」という侍の形を重んじつつも、侍個人の精神性も尊重する。朔太郎の示す侍像は、「シンケンジャー」のテーマそのものではないでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>「どうか、侍として、悔いのなきよう」</p>
<p><br /></p>
<p>　再び顔を覆い、朔太郎は流ノ介に一礼します。黒子もまた、「主を自分で決めている」ということです。</p>
<p><img src="images/47_07.jpg" alt="黒子" /></p>
<p>　その様子を物陰から見て、沈鬱な面持ちの薫。</p>
<p><img src="images/47_08.jpg" alt="薫" /></p>
<p>　いきなりやって来て、圧倒的な力を見せる薫もまた、姫、侍である以前に、一人の思い悩む少女なのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　そして、再び丈瑠と十臓の決戦に場面を移します。十臓に確かな一太刀を浴びせた丈瑠は、その場に座り込み、</p>
<p><br /></p>
<p>「やった...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、その勝利に安堵します。ところが、倒れこんだ十臓はニヤリと笑い、目を開いて首を起こすのでした。いわば、「まだ死んでない」ということなのですが、このシーンが実に不気味でカッコいい。</p>
<p><img src="images/47_09.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>「それこそが、快楽！」</p>
<p>「まさか！手応えはあった！」</p>
<p><br /></p>
<p>　おもむろに起き上がる十臓。激しい斬り合いの末、勝利を手にした後の安堵感を「快楽」と表現され、丈瑠は戸惑いを隠せません。</p>
<p><br /></p>
<p>「なかなか死ねない身体でな。手でなくば足、でなくば口、剣を持てる限り、この快楽は続く...所詮、人の世の事は全て、命さえも幻。が、この手応えだけは真実！お前も感じてる筈。何が、お前の真実か！」</p>
<p><img src="images/47_10.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>「真実...俺の...」</p>
<p><img src="images/47_11.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　十臓は、剣にとり憑かれた男。だから、十臓が見ている「真実」は、剣の魔力が見せているものです。その意味で、十臓が誘う世界は、虚構と言えるかも知れません。しかし、丈瑠はその虚構へと引き込まれていくのです。十臓の言に飲まれそうになった途端、丈瑠は「外道の赤」に染まり始めます。</p>
<p><img src="images/47_12.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　なかなか空恐ろしい描写です。侍と外道は紙一重。丈瑠は嘘をついているという罪悪感に苛まれつつ、侍と外道の境界を綱渡りして来たのかも知れません。</p>
<p>　そこに、</p>
<p><br /></p>
<p>「ダメぇぇぇぇっ！」</p>
<p><br /></p>
<p>という茉子の叫びが。</p>
<p><img src="images/47_13.jpg" alt="ことは、茉子、千明" /></p>
<p>　その声を聴き、丈瑠は寸での処で人に引き戻されます。</p>
<p><br /></p>
<p>「丈瑠！」</p>
<p>「そんな話、聞いたらあかん！」</p>
<p>「お前には、剣だけじゃないだろ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　必死に丈瑠を外道から救い出そうとする三人ですが、炎に阻まれ、丈瑠に近付けません。</p>
<p><br /></p>
<p>「お前達、どうして！？」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は、茉子、千明、ことはがまだ自分の元に現れてくれることに、驚きを禁じえません。</p>
<p><br /></p>
<p>「余所見をするな！まだ、終わってない」</p>
<p><br /></p>
<p>　自らの快楽を永劫に継続させるべく、丈瑠を外道に引きずり込もうとする十臓は、地面に突き刺さった裏正を支えにして立ち上がります。一歩、丈瑠に近付こうとする十臓。</p>
<p>　と、その時、十臓の妻がその足を掴み、その動きを制止するのでした。</p>
<p><img src="images/47_14.jpg" alt="十臓の妻" /></p>
<p>　その妻の姿は、幻。しかし、その妻の化身である裏正は、十臓の足に突き立っており、実際に十臓の足を止めていたのでした。</p>
<p><img src="images/47_15.jpg" alt="裏正" /></p>
<p>「裏正...ここに来て！...いや、この時を待ってか！裏正ぁぁぁぁぁっ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　裏正を引き抜こうと絶叫する十臓。素手で刃の部分を握る様子が、とてつもなく怖いです！</p>
<p><img src="images/47_16.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　十臓の妻は、裏正に身をやつしつつ、ずっと機会をうかがっていたのでした。確かに絆を紡いだ夫・十臓を、無間地獄から救う機会を。裏正となって嘆きつつ、十臓の人斬りに使われてきた妻は、丈瑠の刀に弾き飛ばされた時、丈瑠の根底にある「人」に共鳴することで嘆きから解き放たれ、その愛を以って十臓と心中するのでした。</p>
<p>　人の世に帰還した丈瑠も、その裏正の声にならない叫びを確かに聞き取ったのか、</p>
<p><br /></p>
<p>「それは、お前の、真実なんじゃないのか？」</p>
<p><br /></p>
<p>と十臓を諭すように言い放ちます。</p>
<p><br /></p>
<p>「いや、全て幻だ！この、快楽こそぉっ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　状況を否定したその瞬間、十臓の身体に、丈瑠の太刀筋が浮かび上がります。</p>
<p><img src="images/47_17.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>「お前の、剣...、骨の、髄まで...」</p>
<p><br /></p>
<p>　十臓はこう言い残し、大爆発。それと共に、丈瑠はたちまち炎に包まれます。このまま丈瑠も炎の中に消え行くのか、と思いきや、炎の縁を切り裂いて流ノ介が出現！</p>
<p><img src="images/47_18.jpg" alt="流ノ介と丈瑠" /></p>
<p>　この流ノ介、「殿ぉぉっ！」などと声を上げて尻尾を振る家臣の姿はどこにもなく、ただ弱々しく座り込んでいる丈瑠を見据える目を備えており、反則なくらいカッコいいです。</p>
<p><br /></p>
<p>　炎の切れ目から突入した茉子達が、素早く丈瑠を抱え、炎に包まれる十臓から離れます。</p>
<p>　刹那、絶叫と共に崩れ、塵と化していく十臓...。</p>
<p><img src="images/47_19.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　その様子をスキマから見ていた骨のシタリは、</p>
<p><br /></p>
<p>「死んだよ...腑破十臓」</p>
<p><br /></p>
<p>と虚しい感想を漏らします。</p>
<p><br /></p>
<p>「そうか...二百年の欲望、満たされたのかどうか」</p>
<p><br /></p>
<p>　薄皮太夫は、そう言って三味線を見つめます。骨のシタリに、血祭ドウコクが修復した三味線を、何故弾かないのかと問われる薄皮太夫。骨のシタリは、三味線の音色が血祭ドウコク復活の一助となるのではと考えているようです。</p>
<p><br /></p>
<p>「この、音色か...」</p>
<p><br /></p>
<p>　薄皮太夫は、三味線を弾かない理由について、思う所があったようです。</p>
<p><br /></p>
<p>　この薄皮太夫が言うように、果たして十臓の二百年の欲望は満たされたのでしょうか。</p>
<p>　その答えは明確ではありませんが、恐らく満たされないままだと思います。というより、斬り合う快楽の無間地獄に堕ちていた十臓に、満たされる瞬間など訪れる筈はなかったのです。妻によって無間地獄の輪回から解き放たれたが故に、十臓は人に戻り、二百年の時の流れが一気に十臓の身に押し寄せ、その身を滅ぼしたと考えるのが自然でしょう。ただ、妻と共に、筋殻アクマロが見ようとしていた地獄に落ちた十臓は、安堵したのではないでしょうか。丈瑠の「人としての一太刀」が、十臓の骨の髄まで響きつつ...。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、夜が明け、丈瑠を遠巻きに囲む侍達の姿がありました。丈瑠は、不意に立ち上がります。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿様...」</p>
<p><br /></p>
<p>　声をかけることは。しかし、ことはは「殿様」という、「言ってはいけない言葉」を言ってしまったかのような表情をしています。緊張感のある演出に引き込まれます。</p>
<p><br /></p>
<p>「俺の所為で悪かった。早く帰って...」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠。その言葉を遮るかの如く、ことはは堰を切った様に、</p>
<p><br /></p>
<p>「嘘じゃないと思います！ずっと一緒に戦ってきた事も、お屋敷で楽しかったことも全部。ほんまのことやから、そやから...」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠に訴えるのでした。</p>
<p><img src="images/47_20.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>「俺が騙してたこともホントだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　この丈瑠の言葉に思わず黙り込むことは。さらに、</p>
<p><br /></p>
<p>「ただの嘘じゃない。俺を守る為に、お前達が無駄に死ぬかも知れなかったんだ。そんな嘘の上で何をしたって本当にはならない。早く姫の元へ帰れ」</p>
<p><br /></p>
<p>と、丈瑠は冷徹なまでに自分に対する関わりを否定するのでした。茉子は思わず、</p>
<p><br /></p>
<p>「丈瑠...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、やるせなさを伴う呼び掛けを。しかし、丈瑠は聴こえなかったかのように通り過ぎます。しびれを切らした千明は、</p>
<p><br /></p>
<p>「ったく...」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠を追いかけ、突如丈瑠の顔面めがけて拳を振るいます。咄嗟にかわす丈瑠。</p>
<p><br /></p>
<p>「避けんなよ馬鹿！」</p>
<p><br /></p>
<p>と千明。今度は丈瑠の頬に千明の拳がヒットします。</p>
<p><img src="images/47_21.jpg" alt="丈瑠と千明" /></p>
<p>　茉子は、突破口を開いた千明の行動に、思わず微笑を。</p>
<p><img src="images/47_22.jpg" alt="茉子" /></p>
<p>「今ので、嘘はチャラにしてやる。だからもう言うな...何もないなんて言うなよ！何もなかったら、俺達がここに来るわけねぇだろ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　千明は声を震わせながら、丈瑠にそう訴えました。そして、沈黙を保っていた流ノ介も丈瑠の前に立ちます。</p>
<p><img src="images/47_23.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p>「志葉...丈瑠...。私が命を預けたのはあなただ。それをどう使われようと文句はない！姫を守ると言うなら守る。ただし！...侍として一旦預けた命、責任をとってもらう！この池波流之介、殿と見込んだのはただ一人！これからもずっと！」</p>
<p><br /></p>
<p>　ひざまずく流ノ介。しかし、言い回しからは、以前の流ノ介とはポジションを異にしているのが伺えます。丈瑠に対する過剰な丁寧語が特徴だった流ノ介。しかし今は、対等より少しだけ上の立場に丈瑠を置いている感覚になっているのです。</p>
<p><br /></p>
<p>「俺も、同じくってとこ。ただ、前に立っててもらわなきゃ、困んだよ」</p>
<p><br /></p>
<p>と千明。</p>
<p><br /></p>
<p>「うちも、うちも同じくです。それに、源さんや彦馬さんも」</p>
<p><br /></p>
<p>　ことはも流ノ介の隣にひざまずきます。不在の源太や彦馬を代弁するあたりも、気が利いています。流ノ介が、</p>
<p><br /></p>
<p>「黒子の皆さんもだ」</p>
<p><br /></p>
<p>と付け加えるあたりも抜群です。</p>
<p><img src="images/47_24.jpg" alt="丈瑠、千明、流ノ介、ことは" /></p>
<p>「丈瑠、志葉家の当主じゃなくても、丈瑠自身に積み重なって来たものは、ちゃんとあるよ」</p>
<p><br /></p>
<p>　茉子の包み込むような言葉に、丈瑠の凍てついた心は一気に氷解していきます。</p>
<p><img src="images/47_25.jpg" alt="丈瑠と茉子" /></p>
<p>「俺に...俺にも...」</p>
<p><br /></p>
<p>　仲間との触れ合いを次々と思い出し、丈瑠は殿として流ノ介達の前に現れてから、初めて涙を流します。</p>
<p><img src="images/47_26.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　幼い頃は、泣き虫だったという丈瑠。影武者という理不尽で重い使命を背負わされ、自分を押し殺してクールに振舞ってきた丈瑠は、殿を名乗ることによって忘れていた涙を、ようやく取り戻した...のかも知れません。</p>
<p>　おい、朝っぱらから泣かしてくれるなよ...。困ったもんです。</p>
<p><br /></p>
<p>　そして、丈瑠の涙を見届けて安堵したかのように、裏正も昇天します。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、志葉家の屋敷では、丈瑠の元に行った家臣達に、歳三が立腹してわめいていました。源太は思わず歳三に突っかかろうとするのですが、物陰で彦馬に止められます。</p>
<p><br /></p>
<p>「姫！これはもはや謀反、謀反でござりますぞ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と息巻く歳三の頭を、扇子でピシャリと叩く薫。</p>
<p><img src="images/47_27.jpg" alt="薫と歳三" /></p>
<p>「馬鹿を申すな。影とは言え、家臣との絆は結ばれているのだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　物陰から聞いていた源太と彦馬は、この薫の言葉に思わず目を見合わせます。</p>
<p><img src="images/47_28.jpg" alt="源太と彦馬" /></p>
<p>「私は自分の使命だけに夢中で、私が出る事で、彼等を苦しめることにまで思い至らなかった」</p>
<p><br /></p>
<p>　薫は影武者である丈瑠を、志葉家の延命の為の犠牲にしない為、努力してきたのですが、逆にその努力が裏目に出てしまったわけで、その苦悩の深さはかなりのもの。源太にも、その苦悩はしかと伝わったようです。</p>
<p><img src="images/47_29.jpg" alt="薫" /></p>
<p>　しかし、歳三はそんな薫の言に納得出来ません。</p>
<p><br /></p>
<p>「何をおっしゃります！？姫は、血のにじむ努力で封印の文字を習得されたのです。有り難がりこそすれ、苦しむなどと！...これはやはり、力ずくでも連れ戻さねば！」</p>
<p><br /></p>
<p>と、自ら流ノ介達を連れ戻すべく、屋敷を出ようとします。薫は、</p>
<p><br /></p>
<p>「よせ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と扇子を投げるのですが、歳三はそれをヒョイと避けてみせます。</p>
<p><br /></p>
<p>「丹波もまだまだ、衰えてはおりませんぞぉ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　いやぁ、ここまで非常に重い展開だったので、かなりの清涼感があります。ギャグが物語と乖離しておらず、やり過ぎ感もなく爽やかなのがいいですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここで、黒子がハリセンを持って参上。早速手に取った薫は、そのハリセンで歳三の頭をバシッと叩くのでした。</p>
<p><img src="images/47_30.jpg" alt="黒子、薫、歳三" /></p>
<p>「うん、これはいい」</p>
<p><br /></p>
<p>　微笑む薫。ハリセンを渡したのは、朔太郎でした。</p>
<p><img src="images/47_31.jpg" alt="朔太郎" /></p>
<p>　分別ある大人の、粋な計らいとは正にこういうことです。</p>
<p><br /></p>
<p>「お姫様もやるねぇ」</p>
<p><br /></p>
<p>と、源太はニヤリ。</p>
<p><img src="images/47_32.jpg" alt="源太と彦馬" /></p>
<p>　いつもギャグ担当にされている感のある源太ですが、こういう江戸っ子的な粋な言動は、かなり大人な感じでカッコいいのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　その時、突如スキマセンサーに反応があります。血祭ドウコク復活の狼煙か、大ナナシ連中が大挙して現れたのです。</p>
<p><br /></p>
<p>「寿司屋で良ければ、お供するぜ」</p>
<p><br /></p>
<p>と、家臣不在のまま出陣する薫の前に現れる源太。</p>
<p><img src="images/47_33.jpg" alt="源太" /></p>
<p>「お前は侍では...！」</p>
<p><br /></p>
<p>とツッコミを入れる歳三ですが、薫によるハリセンの一撃が炸裂します。</p>
<p><img src="images/47_34.jpg" alt="薫と歳三" /></p>
<p>「頼む」</p>
<p><br /></p>
<p>　元々、薫は源太を「寿司屋」という器で見ていないということが、ここではっきりと分かります。薫もまた、立派な「姫」なのです。</p>
<p>　流ノ介達も、連絡を受けて出陣します。</p>
<p><br /></p>
<p>「急げ。俺はフォローに回る」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は、表立って活躍すべきではないという自分のポジションをわきまえつつ、戦況が有利に働くよう配慮して出陣します。クゥッ！カッコ良過ぎる！</p>
<p><br /></p>
<p>　薫と源太という、ちょっと妙なコンビが、ダイカイシンケンオーで大ナナシを迎撃します。</p>
<p><img src="images/47_35.jpg" alt="ダイカイシンケンオー" /></p>
<p>　巨大戦と共に、等身大戦も同時展開。街で人々を襲うナナシ連中を、懸け付けた流ノ介達が迎撃します。</p>
<p>　同一の戦場に二人のシンケンレッドを存在させないという不文律を守っているのか、丈瑠は変身せずに参戦します。</p>
<p><img src="images/47_36.jpg" alt="丈瑠 VS ナナシ連中" /></p>
<p>　こういうシーンに突然素面アクションが入ってくると、非常に燃えますね。</p>
<p><br /></p>
<p>　ナナシ連中と共に、薄皮太夫も出現します。薄皮太夫は、様々な思いを込めつつ、三味線を弾き始めます。</p>
<p><img src="images/47_37.jpg" alt="薄皮太夫" /></p>
<p>「わちきはずっと目をそらしていたのだ。何があったか、何をしたか。そして、わちきが何者なのか...」</p>
<p><br /></p>
<p>　薄皮太夫の胸中に去来するのは、血祭ドウコクや十臓が繰り返してきた「外道に堕ちる」という言葉。</p>
<p><br /></p>
<p>「ドウコク、お前が最初から言っていたとおり、わちきは...」</p>
<p><br /></p>
<p>　突如、三味線を弾くのを止める薄皮太夫。そこに、茉子が登場。薄皮太夫との対面を果たします。</p>
<p><br /></p>
<p>「ここで何を？」</p>
<p>「外道であれば知れた事。この世を苦しみ嘆きで満たす」</p>
<p>「だとしたら、私はあなたを斬る！」</p>
<p><img src="images/47_38.jpg" alt="シンケンピンク" /></p>
<p>「望むところ。...少しは知った者の方がいい」</p>
<p>「...？」</p>
<p><br /></p>
<p>　「少しは知った者」とは、薄皮太夫の過去である薄雪の悲劇を、茉子がそれとなく知ってしまったことを指します。茉子は薄皮太夫の発言に疑問を抱きつつも、それを払拭して激しい鍔迫り合いを展開します。</p>
<p><img src="images/47_39.jpg" alt="シンケンピンク VS 薄皮太夫" /></p>
<p>　互いの牽制の後、隙を突いて、茉子が上段から一気に斬りかかります。と、その時、フッと気を抜く薄皮太夫。違和感を感じる茉子でしたが、躊躇なくシンケンマルを振り下ろします。</p>
<p>　薄皮太夫は、三味線と共に斬られるに任せ...。</p>
<p><img src="images/47_40.jpg" alt="シンケンピンク VS 薄皮太夫" /></p>
<p>「あなた、まさか？」</p>
<p>「いつか、わちきがこの世の価値を手放したと言ったな。ようやく人であった過去を、手放せる...」</p>
<p><br /></p>
<p>　三味線を手放す薄皮太夫。</p>
<p><img src="images/47_41.jpg" alt="三味線" /></p>
<p>　十臓が外道から解き放たれたのとは逆に、薄皮太夫は人としての執着を体現していた三味線を捨てることで、完全なる外道になったのです。</p>
<p>　次の瞬間、刀傷の入った三味線から、おびただしい新左の嘆きが噴出！</p>
<p><img src="images/47_42.jpg" alt="吹き荒れる新左の嘆き" /></p>
<p>　その嘆きを受け、三途の川が突如増水し、遂に血祭ドウコクが復活します。</p>
<p><br /></p>
<p>「戻ったぜ、太夫」</p>
<p><img src="images/47_43.jpg" alt="血祭ドウコクと薄皮太夫" /></p>
<p><br /></p>
<p>　次回へつづく！</p>]]>
    </content>
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    <title>第四十六幕「激突大勝負」</title>
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    <published>2010-01-19T09:22:58Z</published>
    <updated>2010-01-19T06:24:58Z</updated>

    <summary>　サブタイトルからすると、丈瑠 VS 十臓だけでなく、他の面々にもそういった局面...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
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        <![CDATA[<p>　サブタイトルからすると、丈瑠 VS 十臓だけでなく、他の面々にもそういった局面が訪れるように感じられますが、今回は丈瑠と十臓の対決がメインであり、そこに彦馬の思いを絡めて描いています。</p>
<p>　むしろ、この彦馬こそメインだと思わせる部分が多々あり、幼い丈瑠を預かってから、薫が現れるまでの彦馬の決意や覚悟、事の推移といったことが、一通り判明することとなります。そこには、丈瑠と同様に「嘘をついていた」事に対する葛藤と共に、「嘘から出た真」とも言うべき丈瑠の殿としての成長に、喜びを感じる様子が盛り込まれ、複雑な感情を鮮やかに浮き彫りにして見せます。</p>
<p><br /></p>
<p>　勿論、動的な面では丈瑠と十臓の対決が大充実で描かれます。これまで以上に斬り合いは激しさを増し、不意打ち的な体術も織り交ぜられて、戦いに夢中になる二人の危険な匂いが漂ってくるかのようです。最終的には、馬に騎乗してのアクションまで登場。戦隊シリーズで馬のアクションが初登場したのは、「バトルフィーバーJ」だったと記憶してますが、「仮面ライダー」でも乗馬アクションの披露がありましたから、割と歴史のあるアクション手法です。最近では、世界観との兼ね合いもあって珍しくなりましたが。</p>
<p><br /></p>
<p>　流ノ介達家臣は、侍としての道義や使命感から、薫と共に戦うことになります。凄いのは、薫に一切不満を抱く要素がないこと。「不満」の部分は完全に歳三が担っており、薫を無視して丈瑠の元に走ることが出来ない流ノ介達の葛藤は、感動を呼びます。</p>
<p>　侍とは一線を画している源太の行動にも注目。侍としての道義や使命感に疎い源太は、薫と共に戦っている流ノ介達の行動が理解出来ません。源太にとっては、丈瑠こそが侍のシンボルであり、この辺りが流ノ介達と決定的にズレているわけです。勿論、流ノ介達の感覚と重なっている部分も多々ありますが、重なっているからこその葛藤もまた、見応えがあります。</p>
<p><br /></p>
<p>　今回のシリーズにおけるポジションとしては、はっきり言えば、最終決戦を延期する為の挿話なのですが、精神面の細かい要素や、伏線の回収等が丁寧に行われている為、非常に見応えがあります。</p>
<p>　その辺りを、通常の倍のキャプ画を交えて(笑)、確認してみようと思います。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　まずは前回ラストの反復から。そして、その直後が描かれます。</p>
<p><br /></p>
<p>「これだ、存在するのはただ剣のみ。するべきことは、ただ戦いのみ。後は一切の無。お前ならここまで来ると思ってた」</p>
<p><img src="images/46_01.jpg" alt="十臓" /></p>
<p><img src="images/46_02.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　こういったイマジネーションに溢れたシーン作りが割と多いのも、今回の特徴です。このあたりは、かなりアニメ的な画面作りが意識されており、ともすれば平坦になりやすい「決闘」に、豊潤な印象を与えています。</p>
<p>　十臓はモノローグにて、</p>
<p><br /></p>
<p>「裏正、喜べ！これから味わうものこそ最高の...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、この上ない喜びに浸っており、今回は狂気とも呼べそうな笑みを終始浮かべて、丈瑠と対峙しています。</p>
<p>　そして遂に、丈瑠と十臓の一騎打ちが、再び開始されるのです。</p>
<p><img src="images/46_03.jpg" alt="丈瑠 VS 十臓" /></p>
<p>　このアクション、冒頭にも書きましたが、剣だけではなく、ダーティな殴り合いも含めた決闘となっており、正に「戦うことのみ」を意識した演出です。吹き替えだけでなく、本人によるアクションもたっぷりあります。</p>
<p>　更に、変身して激闘は継続します。</p>
<p><img src="images/46_04.jpg" alt="腑破十臓 VS シンケンレッド" /></p>
<p>　勿論、変身してからもファイトスタイルは同じ。より激しさを増していきます。アクションに驚きが盛り込まれているので、見る者を全く飽きさせません。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、源太は必死に丈瑠を探していました。源太の思いを敏感に察知するダイゴヨウは、かなり張り切りモードになっています。</p>
<p><img src="images/46_05.jpg" alt="源太とダイゴヨウ" /></p>
<p>　この直後、張り切り過ぎたダイゴヨウに、源太は派手に引きずられて大騒ぎになってしまいます。前半においては、源太はまだコメディ要員として機能しています。ダイゴヨウに振り回されるシーンが、全て貼り絵的合成で処理されているので、余計にスラップスティックに見えます。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、いよいよ彦馬も、</p>
<p><br /></p>
<p>「殿が行かれるとしたら、あそこしか...」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠を探しに行こうとします。勿論、あそことは「テンゲン寺」です。そこに、流ノ介達も帰還。一緒に丈瑠を探しに行こうとします。</p>
<p><img src="images/46_06.jpg" alt="流ノ介、茉子、千明、ことは、彦馬" /></p>
<p>　しかし、</p>
<p><br /></p>
<p>「すまん！外道衆を倒す為にも、お前達を欺き通せと殿を叱咤してきたのはワシだ。詫びて済むことではない。しかし、ここは殿が言うように...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、あくまで侍の本分を守って、薫と共に戦うよう告げるのでした。また、丈瑠だけでなく、彦馬も流ノ介達に嘘をついていた、いや、彦馬こそが丈瑠に嘘をつき通すよう言い続けたのだという、懺悔の気持ちも吐露しました。</p>
<p><img src="images/46_07.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>　そこに、歳三がやって来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>「日下部！いつまで殿殿と言っておる。今侍達が守り、共に戦うべきは、志葉薫様のみ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　歳三の言う事は、一応納得出来る内容なのですが、如何せん、丈瑠の存在をあっさり否定してしまうのが、一同の怒りを買う原因なのです。</p>
<p><img src="images/46_08.jpg" alt="彦馬、歳三" /></p>
<p>「確かに、侍達は姫のお傍にあるべき。しかし、この日下部彦馬、殿をお預かりした時より17年、まことの殿と心に決めて、お育てしお仕えして参りました。そう決めなければ、私も殿も...」</p>
<p><br /></p>
<p>　彦馬は、こう言って屋敷を出て行きます。このセリフにより、具体的な17年という年数が語られ、いよいよ「シンケンジャー」の暦も鮮明になってきました。こういうのって、クライマックスに近付いている感じがするんですよね。また、彦馬の「嘘」は、深い決意によって支えられていたことも分かります。状況的に、もう「殿」と呼ぶ必要がなくなったにも関わらず、なおも彦馬が丈瑠を「殿」と呼び続けるのは、既に彦馬の中で「丈瑠＝殿」の図式が、嘘ではなくなっているからなのです。</p>
<p>　しかし、そんな事情が全く分からない歳三は、</p>
<p><br /></p>
<p>「まことの殿とは、何事！」</p>
<p><br /></p>
<p>と声を荒げるのでした。そこに突如、扇子が飛んできて歳三の頭に炸裂。扇子が飛んで来るシーンは、「八百八町夢日記」を彷彿とさせ(？)、往年の時代劇ファンには嬉しいものとなっています(って、分かる人居るのか？)。</p>
<p>　扇子を投げたのは勿論薫です。</p>
<p><br /></p>
<p>「丹波、影が居てくれたからこそ、私は無事で居られ、封印の文字を習得する時間が稼げた...ということを忘れるな」</p>
<p><br /></p>
<p>　厳しい口調で歳三を叱るのですが、</p>
<p><br /></p>
<p>「しかし、影も役目を終え、ホッとしているのでは。偽りの暮らしも楽ではございますまい。何もかも全部、嘘ですからなぁ」</p>
<p><br /></p>
<p>と、更に調子付いて行きます。このお調子者な感じが、歳三の軽率さを高め、薫を至極真っ当なお姫様として際立たせているんですね。実に巧いと思います。ことはは、この歳三の言い草に、</p>
<p><br /></p>
<p>「全部、嘘...」</p>
<p><br /></p>
<p>と沈痛な面持ちに。</p>
<p><img src="images/46_09.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>　ことはの様子を敏感に察知したか、薫はすぐさま、</p>
<p><br /></p>
<p>「丹波、お前はしばらく口を閉じろ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と命じます。弱冠14歳(多分、丈瑠の時間経過を鑑みるに、設定は17歳くらいだと思われます)にしてこの凛々しい感じ、素晴らしいキャスティングですよ。</p>
<p><img src="images/46_10.jpg" alt="薫" /></p>
<p>　この薫の命令により、黒子達が歳三の口に...。</p>
<p><img src="images/46_11.jpg" alt="歳三" /></p>
<p>　こんなものにまで志葉家の家紋が入っているのが、実に可笑しいです。テンポ、ギャグのバランス、シーンに則した内容、どれをとっても上質だと思います。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、丈瑠と十臓の決闘は継続中。既に「いつ果てるともない」といった雰囲気が漂っており、この決闘が全く建設的でないことが、ビシビシと伝わってくるのが凄い。</p>
<p><img src="images/46_12.jpg" alt="腑破十臓 VS シンケンレッド" /></p>
<p>　しかし、丈瑠はこの決戦に心なしか満足しているのでした。それは、</p>
<p><br /></p>
<p>「確かに、これだけは本物だ。一切嘘が無い」</p>
<p><br /></p>
<p>という呟きに現れています。17年間、虚偽の身分を装って苦闘してきた丈瑠にとって、数百年の間鍔迫り合いに飢えてきた十臓との対決は、何もかもを忘却させる程の魅惑があったのかも知れません。</p>
<p><br /></p>
<p>　さてその頃、六門船では、今回のアヤカシであるオボロジメが、骨のシタリにパワーを貰っていました。</p>
<p><img src="images/46_13.jpg" alt="オボロジメと骨のシタリ" /></p>
<p>「オボロジメ、その力で何でもいいから、人間共を苦しめてもらいたいのさ」</p>
<p><br /></p>
<p>と骨のシタリ。既に策を練るとか、そういったレベルではなく、「何でもいいから」という力技に訴えているあたり、かなり切羽詰っている様子が伺えます。知性派の骨のシタリが、このような行動に出たのには、理由があります。それは薄皮太夫の、</p>
<p><br /></p>
<p>「結局、ドウコクを戻すには、人の苦しみか」</p>
<p><br /></p>
<p>という言葉で説明されますが、真意はそのさらに奥にありました。</p>
<p><br /></p>
<p>「私にゃそれしか思いつかないよ。本物の志葉の当主が現れたんだ。今度は私だって無事で済むかどうか...」</p>
<p><br /></p>
<p>　がっくりと力が抜けてしまいながらも、声を絞り出すように、骨のシタリは語ります。</p>
<p><br /></p>
<p>「私は生きていたいんだよ。その為なら、命を半分ぐらいなくすのも、しょうがないさ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　外道衆の生への希求。これは衝撃でした。かつて、ここまで「命」に執着した敵が居たでしょうか。「サンバルカン」終盤のヘドリアン女王は、命への執着から疑心暗鬼になるという、とても子供向けとは思えないシチュエーションで強い印象を残しましたが、この骨のシタリも、行き着く先こそ違えど、強い印象を残しそうです。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、流ノ介達は丈瑠を探しに行くことも叶わず、屋敷に待機していました。千明は、</p>
<p><br /></p>
<p>「ったく、丈瑠もジイさんも、この世を守る為って言えば、俺達が動けないと思って！」</p>
<p><br /></p>
<p>と不満と葛藤の程を露にします。同じ葛藤を抱えつつも、流ノ介は、</p>
<p><br /></p>
<p>「実際その通りだ！我々は、その一点だけはどうあっても揺るがせるわけには行かない」</p>
<p><br /></p>
<p>とより侍としての意識を感じさせています。しかし、実のところ流ノ介は、千明以上の葛藤を抱えているのです。</p>
<p><img src="images/46_14.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p>「でも、このままでいいのかよ！？本物は姫だからって、姫を守ってればいいのか？」</p>
<p>「侍としてはそれが...そう出来ればどんなに！」</p>
<p><br /></p>
<p>　いつもの流ノ介と千明の口論とは多少趣が異なり、同じ葛藤を抱えている者同士の虚しい心情の吐露といった感じになっています。茉子は、葛藤とは違う側面から丈瑠への思いを語ります。</p>
<p><br /></p>
<p>「丈瑠はさ、ずっとこうやって抱えてきたんだよね。私達に嘘ついてるから、わざと距離を置こうとして...。もっと早く気付けてたら...」</p>
<p><br /></p>
<p>　洞察力に優れるキャラクターとして、丁寧に描写されて来た茉子。この茉子が気付けなかったからこそ、丈瑠の覚悟の程が浮き彫りになるのです。</p>
<p><br /></p>
<p>「言ってくれりゃあ良かったんだよ」</p>
<p><br /></p>
<p>と千明。実際は、言ってしまうと現在のような関係性を築けなかったでしょう。特に千明は影武者と知りつつ付き合うことに、納得出来なかったに違いありません。この千明の発言は、殿が丈瑠以外有り得ないと認めていることの裏返しなのです。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿様、しんどかったやろうな...うちが殿様殿様って呼ぶたんびに、辛い思いしたはったんかな...」</p>
<p><br /></p>
<p>　ことはの場合、「あんまり俺を絶対だと思うな」と丈瑠に釘を刺された事がありました。これも、今思えば、丈瑠の隠れた苦悩が滲み出たものだったようですが、それでも、ことはにとって殿様は殿様。丈瑠が殿であることにかわりはないのです。例え影武者だったとしても、ことはが憧れる殿様は丈瑠なんですから。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、彦馬はテンゲン寺で丈瑠の包帯を見つけます。十臓との対決前に、決意の表れとして外した、頭の包帯です。彦馬は、近くから響く決闘の音を頼りに、丈瑠の元に辿り着きます。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿！おやめ下さい！このような戦い、まるで外道衆のような！」</p>
<p><br /></p>
<p>　そう、侍と外道衆は紙一重。以前こんなテーマを扱ったことがありましたが、丈瑠は正に、紙一重の上を歩いている状態なのです。</p>
<p><br /></p>
<p>「これ以上はさせん！」</p>
<p><br /></p>
<p>と彦馬、丈瑠の前に仁王立ち！</p>
<p><img src="images/46_15.jpg" alt="彦馬とシンケンレッド" /></p>
<p>　当然十臓は、彦馬の行動に怯むことはありません。容赦なく斬りかかってきます。彦馬は、丈瑠を庇うことをしながら、実は丈瑠を止めたかったのでしょう。丈瑠は、辛うじて十臓の太刀を受け止めます。まだ、外道衆の側へ堕ちる程、全てを失っていたわけではありませんでした。説明台詞が何もなくとも、丈瑠の内面が分かるシーン作り、いいですね。</p>
<p><img src="images/46_16.jpg" alt="シンケンレッドと彦馬" /></p>
<p>　十臓は容赦なく攻撃を続け、とうとう丈瑠は、彦馬もろとも崖下へ転落してしまいます。この時、必死に彦馬を庇っている丈瑠(シンケンレッド)がいい。思わず、「ルパン三世・カリオストロの城」のラストあたりを思い出してしまいました。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、家臣達の丈瑠談義は続いており、ことはは半ば捨て鉢に、</p>
<p><br /></p>
<p>「嘘だったら、全部嘘なんかな...今までの事、殿様と一緒に居た間の事、全部...」</p>
<p><br /></p>
<p>と呟きます。</p>
<p><img src="images/46_17.jpg" alt="流ノ介、茉子、ことは、千明" /></p>
<p>　いたたまれなくなった茉子が、そっとことはの手を包むあたりが、非常に情感たっぷりです。細切れにシーンを切り取っても、凄く良く出来てるんです。今回は。</p>
<p><br /></p>
<p>「嘘かも知れないな...。そう思えば、迷う事はない」</p>
<p><br /></p>
<p>と搾り出すように賛同する(本心ではない)流ノ介。千明がそんな流ノ介を見て心配そうにしているのも素晴らしいです。皆、キャラ立ちまくってます...。静かながら、鬼気迫る感じですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、オボロジメが街に出てきて、人々を襲っていました。すぐには殺さず、苦しむ時間を長くするという、外道衆の中でも一際外道なヤツで、その上骨のシタリにパワーをもらっている割には、印象が薄い。やはりバトルシーンのメインは丈瑠と十臓の対決であり、割を食ってしまった感があります。</p>
<p><img src="images/46_18.jpg" alt="オボロジメ" /></p>
<p>　居合わせた源太が、オボロジメ"を迎撃します。この時、ダイゴヨウに引き摺られた影響で、街のあちこちにあるものを纏ってしまっており、わざわざ変身シーンを新規撮りしてます。ここまでするか！といった感じでした。</p>
<p><img src="images/46_19.jpg" alt="一貫献上！" /></p>
<p><br /></p>
<p>　一方で、スキマセンサーにも反応があります。薫が奥の部屋から出てきて、</p>
<p><br /></p>
<p>「皆思うところはあるだろうが、私と一緒に戦って欲しい。頼む」</p>
<p><br /></p>
<p>と流ノ介達に告げます。</p>
<p><img src="images/46_20.jpg" alt="薫" /></p>
<p>　若い姫ながら、思慮、配慮共に卓抜しています。後に言及されますが、だからこそ流ノ介達家臣は苦悩するのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　骨のシタリのパワーを受けたオボロジメは強力無比で、源太は大苦戦を強いられ、変身解除にまで追い込まれます。サカナマルの高速な太刀筋でも、オボロジメの自在な触手攻撃を防御出来ません。</p>
<p><br /></p>
<p>　そこに、薫を筆頭とするシンケンジャーが登場。</p>
<p><img src="images/46_21.jpg" alt="一筆奏上！" /></p>
<p>　姫版の変身、シンケンレッド名乗りも、二回目とあって堂に入った印象です。</p>
<p><br /></p>
<p>　戦闘開始直後、千明に助け起こされる源太。</p>
<p><img src="images/46_22.jpg" alt="シンケングリーンと源太" /></p>
<p>　源太は、薫と共に外道衆を迎え撃つ流ノ介達を見遣り、</p>
<p><br /></p>
<p>「お前ら...本当に、あのお姫様と一緒に...」</p>
<p><br /></p>
<p>と千明に問います。丈瑠のあまりの空虚振りを目の当たりにした源太は、流ノ介達に「お前らの殿はタケちゃんじゃなかったのかよ」と言いたいのでしょう。それをはっきり言わないのは、千明に配慮してのことかも。千明は、</p>
<p><br /></p>
<p>「もっと憎たらしいお姫様なら、簡単だったのにな」</p>
<p><br /></p>
<p>と源太に応じます。千明達にとって、殿なる存在は丈瑠だけ。しかし、薫自身も丈瑠の事を考え、血のにじむような努力をしてきた人間であるからして、非難する要素は何もなく、それだけに義務感より使命感が上回ってしまい、葛藤もより深いものになっているのです。極端に言えば、現在の丈瑠や薫に苦悩はありません。それぞれの生き方を体現しているだけです。流ノ介、茉子、千明、ことはは、そんな二人に振り回されているのだと言っても、過言ではないでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、崖下に転落した丈瑠と彦馬は、とりあえず無事でした。足を痛めた彦馬が動けなくなってしまった為、丈瑠は黒子に救助を求めます。彦馬の傍に座った丈瑠。その手は、彦馬の手によってしっかりと握られます。ここからは涙々のシーン続出なので、涙腺の緩い方にとっては試練になりますよ。伊吹さん渾身の重厚なお芝居をとくと堪能しましょう。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿、お許しを...」</p>
<p><br /></p>
<p>　悔恨の念を搾り出すように告げる彦馬。</p>
<p><img src="images/46_23.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>　突然の彦馬の詫びに、驚く丈瑠。</p>
<p><img src="images/46_24.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p><br /></p>
<p>　そんな丈瑠を探す十臓。</p>
<p><br /></p>
<p>「どこだ。この程度、まだほんの序の口！まだ終わらん！どこだ...！」</p>
<p><br /></p>
<p>　その口元は軽く笑みを浮かべているようでもあり、正に斬り合いに取り付かれた悪鬼の様相。</p>
<p><img src="images/46_25.jpg" alt="十臓" /></p>
<p><br /></p>
<p>　シーンは頻繁に切り替わり、一つ一つの局面が間延びしないようになっています。ここでは、シーンの繋がりを整理せず、わざとそのままの空気を再現してみます。</p>
<p><br /></p>
<p>　スーパーシンケンレッドとなってオボロジメを怯ませる薫。</p>
<p><img src="images/46_26.jpg" alt="スーパーシンケンレッド" /></p>
<p>　流ノ介達四人は、「シンケンマル・四重の太刀」でオボロジメを牽制します。すぐさま薫は、スーパーモウギュウバズーカで「外道覆滅」を放ち、一の目を撃破します。</p>
<p><img src="images/46_27.jpg" alt="シンケンジャー" /></p>
<p>　二の目は、テンクウシンケンオーで迎撃。</p>
<p>　源太は、薫の指示に的確に動く流ノ介達を見て、歯噛みします。やはり、何と言われようと、志葉家そのものに対してシンパシィを抱いていない源太は、納得出来ないのです。丈瑠の「ビックリするほど何も無いな...」の呟きを思い出し、源太の丈瑠に対する思いと、流ノ介達に対する歯痒さは募るばかりです。</p>
<p><br /></p>
<p>　巨大戦は、オープンセットが大迫力。</p>
<p><img src="images/46_28.jpg" alt="オボロジメ VS テンクウシンケンオー" /></p>
<p>　「シンケンジャー」ではたまにオープンセットによる巨大戦が見られましたが、やはり空気感や巨大間、量感といった要素がグッと上昇しますね。日本の気候事情だと、常にオープンはなかなか難しくはあるし、いつもオープンだとピーカン一辺倒になって変化が出ないとか、色々オープンにも難しい面があるようです。私は好きですけどね。「ウルトラマンG」の画面作りとか。</p>
<p>　で、「天空唐竹割り」が炸裂して、オボロジメの二の目は撃破されます。</p>
<p><br /></p>
<p>　ところが、ここからが骨のシタリパワーの真骨頂。何と、「三の目」が現れるのです。</p>
<p><img src="images/46_29.jpg" alt="オボロジメ VS テンクウシンケンオー" /></p>
<p>　オボロジメ自体に寄生していた骨のシタリのパワーの塊、そんな印象ですが、フルCGとは言え、なかなかのライブ感があります。仕事が丁寧ですねぇ。</p>
<p><br /></p>
<p>「私の命を半分やったんだからね...そう簡単にやられやしないよ」</p>
<p><br /></p>
<p>と骨のシタリ。薄皮太夫は、</p>
<p><br /></p>
<p>「...無茶をする...！」</p>
<p><br /></p>
<p>と呟きます。そう、薄皮太夫の三味線の為に無茶をした血祭ドウコク。生きる為に命を削る骨のシタリ。薄皮太夫の周囲は、執着故に命を削る者ばかり。薄皮太夫の心中は、こうして揺さ振られて行くのです。</p>
<p>　強力無比な三の目に対抗すべく、シンケンジャーはサムライハオーを出します。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここで、再び丈瑠と彦馬のシーンへ。</p>
<p><br /></p>
<p>「ジイは、殿が幼い頃より、ただひたすら、志葉家十八代目を背負うことのみを厳しく...当主としてお育てし、血のにじむ努力で、火のモヂカラも覚えて頂きました。全ては、あの日の約束を守る為に...」</p>
<p><br /></p>
<p>　彦馬の脳裏に、幼い丈瑠が泣きながらモヂカラの練習をしていた姿が...。</p>
<p><img src="images/46_30.jpg" alt="幼い丈瑠" /></p>
<p>　そして、「あの日の約束」の思い出。</p>
<p><br /></p>
<p>「日下部殿！この子はまだこんなに小さいが、きっと！」</p>
<p><img src="images/46_31.jpg" alt="幼い丈瑠と丈瑠の父" /></p>
<p>「安心してくれ。今日より、命を賭けて支え続ける。落ちぬように、我が殿として！」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠が影武者になるということは、丈瑠を手放すと同時に、もう会えなくなるということでもあるでしょう。正に、断腸の思いです。私自身も男の子二人の父親ですが、それだけに余計に心に響くものがあります。なお、丈瑠の父が「日下部殿」と呼んでいることから、一応丈瑠の家系は、侍ではないが、志葉家に関係のある一族だったと思われます。</p>
<p><br /></p>
<p>　そして、何らかの理由により、丈瑠の父は、丈瑠に獅子折神を手渡して亡くなりました。積極的に救命する事も叶わず、ただ陰より父の死を見つめなければならなかった幼い丈瑠と彦馬の心情は、いかばかりだったか...。</p>
<p><img src="images/46_32.jpg" alt="彦馬と幼い丈瑠" /></p>
<p><img src="images/46_33.jpg" alt="丈瑠の父" /></p>
<p>　ちなみに、この丈瑠の父が、何故襲撃を受けたのかは、まだ明かされていません。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿は、当主としては完璧に成長された！しかしそれが、このような局面で仇となるとは...！」</p>
<p>「ジイ...」</p>
<p><br /></p>
<p>　薫さえ登場しなければ、丈瑠は志葉家当主として人生を全うしたかも知れない。彦馬はそう思っているのでしょう。しかし、薫が現れなければ、丈瑠は虚偽の世界に生き続けなければならなかったとも言えます。彦馬もまた、どちらが望ましいとも言い切れない状況において葛藤し、丈瑠にただ謝るしかないのです。</p>
<p>　そこに、十臓が辿り着きます。</p>
<p><br /></p>
<p>「来い！お前がするべき事は、戦いのみ。あるのは、剣のみだ！」</p>
<p><img src="images/46_34.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>「なりません！殿には、それだけではない筈！」</p>
<p><img src="images/46_35.jpg" alt="彦馬と丈瑠" /></p>
<p>　頭上ではオボロジメとサムライハオーが戦っています。ここで見事に場面が繋がる、この演出のキレが抜群です。</p>
<p><br /></p>
<p>　巨大戦は、「モヂカラ大弾円」で三の目撃破となり、結構あっさり片付いてしまいます。勿論これは、残りの尺で丈瑠と十臓の対決を存分に描き出す為です。</p>
<p><br /></p>
<p>　流ノ介達が屋敷に戻ってくると、源太が収容され、介抱されていました。源太は突如、流ノ介にすがりつき、</p>
<p><br /></p>
<p>「なぁ、お前ら、頼む！タケちゃんが、何もない...何もないって言うんだよ。そんなことねぇよな！」</p>
<p><img src="images/46_36.jpg" alt="源太と流ノ介" /></p>
<p>　源太の切実な訴えに呆然とする一同。そこに、丈瑠の危難を叫びつつ、彦馬も帰って来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、丈瑠は十臓との戦いを再開。今度は騎馬戦です。モヂカラによって馬を出せる丈瑠はいいとして、十臓は...というツッコミはなしの方向で。</p>
<p><br /></p>
<p>　千明は、率先して丈瑠の元へ行こうとします。それに続く一同でしたが、流ノ介だけ留まっています。</p>
<p><br /></p>
<p>「私は、侍として！」</p>
<p><img src="images/46_37.jpg" alt="流ノ介、源太" /></p>
<p>　拳に力を込め、必死に行きたい気持ちを抑える流ノ介。茉子がそっと流ノ介の肩に手を載せるあたり、これまた演出のキレが抜群！もう、微塵も隙がありません。</p>
<p><img src="images/46_38.jpg" alt="流ノ介と茉子" /></p>
<p>　茉子、千明、ことははすぐさま屋敷を飛び出して行きます。ここからは、決闘シーンに彦馬のセリフが被っていきます。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿、ジイはずっと、嬉しく思っておりましたぞ！偽りの殿と家臣ではあっても、流ノ介達と心を通じ合っていく様子が。それは嘘だけでは無い筈。嘘だけでは！」</p>
<p><br /></p>
<p>　そう、嘘から出た真は、確実に丈瑠と仲間たちの絆を形成していました。ベースが偽りであっても、そのベースが破壊されたとしても、その絆はしっかりと形として残っているのです。</p>
<p>　それでも丈瑠は十臓との戦いに...。</p>
<p><img src="images/46_39.jpg" alt="十臓 VS 丈瑠" /></p>
<p>　丈瑠、十臓共に変身して騎馬戦は続行。</p>
<p><img src="images/46_40.jpg" alt="一筆奏上！" /></p>
<p>　流ノ介は一人、</p>
<p><br /></p>
<p>「殿ぉぉぉぉっ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と絶叫。</p>
<p><br /></p>
<p>　なおも続く、激突大勝負！</p>
<p><img src="images/46_41.jpg" alt="シンケンレッド VS 腑破十臓" /></p>
<p>　獅子と死神の激突やいかに！？</p>
<p><img src="images/46_42.jpg" alt="シンケンレッド VS 腑破十臓" /></p>]]>
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    <title>第四十五幕「影武者」</title>
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    <published>2010-01-13T11:09:28Z</published>
    <updated>2010-01-13T11:11:13Z</updated>

    <summary>　志葉家の殿の存在が、あまりにも侍達の間で周知されていなかったこと。 　「嘘つき...</summary>
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        <name>SirMiles</name>
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    <category term="ストーリー" label="ストーリー" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
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        <![CDATA[<p>　志葉家の殿の存在が、あまりにも侍達の間で周知されていなかったこと。</p>
<p>　「嘘つき」と指摘された際の動揺振りが、異様だったこと。</p>
<p>　十臓に「いびつさ」を指摘されたこと。</p>
<p>　命を預け、預けられる関係に、なかなか踏み込むことが出来なかったこと。</p>
<p>　テンゲン寺で、志葉家の墓だとされる場所で複雑な表情をしていたこと。</p>
<p>　志葉家十八代目当主として、全てを飲み込む覚悟を諭されたこと。</p>
<p>　丈瑠の父が、あくまで「丈瑠の父」であり、「先代シンケンレッド」とクレジットされていなかったこと。</p>
<p>　そして、血祭ドウコクを封印する為の文字を、いつまで経っても習得しようとしなかったこと。</p>
<p><br /></p>
<p>　ああ、何と言う伏線。このどんでん返し(スタッフの皆さんの間では「がんどう返し」)は、周到に用意されたものだったわけです。見事にやられました。</p>
<p>　私はサラリと見てしまっていたのか、これらの伏線を「引っ掛かり」だと感じることなく、丈瑠が抱える、侍の時代性と現代性に横たわるギャップ故の苦悩だと思っていました。特に「嘘つき」なんかはそうです。制作側としては、深淵で影武者であることの苦悩を踏まえつつ、前述の現代性とのギャップにミスリードすることにより、伏線とどんでん返しの整合性を保つと共に、より深い驚きを提供する狙いがあったのではないでしょうか。私は見事にやられたクチです。</p>
<p>　中には賢明な方もおられるようで、「嘘つき」あたりから、はたまた冒頭からこの展開を予想していた方も。私なんか、深読みだと笑い飛ばしていたようなヤツですから、ここに来て感服しきりです。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠をはじめとするレギュラー陣の表情がとにかく素晴らしい今回。勿論、薫姫も素晴らしいですよ。</p>
<p>　それでは、本編の驚きをプレイバック。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　前回からの続き。傷ついた丈瑠が屋敷に搬送されて来ます。心配そうに駆け寄る彦馬が印象的で、この後の展開を見ると、本当に丈瑠を殿と見做して生きる覚悟を決めていたのだと分かります。</p>
<p><img src="images/45_01.jpg" alt="彦馬と丈瑠" /></p>
<p>　直後、流ノ介達も帰還。早速彦馬に「姫」のことを問い質します。次々に疑問を口にする彼等の中でも、ことはの、</p>
<p><br /></p>
<p>「彦馬さん、殿様は、殿様ですよね」</p>
<p><br /></p>
<p>という言葉が強い印象を与えます。このシンプルで核心を突いた質問に、思わず黙ってしまう彦馬。そこに茉子が、さらに切り込んで来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>「丈瑠は、あの女の子の影武者ですか...？」</p>
<p><img src="images/45_02.jpg" alt="茉子" /></p>
<p>　これを茉子に言わせるところが勘所。シリーズ内で一貫して「気付き」を担当し、ストーリーを核心に至らせるスピードを上げてくれます。この質問にも彦馬は沈黙。あからさまに動揺する流ノ介達が、何故か気の毒に映ります。</p>
<p><br /></p>
<p>「とにかく落ち着け。お前達の動揺は分かる。だがわしも、急なことでどう説明して良いのか...」</p>
<p><br /></p>
<p>　彦馬はこう言い聞かせて一旦話を切ります。彦馬自身、突然の姫登場に動揺していた上、丈瑠の身体の心配が重なり、気持ちの整理がつかない状態なのだと想像出来ます。このセリフ、自分自身に言い聞かせているようで、さすが伊吹さんといった処でしょう。</p>
<p>　そこへ、歳三と共に薫が現れます。</p>
<p><img src="images/45_03.jpg" alt="薫" /></p>
<p>　薫お付の黒子が、座布団をわざわざ取り替えるあたり芸が細かく、また丈瑠との格の違いを無理なく印象付けます。ただし、ある程度ユーモラスな視点が盛り込まれていて、そのあたりが緩衝材になっているようです。</p>
<p>　ここで、唖然としていてなかなか座らない流ノ介達を怒鳴りつける歳三。すかさず薫が、</p>
<p><br /></p>
<p>「丹波。声が大きい」</p>
<p><br /></p>
<p>とピシャリ。このテンポ感が小気味良いです。このやり取りは数回繰り返されますが、これによって薫と歳三の関係を浮き彫りにし、歳三に「憎まれ役」を担当させて薫の存在を「敵対者」に置かない配慮が為されています。</p>
<p>　ここで彦馬は、</p>
<p><br /></p>
<p>「お前達、とにかく座れ」</p>
<p><br /></p>
<p>と一同を諭し、落ち着いて話を聞く雰囲気を作り出します。さすがです。</p>
<p><img src="images/45_04.jpg" alt="千明、源太、ことは、流ノ介、茉子、彦馬" /></p>
<p><br /></p>
<p>　一方丈瑠は、父と共に飛ばした紙飛行機の事を思い出していました。この丈瑠の父については、今回を経ても未だに解明されていない事項があります。これについては後述。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここでオープニングに突入。何と、オープニングの丈瑠のクレジットに「シンケンレッド」の文字が無いのです！</p>
<p><img src="images/45_05.jpg" alt="志葉丈瑠　松坂桃李" /></p>
<p>　源太も「シンケンゴールド」のクレジットはなく、「梅盛源太」のみ。徹底して薫を頂点とする「侍の家系だけのシンケンジャー」が作り上げられています。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、CM明けからは先代シンケンジャーの回想です。先代が最後に血祭ドウコクと決戦を挑んだのは、薫が誕生する前ですから、少なくとも15年くらいは前の話になります。</p>
<p><br /></p>
<p>　先代シンケンジャーは、血祭ドウコクとの長い戦いの中疲弊しており、外道衆は志葉家の一族を執拗に狙っていました。やがて防戦に徹するようになって行くと共に、志葉家の弱体化は激しくなり、もはや風前の灯火という処まで追い詰められていました。</p>
<p>　先代シンケンレッドは松風雅也さん。</p>
<p><img src="images/45_06.jpg" alt="先代シンケンレッド" /></p>
<p>　戦隊ファンならば、「メガレンジャー」のメガブルー・並木瞬役として記憶に残るでしょう。また、戦隊においては「ゴーオンジャー」等に声優としても出演なさっています。初代といい先代といい、過去の戦隊でブルーを担当していらしたのが面白いところですね。さぁここで要注意。津田寛治さんが先代シンケンレッドであることは完全に否定されました。これまで、「先代シンケンレッド」と「丈瑠の父」の回想シーンがまるっきり繋がらなくて疑問に思った方々も多いことでしょう。これが、その答えでした。</p>
<p><br /></p>
<p>　先代シンケンレッドは、封印の文字を会得するまで隠れていた方が良いとまで提案されます。しかし、先代シンケンレッドは戦い抜き、望みを次の世代に託すことを決意していました。つまり、自分が封印の文字を会得するには、あまりにも状況が切羽詰っている為、ここで自らを犠牲とし、次代までの時間稼ぎとすることを覚悟したのです。先代シンケンレッドのみならず、当時の家臣達も断腸の思いだったのではないでしょうか。重いですね。</p>
<p>　更に、影武者を立てることでより多くの時間を稼ぐ事も検討され、かねてより下準備がされて来たようです。その準備は、どうも彦馬が担当していたようであり、結果、丈瑠に仕えるという形でその任務を遂行していたようです。</p>
<p>　その後、先代シンケンレッドは命と引き換えに不完全ながらも封印の文字を使い、血祭ドウコクを撃退することで、我が子を身籠る妻を秘密裏に逃がしました。そして、外道衆の目を欺くべく、侍の家系ではないがモヂカラの才能に優れる者、つまり丈瑠を影武者に選抜したのです。先代シンケンレッドの子が姫だったのは、目眩ましにかえって好都合でした。姫は人目を避け、人知れず暮らしてきたのです。</p>
<p>　この回想シーンでは、他の先代シンケンジャー達も次々と討ち取られていますが、これまではっきりとこの戦いに参加した事が判明しているのは、先代シンケンピンク＝白石響子のみ。流ノ介の父・池波流三郎や、千明の父・谷蔵人が先代だったかどうかは定かではありません。</p>
<p><br /></p>
<p>　いきさつが説明されている最中、薫に仕える黒子が、丈瑠の元からインロウマル等を持ち去りました。普通に見れば、丈瑠達が努力して得たこれらのアイテムを、薫が「座りしままに食う」のは納得行かないものです。しかし、丈瑠は元より自らの役割を自覚していたので、逆にホッとしていたのではないでしょうか。それは、後の丈瑠の空虚振りを見ても分かります。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方六門船では、骨のシタリがこぼしていました。</p>
<p><br /></p>
<p>「やられたよ。まさか目の前に居るシンケンレッドが偽物だったなんてねぇ。いつまで経っても封印の文字を使わない理由がやっと分かったよ」</p>
<p><br /></p>
<p>　薄皮太夫も、</p>
<p><br /></p>
<p>「とんだ茶番だったな。ドウコクが知ったら、それだけで三途の川が溢れ返るかも知れん」</p>
<p><br /></p>
<p>とそれに応えていました。</p>
<p><img src="images/45_07.jpg" alt="骨のシタリ、薄皮太夫" /></p>
<p>　骨のシタリにしてみれば、「封印の文字を使う前に」という言葉が何度か彼の口から出ているように、封印の文字を恐れていましたから、ちょっと気が抜けてしまったのではないでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方十臓も、</p>
<p><br /></p>
<p>「なるほど。ヤツのいびつさの理由はそこか。...戦えればどうでもいいがな」</p>
<p><br /></p>
<p>と自らの感じ方に対する解答を見出していました。</p>
<p><img src="images/45_08.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　殿という立場、封印の文字の使い手という切り札的な立場でありつつ、自ら命を投げ打って来るいびつさ。いや、もっと言えば侍の頂点にあらざる強さへの希求の異様さから来るいびつさ。十臓は丈瑠に、自らの在り方と重なる部分を見ていたのでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>　シーンは戻って志葉家へ。</p>
<p>　インロウマル等を真のシンケンレッドとして受け継ぐよう薫に進言する歳三の姿がありました。しかし、そこで彦馬が異を唱えます。</p>
<p><br /></p>
<p>「お待ちを。影武者を立てたのは、封印の文字の件は勿論、シンケンジャーの柱である志葉家の、正に最後の一人を隠し、十九代二十代と、次への柱が太く育つのを待つ為だった筈」</p>
<p><br /></p>
<p>　これに対し歳三は、</p>
<p><br /></p>
<p>「その通り！」</p>
<p><br /></p>
<p>と全面肯定します。</p>
<p><br /></p>
<p>「では何故、今姫がお出ましに...。この一策に命を懸け、血のにじむ決意をしたのは、先代殿だけではございませぬぞ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　彦馬の口調は強く、丈瑠や一緒に戦ってきた家臣の思いを大事にしている様子が手に取るように分かります。そして彦馬が最も気にかけたのは、丈瑠の父に対してでした。</p>
<p><br /></p>
<p>「忘れるな！今日からお前がシンケンレッドだ！決して逃げるな！外道衆から、この世を守れ！」</p>
<p><img src="images/45_09.jpg" alt="丈瑠の父と幼い丈瑠" /></p>
<p>　丈瑠の父は死に瀕した際、影武者に選ばれた丈瑠に獅子折神を託しました。影武者に選抜されてからこの時まで、獅子折神を託さなかった丈瑠の父の思いは、いかばかりだったか...。</p>
<p><br /></p>
<p>「落ちずに飛び続けろ」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠を励まし続けた父でしたが、内心は、影武者という立場を背負わされた息子が不憫だったに違いありません。丈瑠の家系は侍ではなく、牛折神の封印を守ってきた榊原家に似た一族だった筈ですから、いきなり殿の影武者になるという話は、青天の霹靂だったに違いありません。それでも、丈瑠の父は「血のにじむ決意」をしたのです。</p>
<p>　何故、侍でもない丈瑠の父は討たれてしまったのか、そこはまだ謎として残っています。</p>
<p><br /></p>
<p>「影とは言え、シンケンレッドとしてこの世を守り、十八代当主を全うする！殿も私もその覚悟で...」</p>
<p><br /></p>
<p>と彦馬。</p>
<p><br /></p>
<p>「黙れ！黙れ黙れ！全ては姫のご意志。お前達の都合など！」</p>
<p><br /></p>
<p>と声を荒げる歳三は、</p>
<p><br /></p>
<p>「丹波！声が大きい」</p>
<p><br /></p>
<p>と、またも薫に制止されます。</p>
<p><img src="images/45_10.jpg" alt="薫、歳三" /></p>
<p>　しかし、なおも彦馬に説教を垂れる歳三。遂に薫は扇子をひょいと投げつけ、</p>
<p><br /></p>
<p>「うるさい」</p>
<p><br /></p>
<p>と一蹴するのでした。重い話の連続を、ちょっとしたユーモアで軽減してみせるのは、戦隊シリーズの美点かも知れません。続いて薫が、衝撃の告白をします。</p>
<p><br /></p>
<p>「日下部、許せ。丹波が申した通り、私が決めたことだ。影武者の影に隠れて生きるのは侍として卑怯。だから、死に物狂いで習得した。封印の文字を」</p>
<p><img src="images/45_11.jpg" alt="薫" /></p>
<p>　結構サラリとした流れなので、一応ここでひと説明入れさせて頂くと、丈瑠は影武者として、ずっと志葉家十八代目当主を貫き通すつもりであり、薫の登場は完全に想定外。つまり、丈瑠は血祭ドウコクとの戦いを何とか長引かせることにより、真の十八代目当主に連なる家系を守り、同時に、あわよくば血祭ドウコクをも倒せる強さを手に入れたかったのです。だからこそ以前、十臓に指摘され、血祭ドウコクに叩きのめされた際、強さへの希求が増したのではないでしょうか。</p>
<p>　しかし、薫の侍としての血が、父の果たせなかった血祭ドウコク封印という目的に向かって沸き上がり、こうして薫のごく周辺以外、誰も意図していなかった表舞台への登場へと相成ったわけです。薫もまた、血のにじむ努力と覚悟を持って出て来たのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　歳三は薫が封印の文字を習得したことについて、</p>
<p><br /></p>
<p>「これこそ奇跡！もはや血祭ドウコクなど恐るるに足らず。家臣一同！姫を守り、姫と共に外道衆を叩くぞ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と息巻くのですが、それに真っ向から異を唱えたのは千明でした。</p>
<p><br /></p>
<p>「勝手に決めんなよ！お姫様だか何だか知らねぇけどさ、俺が家臣になってやってもいいって思ったのは、丈瑠だけだ！」</p>
<p><img src="images/45_12.jpg" alt="千明" /></p>
<p>「馬鹿な。あれは本当の当主ではない」</p>
<p>「関係ねぇよ！」</p>
<p>「何ぃ？」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠を「あれ」呼ばわりされて、追い詰められる家臣達。遂に茉子とことはも発言します。</p>
<p><br /></p>
<p>「私達、今まで丈瑠と一緒に戦ってきたんです。急にお姫様と一緒にって言われても、無理です...」</p>
<p>「うちも、殿様は、殿様としか...」</p>
<p><br /></p>
<p>　この二人に対しても、歳三は手を緩めることはありません。</p>
<p><br /></p>
<p>「お前達は侍だ！家臣として、当主をお守りするのが務め」</p>
<p><br /></p>
<p>　もっともな物言いだけに、流ノ介は、</p>
<p><br /></p>
<p>「それは、そうです...しかし！」</p>
<p><br /></p>
<p>と言葉に詰まります。しびれを切らした源太は、</p>
<p><br /></p>
<p>「あいにくだな。俺んち侍じゃねぇし」</p>
<p><br /></p>
<p>と虚空を睨みます。</p>
<p><br /></p>
<p>「そうだ、違う。先程から言おうと思っていた。寿司屋と聞いたが、そのような身分の者がいる場ではない。下がれ！」</p>
<p>「何？」</p>
<p>「寿司屋は寿司を握っておれ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠が何となく排そうとしていた、侍とそうでない者の垣根を、歳三は重視しているかに見えます。丈瑠の姿勢に共感していた千明は、当然声を荒げ、</p>
<p><br /></p>
<p>「おい、源ちゃんはな！」</p>
<p><br /></p>
<p>と歳三に詰め寄りますが、ここで突如ダイゴヨウが飛び出して、秘伝ディスクを乱射し始めます。あまりの立腹にタガが外れたのか、源太は、</p>
<p><br /></p>
<p>「よしダイゴヨウ。あの偉そうなヤツを狙っとけ」</p>
<p><br /></p>
<p>とダイゴヨウに指示。さすがに一同はそれを制止しますが、喧騒状態に。</p>
<p><img src="images/45_13.jpg" alt="源太、ダイゴヨウ、茉子" /></p>
<p>　そこに丈瑠が現れ、騒ぎを止めます。直ちにひざまずく丈瑠。</p>
<p><img src="images/45_14.jpg" alt="ひざまずく丈瑠" /></p>
<p>　千明はそんな丈瑠の態度に我慢出来ない様子でしたが、丈瑠は強く静かに、</p>
<p><br /></p>
<p>「俺はお前達を騙してた！ずっと騙し続けるつもりだった！預けなくてもいい命を預けさせて...。お前達が危険な目に逢っても、それでも黙ってた。そんな人間が、これ以上一緒に戦えるわけがない。侍なら、この世を守る為に、姫と...」</p>
<p><br /></p>
<p>と言うのでした。</p>
<p><img src="images/45_15.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　丈瑠の苦悩の正体は、影武者として外道衆の前で殿様を演じることより、仲間達に自分が殿ではないということを隠していたことなのでした。この「土下座」は、薫に対してのものではなく、侍でない者が侍である家臣達に向けたもの...という一種の切なさが印象的です。</p>
<p>　両手を着いて礼する丈瑠の姿に、ことはは一瞬顔を背けてしまいます。ことはが向き直り、何か声を掛けようとするも、丈瑠は立ち上がり、薫に一礼して去って行きました。これを見た歳三は、</p>
<p><br /></p>
<p>「影武者とは言え、なかなか見事。侍でなくとも、長年振りをしていればそれらしくなるものだなぁ。ハハハ...」</p>
<p><br /></p>
<p>と高笑い。ここで薫がまたも、</p>
<p><br /></p>
<p>「丹波、黙れ」</p>
<p><br /></p>
<p>と制止します。歳三は思いっきり憎まれ役担当になっていますが、完全に「嫌なヤツ」になっていないのは、こうしたユーモラスなやり取りがあるからこそです。</p>
<p><br /></p>
<p>「お前らはタケちゃんの言う事聞いてやれよ。でも俺は我慢出来ねぇ」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠や彦馬に対するシンパシィこそあれど、薫や本当の志葉家に対して基本的に何も持ち合わせない源太は、そのまま去って行くのでした。</p>
<p><img src="images/45_16.jpg" alt="源太、ことは、千明、流ノ介、茉子" /></p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、丈瑠は街を彷徨っていました。</p>
<p><br /></p>
<p>「終わったんだ。これで...」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠の足元に流れ着く紙飛行機の幻。そして、見上げる青空は限りなく高い。</p>
<p>　そしてその夜、千明はやるせなさに声を上げる...。</p>
<p>　丈瑠の虚しさと家臣達のやるせなさが、イメージシーン的に演出され、すこぶる高いレベルでまとまっています。これは凄い。思わず引き込まれます。後半からはバトル中心になりますが、ここまでは正に静の魅力全開です。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、後半はスキマセンサーに反応がある処から始まります。彦馬に促され、とにかく外道衆を迎撃する為に出陣する流ノ介達。その表情が、やるせなさを抱えたまま赴く兵士といった感じで、重厚なのです。</p>
<p>　そしていよいよ、薫を中心とするシンケンジャーが、外道衆の前に立ちはだかります。</p>
<p><img src="images/45_17.jpg" alt="出陣" /></p>
<p>　薫の「一筆奏上！」が初登場！</p>
<p><img src="images/45_18.jpg" alt="一筆奏上！" /></p>
<p>　他のメンバーの変身バンクを踏襲した薫バージョンも披露。</p>
<p><img src="images/45_19.jpg" alt="薫" /></p>
<p>　名乗りも統一バージョンで披露し、まるで元から薫がシンケンレッドだったかのよう。</p>
<p><img src="images/45_20.jpg" alt="シンケンジャー" /></p>
<p>　ここまで「お約束」が丈瑠を排除していると、寂しさが増幅されます。なお、薫の場合、秘伝ディスクの取り出しやシンケンマルの差し出し等を黒子が担当していて、特別扱いの感が強くなっています。上手い演出ですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　薫版シンケンレッドの殺陣は、往年の時代劇スターを思わせる緩急取り混ぜたもの。ゆっくりと敵との間合いを詰め、一気に斬り捨てるという、松平健さんの暴れん坊将軍を彷彿とさせるものです。暴れん坊将軍は基本的に峰打ちですが。</p>
<p>　また、烈火大斬刀を軽く扱えないながらも、ぶん回す姿に姫ならではのリアリティがあります。スーツアクターは男性の蜂須賀さんですが、さすがは「世界一の女形」と称されるだけあって、姫そのものです。特に、烈火大斬刀の面を蹴って上段に持ち上げていくアクションは、目から鱗といった趣です。</p>
<p><img src="images/45_21.jpg" alt="シンケンレッド" /></p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、川縁にたたずんでいた丈瑠の元に、源太がやって来ます。丈瑠は完全に空疎な目をしており、一見「全てを失った者」のように見えてしまいます。</p>
<p><img src="images/45_22.jpg" alt="丈瑠と源太" /></p>
<p>「タケちゃん、俺は寿司屋だから、タケちゃんが殿様じゃなくたって関係ねぇよ。全然、前とおんなじ！」</p>
<p>「そうか。俺は殿様じゃない自分は初めて見た。...びっくりするほど何も無いな」</p>
<p><br /></p>
<p>　この短いやり取りの中に、丈瑠が影武者でありながらも「殿様」であることにアイデンティティを確立していたことが分かります。源太の方には殿様という存在にこだわらない姿勢を見ることが出来ますが、そもそも源太は「殿様である丈瑠」の傍に居るべく、居合いや電子モヂカラの稽古をしてきた人間であるからして、実は源太も微妙な喪失感を味わっていたのではないかと思います。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、スーパーシンケンレッドとなった薫は、スーパーモウギュウバズーカの「外道覆滅」で一気にケリを付けます。</p>
<p><img src="images/45_23.jpg" alt="スーパーシンケンレッド" /></p>
<p>　大ナナシ連中にはシンケンオーで立ち向かい、順調に敵の数を減らしていきました。</p>
<p><img src="images/45_24.jpg" alt="シンケンオー VS 大ナナシ連中" /></p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠を心配した源太は、ゴールド寿司の屋台を引いて走ります。ダイゴヨウは、</p>
<p><br /></p>
<p>「親分！殿様に寿司握らせるって本気ですかい」</p>
<p><br /></p>
<p>と源太に問います。そう、源太は何の覇気も感じられない丈瑠に、何かさせなければと考え、</p>
<p><br /></p>
<p>「何でもいいから何かやらせんだよ！あんなタケちゃん、見たことねぇ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と自分に出来る事を咄嗟に思いついたというわけです。しかし、源太が先程の川縁に到着した時、既に丈瑠はいなくなっていました。</p>
<p><br /></p>
<p>　巨大戦は継続中。トラシンケンオーで大ナナシ第一陣を一掃するも、背後よりノサカマタの砲撃を受けます。</p>
<p><br /></p>
<p>「サムライハオーとやらで行く！」</p>
<p><br /></p>
<p>　薫の号令でサムライハオーを完成させたシンケンジャーは、瞬く間に大ナナシ連中とノサカマタを一気に殲滅します。シンケンゴールド不在のサムライハオーが何となく寂寥感を感じさせます。薫が一件落着を宣するも、一同は納得出来ません。続くモノローグにおける表情が、皆一様に秀逸です。</p>
<p><br /></p>
<p>「確かにホントのシンケンレッドかも知れねぇけど...でも、俺が超えたいシンケンレッドは、別に居る」</p>
<p><img src="images/45_25.jpg" alt="千明" /></p>
<p>「丈瑠...こんなこと抱えて、ずっと...」</p>
<p><img src="images/45_26.jpg" alt="茉子" /></p>
<p>「侍としては、姫に従うべき...しかし！」</p>
<p><img src="images/45_27.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p>「違う...こんなん違う！殿様！」</p>
<p><img src="images/45_28.jpg" alt="ことは" /></p>
<p><br /></p>
<p>　一様に薫という本当のシンケンレッドに対する違和感を抱え、丈瑠を慮りつつも、それぞれのポジションに則したセリフ回しが実に素晴らしい。これを見ると、丈瑠に対する各人の思いは、それぞれ異なるものだったことに改めて気付かされるのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　そして丈瑠はテンゲン寺に。ひっそりと佇む父親の墓。</p>
<p><img src="images/45_29.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　そう、テンゲン寺で丈瑠が複雑な表情を浮かべて眺めていた、あの小さな墓です。影武者らしく、菩提寺では辺縁に建立されていたわけです。</p>
<p>　そこに、</p>
<p><br /></p>
<p>「シンケンレッド...いや、違うらしいな。が、そんなことはどうでもいい。俺と戦う、お前はそれだけで、充分だ」</p>
<p><br /></p>
<p>と十臓が出現。シンケンレッドの呪縛を解かれたかのような丈瑠に、改めて斬り合いを申し込みに来たのです。</p>
<p><img src="images/45_30.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>「それだけ...」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は呟きます。この呟き、本当に「それだけ」しか残っていない自分を嘲笑したのか、それとも、全てを失ったと思っていた自分に、アイデンティティとなるものが残されていたことに気付いたのか...。</p>
<p>　源太は、彦馬に丈瑠が行方不明だと伝え、探し回っています。が、丈瑠は知る由もありません。</p>
<p><br /></p>
<p>「何も無いよりかはマシか」</p>
<p><br /></p>
<p>　ニヤリと笑ってシンケンマルを握る丈瑠。</p>
<p><img src="images/45_31.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　やはり、「それだけ...」という呟きの真意は、「全てを失ったと思っていた自分に、アイデンティティとなるものが残されていたことに気付いた」だったようです。</p>
<p><img src="images/45_32.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　さぁ、次回はいよいよ丈瑠と十臓二度目の対決！</p>
<p>　丈瑠にとって、シンケンジャーとしてのしがらみが霧散した後の対決となりますから、正に心置きなくといった感じになるでしょう。予告では騎馬戦を披露していましたが、仕上がりが非常に楽しみです。</p>]]>
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    <title>第四十四幕「志葉家十八代目当主」</title>
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    <published>2010-01-07T13:42:05Z</published>
    <updated>2010-01-07T13:44:17Z</updated>

    <summary>　新年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。 　さ...</summary>
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        <name>SirMiles</name>
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        <![CDATA[<p>　新年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、前代未聞、驚天動地。思わず四字熟語を並べたくなる、驚愕の展開。</p>
<p><br /></p>
<p>　新年初エピソードは、クライマックスシリーズの第一弾となりました。戦隊シリーズ初の女性レッド、戦隊シリーズ最年少レッド、戦隊シリーズ初の数話限定レッドという、初物尽しによって、視聴者を混乱と期待の坩堝に落としていきます。</p>
<p>　折に触れて描かれてきた丈瑠の苦悩やその伏線が、クライマックスでようやく解明されると予想され、シリーズ全体で非常に洗練された高い構成力を垣間見ることが出来ます。丈瑠の苦悩に関する本当の処は、まだ触れられていないので詳しくは述べられませんが、今回の内容と予告編を合わせると、大体の予想が付くでしょう。ほぉ...そういうことだったのか、と。</p>
<p><br /></p>
<p>　ということで、丈瑠に関するミスリード、ミスディレクションについては次回以降に譲ります。まずは、怒涛の序章を堪能！</p>]]>
        <![CDATA[<p>　新年とあって、冒頭では志葉家のお正月が描かれます。レギュラー陣揃っての新年の挨拶に続き、お正月ならではのご馳走が振舞われます。</p>
<p><img src="images/44_01.jpg" alt="新年挨拶" /></p>
<p>　男衆が全員落ち着いた和装、女性陣が麗らかな着物である中、源太だけは妙に派手な宴会仕様の格好になっており、そのセンスが笑いを誘います。</p>
<p>　やがて、新年会の様相を呈し始め、流ノ介と源太は成年ということもあって、酒を飲んで踊り出すという盛況振り。続いて、かくし芸大会に移行。茉子とことはのペアはマジック、千明は下手な和傘回し、流ノ介と源太は漫才を披露します。丈瑠は、無理矢理彦馬の物真似をさせられ、ご本人(彦馬)のウケは良かったものの、他の反応はイマイチという結果に。</p>
<p><img src="images/44_02.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　丈瑠もここまで来たか、という印象付けが、もはや壮絶の域ですね(笑)。</p>
<p>　続いてかるた取りも催され、</p>
<p><br /></p>
<p>「この屋敷で何度も正月を迎えましたが、今年程賑やかなのは、初めてですな！」</p>
<p><br /></p>
<p>と彦馬は終始嬉しそうなのでした。この楽しげな風景と、この後のシリアスな展開とのギャップが凄まじいのです。</p>
<p>　盛り上がりもひと段落したところで、丈瑠よりお年玉と称して筆が配られます。</p>
<p><img src="images/44_03.jpg" alt="お年玉" /></p>
<p>　意外なお年玉について突っ込まれる丈瑠。彦馬が選んだのだと、自らの関与を否定するあたりが可愛らしいです。</p>
<p><br /></p>
<p>「戦いも厳しくなっておる。浮かれるばかりでなく、初稽古で気持ちを引き締めねばな」</p>
<p><br /></p>
<p>と彦馬が締めた所で、そこに正装した黒子が突如書状を持って来ます。</p>
<p><img src="images/44_04.jpg" alt="書状" /></p>
<p>　ふと、険しい表情に変わる丈瑠と彦馬。彦馬が書状を手に取り、</p>
<p><br /></p>
<p>「これは...」</p>
<p><br /></p>
<p>と呟きます。賑やかな新年会と、この緊迫感あるシーンの間に、初稽古の話を持ってきて推移を平滑にする措置、ここに職人芸を感じました。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、六門船の新年は寂しいもの。骨のシタリは、</p>
<p><br /></p>
<p>「ドウコク、この船もガラーンとしちまったよ。早く戻ってきてもらわなきゃ...」</p>
<p><br /></p>
<p>と一人呟いている始末。</p>
<p><img src="images/44_05.jpg" alt="骨のシタリ" /></p>
<p>　そこに、薄皮太夫が突如戻って来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>「相変わらず変わり映えしないな」</p>
<p><br /></p>
<p>と少々の皮肉により、自分が六門船に戻って来たという行為にまつわるネガティヴな感情をぼかしています。</p>
<p><img src="images/44_06.jpg" alt="薄皮太夫" /></p>
<p>　薄皮太夫がもう戻って来ないかと思っていた骨のシタリは大喜び。血祭ドウコクの話題に及び、薄皮太夫の三味線を修復した際、無茶をし過ぎた為、ずっと三途の川に沈んでいることが、改めて語られます。</p>
<p><br /></p>
<p>「戻せるのか？」</p>
<p><br /></p>
<p>と薄皮太夫。</p>
<p><br /></p>
<p>「戻すさ。アヤカシと同じ水切れには、嘆きや苦しみで染まった三途の川の水に限る。ただねぇ、ドウコクの底なしの器は並大抵じゃ埋まらない」</p>
<p>「だろうな」</p>
<p><br /></p>
<p>　骨のシタリの答えの中には、血祭ドウコクのダメージの大きさや、彼そのものの強大さが、ごく自然に盛り込まれています。</p>
<p><br /></p>
<p>「ま、考えるよ。それより、お前さんが戻って、何かヤル気が湧いてきたよ」</p>
<p><br /></p>
<p>　六門船も新年とあってか、やや明るくなってきたようです。今回の骨のシタリは、少々浮かれ気味でライトな語り口を特徴としています。骨のシタリは、今のうちに志葉の当主を片付ける為に「アレを試す」と言って、今回のアヤカシであるヨモツガリを呼びます。</p>
<p><img src="images/44_07.jpg" alt="ヨモツガリ" /></p>
<p>　レアな女性型アヤカシ。新年早々出してくるとは大胆ですが、女性版シンケンレッドが登場する今回にあっては、インパクトが薄くなるのも致し方ないところか。</p>
<p>　そのヨモツガリ、登場早々に薄皮太夫をからかいます。</p>
<p><br /></p>
<p>「おや？誰かと思えば、はぐれもんの太夫さん。三途の川なんかお気に召さないだろうに、何で戻ってきたのやら...」</p>
<p><br /></p>
<p>　今更ですが、アヤカシはレギュラー幹部クラスと基本的に優劣がなく、割と顔見知りが多いので、こんな会話を楽しめます。シリーズ中、一貫していましたね。薄皮太夫は、素早く仕込刀を抜き、ヨモツガリの喉元に突き付けます。</p>
<p><br /></p>
<p>「はぐれだろうと外道は外道。好んで堕ちたここが、わちきの居場所。よろしく頼む、ご同輩」</p>
<p><br /></p>
<p>　この迫力！素晴らしいです。敵側レギュラー陣の満足度の高さは、やはり声優陣の充実に左右されると断言できそうな気がしますね。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、十臓は、</p>
<p><br /></p>
<p>「ようやくだな。また斬り合うことだけに生きられる。命の最後の一滴まで」</p>
<p><br /></p>
<p>と呟きつつ、裏正を眺めていました。</p>
<p><img src="images/44_08.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　昨年末にうんと活躍したので、今回の出番は至って少なめですが、やはり存在感は抜群。ちなみに十臓は、このシーンと、最後の最後の1カットに登場します。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、志葉家では新年初稽古の一環として、まず書き初めを。恐らく、先程の「お年玉」を使用して、ということでしょう。各々の書初めは、流ノ介が「鍛錬」、茉子が「謹賀新年」。茉子の高梨さんは段持ちなので、さすがに字に繊細さがあります。というわけで茉子のだけキャプ(笑)。</p>
<p><img src="images/44_09.jpg" alt="茉子" /></p>
<p>　なお、千明は「勝つ！」、ことはは「和」をしたためました。源太は、何やら書きまくっており、意外に上手い字で「海老」、「鮑」、「鰯」、「鮃」、「鯛」、「鯖」、「玉子」と寿司ネタの漢字知識を続々披露します。ダイゴヨウに、</p>
<p><br /></p>
<p>「お品書きじゃねぇですぜ、親分」</p>
<p><br /></p>
<p>と秘伝ディスクをぶつけられるオチで終了。</p>
<p><br /></p>
<p>　そんなこんなで仲間達が楽しんでいる間、例の書状を受けた丈瑠と彦馬は、深刻な談義をしていました。</p>
<p><img src="images/44_10.jpg" alt="彦馬と丈瑠" /></p>
<p>「にわかには信じられませぬ。本当であれば喜ぶべきことでありますが、といってここへ来て全てを明らかにするのは、とても...」</p>
<p>「とにかく、こっちで動けることは何もない。今まで通りにしてるだけだ」</p>
<p>「はぁ...」</p>
<p>「ジイ...。もし、その時になったら、その時の事か...」</p>
<p><br /></p>
<p>　この会話は非常に巧妙であり、二人の会話として不自然にならない程度に、今後の展開を隠しつつ匂わせるという、高度なテクニックの産物になっています。彦馬の言う「喜ぶべきこと」というのは、恐らくクライマックスに突如登場する「姫」の出陣準備が整ったということでしょう。丈瑠の「こっちで動けることは何もない」というのは、その「姫」登場に際して、何か丈瑠自身が特別な動きをする必要もなければ、そのような要求もされないということであり、丈瑠の口調も相俟って、極めて自虐的にも聞こえます。また、彦馬にしても、「姫」の登場を素直に喜べない節があるようです。</p>
<p><br /></p>
<p>　外では、続いて剣の稽古。千明は、今年こそ丈瑠を追い越す気合で、鮮やかな竹刀さばきを見せています。なお、稽古相手はダイゴヨウ。ここでようやく、丈瑠も稽古に参加します。外に出てきた丈瑠を呼び止めようと、茉子は声を掛けますが、丈瑠はそれを聞かぬ振りをしてすぐに竹刀をとり、ダイゴヨウ相手に稽古を始めます。</p>
<p><img src="images/44_11.jpg" alt="千明、ことは、丈瑠、茉子、流ノ介、源太" /></p>
<p>　千明のアクロバティックな剣さばきとは異なる、安定した太刀筋が印象的です。そんな丈瑠を、やや怪訝な表情で見る茉子...。彼女の直感や気付きが、この局面でも遺憾なく発揮されるのは、嬉しい処です。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、ここから徐々に戦闘モードに切り替わります。</p>
<p><br /></p>
<p>　骨のシタリが人の世に出張り、シンケンレッドを狙うようヨモツガリに指示を与えています。骨のシタリは、ヨモツガリにとっておきの「鬼火玉」なるアイテムを手渡します。</p>
<p><img src="images/44_12.jpg" alt="鬼火玉" /></p>
<p>「ほら、シンケンレッドのモヂカラは火だろ。目には目を、火には火をってね。この三途の川の鬼火で練った玉で撃てば、火が火を呼んでヤツを燃やし尽くす。身体の中まで。今日で志葉家も終わりさね」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠最大の武器である火のモヂカラが、最大の命取りになるという、いわば燃える定石展開なのですが、そこに一捻り加わり、「丈瑠がまともに食らう」、「でも燃やし尽くされない」という仕掛けを施しています。普通ならば、何とかこの危機を脱するべく奮闘する様子が描かれるのですが、丈瑠はむしろこの鬼火玉を積極的に受けてしまうのです。さらに、まともに受けたにもかかわらず、丈瑠自身死ぬには至らないという展開を用意することで、今後への布石ともしています。</p>
<p><br /></p>
<p>　そんな折、志葉家では稽古後のおしるこが振る舞われますが、そこに丈瑠と茉子は居ません。痺れを切らした千明が様子を見に行くと、二人が何やら話しています。</p>
<p><img src="images/44_13.jpg" alt="丈瑠と茉子" /></p>
<p>「やっとチャンス作れた」</p>
<p><br /></p>
<p>と茉子。先程、丈瑠に声をかけたのは、丈瑠と話をする為だったわけです。</p>
<p><br /></p>
<p>「何だ？話って」</p>
<p>「そんなに警戒しないでよ。まぁ、確かに突っ込む気だけど」</p>
<p>「何を」</p>
<p>「ずっと引っ掛かってること。丈瑠が何を抱えているのか」</p>
<p><br /></p>
<p>　茉子が引っ掛かっていたのは、常に丈瑠が何かをひた隠している様子についてでした。そして、その引っ掛かりが完全に顕在化したのは、丈瑠が茉子に言い放った、</p>
<p><br /></p>
<p>「俺は、違う！」</p>
<p><br /></p>
<p>というセリフなのでした。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿様としてなのか、丈瑠としてなのか、全然分からないけど、それ、私達も一緒に抱えられないのかな」</p>
<p><br /></p>
<p>と茉子。彼女の洞察力を以ってしても、これから起こる驚天動地の展開は予想出来ませんでした。ただ、「殿様としての苦悩」と断言するには違和感があると感じているあたり、さすがです。</p>
<p>　公式サイトによると、「俺は、違う！」のセリフのシーンを撮るにあたり、丈瑠役の松坂さんには今後の展開と等を説明したそうですが、この時点で茉子役の高梨さんには説明していなかったそうです。あのシーンの妙な齟齬感のリアルさの裏側にこんなエピソードがあったとは。納得です。ちなみに、「姫」の展開についても、当初の予定通りだそうです。凄いですね...。</p>
<p>　物陰から見ていた千明は、</p>
<p><br /></p>
<p>「何だ？丈瑠がどうかしたのかよ」</p>
<p><br /></p>
<p>と心の中で呟きます。丈瑠をライバル視するキャラクターである千明を、ここに絡ませてくるとは、なかなか巧妙です。志葉家十八代目当主が丈瑠じゃないとすれば、千明と同列の侍に過ぎないということになりますからね。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここでスキマセンサーに反応が。余計な付加シーンもなく、直ちに出陣して行き、ヨモツガリを前に口上を披露します。</p>
<p><img src="images/44_14.jpg" alt="一筆奏上！一貫献上！" /></p>
<p>　直後、定番のナナシ連中との斬り合いに突入。丈瑠も含め、ややスポーツ的なノリなのが今回の特徴で、油断とまではいかないものの、かなり軽いノリになっています。</p>
<p>　その間、ヨモツガリはつむじ風になって移動して虚を突き、丈瑠に鬼火玉を撃ち込みます。鬼火玉自体の衝撃はさほどではないものの、すぐさま青白い炎が丈瑠に大きなダメージを与えていきます。他の面々が鬼火玉を受けても、大したダメージを受けないというカットが積み重ねられ、鬼火玉の特殊性が印象付けられていきます。鬼火玉は火のモヂカラに反応し、火のモジカラが高ければ高いほど、攻撃力が上がると説明されます。</p>
<p>　これを聞き、一同は丈瑠を囲んで身を呈して守る陣形に。しかし、丈瑠はままならぬ身体でそれを制止しようとします。丈瑠は、気合と共にスーパーシンケンレッドに変身。</p>
<p><br /></p>
<p>「待て！余計なことしてないで、さっさと俺を倒したらどうだ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と単身ヨモツガリに向かっていきます。千明は、</p>
<p><br /></p>
<p>「あいつ、何でいつもあんな簡単に自分を...」</p>
<p><br /></p>
<p>と歯噛みしつつ、丈瑠の後を追います。ああ、丈瑠が捨て身だったりそうならなかったりを、シリーズ中で繰り返していたのは、このシーンに繋げる為だったわけですね。丈瑠が徐々にくだけてきて、仲間に命を預ける双方向の関係を強調し出したかと思いきや、不意に捨て身を思わせるエピソードを入れてくる。ややしつこい感じもしたシリーズ構成は、実は結構巧妙な計算によるものだったんですね。</p>
<p>　丈瑠は、肉を切らせて骨を断つ戦法で、ヨモツガリにわざと鬼火玉を撃たせ、変身解除と共にスーパーモウギュウバズーカをぶっ放すという戦法に出ます。</p>
<p><img src="images/44_15.jpg" alt="スーパーシンケンレッド" /></p>
<p>　素晴らしいカット割と合成です。</p>
<p><img src="images/44_16.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>「まさか、志葉の当主が相打ちを狙うとはね！」</p>
<p><br /></p>
<p>　意外な丈瑠の戦法に驚きつつ、ヨモツガリの一の目は四散します。物陰で様子を伺っていた骨のシタリは、</p>
<p><br /></p>
<p>「やったよ！さすがに志葉の当主。火の大きさは申し分なかった！まぁ、身体が燃え残ったのは意外だったけどね」</p>
<p><br /></p>
<p>と喜びを露わにします。薄皮太夫は、</p>
<p><br /></p>
<p>「十臓ががっかりするな」</p>
<p><br /></p>
<p>と、ここでも皮肉屋の一面を見せています。薄皮太夫の言葉どおり、丈瑠はなかなか目を開けません。</p>
<p><br /></p>
<p>　その間、ヨモツガリは二の目で巨大化。その時、丈瑠が意識を取り戻します。が、当然の如く動くこともままなりません。丈瑠は、流ノ介にインロウマルを託し、ヨモツガリを迎撃するよう指示します。</p>
<p><img src="images/44_17.jpg" alt="丈瑠、シンケンブルー" /></p>
<p>　そんな丈瑠の様子を見た薄皮太夫は、</p>
<p><br /></p>
<p>「どうした？火が火を呼んで燃やし尽くすのではなかったのか？」</p>
<p><br /></p>
<p>と、骨のシタリの誤算を指摘。</p>
<p><br /></p>
<p>「おかしいねぇ。志葉の当主なら身体の隅々まで火のモヂカラが染込んでいる筈なんだが...」</p>
<p><br /></p>
<p>　この、ちょっと何気ない感じの展開が、後でグサリと効いて来るんですよ！</p>
<p>　志葉の当主なら...？ということは？</p>
<p><br /></p>
<p>　で、とにかく巨大戦。流ノ介達は、ダイカイシンケンオーで二の目を迎撃します。</p>
<p><img src="images/44_18.jpg" alt="ヨモツガリ VS ダイカイシンケンオー" /></p>
<p>　二の目でもヨモツガリのつむじ風移動は健在。変幻自在の攻撃に、ダイカイシンケンオーは大苦戦を強いられます。ここ最近、アヤカシも割と強力ですね。とうとう合体解除の憂き目に遭ってしまいます。</p>
<p><img src="images/44_19.jpg" alt="折神" /></p>
<p>　と、その時、動けない丈瑠の前に現れる袴姿の少女。その少女は、何とショドウフォンを取り出します。驚く丈瑠の前で変身音が...。</p>
<p><img src="images/44_20.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　直後、動けない折神達を尻目に、獅子折神が孤軍奮闘、獅子奮迅の活躍を開始します。しかし、丈瑠はまだ動けない状態。一体誰が！？</p>
<p>　視聴者(劇中人物もですが)の興味を引き付けておいたところで、獅子折神を操縦するシンケンレッドの声が、少女のものであるというサプライズ！このテンポとテンションの高さは特筆モノです。更に、ヨモツガリにとって「気持ち悪い炎」が獅子折神から放たれ、ヨモツガリは動けなくなってしまいます。火炎攻撃だけでこの威力。丈瑠の操る獅子折神とは一味違うということを、巧く印象付けています。そして、「五角大火炎」でヨモツガリを撃破。</p>
<p><img src="images/44_21.jpg" alt="獅子折神" /></p>
<p>　何と、獅子折神単体でアヤカシの二の目を撃破してしまいました。何と言うグレートマジンガー(笑)！</p>
<p>　当然、一同呆然です...。</p>
<p><br /></p>
<p>　予想外の展開に遭遇しつつも、何とか戦いを終えた流ノ介達は、動けないままの丈瑠を志葉家へ連れ帰ろうと迎えにいきます。その時、一同の前に降り立つシンケンレッド！</p>
<p><img src="images/44_22.jpg" alt="シンケンレッド" /></p>
<p>　女性体型がこれでもかと強調されるアングルが何だかエロティックですが、スーツアクターは蜂須賀さんだという話です(笑)。さすがは蜂須賀さん。</p>
<p>　そこに、黒子と共に頑固そうな壮年男性が現れます。この人、名を丹波歳三と言います。</p>
<p><br /></p>
<p>「無礼者！この御方をどなたと心得る！この御方こそ、志葉家十八代目当主・志葉薫様にあらせられるぞ！姫の御前である。ひかえおろう！」</p>
<p><br /></p>
<p>　彦馬が第一幕で言おうとして制止された口上。丈瑠は早々に制止しましたが、それも今に繋がる伏線だったのか...？</p>
<p><img src="images/44_23.jpg" alt="シンケンレッドと丹波歳三" /></p>
<p>　シンケンレッドが変身を解くと、そこには先程丈瑠の前に現れた少女・薫が。</p>
<p><img src="images/44_24.jpg" alt="薫と歳三" /></p>
<p>　突如の「姫」登場に動揺しまくる一同の表情を一人一人捉え、遂に来たかといった表情を浮かべる丈瑠を最後に捉えます。</p>
<p><img src="images/44_25.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　物陰からは十臓がその様子を伺っています。十臓の狙いはあくまで丈瑠との斬り合いにあるようです。従って、深手を負った丈瑠に手出しはしません。</p>
<p><img src="images/44_26.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　この薫役は、夏居瑠奈さんで、何と現在14歳！ことは役の森田さんより年下ですよ。</p>
<p><img src="images/44_27.jpg" alt="薫" /></p>
<p>　非常に凛とした表情もさることながら、アフレコ時のセリフのキレも抜群。驚愕の展開に説得力を付加しています。</p>
<p><br /></p>
<p>　戦隊の次作品スポットも入るようになり、いよいよクライマックスの雰囲気が盛り上がってきた「シンケンジャー」。どのような展開が待っているのか、最後まで興味は尽きませんね。</p>]]>
    </content>
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    <title>第四十三幕「最後一太刀」</title>
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    <published>2009-12-30T13:40:07Z</published>
    <updated>2009-12-30T13:42:05Z</updated>

    <summary>　筋柄アクマロ最終編。源太メイン編として、そして十臓メイン編としても機能しており...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
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        <category term="感想" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="ストーリー" label="ストーリー" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
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        <![CDATA[<p>　筋柄アクマロ最終編。源太メイン編として、そして十臓メイン編としても機能しており、重層的な構造によって見応えを増しています。</p>
<p><br /></p>
<p>　筋柄アクマロは予想通り年内退場となり、年明けからはラストに向けて突っ走るようです。ここで筋柄アクマロを退場させることによって、当初からの対決構造、つまり志葉家対血祭ドウコクを再び強固なものとする為の段取りが垣間見えます。が、それでも筋柄アクマロがただ退場させられるのではなく、シリーズに色々と重要な要素を残して行きました。</p>
<p>　源太には、改めて生粋の侍でないが故の苦悩と克服を、十臓には、はぐれ外道という名前に相応しくない、徹底した外道振りを。これらの要素は、シリーズのクライマックスに向かって、軸がブレないよう考えられた配慮ではないでしょうか。予告編では、丈瑠に衝撃的な展開が待っていることを予感させているので、他のキャラクターのポジションをしっかり固めておいて、丈瑠の物語に干渉しないようにしているものと思われます。</p>
<p><br /></p>
<p>　源太と十臓に関しては、本編の方で詳しく触れてみようと思います。</p>
<p>　では、十臓を中心にキャプ画が通常の三割増しになった本編の方をご覧下さい。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　前回からの続き。筋柄アクマロの仕掛けた「裏見がんどう返し」の衝撃により、昏倒したシンケンジャーが、ようやく意識を取り戻す処から開始です。</p>
<p>　クローズアップされるのは、源太。源太は同様に昏倒している十臓を見遣り、</p>
<p><br /></p>
<p>「今なら、倒せる！」</p>
<p><br /></p>
<p>と立ち上がって歩み寄ります。源太は、倒れている十臓を前に、スシチェンジャーを握りしめますが...。</p>
<p><img src="images/43_01.jpg" alt="源太" /></p>
<p>　源太には迷いがありました。</p>
<p>　確かに十臓を倒せば、地獄がこの世に出て来ることはない上に、丈瑠が命を賭けて戦う必要もなくなるのです。しかし、「裏正が十臓の家族によって作られた」ということが、源太の心の中に引っ掛かり、なかなか手を出せないで居るのでした。</p>
<p>　結局、源太は十臓の元から走り去ってしまいます。</p>
<p><br /></p>
<p>　これは源太の「優しさ」だったのでしょうか。</p>
<p>　私はそうは言い切れないと考えます。結果的に、この源太の行動は十臓に対して何の影響も与えることなく、むしろ完全に「無駄」なものだったように描かれており(シンケンジャー側には、改めて源太の心意気を認識させる効果があった)、その突き放し方を見るに付け、この源太の行動は「甘さ」の強調に他ならなかったように思われるのです。シンケンジャーは誰しも家族に特別な感情を抱いている節があるので、源太も例外ではありません。家族というキーワードへの同情と、侍としての使命感との間に、一線を引くことが出来なかったのが、今回の源太でしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、彦馬の調査によると、「裏見がんどう返し」の6つの地点からは、正体不明のエネルギーの噴出が止まらず、かなりの被害が出ている模様。丈瑠は、十臓が裏正を使わなければ済む話だと結論付けています。まぁ、このまま十臓が裏正を使わないでいさえすれば、いずれ噴出が止まるなどということの根拠はないわけですが。</p>
<p><img src="images/43_02.jpg" alt="作戦会議" /></p>
<p>　一同は裏正の成り立ち、つまり裏正が十臓の家族によって作られたということが引っ掛かっていました。多かれ少なかれ、源太と同様の感じ方ではあるわけです。この会話を少し距離をおいて聞いていた源太は、突如、十臓をわざと見逃したと告白し、詫び始めます。</p>
<p><img src="images/43_03.jpg" alt="源太" /></p>
<p>「怪我してるみてぇだったし、俺一人で何とか出来たかも知れねぇんだ。なのに、あいつの家族とか考えてたら...でも、その所為で沢山の人が危険に晒されたまんまだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　自分は甘いと自戒する源太は、</p>
<p><br /></p>
<p>「生まれついての侍じゃねぇってのは、こういうところかも知れねぇな...」</p>
<p><br /></p>
<p>と呟くのでした。それを受けて、流ノ介は「確かに甘すぎた」と詰ります。千明はそんな流ノ介を非難するのですが、カメラワークからして突き放した感じになっており、不毛な議論という印象を与えています。茉子は、</p>
<p><br /></p>
<p>「私も、薄皮太夫の時に迷ったから分かる...でも」</p>
<p><br /></p>
<p>と、源太の心情を慮りましたが、源太は、</p>
<p><br /></p>
<p>「戦わなきゃなんねぇんだよな。ホントに悪かった」</p>
<p><br /></p>
<p>と言い捨てて、一人屋敷を出て行くのでした。しかしながら、私が思うに、十臓は人間の姿をしているので、他の面々でもそう簡単にはトドメを刺せなかったのではないかと...。</p>
<p>　なお、源太の苦悩は、侍と認められなかったり、寿司嫌いになったりと、割とコミカルに描かれる場面が多かったので、今回のようなシリアスな苦悩は、最終編突入前夜といった雰囲気を感じさせます。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここで、十臓の過去が回想シーンによって語られます。回想シーンによると、裏正は十臓を止めたいと願う妻の命で作られたことになっているようです。つまり、「家族」とは妻のこと。十臓が妻帯者だったというのは、多分初耳。</p>
<p>　出て行く十臓を止めようとして叫喚する妻の元に現れる筋柄アクマロが実に恐ろしい。</p>
<p><img src="images/43_04.jpg" alt="十臓の妻" /></p>
<p>　そして、十臓は妻の命から作られた裏正を手にします。</p>
<p><img src="images/43_05.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　裏正の鳴動は、妻の嘆きや悲しみの声。後で、十臓は裏正の正体に初めから気付いていたと明かしますが、この鳴動の中に妻の感情を見たのかも知れません。</p>
<p>　それにしても、この回想シーンを見るまで、十臓が不治の病に侵されていたということを忘れてました(笑)。</p>
<p><br /></p>
<p>　処替わって、未だ苦悩のさなかにある源太。</p>
<p><br /></p>
<p>「侍がクリスマスじゃねぇよ！やっぱり俺は寿司屋か！」</p>
<p><br /></p>
<p>と、調達したクリスマスツリーをパッと叩くような仕草をします。</p>
<p><img src="images/43_06.jpg" alt="源太" /></p>
<p>　そういえば、時期的にクリスマスネタも絡んでいましたね。実に多くの要素が散りばめられていることが分かります。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、流ノ介と千明は、それぞれ源太の処へ行こうと考えていました。</p>
<p><img src="images/43_07.jpg" alt="流ノ介と千明" /></p>
<p>　強く詰問した者と、それを庇う者。それぞれ接し方は異なるものの、源太が大切な仲間であり、その心情に理解を示しているのも同様なのでした。そんな二人を見て、微笑ましく笑う女性陣が実にイイ。</p>
<p><img src="images/43_08.jpg" alt="茉子とことは" /></p>
<p>　テロップ邪魔(笑)！</p>
<p><br /></p>
<p>　そこに突如ダイゴヨウが飛び込んで来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>「親分が、十臓の責任とるって、一人で！」</p>
<p><br /></p>
<p>　そしてさらに、筋柄アクマロの襲来を知らせるスキマセンサーの反応が。</p>
<p>　源太の危難を予感した丈瑠は、流ノ介と千明に源太と十臓を任せ、茉子、ことはと共に筋柄アクマロを迎撃すべく出陣していきます。</p>
<p><br /></p>
<p>　テンゲン寺で、十臓に出会う源太。十臓がテンゲン寺に居たということで、十臓が妻に対する何らかの思慕を抱いているのではないかと思わせる演出が巧み。この後の源太の行動にある種の説得力を持たせています。残念ながら、少なくとも今回に限って言えば、思慕などとっくの昔に霧消していたわけですが。</p>
<p><img src="images/43_09.jpg" alt="十臓と源太" /></p>
<p>「寿司屋、何しに来た？」</p>
<p>「行くのか？筋柄アクマロの言う通り、裏正で地獄を...」</p>
<p>「止めたいのか？ならば、何故あの時止めなかった？」</p>
<p>「俺が、寿司屋だから」</p>
<p>「面白いと思っていたが、本当に面白いな」</p>
<p><br /></p>
<p>　センテンスこそ少ないですが、深みのある会話だと思います。十臓はあくまで源太を侍ではなく「寿司屋」として認識しており、源太自身も、自分が侍とは違うという認識から、自ら「寿司屋」だと答えています。絶妙です。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、丈瑠達はナナシ連中との斬り合いに投入していました。</p>
<p><img src="images/43_10.jpg" alt="一筆奏上！" /></p>
<p><br /></p>
<p>　では、源太はどのように落とし前をつけようとしていたのかというと...。</p>
<p><img src="images/43_11.jpg" alt="源太" /></p>
<p>　サカナマルを置き、突如ひざまずくという驚愕の行動に。</p>
<p><br /></p>
<p>「俺はやっぱり、侍になりきれねぇ。外道衆は許せねぇけど、家族の魂救いてぇって奴は、どうしても剣で止められない...だから、だから頼むしかねぇ。裏正を、諦めてくれ。この通りだ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　この源太の「土下座」を、冷ややかに見下ろす十臓。</p>
<p><br /></p>
<p>「そうだな。たしかにお前は侍には向いていない。寿司を握ってる方が似合いだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　寿司を握っている方が似合いだ等と言いつつ、蛮刀を振り下ろす十臓！</p>
<p><img src="images/43_12.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　今回の十臓は、人間らしい感情が露程も感じられない仕様になっており、その徹底した冷徹さが、驚愕のクライマックスの安定感を高めていると言えそうです。</p>
<p><br /></p>
<p>　斬られるのを覚悟する源太。しかし、駆けつけた千明と流ノ介がそれを阻止します。</p>
<p>　千明の、</p>
<p><br /></p>
<p>「うちの六人目が何だって？」</p>
<p><br /></p>
<p>というセリフ、流ノ介の、</p>
<p><br /></p>
<p>「我々はこの男程、人が良くない。遠慮なく力ずくで行くぞ！」</p>
<p><br /></p>
<p>というセリフが、気が利いていて良いですね。そして、そのまま十臓との激しい立ち回りに突入！</p>
<p><img src="images/43_13.jpg" alt="流ノ介＆千明 VS 十臓" /></p>
<p>　素面でのアクション、非常に充実しています。2対1という構図なので、殺陣の段取りも複雑になっています。ひとしきりの打ち合いを経て、十臓は、</p>
<p><br /></p>
<p>「下らん！」</p>
<p><br /></p>
<p>と吐き捨てて筋柄アクマロの元へ向かいます。</p>
<p><br /></p>
<p>「情けねぇ...考えた挙句に、俺はこんなに甘い」</p>
<p><br /></p>
<p>　自らの行動に悔恨の念を隠せない源太。そんな彼を、流ノ介と千明がフォローします。</p>
<p><img src="images/43_14.jpg" alt="千明、源太、流ノ介" /></p>
<p>「それでこそ、源ちゃんだろ。カッコ良かったよ」</p>
<p>「私にはとても出来ない。源太、多分お前のような侍が、私達には必要なんだ。殿達もきっとそう思ってる」</p>
<p>「行こうぜ！地獄なんか、この世に出してたまるかよ」</p>
<p><br /></p>
<p>　流ノ介も千明も、源太の存在意義を最大限に認めています。感動的ですね～。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃丈瑠は、ナナシ連中を一掃し、スーパーシンケンレッドとなって筋柄アクマロに立ち向かっていました。あらゆる要素を凝縮した為か、テンポの速さが尋常ではありません。</p>
<p>　そこに十臓が出現。遂に、筋柄アクマロに手渡された裏正を手にします。</p>
<p><img src="images/43_15.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　裏正の音が鳴り響き、十臓も満足げな様子で裏正を眺めています。</p>
<p><br /></p>
<p>「おお...ご家族も喜んでる様子。さぁ、早く！魂の解放を、そして、我には地獄を」</p>
<p><br /></p>
<p>　筋柄アクマロの地獄への執念は、丈瑠の放つスーパーモウギュウバズーカの弾丸をも跳ね返します。</p>
<p><img src="images/43_16.jpg" alt="シンケンジャー" /></p>
<p>　跳ね返されたスーパーモウギュウバズーカの弾丸に、丈瑠達は変身解除の憂き目に遭います。</p>
<p><br /></p>
<p>　その間、筋柄アクマロは十臓に最後の仕上げとして、岩を斬るよう促します。十臓は暫く裏正を眺めていましたが、遂に動き出します。裏正を上段に構え、静止。</p>
<p><br /></p>
<p>　ところが、十臓はおもむろに身を翻し、筋柄アクマロを切り捨てるのです！</p>
<p><img src="images/43_17.jpg" alt="筋柄アクマロと十臓" /></p>
<p>　過度なスローモーションを導入し、その身の翻しの唐突さを強調しています。これは凄い。</p>
<p><br /></p>
<p>「裏正の正体など、初めて見た時から気付いていた」</p>
<p>「では、家族と知りながら二百年も裏正で人を...」</p>
<p>「外道に堕ちるとは、そういうことだろう。もはやこいつも、一蓮托生」</p>
<p><br /></p>
<p>　顔に掛かっていた髪が風になびき、真の外道たる瞳を見せる十臓！</p>
<p><img src="images/43_18.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　十臓関連の演出は鬼気迫るものがあり、非常に迫力があります。</p>
<p><br /></p>
<p>　そして、トドメとばかりに筋柄アクマロを貫く十臓！</p>
<p><img src="images/43_19.jpg" alt="筋柄アクマロと十臓" /></p>
<p>「元の切れ味だ。礼を言っておこう」</p>
<p><br /></p>
<p>と毒付き、ニヤリと笑います。</p>
<p><img src="images/43_20.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　以前、裏正の正体を知らぬまま、十臓が人斬りを繰り返し、筋柄アクマロの思惑通りに事が進んでいたと解釈しましたが、見事そのあたりを外されたわけで、非常に気分がいいです。こういった予測不可能な展開は好きですねぇ。にしても、この十臓の悪辣振りは、源太の寿司を気に入ったと言っていた頃とは、随分異なる印象であることも確か。まぁ、寿司の味がどうこう言うことに関しては、人の情は不要なので、筋は通っていますが。</p>
<p><br /></p>
<p>　さすがの丈瑠も、十臓の様子には戦慄に似た感情を覚えたようです。</p>
<p><img src="images/43_21.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　源太も困惑し、</p>
<p><br /></p>
<p>「何なんだよ、あいつ...何なんだ？」</p>
<p><br /></p>
<p>と、自らがとった行動の空疎加減を思い知らされることになりました。この時の源太の受けたショックは、計り知れないものがあったでしょう。</p>
<p>　薄皮太夫が現れ、筋柄アクマロを嘲笑します。</p>
<p><img src="images/43_22.jpg" alt="薄皮太夫" /></p>
<p>「アクマロ、人でないお前が、人の情を頼みにしたのが失敗だったな」</p>
<p><br /></p>
<p>　目論見の外れた筋柄アクマロは、</p>
<p><br /></p>
<p>「十臓さん、あんたさんこそ本当の外道でござります」</p>
<p><br /></p>
<p>と精一杯の皮肉を投げかけます。</p>
<p><img src="images/43_23.jpg" alt="筋柄アクマロと十臓" /></p>
<p>　十臓は、</p>
<p><br /></p>
<p>「だとすれば、俺にやらせても無駄だったというわけだ」</p>
<p><br /></p>
<p>と裏正を構え、「裏見がんどう返し」の最終ポイントである岩の前に再び立ちます。そして、一刀両断！</p>
<p>　これが、サブタイトルの「最後の一太刀」でしょうか。見事、岩は砕け散りましたが、何と、「裏見がんどう返し」は岩のあった地点を起点に、次々と消滅していくのでした。この「裏見がんどう返し」は人でも外道でもない者によって達成されるものでしたが、十臓は真性の外道へと成り果ててしまった者であった為、達成されることはなかったのです。</p>
<p>　この状況が、さらに源太の「同情」を空疎なものへと追い込んでいきます。十臓が裏正を再び手にすべく、筋柄アクマロの言う通りに岩を両断したとしても、結局「裏見がんどう返し」は達成されることはなかったわけで、今回、例えばシンケンジャーが一切手出ししなかったとしても、結果としては変わらなかったということになります。源太の行動、そしてそんな源太を取り巻くシンケンジャーの面々の行動は、この「裏見がんどう返し」の件に関しては、まるっきり無駄になってしまいました。</p>
<p><br /></p>
<p>　万策尽きた筋柄アクマロは、衝撃波を乱射して暴れまくります。十臓の一太刀で事切れれば、凄まじい迫力と余韻を残すエピソードになったのですが、そうはいかないのが年末商戦という要求(笑)。ここからは、各種アイテムを連発して要求に応えていきます。</p>
<p><br /></p>
<p>　再び変身したシンケンジャーには、源太が烈火大斬刀・大筒モードを構え、丈瑠がスーパーモウギュウバズーカを構えるという、源太との信頼関係を思わせる構図が用意されます。</p>
<p><img src="images/43_24.jpg" alt="シンケンジャー" /></p>
<p>　初登場の「烏賊五輪弾」と、「外道覆滅」が炸裂！筋柄アクマロの一の目撃破と相成ります。</p>
<p><br /></p>
<p>　筋柄アクマロの二の目は、切神の助力を得ての大乱戦。シンケンオー、モウギュウダイオー、ダイカイオーミナミ、ダイゴヨウで迎撃です。単体ロボの総登場が泣かせます。</p>
<p><img src="images/43_25.jpg" alt="シンケンオー、モウギュウダイオー、ダイカイオーミナミ、ダイゴヨウ" /></p>
<p>　モウギュウダイオーとダイゴヨウとで、筋柄アクマロを迎え撃ち、シンケンオーとダイカイオーで切神に対処します。</p>
<p><img src="images/43_26.jpg" alt="ダイゴヨウ＆モウギュウダイオー VS 筋柄アクマロ" /></p>
<p>　登場体数が多いにも関わらず、うまく処理されています。</p>
<p><br /></p>
<p>　ダイカイオーヒガシにチェンジし、シンケンオーの「ダイシンケン侍斬り」と共に「海老バサミ本手返し」を放つ源太。これにより切神を撃破します。ちょこっとイカシンケンオーで丈瑠を援護するカットをはさみ、いよいよサムライハオーで筋柄アクマロとの対戦になります。</p>
<p>　筋柄アクマロは「モヂカラ大弾円」を弾き返し、その強さをアピール。</p>
<p><br /></p>
<p>「シンケンジャー、あんたさん達だけでも、地獄へ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　既に目的を失って、言動が支離滅裂になっている筋柄アクマロ。その様子が却って恐ろしさを感じさせます。ここで、源太は恐竜折神を使うことを思いつきます。サムライハオーに恐竜折神を装備し、遂に全折神の集合体の完成です。</p>
<p><img src="images/43_27.jpg" alt="サムライハオー" /></p>
<p>　そして、「十二折神大侍斬り」が炸裂！</p>
<p><img src="images/43_28.jpg" alt="サムライハオー" /></p>
<p>「この痛み、見えた...これが、これが！」</p>
<p><br /></p>
<p>　満足げにせせら笑いつつ散る筋柄アクマロ...。</p>
<p><img src="images/43_29.jpg" alt="筋柄アクマロ" /></p>
<p>　この真っ二つ、怖い～！最後の最後で、地獄を見ることが出来たのでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>　源太には釈然としない何かが残り、一本締めも行われませんでした。</p>
<p><br /></p>
<p>　帰路、源太はふと、</p>
<p><br /></p>
<p>「外道衆...か」</p>
<p><br /></p>
<p>と呟きます。丈瑠は、</p>
<p><br /></p>
<p>「倒さなきゃいけないんだ。俺達が」</p>
<p><br /></p>
<p>と応えます。</p>
<p><br /></p>
<p>「ああ」</p>
<p><br /></p>
<p>　源太は丈瑠の言葉に頷き、改めて外道衆との戦いを決意するのでした。が、冷徹なまでに外道衆を追い詰めるという覚悟は、かつて茉子が彦馬に戒められたもの。人の情が侍と外道衆を隔てるものであることも、また確かなわけです。</p>
<p><br /></p>
<p>　しかし、クリスマスという時期が彼らの心に潤いをもたらします。この展開は実に巧いところ。</p>
<p>　屋敷に戻ると、ダイゴヨウの口添えで、彦馬がクリスマスツリーを持ち込んでいました。</p>
<p><img src="images/43_30.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>「親分！今時、侍だってクリスマスぐらいしやすぜ！」</p>
<p><br /></p>
<p>とダイゴヨウ。源太も笑顔を取り戻し、早速、皆で飾り付けを始めます。</p>
<p><img src="images/43_31.jpg" alt="メリークリスマス" /></p>
<p>　茉子とことはに促される丈瑠が、これまた微笑ましいですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　ところが予告編には、今回の余韻を完全に霧散させる程のインパクトが...。新春第一弾、期待して待ちましょう！</p>
<p><br /></p>
<p>　それでは皆様、よいお年を。</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>第四十二幕「二百年野望」</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.sirmiles.com/shinkengers/story1183.html" />
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    <published>2009-12-17T05:06:03Z</published>
    <updated>2009-12-17T05:07:31Z</updated>

    <summary>　遂に筋殻アクマロの目的が明らかに。 　スキマセンサーの示す「番号」や、事件が起...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
        <uri>http://www.sirmiles.com/</uri>
    </author>
    
        <category term="感想" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="ストーリー" label="ストーリー" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.sirmiles.com/shinkengers/">
        <![CDATA[<p>　遂に筋殻アクマロの目的が明らかに。</p>
<p>　スキマセンサーの示す「番号」や、事件が起こる「場所」は、非常に記号的なものなので、全部が全部周到な伏線になっていたとは言えませんが、筋殻アクマロの目的が、直線に並ぶ地図上のポイントやイマジネーション溢れるビジュアルによって、ベールを素早く剥がして行くように明らかになってくる様子は、非常に見応えがあります。中でも、十臓のポジションが絶妙であり、裏正のそもそもに込められたおぞましさもあって、筋殻アクマロの執念・執着の深さが不気味なトーンで伝わってきます。</p>
<p><br /></p>
<p>　「裏見がんどう返し」と呼ばれる、この世をひっくり返して地獄を露出させるという術こそが、筋殻アクマロの最終目的だったのですが、今回既にその初端を見せていることや、血祭ドウコクを完全に動けない状態にしていることにより、筋殻アクマロ関連のお話を年内の放送で完結させてしまおうという意図が垣間見られます。放映スケジュール的に年末と年明けのクリフハンガーにはし難いものと思われるので、年末商戦用のビジュアルと併せて、カタストロフィ感覚に富んだストーリーを展開するには、うってつけのタイミングだったのかも知れません。</p>
<p>　本州を関東・中北部あたりで真っ二つにするという、強烈かつ迫力あるビジュアルは、劇場版もかくやと思わせる出来栄えでしたが、何となく筋柄アクマロの目的が見えてからの弱体化感は否めないところで、血祭ドウコク程の強大さを設定されたわけではない筋殻アクマロの、キャラクターの弱さがやや露呈した感はあるでしょう。ただ、源太達を用意に撥ね付ける実力の高さや、土壇場で「裏見がんどう返し」の影響によって全員が吹っ飛ばされるというくだりが用意されたことにより、一定の緊迫感を保つことが出来ています。</p>
<p><br /></p>
<p>　十臓の裏正の秘密も明かされましたが、これにはもう少し伏線が欲しかったところ。今回のくだりはやや唐突な後付設定に見えてしまいました。もしかすると、当初よりきちんと用意されていた設定で、なおかつ今回のインパクトを確保する為に、あえて出さなかったのかも知れませんが、何か匂わせる感じがあれば、よりインパクトは強かったかも知れません。</p>
<p><br /></p>
<p>　また、年末商戦用の侍武装連発も、よくぞここまでやったという感はあるものの、ややあざといような気がします。あれだけの尺の中に、よく収めたなぁと感心しきりではありましたが...。</p>
<p><br /></p>
<p>　ただ、それらはかなりマニアックなアラ探しの結果であって、それらを指摘したところで、今回の迫力とインパクト、そして面白さは何ら損なわれないだろうというのも、私の見解です。丈瑠と血祭ドウコクの決戦が年明けのメインとなるならば、こちらは源太も含めて中途参戦組による一件の落着になると思われます。そしてそれが、シリーズのクライマックスに勝るとも劣らない迫力とテンションで繰り広げられるのは、想像に難くありません。</p>
<p><br /></p>
<p>　では、見所をまとめてみましたのでご覧下さい。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　今回は冒頭から何やら緊迫感があります。それも、彦馬がいわゆる戦隊司令官ど真ん中な振る舞いをしているので、余計に強い印象を残すシーンになっています。それは、彦馬が地図を広げて自説を展開するというもの。</p>
<p>　彦馬は、筋殻アクマロがクロイワ海岸を二度狙った事が引っ掛かると言い、クロイワ海岸での一度目の事件は、血祭ドウコクや薄皮太夫と争った事からして失敗だと評していました。ここでことはが、一度目と二度目の行動が違うという鋭い指摘を放ちます。前回での更なる成長を思わせるくだりがいいですね。</p>
<p><br /></p>
<p>「つまり、方法ではなくて、場所が重要ってことか」</p>
<p><br /></p>
<p>と、ことはの指摘を受けて発言する丈瑠。彦馬は、おもむろに筋殻アクマロが現れた後の事件を、地図上にプロットしていきます。</p>
<p><img src="images/42_01.jpg" alt="地図" /></p>
<p>　プロットされた地域は、一見バラバラに見えます。</p>
<p>　こうみると、東京近郊だけでなく、意外に広範囲だったことに驚きますね。ただ、一話一話のロケ地のセレクトが良かったからか、違和感はありません。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここで彦馬は、筋殻アクマロ自身が現れた、あるいは絡んだ事件のみを残して、他のポイントを全て除去していきます。すると...。</p>
<p><img src="images/42_02.jpg" alt="地図" /></p>
<p>「なんつーか、この世を真っ二つって感じだな」</p>
<p><br /></p>
<p>との感想が聞かれる程、そのポイントは綺麗な直線を描いていました。確実な要素以外を排除すると、敵の真の目的が見えてくるというのは、パターン化されていてもワクワクするものです。後から骨のシタリのセリフにも出てきますが、目的を分かりにくくする為の雑多な情報が織り込まれていたことにより、土壇場まで筋殻アクマロの真意が分からなかったというのは、なかなか巧みな構成です。また、クロイワ海岸の件を元に彦馬が気付くというあたり、筋殻アクマロにとって色々な意味で、クロイワ海岸が鬼門だったことを思わせていて良いですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、順当に楔を打ち込んできたと自信を見せる筋殻アクマロは、今回のアヤカシであるツボトグロに、人間を襲うよう指示します。それも、例の筋殻アクマロの持つ「コンパス」が示す場所で。筋殻アクマロ曰く、それが最後の楔になるということらしい。</p>
<p><br /></p>
<p>　物語上、明らかに「日本列島を横断する直線」は偶然ではないのですが、この前後、細かいシーンを重ねていって、偶然ではない事を印象付ける作劇に安定感を感じます。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は、</p>
<p><br /></p>
<p>「この並びは偶然かも知れない。が、気になることは確かだ」</p>
<p><br /></p>
<p>と筋殻アクマロの企みに呼応するかのように動き出します。彦馬はそれを受け、過去の資料を紐解いてみようと提案。皆で調べることにより、人手を増やして迅速化を計ります。残念ながら、この「調べ物」の部分は後に繋がらず、筋殻アクマロの本意は本人の口から直接知らされる事になります。このシーンの目的は、源太の存在・ポジションを再確認することにあるのでした。源太も調べ物に協力しようとしますが、古い資料を全く読めないというくだりによって、です。</p>
<p><br /></p>
<p>「千明、お前こんなん読めんのか」</p>
<p>「まぁ、何とかね。苦手だけど」</p>
<p><img src="images/42_03.jpg" alt="千明と源太" /></p>
<p>　ここで千明を用いたのが実に巧い。千明は父親の方針で侍の教育をあまり熱心に受けていない設定。侍に関する腕や知識といった面で、ベースラインの部分は源太とあまり違わない印象なのですが、ここで苦手としつつも古い書物を読むことが出来るという能力を披露することで、</p>
<p><br /></p>
<p>「へぇ、何だかんだ言って、やっぱ侍だな。魚の名前なら、読めんだけどなぁ」</p>
<p><br /></p>
<p>と、源太に出自の違いを的確に認識させるのです。</p>
<p><br /></p>
<p>「いいじゃん。別にこんなの読めなくって問題ねぇし」</p>
<p><br /></p>
<p>と千明は言いますが、他の面々は、そんな源太の姿に「源太が元来侍ではない」ということを再確認します。今回は、この重要な要素を使う局面がありませんでしたが、恐らく次回、大いに活用されるのではないでしょうか。役に立てないと知った源太は、自分に出来る事をする、つまり昼飯用に寿司を握ってくると言って出て行きます。この気配りが源太の良いところ。ちなみに、流ノ介の好みはビントロだという事が、ここで判明します(笑)。</p>
<p><br /></p>
<p>　源太は、侍の教育を受けていない自分の出自を受け止め、侍育ちの皆と、生まれついての寿司屋である自分の違いを再認識します。が、そんなことではクヨクヨしないのが源太流。というより、ここでは努めて払拭しようとしているように見えます。ダイゴヨウにより、ゴールド寿司にクリスマスツリー用の木が届いていた事に気付いた源太は、その枝振りを見て、志葉家の屋敷に持って行ってクリスマスの飾り付けをする計画を楽しみにしています。</p>
<p><img src="images/42_04.jpg" alt="源太" /></p>
<p>　不穏な動きの外道衆に対処すべく、真剣な面持ちの丈瑠達。源太は、そんな彼等に対して出来る事を、常に侍以外の視点を持ちつつ考えているのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、筋殻アクマロも自ら動き出します。</p>
<p><br /></p>
<p>「さて、我もそろそろ例のものを...」</p>
<p><br /></p>
<p>と何かを取りに出掛ける様子。例のものとは、裏正のことですね。それを遮るは、骨のシタリ。</p>
<p><br /></p>
<p>「やっと分かったよ。お前さん、地獄が見たいと言ってたね。仕掛けてるのは『裏見がんどう返し』。そうだろう？」</p>
<p><img src="images/42_05.jpg" alt="筋柄アクマロと骨のシタリ" /></p>
<p>「さすが、お気付きになられましたか」</p>
<p>「遅かったよ。お前さんが目眩ましにあちこち襲ってなきゃねぇ。で、分かってんだろうね？そんな術を使えば、人の世は勿論、下手すりゃ三途の川もあたし達も消えちまうかも知れないってのは！」</p>
<p>「地獄をこの身この目で味わえるなら、些細なこと」</p>
<p>「些細だって？まぁいいさ。『裏見がんどう返し』はそう簡単な術じゃない。第一外道衆でも人でも無い者を使わなけりゃ...」</p>
<p><img src="images/42_06.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>「腑破十臓...お前さんまさか！」</p>
<p>「そう、仕掛けは二百年も前より...」</p>
<p><br /></p>
<p>　筋殻アクマロは、裏正という十臓の「泣き所」を持っていることで、十臓が協力を断らない自信があるようです。</p>
<p><br /></p>
<p>　これで、筋殻アクマロが為そうとしている「術」の正体が判明しました。「裏見がんどう返し」。その術最大の鍵になるは「人でも外道衆でもない者」であり、筋柄アクマロはそれを得るべく、二百年も前から準備をしていました。二百年前、十臓をはぐれ外道にすべく裏正を渡し、遂に来るべき時がやって来たというわけです。以前にも述べましたが、血祭ドウコク達が人の世に執着しているのに対し、筋殻アクマロはあの世の、中でも地獄に執着しています。二百年かけて周到に準備してきたその執念は、鬼気迫るものがあります。</p>
<p>　よく、70～80年代の特撮ヒーローモノでは、子供に悪の教育を施して将来的に支配するといった作戦がとられ、随分気長な人達というツッコミを入れて楽しめたものですが(笑)、筋殻アクマロに関しては、その裏に「気長」よりも「執念」が色濃く感じられる為、そのようなツッコミが似つかわしくないのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　ススコダマによって、骨のシタリの怒りの叫びが薄皮太夫に伝わります。意を決した薄皮太夫は、筋殻アクマロを討つべく出掛けようとしますが、十臓がそれを止めます。</p>
<p>　十臓は、筋殻アクマロが裏正を返すまでは、手出し無用と言い放ちます。</p>
<p><img src="images/42_07.jpg" alt="十臓と薄皮太夫" /></p>
<p>　一触即発でしたが、手を引いたのは薄皮太夫。</p>
<p><br /></p>
<p>「その目で確かめて来い」</p>
<p><br /></p>
<p>と十臓に冷たく言い放ち、立ち去って行きます。薄皮太夫は、クロイワ海岸の一件で、筋殻アクマロに利用されていたことを存分に知りました。十臓も知っている筈ですが、十臓の興味は裏正にしかなく、利用されていようがいまいが、筋殻アクマロが修復した裏正を手にすることが出来れば、それに至る過程は別に問わないといった姿勢であるようです。</p>
<p><br /></p>
<p>　筋殻アクマロは志葉家の菩提寺であるテンゲン寺に現れます。ここでテンゲン寺が突如登場するあたり、テンポの良さとインパクトの大きさに周到な計算が働いていて、実に小気味良いのです。</p>
<p><br /></p>
<p>「十臓さん、われの望みの為には欠かせぬお方。これを知ったら、どのような顔を見せてくれますやら」</p>
<p><img src="images/42_08.jpg" alt="墓" /></p>
<p>　これは、テンゲン寺にひっそりと人目につかぬよう設えてある、十臓の家族のものとおぼしき墓です。外道に堕ちた者の家族ということであらゆる寺院から疎まれ、このテンゲン寺が引き受けたという、いわくつきのものなのです。筋殻アクマロは、この墓の前の地中から、裏正を取り出すのでした。</p>
<p><img src="images/42_09.jpg" alt="筋柄アクマロ" /></p>
<p>「巧く直りましたな...後は最後の楔を」</p>
<p><br /></p>
<p>　何故この墓から裏正が出てきたのか、それは後に語られる裏正の出自と関係しています。ここで簡単に説明しておくとすれば、裏正の修復には、裏正の「材料」を使わなければならなかったというわけです。</p>
<p><br /></p>
<p>　同じ頃、ツボトグロが筋殻アクマロの指示どおりに暴れ始めます。彦馬がその場所を地図上にプロットすると、やはり直線上の一点になるのでした。確信を得たシンケンジャーは、阻止すべく出陣していきます。</p>
<p><br /></p>
<p>　ツボトグロは、体内より「痛みの虫」を飛ばし、人々の口から侵入させて腹に強烈な痛みを感じさせるというおぞましい術の持ち主です。</p>
<p><img src="images/42_10.jpg" alt="ツボトグロ" /></p>
<p>　毒々しい色使いや触手状のものが絡まるデザインは、非常に気味の悪いものになっており、アヤカシがどこかに備えているコミカルな要素は、今回あまり感じられません。デザインに従ってか、ツボトグロ自身、かなり強力なアヤカシになっています。</p>
<p><br /></p>
<p>　まず、現場の近くに居た源太が報せを受けて迎撃に走ります。</p>
<p><img src="images/42_11.jpg" alt="一貫献上！" /></p>
<p>　そしてツボトグロと激しい攻防戦に突入！</p>
<p><img src="images/42_12.jpg" alt="ツボトグロ VS シンケンゴールド" /></p>
<p>　そこに、やや遅れて丈瑠達も合流。ナナシ連中も大挙登場し、激しい斬り合いに遷移していきます。ただ、今回はやや落ち着いた殺陣を見せるという趣向になっており、ガムシャラに敵を叩くのではなく、敵の真意を探ろうという雰囲気が垣間見られて面白いです。</p>
<p>　予想通り、そこに筋殻アクマロも登場。丈瑠の太刀を阻みます。</p>
<p><img src="images/42_13.jpg" alt="筋柄アクマロ VS スーパーシンケンレッド" /></p>
<p>「アクマロ！何をしようとしてる！？あの直線の意味は何だ！？」</p>
<p>「ほぅ、あんたさん達も気付きましたか。今に分かります！」</p>
<p><br /></p>
<p>　シンケンジャーが骨のシタリと同時に、筋殻アクマロの企みに気付くという、三つ巴戦を思わせる構図。ただし、骨のシタリが出てきてシンケンジャーに協力するような形ではありません。このあたり、徹底して侍と外道衆に線引きがなされています。</p>
<p><br /></p>
<p>　筋殻アクマロは、この地に最後の楔が打ち込まれるのももうすぐだと言います。楔とは、人の苦しみや嘆きで打ち込む楔のことであるらしい。</p>
<p><br /></p>
<p>　源太、流ノ介、千明が筋殻アクマロを抑え、丈瑠、ことは、茉子がツボトグロを追うというチームを編成し、この企みを阻止すべく奮闘を開始します。</p>
<p>　と、筋殻アクマロの元に十臓が現れます。</p>
<p><img src="images/42_14.jpg" alt="十臓と筋柄アクマロ" /></p>
<p>「アクマロ、用向きは分かっている筈だ」</p>
<p>「裏正、でござりましょう？丁度良い。今、最後の楔が打ち込まれる処でござりまする。ほぅら、ご覧なされ」</p>
<p><br /></p>
<p>　人々の嘆きや苦しみが青いオーラとなって地上に染みていきます。筋殻アクマロは、人の世では味わえない極上の嘆きと苦しみを見たい、感じたいが為に、「裏見がんどう返し」によって、外道には行くことの出来ない地獄を人の世に呼び出そうとしているのでした。外道衆の中でも、突出してマニアックな趣味を持ち、なおかつ利己的に事を進める人物と言っていいでしょう。筋殻アクマロの持つ「エセ公家」のイメージがピッタリと重なります。</p>
<p><br /></p>
<p>「人の嘆き、苦しみを土地に直列に刻み付けた時、それが楔となって、この世に大きなスキマを作ります。そのスキマの中心となる地を一気に切り裂けば、人の世が裏返り、地獄が顔を見せまする！」</p>
<p><img src="images/42_15.jpg" alt="裏見がんどう返し" /></p>
<p>　これ、この時点ではイメージシーンなのですが、後に実景として登場します。昔だと、野口竜さんのマット画とかで表現されていたところですね(笑)。目的達成を確信し、せせら笑う筋殻アクマロが実に憎々しく描かれます。これはいわば、シンケンジャーにとっても、外道衆にとっても、危機なのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方丈瑠は、スーパーモウギュウバズーカの「外道覆滅」で、一気にツボトグロの一の目を倒します。</p>
<p><img src="images/42_16.jpg" alt="シンケンピンク、スーパーシンケンレッド、シンケンイエロー" /></p>
<p>　妙にあっさりしてるなと思い、筋殻アクマロ関連のシーンに多くの尺を割くのかと想像していたのですが、まさか巨大戦に多くの尺が割かれるとは...。</p>
<p>　ということで、二の目はまず、オーソドックスにシンケンオーで迎撃です。</p>
<p><img src="images/42_17.jpg" alt="ツボトグロ VS シンケンオー" /></p>
<p><br /></p>
<p>　筋殻アクマロは、ツボトグロの一の目が倒されたと気付きますが、既に十分嘆きや苦しみが楔として成立したと評価しており、余裕の構え。遂に楔は入り、後は十臓の一太刀を望むだけとなりました。が、</p>
<p><br /></p>
<p>「つまらん。それと俺に何の関係がある？」</p>
<p><br /></p>
<p>と十臓はまるで興味のない「作業」を突っぱねるのでした。しかし、筋殻アクマロも落ち着いたもの。</p>
<p><br /></p>
<p>「ありまする。地獄のスキマを切り開けるのは、やはり、外道と人の隙間に居る者。そう、はぐれ外道である、あんたさんの様な...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、源太達を撥ね付けつつ、じっくりと十臓の説得にあたります。ここでは、源太達を一撃で一気に倒してしまうという実力を見せています。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、シンケンオーは大ナナシ連中の参戦に際し、カブトシンケンオーを出して対抗します。茉子とことはが兜折神と舵木折神を「借りて」出す処が良いです。</p>
<p><img src="images/42_18.jpg" alt="カブトシンケンオー" /></p>
<p>　続いて、カジキシンケンオーも登場。</p>
<p><img src="images/42_19.jpg" alt="カジキシンケンオー" /></p>
<p>　これで大ナナシ連中は一掃されます。穿った見方をすれば、今回は年末商戦の決戦アイテムである「牛折神」ではなく、それ以前のアイテム群をアピールする意図があるようです。カブトシンケンオーとカジキシンケンオー、何だか久々に見た気がします。</p>
<p>　更に、トラシンケンオーも出して形勢逆転を試みる丈瑠。</p>
<p><img src="images/42_20.jpg" alt="ツボトグロ VS トラシンケンオー" /></p>
<p>　対するツボトグロもノサカマタを出して対抗。これには、テンクウシンケンオーで応戦します。</p>
<p><img src="images/42_21.jpg" alt="ツボトグロ VS テンクウシンケンオー" /></p>
<p>　凄い！シリーズ前半のバリエーションがほぼ総登場状態！</p>
<p><br /></p>
<p>　そして遂には、ダイカイシンケンオーがイカテンクウバスターを「侍武装」し、「折神大開砲」でツボトグロを撃破します。</p>
<p><img src="images/42_22.jpg" alt="ダイカイシンケンオー＆イカテンクウバスター" /></p>
<p>　何とも凄まじい巨大戦でした。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、源太達はアクマロに痛めつけられており、戦況は圧倒的に不利でした。筋殻アクマロは余裕を保ったまま、十臓に修復した裏正を見せ、協力を要請します。</p>
<p><img src="images/42_23.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　十臓の答えは、</p>
<p><br /></p>
<p>「興味ないな。俺はただ、裏正が戻ればいい」</p>
<p><br /></p>
<p>というもの。筋殻アクマロは、</p>
<p><br /></p>
<p>「その裏正の為でござります。『裏見がんどう返し』に使えば、閉じ込められた魂が解放されまする故...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、協力に伴う「効果」を説明します。唐突でしたが、その唐突さどおりのインパクトが、この後の説明にはありました。それは、</p>
<p><br /></p>
<p>「十臓さん、この裏正、あんたさんの家族で作りました」</p>
<p><br /></p>
<p>という、驚愕の設定。物陰から見守る薄皮太夫をも含め、一同は戦慄します。</p>
<p><br /></p>
<p>「最後まで、人斬りに走るあんたさんを止めたいと願って亡くなった、ご家族で」</p>
<p><br /></p>
<p>　この言葉に、丈瑠は例の墓を思い出します。</p>
<p><br /></p>
<p>「言わずにお渡ししたことをお許しくださりませ。が、その裏正で外道に落ちた十臓さんと、二百年の嘆きに染まった裏正こそ、地獄を呼ぶに相応しい」</p>
<p><br /></p>
<p>　十臓を止めたいと願う家族の嘆きと苦しみこそが、裏正の本性でした。しかし、裏正は十臓に斬り合いの欲望を増幅させこそすれ、十臓を止める事など出来なかったのです。つまり、十臓は素晴らしい切れ味を示す裏正に魅せられるまま人斬りに走り、裏正はそんな十臓の姿に嘆きと苦しみを増幅させて来たわけです。筋殻アクマロが裏正に期待したのは、このような相乗効果であり、十臓も裏正も、図らずもその期待に応えてきたということになるでしょう。</p>
<p>　ただ、十臓が「魂の解放」に興味を抱くかどうかは、別問題ですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　茉子は、</p>
<p><br /></p>
<p>「家族って...」</p>
<p><br /></p>
<p>と呆然とし、源太は、</p>
<p><br /></p>
<p>「何だよそれ、意味分かんねぇ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と憤ります。家族を一つのキーワードとして絆を構築してきたシンケンジャーには、受け入れがたい事実でしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>「どうぞ...魂を救うためにも、我の望みを！」</p>
<p><br /></p>
<p>　筋殻アクマロのこの叫びに呼応するように、スキマから吹き出した地獄の波動が、列島を裂いて行きます。強烈なカタストロフィのビジュアルです！</p>
<p><br /></p>
<p>「十臓さん、きっと来て頂けるものとお待ちしておりまする。シンケンジャー、もう止められは致しません故、どうか、邪魔立て無用」</p>
<p><img src="images/42_24.jpg" alt="筋柄アクマロ" /></p>
<p>　波動に巻き込まれ、気を失いつつある十臓とシンケンジャーに、筋殻アクマロは言い放ちます。波動に吹き飛ばされた一同は、一様に昏倒。</p>
<p><img src="images/42_25.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　最も長く意識を保っていた丈瑠も、とうとう気を失います。危機感溢れるシーンのまま、エンディングになだれ込み、続きは次回へ。</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>第四十一幕「贈言葉」</title>
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    <id>tag:www.sirmiles.com,2009:/shinkengers//14.1182</id>

    <published>2009-12-11T11:33:12Z</published>
    <updated>2009-12-11T11:34:21Z</updated>

    <summary>　正真正銘、ことはがメインのエピソード。最年少という設定であることはメインのエピ...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
        <uri>http://www.sirmiles.com/</uri>
    </author>
    
        <category term="感想" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="ストーリー" label="ストーリー" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.sirmiles.com/shinkengers/">
        <![CDATA[<p>　正真正銘、ことはがメインのエピソード。最年少という設定であることはメインのエピソードは、千明のそれと同様に作り易いのか、傑作になり易い印象がありますが、今回も例に漏れず傑作エピソードでした。</p>
<p><br /></p>
<p>　今回のメインテーマは、ことはが姉の代わりにシンケンイエローになったという設定の、決着にあります。実のところ、この設定自体が本編にあまり生かされることはなく、ことは自体は最年少でありつつも、実力は高く描写されていましたし、多少ドジな面があるにしろ、それは純粋性の描写の為の手段といった感覚でした。つまりは、ことは自身が姉の代替であるという印象自体、視聴者の間では認識されていなかったわけです。</p>
<p>　今回はそれを逆手にとり、ことはが姉からの手紙によって消沈してしまう様子を見せ、決してそうではないという感情を視聴者と共有するという構成が採られており、そこに丈瑠周辺の事情を絡ませることによって、丈瑠メインの回を設けることなく丈瑠の問題をも解決するという、なかなか大胆な方法が試みられています。さらには、ことはの意識的な成長も織り交ぜられ、満足度はすこぶる高いです。</p>
<p>　そこには、少々配慮を欠いた言い方をするならば、ことはが策を弄する等といった「頭脳労働」を経ずとも、ことはの真っ直ぐな姿勢自体が丈瑠に影響を与える様子が盛り込まれていて、シンケンジャー6人誰もが不可欠であり、逆にことはの姉・みつばにことはの代わりは出来ないということを結論として見せています。この重層的なテーマの訴求は、実に巧みで興味深いです。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠の苦悩があっさり解消されたことについては、少々物足りないと感じる向きもあるかもしれませんが、丈瑠のことを人一倍心配していることはが苦悩する姿は、丈瑠に「全てを飲み込む」覚悟を決めさせるに充分でした。丈瑠の強さへの希求は、いわばかなり自分勝手に近いものであり、それをズルズルと引き摺っていくよりは、何らかのきっかけであっさりと解決した方が、当然ヒーローらしくなります。しかも、そのきっかけがことはだったなんて、実に爽やかでいいじゃないですか。</p>
<p><br /></p>
<p>　というわけで、ことはの魅力全開の今回の見所は、当然ことは中心になりました。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　冒頭は、前回の血祭ドウコク大暴れを経ての、各々の感じ方を披露。</p>
<p><br /></p>
<p>流ノ介「ドウコクに封印の文字が必要だということが分かった」</p>
<p>千明「俺さ、正直丈瑠が封印の文字使えなくても、アヤカシみたいに倒せるんじゃないかな、って思ってた」</p>
<p>流ノ介「実は私も...慢心だった」</p>
<p>源太「いや、倒せねぇとは言いたくねぇけどな」</p>
<p>茉子「外道衆の動きも気になるよね。ドウコクとアクマロが対立してるみたいだし、薄皮太夫も」</p>
<p><br /></p>
<p>　敵ボスをチラリと登場させて、ヒーロー側の慢心を認識させる。随分とシビアな構成になりました。このところ、「シンケンジャー」は新アイテムラッシュとあって、パワーアップ劇の連発になっていましたが、それを単なるパワーインフレに持っていかないようにする、極めて理知的な展開だと言えるでしょう。要するに、単純なアイテム増加のパワーアップでは、血祭ドウコクに抗うパワーを持ち得たとは言えないことにしたわけです。</p>
<p>　ここでの注目は茉子で、血祭ドウコクの強さに対する懸念に加え、外道衆内部の動きをも警戒しています。圧倒的な血祭ドウコクのパワーを目の当たりにしつつも、さり気なく動向に気を配るあたりが素敵です。なお、茉子は内心、丈瑠の様子も気にかけていました。</p>
<p><br /></p>
<p>　この会話の中に、ことはは居ませんでした。その頃、ことはは眠っている丈瑠の傍に付いていました。</p>
<p><img src="images/41_01.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>　前回、ことはに丈瑠を任せるという状況を作り出していましたが、ここまでちゃんと繋がっているのが何気に凄い。ここでことはのモノローグ。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿様、あんな無茶しはるなんて...。やっぱり、何か違う。茉子ちゃん、何か気付いてはるみたいやのに、何でうちに言ってくれへんのやろ...」</p>
<p><br /></p>
<p>　前回、ことはの前で、茉子が丈瑠について発言したのはただ一言「立入禁止」だけでした。恐らく、ことははこの難解な例えを聞き、余計に気になってしまったのではないでしょうか。茉子は過去に、ことはへ悩みを打ち明けたりしていましたから、決してことはに隠し事をしているわけではなく、丈瑠の異変を心中にしまっておいたのは、単に丈瑠の立場を考えた上での配慮です。しかし、ことはにとっては茉子の「隠し事」が、一種の不安要素になってしまったようです。</p>
<p>　彦馬はここで、ことはの姉・みつばからの手紙を渡します。</p>
<p><img src="images/41_02.jpg" alt="ことはと彦馬" /></p>
<p>　文面から察するに、みつばからの手紙はかなりの頻度で来ていたらしく、今回もことはは嬉しそうです。その文中には、以下の一節がありました。</p>
<p><br /></p>
<p>「ことはは侍の中で一番年下やし、優しくておっとりしてて...きっと、怪我したり、辛いこともあるやろなぁって。それでも、きっと頑張ってるシンケンイエローを思うと、もう一年になるのに、今もすぐに駆けつけたくなります」</p>
<p><br /></p>
<p>　幼い頃を思い出すことは。</p>
<p><img src="images/41_03.jpg" alt="みつばと幼いことは" /></p>
<p>　しかし、この一文が丈瑠の件と重なりあって、ことはの心中に暗い影を落とすことになります。それが表情に出始めた時、そこに流ノ介達がやって来ます。ことはの様子に気付いてか、何をしていたのかと問う一同。ことはは、姉からの手紙を読んでいたと答えます。それを聞いた源太は、</p>
<p><br /></p>
<p>「そういやぁ、結構年の離れた姉ちゃんがいるって...あれ？じゃ、何でことはちゃんがシンケンジャー？」</p>
<p><br /></p>
<p>と、途中参入メンバーらしい質問。これは当初の設定を再確認するのに効果的なくだりです。</p>
<p><br /></p>
<p>「ホンマは、お姉ちゃんがなる筈やってんけど、体弱いから。うちは、お姉ちゃんの代わり」</p>
<p>「え？...そっか、じゃ、もしかしたらシンケンイエローは、年上のお姉さまだったかも知れないってことか」</p>
<p><br /></p>
<p>　思わず表情の変わることは。それを察知し、源太を諌める千明がいい感じです。とりあえず、ことはは笑顔を作ってその場に対処します。その笑顔を見た茉子も、さすがにことはの心理を見抜けなかったようで、</p>
<p><br /></p>
<p>「良かった。何でもなくて」</p>
<p><br /></p>
<p>と一安心。流ノ介は密かにことはを心配していたようで、</p>
<p><br /></p>
<p>「いや、ドウコクにショック受けてるんじゃないかってな」</p>
<p><br /></p>
<p>と一言。これが、流ノ介の意図とは裏腹に、さらにことはの心情に追い討ちをかけます。あからさまに動揺したことはは、</p>
<p><br /></p>
<p>「え？ごめんなさい...大丈夫」</p>
<p><br /></p>
<p>と取り繕います。明らかに挙動不審なのですが、残念ながら一同はことはの異変に気付きません。景気付けに寿司をおごるという源太の言葉に大喜びし、早速ゴールド寿司へと向かいます。</p>
<p>　一番年下だから、皆が自分のことをいつも心配してくれる...もし、みつばが侍になっていたらどうだったろう...。ことははそんな事を考えていました。</p>
<p><br /></p>
<p>「きっと、うちなんかより皆の役に立って...そやわ。きっと、茉子ちゃんもお姉ちゃんになら、殿様のこと話してる。うちやから、心配させへんように...うち、甘えてるわ...」</p>
<p><img src="images/41_04.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>　ことはの出した結論は、今の丈瑠の状態に程近いものでした。丈瑠は十臓の「弱くなった」という言葉を耳にして、自分の、ひいてはシンケンジャーの強さの根本を顧みることなく、自分を責めるという状態に陥りました。ことはも同様で、物事の本質を見誤った結果、自分で自分を追い詰めてしまうのです。それは、後の戦いで露呈してきます。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、六門船には、今回のアヤカシであるスナススリに指示を出す、筋柄アクマロの姿がありました。指示を了解し、早速出かけていくスナススリ。そこに骨のシタリがやって来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>「お前さん、一体何を企んでるんだい？」</p>
<p>「地獄というものがホントにあるのか、あるのであれば、どれほどの絶望や嘆きなのか。それを味わいたいのでござります」</p>
<p>「...何だって？」</p>
<p><img src="images/41_05.jpg" alt="骨のシタリと筋柄アクマロ" /></p>
<p>　事あるごとに「この世」に執着する姿が見られた外道衆にあって、筋柄アクマロは何と「地獄」に興味を持っていたことが判明しました。骨のシタリは、この筋柄アクマロの真意(？)に戦慄を覚えたらしく、</p>
<p><br /></p>
<p>「こいつは頭がおかしいよ。ドウコク、お前さん、このまま終わりじゃないよね...」</p>
<p><br /></p>
<p>と思わず血祭ドウコクの復活を待ちわびるのでした。</p>
<p>　前回、筋柄アクマロの口から外道衆の本質が語られましたが、外道衆とは、境界上に成立した者達であるからして、筋柄アクマロのように境界線を越境したところにある「地獄」に憧憬を抱いても違和感はありません。ただ、少なくとも筋柄アクマロ登場以前の外道衆が、「陽の当たる場所」を求めているイメージで描かれていたのとは対照的です。</p>
<p><br /></p>
<p>　街に出てきたスナススリは、おもむろに人々に砂をかけ始めました。砂をかけられた人々は、突如のたうち回り始めます。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方で、ゴールド寿司でのくだりは続いています。ことはは、考え事をしていて寿司に手をつけていません。それを源太が指摘した刹那、先程スナススリに砂をかけられた人々がゴールド寿司に乱入。ことはの手付かずの寿司や、源太が仕込んでおいたシャリ等を貪り始めます。慌てて止める源太達でしたが、その勢いは一向に止まりません。</p>
<p><img src="images/41_06.jpg" alt="源太" /></p>
<p>　外道衆の仕業だと睨んだ流ノ介達は行動を開始し、次々と砂をかけ続けているスナススリの前に立ちはだかります。</p>
<p><img src="images/41_07.jpg" alt="スナススリ" /></p>
<p>　このスナススリ、最近のアヤカシの中では群を抜いて気持ち悪いデザインだと思います。ただ、象の鼻のような器官を上下に動かすのは可愛らしいですけど。そのスナススリに、何をしているのかと問うと、</p>
<p><br /></p>
<p>「アクマロ様の命令で、この地に餓鬼地獄を作るのさ。何を食っても飲んでも、飢えは強くなるばかり！俺の砂を浴びた奴らは、死ぬほどの乾きに苦しむのだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　筋柄アクマロの「作戦」を端的に説明しています。ただ、地獄が見たいから「餓鬼地獄」を作ってみるという、単純明快なロジックではありません。筋柄アクマロのこと、餓鬼地獄は何かの目的に至る導入に過ぎない筈です。</p>
<p><br /></p>
<p>　変身して迎撃行動に移るシンケンジャー。</p>
<p><img src="images/41_08.jpg" alt="一筆奏上！一貫献上！" /></p>
<p>　華麗かつ重厚なアクションでナナシ連中を倒していきます。「シンケンジャー」は後半の後半に至った現在でも、毎回アクションにハッとさせる要素を織り交ぜてきます。今回は、多少の泥臭さを混ぜていると言えば良いでしょうか、地に足の着いたリアルな立ち回りを披露しています。恐らく、スーパーシンケンイエローによるクライマックス戦との差別化を意識したものと思われます。</p>
<p>　そんな中、ことはは集中力を欠いているのか、千明に助けられたりして、やや精細を欠いています。ことはは、苦戦の原因を自身の「甘え」だと考え、その「甘え」を払拭すべく、一人でスナススリに立ち向かって行きます。</p>
<p><img src="images/41_09.jpg" alt="スナススリ VS シンケンイエロー" /></p>
<p>　こういった行動が、近々の丈瑠の状況と重なっています。丈瑠の「弱さ」とことはの「甘え」は、ここで物語的に同義となり、それを払拭すべく起こした「無茶な行動」という結果が、同じベクトルを示しています。</p>
<p>　ことはは、スナススリにダメージを与えられぬまま、爆弾を投げつけられて変身解除という事態に陥ります。スナススリの容赦ない攻撃は続き、ことはを庇って、流ノ介と茉子がその砂を浴びてしまいました。</p>
<p><img src="images/41_10.jpg" alt="流ノ介と茉子" /></p>
<p>　二人は水と食べ物を欲して絶叫。特に茉子の「水ぅ～」という絶叫が鬼気迫ります。</p>
<p>　続いて、千明と源太の奇襲がスナススリに炸裂しますが、スナススリは千明と源太にも砂をかけ、二人を飢餓状態に陥れてしまいます。かなりの危機感を煽りつつも、思わずダイゴヨウに噛み付く源太がコミカルです。</p>
<p><img src="images/41_11.jpg" alt="源太とダイゴヨウ" /></p>
<p>　千明と源太の奇襲が功を奏し、スナススリにダメージを与えることが出来ましたが、結局スナススリは、シンケンジャーに重大な被害をもたらしました。スナススリは、痛みをこらえて一旦退却します。水切れでないのが、パターン破りっぽくていいですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　六門船では、筋柄アクマロが「飢えの苦しみが土地に刻まれること」に満足気な様子を見せていました。筋柄アクマロはスナススリに、「ついでにもう一つ餓鬼地獄を作れ」と指示を出します。この「ついで」がなかなか意味深長で、ここでは明確にされていませんが、この「もう一つ」の餓鬼地獄は、「あの場所」に作るよう指示されているのでした。</p>
<p><br /></p>
<p>「土地に刻む...？アクマロの奴、ホントに何を...」</p>
<p><br /></p>
<p>　骨のシタリは、筋柄アクマロの真意をはかりかねており、その裏に渦巻く企みを警戒しています。外道衆内部の緊張感が一気に高まってきました。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、志葉家では飢える流ノ介達で大騒ぎ。彦馬の指示で、4人共黒子によって縛り上げられてしまいます。</p>
<p><br /></p>
<p>「我慢せい！」</p>
<p><br /></p>
<p>という、やや理不尽な叱咤を飛ばす彦馬。それを、物陰からことはが見ています。</p>
<p><br /></p>
<p>「皆、ごめんなさい。うちが無茶したから...」</p>
<p><img src="images/41_12.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>　ことはに気付く彦馬。今更ながら、彼の「気付き力」は大したもので、丈瑠だけでなく、他の侍達のこともしっかり見ている事が分かります。</p>
<p><br /></p>
<p>　その夜、ことはは一人笛を吹いて心を静めていました。途中、口の端の傷に痛みを感じ、吹くのを止めてしまいます。</p>
<p><img src="images/41_13.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>　そこに、彦馬がやって来ました。</p>
<p><br /></p>
<p>「気に病むことはない。逆の立場であれば、お前も誰かを庇ったであろう。今は傷を治し、対策を練るのだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　傷の痛みと共に、ことはは、思わずみつばからの手紙を握りつぶしてしまっていました。彦馬はそれを見て、</p>
<p><br /></p>
<p>「折角の手紙が...。姉上というのは有り難いな。こうして心配をして」</p>
<p><br /></p>
<p>と微笑みながら手紙を延ばすのでした。優しい父親を思わせる表情が非常に印象的です。</p>
<p><img src="images/41_14.jpg" alt="彦馬とことは" /></p>
<p>「でもうち、お姉ちゃんの代わりが出来てへん。殿様や、皆が優しくしてくれんのに甘えてたんです」</p>
<p>「どうかな。皆がそれ程、お前を甘やかしているとは思わぬが」</p>
<p><br /></p>
<p>　彦馬の見解は、視聴者の見解と一致しているでしょう。ここで、ことはは自分の心にある「引っかかり」を彦馬に打ち明けます。</p>
<p><br /></p>
<p>「うち、最近殿様の様子がヘンやなと思ってて...」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠も、この会話を物陰から聞いていました。</p>
<p><br /></p>
<p>「でも、茉子ちゃんも気付いてはるみたいやのに、うちに心配かけへんように、何も...。きっと、今までにもこんなんが沢山あったんです。うちが気付かへんだけで。でも、今日気が付けて良かった。皆に付いて行くだけじゃなくって、お姉ちゃんやったらしてたこと、うちも...。お姉ちゃんも、うちがお姉ちゃんの代わりに頑張ってるって思ってくれてるし、もっともっと頑張らな」</p>
<p><br /></p>
<p>　これを聞いた彦馬は、ふと手紙に目を遣ります。その時既に、丈瑠は寝室に戻っていました。</p>
<p>　「姉の代わり」という部分は、後で彦馬によって否定される部分であり、ことはが本質を見誤った結果導出されたものです。しかし、他の部分に関しては、ことはの向上心を如実に示したものです。「もし、みつばだったら」と考えることで、ことはが更なる成長のきっかけを掴むという展開は、丈瑠の陥っている状況とかなり異なります。それはやはり、丈瑠の心に響いて当然ということでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>「志葉家十八代目を背負うとは、その全てを飲み込んでこそ」</p>
<p><br /></p>
<p>　彦馬の言葉を思い返した丈瑠は、</p>
<p><br /></p>
<p>「中途半端な覚悟程、みっともないものは無いな」</p>
<p><br /></p>
<p>と少しだけ微笑むのでした。</p>
<p><img src="images/41_15.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　丈瑠、復活です！</p>
<p><br /></p>
<p>　翌朝、再びスナススリが出現します。その場所は何と、筋柄アクマロが薄皮太夫の三味線を使って何かを行おうとした、「クロイワ海岸」。何となく、餓鬼地獄の本意が見えてきました。</p>
<p><br /></p>
<p>　スナススリ出現の報を受けるも、流ノ介、茉子、千明、源太は飢えと渇きに苛まれていて動けません。この状況で一応動けるのは丈瑠とことは。ことははともかく、丈瑠はまだ傷が癒えていない状態での出陣になります。まず、丈瑠が飛び出し、ことはが遅れて出て行きます。彦馬はことはを呼び止め、</p>
<p><br /></p>
<p>「ことは！良いか、いつまでも姉上の代わりだとは思うな」</p>
<p><br /></p>
<p>と、やや厳しい口調で諭すのでした。</p>
<p><br /></p>
<p>「でも、うちはホンマに...」</p>
<p>「姉上の手紙、悪いが目を通させてもらった。姉上は一言も、自分の代わりになどと言ってはおらんぞ。お前がそう思うから、そう読めるだけだ。どの言葉も、代わりではない、お前自身を思ってのことだ」</p>
<p><img src="images/41_16.jpg" alt="彦馬とことは" /></p>
<p>　同じ文章でも、心の状態で受け止め方が変わってしまう。今回のテーマはそんな処にはありませんが、強い印象を残す指摘なので、あえて強調しておくのも良いかと思います。</p>
<p><br /></p>
<p>「頑張ってる、シンケンイエローを思うと...」</p>
<p><br /></p>
<p>という、みつばの想いのこもった一文を想起することは。そして、</p>
<p><br /></p>
<p>「誰の代わりでもない、お前にしかなれないシンケンイエローだ！」</p>
<p><br /></p>
<p>という彦馬の力強い励ましを得て、ことはは目覚めます。</p>
<p><br /></p>
<p>「うちしかなれへん...うちしか、シンケンイエローに！」</p>
<p><img src="images/41_17.jpg" alt="一筆奏上！" /></p>
<p><br /></p>
<p>　クロイワ海岸には、スナススリに立ち向かう丈瑠の姿がありました。</p>
<p><img src="images/41_18.jpg" alt="シンケンレッド VS スナススリ" /></p>
<p>　さすが丈瑠。的確な攻撃を仕掛けてスナススリにダメージを与えますが、傷が完全に癒えていない為、苦戦を強いられます。スナススリは横柄にも、戦う前から負け云々といった暴言を吐いており、緊迫感あるシーンながら、これがなかなか楽しいのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　そこにことは登場！</p>
<p><br /></p>
<p>「殿様、ここはうちが！」</p>
<p><br /></p>
<p>　先の戦いでは集中力を欠いていて、全く決め手に欠けていましたが、今回は壁のモヂカラで砂を回避する等、タクティカルな戦い方が目を引きます。</p>
<p><img src="images/41_19.jpg" alt="シンケンイエロー" /></p>
<p>　しかし、スナススリ自体飛び道具の多い強力なアヤカシであり、やはりことは単体で対抗するのはかなり厳しい。そこで丈瑠は、インロウマルをことはに投げ渡します。すぐさまスーパーシンケンイエローに変身することは。ワイヤーアクションが冴えに冴えており、流麗な飛行アクションには眼を見張るものがあります。</p>
<p>　「真・猿回し」で牽制し、スーパーモウギュウバズーカに最終奥義ディスクをセット。「外道覆滅」でスナススリの一の目撃破です。</p>
<p><img src="images/41_20.jpg" alt="スーパーシンケンイエロー" /></p>
<p><br /></p>
<p>　二の目に際し、折神で駆けつける流ノ介達！回復したらすぐに飛んでくるという、スピード感がたまりません。</p>
<p>　全員集合したところで、いきなりサムライハオーを出すも、スナススリは跳び回って攻撃し、頭突きで翻弄といった健闘を見せます。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここでサムライハオーの合体機構を逆手にとった戦法が登場。ことはが猿折神を分離させ、スナススリの動きを止めます。</p>
<p><img src="images/41_21.jpg" alt="スナススリ VS 猿折神" /></p>
<p>　その隙に、丈瑠はサムライハオーを大ジャンプさせ、「ダイシンケン大回転斬り」を炸裂させます。CGによる合成カットであるとは言え、巨体が大回転する様は強烈です。</p>
<p><img src="images/41_22.jpg" alt="スナススリ VS サムライハオー" /></p>
<p>　丈瑠は、ちゃんと「ことはちゃんに捧げる勝利の一本締め」に参加しており、迷走からの復活を小出しに納得させています。</p>
<p><br /></p>
<p>「お姉ちゃん、うち、もうお姉ちゃんの代わりって言わへん。それも甘えなんやって分かった。シンケンイエローとして頑張る。殿様や、皆と一緒に」</p>
<p><br /></p>
<p>　ことはの向上心は、素晴らしいものがあります。「甘え」というワードを自らの戒めとし、更なる高みへと登っていくのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　志葉家への帰路、丈瑠は突如、</p>
<p><br /></p>
<p>「源太、雑誌に掲載されたらしいな。食わせろ」</p>
<p><br /></p>
<p>と言います。</p>
<p><img src="images/41_23.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>「は？」</p>
<p><br /></p>
<p>と呆気にとられる源太。千明も、</p>
<p><br /></p>
<p>「何だよ、最近機嫌悪かったくせに」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠を小突きます。そして、</p>
<p><br /></p>
<p>「実は、私もずっと気になってはいたのですが」</p>
<p><br /></p>
<p>と迫る流ノ介に対する、丈瑠の答えは、</p>
<p><br /></p>
<p>「...腹をこわしてた」</p>
<p><br /></p>
<p>という、粋なものでした。真相を知る茉子は暫く固まってしまいましたが、ことはが促し、いつもの風景に戻っていきます。</p>
<p><img src="images/41_24.jpg" alt="千明、流ノ介、茉子、ことは、丈瑠、源太" /></p>
<p>　個々人それぞれの思いやりが、爽やかな余韻を残すエンディングでしたね。</p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>第四十幕「御大将出陣」</title>
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    <published>2009-12-01T10:05:26Z</published>
    <updated>2009-12-01T10:06:57Z</updated>

    <summary>　前回で再び苦悩を抱え込んでしまった丈瑠。彼の心情に何らかの決着を付けるのかと思...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
        <uri>http://www.sirmiles.com/</uri>
    </author>
    
        <category term="感想" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="ストーリー" label="ストーリー" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
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        <![CDATA[<p>　前回で再び苦悩を抱え込んでしまった丈瑠。彼の心情に何らかの決着を付けるのかと思いきや、何と、血祭ドウコクと薄皮太夫の因縁をメインに据えて、外道衆の内乱描写を行うという、思い切った構成になりました。</p>
<p>　実際、丈瑠をあのような状態に追い込んだ事で、今回のようなストーリーを展開出来ることになったとも言え、逆に言えば、このストーリーを展開する為に丈瑠を沈黙させたとも言えるわけで、ややマニアックではありますが、敵側の描写を深めた意義は大きいものがあります。ちなみに、私は「デンジマン」あたりから繰り返された、「敵側内紛描写」が大好物です(笑)。</p>
<p><br /></p>
<p>　薄皮太夫の、外道に堕ちる前の姿である「薄雪」も回想の中で再登場。朴さん自らの出演により、回想シーンの説得力を高めています。この薄雪が実に妖艶であり、特徴的な三味線の旋律が薄雪時代から変わっていないことと相俟って、現世における話でありながら非常に幻想的です。スキマから漏れ聞こえるその音色を、血祭ドウコクが聞いていたという「因縁」は至極単純過ぎるものではありますが、それだけに分かり易く、それだけに血祭ドウコクの奥底に眠る情念を感じさせ、単なる粗暴な御大将というイメージから脱却しています。その血祭ドウコクに付き従い心配する骨のシタリの姿には、丈瑠を心配する彦馬の姿が重なり、最終クール突入に際して、外道衆側のドラマやキャラクター性を強化しておく意図も垣間見られます。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方で、筋殻アクマロの本性も明確に。十臓そのものと、薄皮太夫の三味線こそが筋殻アクマロの欲するものであり、薄皮太夫自身には一切興味がないという、かなりの悪党振りが鮮烈です。しかも、血祭ドウコクの現世へと出現理由は、この筋殻アクマロに求められ、シンケンジャー達はおよそおまけ扱いという凄さ。まだまだ血祭ドウコクの実力には、シンケンジャーは肉薄すらしていないという、凄絶な扱いにシビれます。当初より露出しているボスキャラで、これほど強力なキャラクターは珍しいのではないでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>　シンケンジャー側の描写は控えめながら、丈瑠の心情を彦馬が把握し諭すといったシーンや、茉子のみならず、ことはも丈瑠の異変に気付くなど、要点を押さえた描写が盛り込まれ、外道衆偏重にならないようバランスをとっています。源太のゴールド寿司が情報誌に掲載されたというくだりも、源太の今後に関わってきそうで、気になります。</p>
<p>　丈瑠に関しては、一応6人での戦いに違和感なく入って行きはするものの、終始寡黙であり、心情の解決には至っていないことが匂わされます。また、クライマックスでことはのシンケンマルを取り上げ、一人で血祭ドウコクに向かっていく様子は、当初の「仲間を必要としない丈瑠」を想起させ、丈瑠に危険な匂いを感じさせることに。</p>
<p><br /></p>
<p>　というわけで、色々と見逃せないシーンがありすぎる今回。当然ながら、外道衆側をメインにまとめることになってしまいましたが、ご覧下さい。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　まずは、いつもの稽古風景より開始。丈瑠と千明が手合わせを、他の面々は素振りをしています。千明は竹刀を縦横無尽に振り回すという素早い動きを披露。</p>
<p><img src="images/40_01.jpg" alt="丈瑠と千明" /></p>
<p>　その千明の攻撃に翻弄される丈瑠でしたが、十臓の「弱くなった」という言葉を思い出し、つい殺気立って千明を追い詰めてしまいます。流ノ介が「それまで！」と叫んで止めなければ、千明はしたたかに打ち付けられていたでしょう。千明もこれには正直萎縮してしまったようです。丈瑠はさっさと稽古を切り上げてしまいました。</p>
<p><br /></p>
<p>「茉子ちゃん、やっぱ殿様、こないだから何か...」</p>
<p><br /></p>
<p>と茉子に気付きを話すことは。茉子は、</p>
<p><br /></p>
<p>「立入禁止か...」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠の言動を振り返って、そう呟きます。</p>
<p><br /></p>
<p>「へ？」</p>
<p><br /></p>
<p>　ことはは勿論、そんな茉子の言葉の意図が分かりません。</p>
<p><img src="images/40_02.jpg" alt="ことはと茉子" /></p>
<p>　立入禁止。なかなか的を射た言葉だと思います。今はとりあえずそっとしておくのが賢明だと、茉子は判断したのでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、六門船にはいつものように、薄皮太夫の三味線を真似た、ススコダマの口三味線が響いていました。</p>
<p><br /></p>
<p>「シタリよ、そろそろこいつらの口三味線にも飽きた。そう思わねぇか」</p>
<p>「そうかい、太夫を連れ戻すんだね」</p>
<p><img src="images/40_03.jpg" alt="血祭ドウコクと骨のシタリ" /></p>
<p>　血祭ドウコクがよくススコダマを潰していたのは、彼の苛立ちの表れだったのでしょう。遂に、薄皮太夫奪還に乗り出すのでした。ただし、血祭ドウコクは人間の世に出た途端に水切れを起こしてしまう為、自らが出張るのではなく、骨のシタリに指示したわけです。言葉は圧倒的に少ないながらも、ツーカー的な通じ方に二人の関係性を見ることが出来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、薄皮太夫は薄雪時代の三味線を思い出していました。</p>
<p><img src="images/40_04.jpg" alt="薄皮太夫" /></p>
<p>　回想シーンにおける薄雪は、勿論朴さんが演じています。顔をハッキリ映さないという手法により、薄雪の深い負の感情が感じられるものに仕上がっています。</p>
<p><br /></p>
<p>　早速、骨のシタリは筋殻アクマロに、薄皮太夫の三味線を出せと迫ります。筋殻アクマロは悟られぬ加減でやや渋りつつも、ある場所に隠してあることを打ち明け、取りに行って来ると言って出掛けます。しかし、</p>
<p><br /></p>
<p>「お待ち。お前さんが素直に渡すかどうか怪しいからね。あたしが一緒に行って受け取ろうじゃないか」</p>
<p><br /></p>
<p>と骨のシタリ。全く信用していないことが窺い知れます。</p>
<p><br /></p>
<p>「...お好きに」</p>
<p><br /></p>
<p>　この時から、筋殻アクマロは何とか三味線を渡さずに済まないかを考えていたものと思われます。</p>
<p>　三味線が戻ってくるものと少々安堵したか、血祭ドウコクは薄雪の三味線を思い出しています。</p>
<p><br /></p>
<p>「思えば、これほど長く三味を弾かなかったのは、初めてだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　血祭ドウコクの思いが伝わったかのように、手元にない三味線を欲し始める薄皮太夫。傍らの十臓が、</p>
<p><br /></p>
<p>「そろそろアクマロに催促せねばな。直す手間賃にしては高すぎる」</p>
<p><br /></p>
<p>と筋殻アクマロの元へ向かいます。しかし、十臓にとっては三味線よりも裏正でしょう。実際、筋殻アクマロに薄皮太夫が痛めつけられるに及んでも、十臓が助けに現れるといった場面はありませんでした。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、三味線の隠し場所である海岸にやって来た、筋殻アクマロと骨のシタリ。</p>
<p><br /></p>
<p>「ドウコクさんは余程太夫さんが大切と見えまする。わざわざ太夫さんの三味線を取り戻そうとは」</p>
<p><br /></p>
<p>と、血祭ドウコクを少しばかり皮肉る筋殻アクマロでしたが、骨のシタリは、</p>
<p><br /></p>
<p>「人間みたいな事言うじゃないか。あたし等外道衆がどういうものか分かってんだろ」</p>
<p><br /></p>
<p>と至って冷静です。「大切」等といった言葉は、外道衆に似つかわしくないということでしょう。後に、骨のシタリは「大切」に代わる似つかわしい言葉を選びますが、こういった「個人的な考え」を説明するセリフが外道衆側に出ること自体、今回は異色だと言えるでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>「それはもう...。三途の川に生まれた我等。生きて人の世にも行けず、さりとてあの世へも行けず。そのもどかしさ、辛さに、人にまとわりつくもの。特に苦しみや悲しみに惹かれること、この上なし。つまりドウコクさんも、それでござりまするか」</p>
<p><br /></p>
<p>　筋殻アクマロの口からは、外道衆の本質や成立のそもそもが語られます。外道衆はスキマから現れますが、正に人の世とあの世のスキマに蠢く集団なのです。仏教的な寓話の観念ですが、外道衆はいわゆる「悪魔」ではなく、「鬼」であり、人間の外(正に外道)にあり、仏敵であると定義されていることが分かります。誤解なきよう、決して仏教を推挙しているわけではなく、民話レベルで根付く日本の仏教観を引用しているということを付記しておきたいと思います。</p>
<p><br /></p>
<p>「そこまでは訊いちゃいない」</p>
<p><br /></p>
<p>　喋りすぎた筋殻アクマロを牽制する骨のシタリでしたが、口振りからは、筋殻アクマロの言葉が血祭ドウコクの本質を突いていたように見えます。これも後で骨のシタリの独白によって補強されることになります。</p>
<p><br /></p>
<p>　骨のシタリの催促を受け、筋殻アクマロは、三味線を隠しているという岩の隙間に歩み寄り、三味線を取り出すべく呪文を唱えはじめます。</p>
<p><br /></p>
<p>　同じ頃、志葉家に源太が意気揚々とやって来ます。終始重苦しい雰囲気に包まれた今回ですが、源太のシーンに関してはライトでコミカルになっており、改めて源太の役割について気付かされます。</p>
<p>　源太が嬉しそうに報告しに来たのは、遂に源太のゴールド寿司が「本業」でグルメ雑誌に載ったということでした。</p>
<p><img src="images/40_05.jpg" alt="源太" /></p>
<p>　この表情、素晴らしい！しかも、「本業」という言葉が、例のカレー騒動を踏まえていて嬉しいです。</p>
<p>　源太は、丈瑠や彦馬がいつもの所に居ないことに気付き、勝手に奥の間へ入って行きます。普段の源太ならばそのようなことはしないかも知れませんが、とにかく有頂天になっている様子が確認出来ますね。</p>
<p>　なお、掲載されたゴールド寿司の評価は、味より珍しさの方が圧倒的に上。</p>
<p><img src="images/40_06.jpg" alt="ゴールド寿司がグルメ雑誌に" /></p>
<p>　つまり、屋台という営業形態の突飛さと、ユニークな大将である源太のキャラクターが評価されたということであり、肝心の味は...ということ。流ノ介もその評価に納得しています。どうも、世間的にはやはり源太の寿司は「並」ということらしい。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は、十臓に「弱くなった」と言われたことを、彦馬に打ち明けていました。</p>
<p><img src="images/40_07.jpg" alt="彦馬と丈瑠" /></p>
<p>「当たってる...俺は十臓に後れを取った」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠。彼の心に、十臓の指摘はかなり響いたようです。丈瑠は最近他の面々とかなり打ち解けた様子を見せていましたが、深層心理ではそれに違和感を抱いていたということになります。何となく匂わされていた感もあるので、決して唐突ではないのが巧いですね。</p>
<p><br /></p>
<p>「で、その原因が、流ノ介達と近付き過ぎた事にあると？...ジイはそうは思いませんな。家臣と心を通じ一致団結せねば、今日まで外道衆と戦っては来れなかった」</p>
<p>「でも俺は！」</p>
<p>「志葉家十八代目を背負うとは、その全てを飲み込んでこそ」</p>
<p><img src="images/40_08.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>　静かなる彦馬の「指導」に、返す言葉もない丈瑠。</p>
<p><img src="images/40_09.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　彦馬の言葉に込められた真意は明確ではありませんが、「家臣と心を通じ一致団結」することこそが、志葉家当主に求められる資質だということかも知れません。丈瑠は確かに素晴らしい侍ですが、自分の周囲に壁を作っていたという点で、歴代の当主と違うように見受けられます(逆に先代、志葉烈堂共に家臣との関係が密接だったのではと思わせる雰囲気があります)。これはそのままテーマにもなっていて、後の骨のシタリのセリフを引用すれば、「執着」で関係性を築いている外道衆に対しては、シンケンジャーが「信頼」や「絆」といった要素で関係性を築かなければ勝てないということになるのではないでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>　そこに、何も知らない源太がやって来ます。源太は懸命にグルメ雑誌の件を話そうとしますが、彦馬に追い出されてしまいます。源太を制止しようと付いて来た茉子は、沈黙する丈瑠を心配そうな表情で見詰めていました。</p>
<p><img src="images/40_10.jpg" alt="茉子" /></p>
<p>　すみません。この表情にやられました(笑)。</p>
<p><br /></p>
<p>　シーンは替わり、ここからは骨のシタリによる独白が続きます。この独白、チョーさんの深い芝居と相俟って実に素晴らしい説得力があります。長い説明セリフは途中で飽きてしまいますが、ここでの雰囲気はあくまで思い出話を語るというものに徹しており、その雰囲気に惹き付けられます。</p>
<p><br /></p>
<p>「苦しみや悲しみねぇ。そんな言葉じゃ到底言い表せないものがあったね、昔聞いたあの三味には。ドウコクの生まれ持った底抜けの苛立ち。そいつが紛れるぐらい、人の世の涙を掻き集めたような音色だった...」</p>
<p><br /></p>
<p>　血祭ドウコクの本質が「苛立ち」という説明は、至極納得出来るものであり、単純明快でありながら実に奥深いものとして印象に残ります。この独白に導かれ、回想シーンに入って行きます。</p>
<p><br /></p>
<p>　スキマから漏れ聞こえる薄雪の三味線...。</p>
<p><br /></p>
<p>「あと、どれ程待てば...いや、もう少し...きっと、明日にも...」</p>
<p><br /></p>
<p>　薄雪はこう呟きます。思いを寄せる新佐に永らく待たされ続けており、その三味線の音色には深い情念と悲しみ、虚無感、諦念といったものが凝縮されていたのでしょう。そういった深い負の感情は、血祭ドウコクの格好の酒の肴になり、その音色に耳を傾けている間は、底なしの苛立ちも緩和されたものと思われます。</p>
<p><br /></p>
<p>「毎日毎日、一年、二年、三年...ドウコクが耳を傾けない日はなかった。そして...」</p>
<p><br /></p>
<p>　骨のシタリの説明によれば、薄雪の三味線の音色は毎日のように漏れ聞こえ、そして同じく毎日のようにその音色に耳を傾ける血祭ドウコクの姿が、六門船にて見られたようです。</p>
<p><br /></p>
<p>「新佐...」</p>
<p><img src="images/40_11.jpg" alt="薄雪" /></p>
<p>　遂に待つことも適わぬ程のどん底に突き当たった薄雪は、二筋の涙を流します。そして、三味線の弦が一本切れた瞬間、薄雪の中である決意が芽生えます。花嫁衣装に身を包む薄雪は、恨み節を携えて新佐の祝言に火を放ったのでした。</p>
<p>　薄皮太夫へと姿を変え、三途の川へ現れた薄雪は、そこで血祭ドウコクに出会います。血祭ドウコクの姿を見て恐れる姿が、外道に堕ちて間もないという事を表していてリアルです。</p>
<p><br /></p>
<p>「手前ぇは外道に堕ちた...もう二度と戻れねぇ」</p>
<p><br /></p>
<p>　その言葉は、有り体に言えば「優しげ」に放たれました。が、血祭ドウコクに優しいという言葉はない筈。血祭ドウコクは傍らで三味線の音色が響くことに、ある種の悦を見出しており、その悦を由来とする包容とでも言えばいいでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>「あれは、人で言うなら、執着かねぇ」</p>
<p><br /></p>
<p>　この骨のシタリの言葉が、血祭ドウコクの薄皮太夫に対する包容の全てを言い表しています。「人で言うなら」という言葉も絶妙で、裏返せば「執着」は外道衆にとってあまりにも当たり前でありふれた概念であり、それこそが外道衆の関係性の一端を担っていると言えるでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　物思う骨のシタリでしたが、背後には筋殻アクマロが迫っていました。突如笏を振り下ろす筋殻アクマロ！</p>
<p><img src="images/40_12.jpg" alt="骨のシタリと筋殻アクマロ" /></p>
<p>　気配に気付いて回避する骨のシタリ。丁々発止のやり取りがスピーディです。</p>
<p><br /></p>
<p>「先程からこれを渡さぬ言い訳を考えましたが、思いつきませぬ故、ドウコクさん達を欺くのもこれまでと」</p>
<p><br /></p>
<p>　筋殻アクマロは、「どうしてもやりたい事」があり、その為に三味線が必要だと言います。</p>
<p><br /></p>
<p>「やっぱりお前さん、最初っから...そんな勝手をドウコクが許すものかい！後悔するよ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　さすがの骨のシタリも形勢は不利と見て、捨て台詞を吐きつつスキマから六門船に帰って行きます。ここで、骨のシタリがスキマを通ったことによりスキマセンサーが反応、シンケンジャーは出陣します。骨のシタリと筋筋殻アクマロが出てきた時には、何故反応しなかったのかという疑問もありますが、これまでも幹部衆が出て来た際に反応が見られなかったような気がするので、もしかすると幹部衆のレベルになると、スキマセンサーが設置されていないスキマを知っているのかも知れません。</p>
<p><br /></p>
<p>　同時に、三味線の中に封じ込められた新佐の呻きが、薄皮太夫に届きます。筋殻アクマロが何か企んでいると睨んだ薄皮太夫は、怒りの声を上げながら筋殻アクマロの元へ急ぎます。十臓はその様子をじっと物陰から見ていましたが、特に協力する様子もなく、静観しているようです。</p>
<p><br /></p>
<p>　クロイワ海岸にて、筋殻アクマロは三味線に封じ込められた新佐の苦痛を吐き出させ、何かのクサビに仕立てようとしています。クサビを打つということは、何かをこじ開け、開けたままの状態にしておくということ。一体何があるというのか、今後の展開に繋がる重要な謎です。何となくシンケンジャー、血祭ドウコク双方に禍をもたらすもののような気がします。</p>
<p><br /></p>
<p>　筋殻アクマロの前に現れるシンケンジャー。何もしていないという開き直る筋殻アクマロに、問答無用で立ち向かいます。</p>
<p><img src="images/40_13.jpg" alt="一筆奏上！一貫献上！" /></p>
<p>　ナナシ連中を激しいチャンバラで斬り倒しつつ、名乗りを上げる所が実にカッコいい仕上がり。尺の短縮にも役立っているようです。</p>
<p><br /></p>
<p>　シンケンジャーがナナシ連中の相手をしている間、「作業」の続きを行おうとしていた筋殻アクマロですが、そこに薄皮太夫が突如斬りかかって来ます。</p>
<p><img src="images/40_14.jpg" alt="薄皮太夫" /></p>
<p>「アクマロ！貴様何のつもりだ。わちきの三味を直すのではなかったのか！？」</p>
<p>「実は我が欲しかったのは十臓さんと、極上の苦しみが詰まったこの三味だけでござります。あんたさんのおかげでうまく行きました。ありがとう」</p>
<p><br /></p>
<p>　遂に筋殻アクマロの真意が露呈しました。十臓はともかく、薄皮太夫自身はお荷物だったわけです。ただ、それなりに戦力としての利用価値はあると判断していたのではないでしょうか。また、血祭ドウコクの怒りを買わないよう、生かしておいたという面もあります。</p>
<p>　外道衆同士の討ち合いに動揺するシンケンジャーを尻目に、筋殻アクマロに果敢に斬りかかって行く薄皮太夫でしたが、手練の筋殻アクマロにかなう筈もなく...。筋殻アクマロは、容赦なく薄皮太夫をなぶり者にします。</p>
<p><img src="images/40_15.jpg" alt="薄皮太夫 VS 筋殻アクマロ" /></p>
<p>「わちきは馬鹿だ...また、裏切られるとは」</p>
<p><br /></p>
<p>　このセリフがまた素晴らしい。薄皮太夫もこれまで...というその時、血祭ドウコクの怒りが、遂に頂点に達します。その怒りの叫びは、六門船、そしてこの世を震わせます。凄まじい迫力です。三途の川を出た途端に水切れを起こしてしまう血祭ドウコクを案じ、必死に止める骨のシタリ。敵側ながら感情移入させる演出の組み立てが振るっています。しかし、血祭ドウコクは、骨のシタリを斬り倒してまで六門船を出て行くのでした。骨のシタリに剣を振るう等という行為は、血祭ドウコクの心情が常態でないことを示しています。</p>
<p><br /></p>
<p>　そして、血祭ドウコクの怒りは雷鳴と共にこの世に轟き、暗闇をもたらします。どこからともなく無数の岩が集合し、無数のスキマを形成。</p>
<p><img src="images/40_16.jpg" alt="血祭ドウコク" /></p>
<p>　そのただならぬ様子に、筋殻アクマロも、</p>
<p><br /></p>
<p>「まさか...」</p>
<p><br /></p>
<p>と動揺を隠せません。</p>
<p>　次の瞬間、集合した岩の大爆発と共に、遂に血祭ドウコクがこの世に出現！</p>
<p><img src="images/40_17.jpg" alt="血祭ドウコク" /></p>
<p>　しかし、すぐに水切れが起き、肩や胸等が乾いてひび割れを起こし始めます。</p>
<p>　が、怒りのまま筋殻アクマロを目指す血祭ドウコクは、剣の一振りでシンケンジャーと筋殻アクマロを巻き込む大爆発を起こすという豪腕振りを発揮。ナパームの規模が凄いことになっています。</p>
<p>　すぐさま血祭ドウコクの縛りが筋殻アクマロを捉えようとしますが、筋殻アクマロは何とか逃げおおせることに成功します。筋殻アクマロを逃がしてしまった血祭ドウコクは、目前に居る丈瑠に目を向け、</p>
<p><br /></p>
<p>「シンケンレッド...志葉の当主めが！」</p>
<p><br /></p>
<p>と苛立ちを露に。迎え撃って来る丈瑠のシンケンマルを剣の一振りで折り、そのまま丈瑠を吹き飛ばしてしまいます。</p>
<p><img src="images/40_18.jpg" alt="シンケンレッド" /></p>
<p>　他の5人の攻撃も一切通用せず、シンケンジャーは未曾有の危機を迎えるのでした。</p>
<p><br /></p>
<p>　この危機に際し、何とか立ち上がった丈瑠は、ことはのシンケンマルを手に取り、スーパーシンケンレッドとなってスーパーモウギュウバズーカを構えます。ことはが握ろうとしているシンケンマルを無言で取り上げる丈瑠の姿は、スタンドプレーを身上とする超実力派リーダーのそれであり、そこには、最近のシンケンジャーが培ってきた双方向性を、「強さ」という名分の元にかなぐり捨てようともがく丈瑠の姿が、痛い程感じられます。</p>
<p><br /></p>
<p>「志葉の...手前ぇら一族には返しきれねぇ借りがある！」</p>
<p><br /></p>
<p>　水切れの進む血祭ドウコクでしたが、それをものともせず、凄まじい空中戦へと展開していきます。このCGを駆使したバトルがアニメ的でスピーディ！</p>
<p><img src="images/40_19.jpg" alt="スーパーシンケンレッド VS 血祭ドウコク" /></p>
<p>　そして、激しい空中戦を制した血祭ドウコクは、丈瑠に軽く止めを刺すと、早々に筋殻アクマロの手から弾き飛ばした三味線を拾い、薄皮太夫の元へ向かいます。</p>
<p>　凄まじい衝撃波を受け、吹き飛ばされるスーパーシンケンレッド！</p>
<p><img src="images/40_20.jpg" alt="スーパーシンケンレッド" /></p>
<p>　変身も解け、丈瑠はその場で昏倒してしまいます。</p>
<p><img src="images/40_21.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　完全にとどめを刺さなかったのは、血祭ドウコクの興味の中心が薄皮太夫であり、水切れの限界まで時間がないのを悟っていたからだと思われます。水切れの限界を知らせる骨のシタリを振り切り、薄皮太夫の傍に付く血祭ドウコクは、</p>
<p><br /></p>
<p>「手前ぇは外道に堕ちた。他に行く場所はねぇ」</p>
<p><br /></p>
<p>と言い、自らの身体の一部を剥ぎ取ると、その切片で三味線を修復し、薄皮太夫に手渡します。</p>
<p><img src="images/40_22.jpg" alt="三味線" /></p>
<p>　思わず三味線を抱きすくめる薄皮太夫。</p>
<p><img src="images/40_23.jpg" alt="薄皮太夫" /></p>
<p>　水切れで命を危険にさらし、更には自らの身体の一部を用いて三味線を修復した血祭ドウコク。それは、三味線の音色への執着が、変則的、倒錯的な「愛」に見えたような瞬間でした。</p>
<p>　時間切れと見た骨のシタリは、無理矢理血祭ドウコクをスキマに押し込んで、三途の川に連れ戻します。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここからは、ややノルマ消化といった感がある巨大戦。骨のシタリが、大ナナシ連中を呼び出してシンケンジャーを片づけようとします。ことはに丈瑠を託し、流ノ介は、スーパーシンケンブルーとなってインロウマルの能力による「真侍合体」を発動。ダイカイシンケンオーで迎撃します。</p>
<p>　大ナナシ連中の操る大筒は、以前よりパワーアップしているということが説明されますが、この巨大戦自体に今一つ訴求力がないので、何となく流してしまいます...。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠不在とあって、源太がモウギュウダイオーを操り、イカテンクウバスターの「折神大開砲」と「猛牛大回転砲」で大ナナシ連中を撃破します。</p>
<p><img src="images/40_24.jpg" alt="大ナナシ連中 VS ダイカイシンケンオー＆モウギュウダイオー" /></p>
<p><br /></p>
<p>　重傷を負った丈瑠は、ことはと黒子によって志葉家に搬送され、直ちに手当てを受けることに。</p>
<p><img src="images/40_25.jpg" alt="丈瑠と彦馬" /></p>
<p>「殿様...」</p>
<p><br /></p>
<p>　ことはが心配して駆け寄りますが、奥の間には近付かず、ただ見守るのみ。</p>
<p><img src="images/40_26.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>　この表情、いいです(笑)。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、血祭ドウコクはひどい水切れで、しばらく動けない状態になってしまい、三途の川に沈んでいきます。六門船の上から、骨のシタリがその様子を覗き込んでいましたが、そこに現れたのは何と筋殻アクマロ。</p>
<p><br /></p>
<p>「我を追い出す力はござりますまい」</p>
<p><br /></p>
<p>と血祭ドウコク不在を良いことに、ちゃっかり六門船に戻ってくる辺り、非常に狡猾というか浅ましいヤツで、これまた実に魅力的です。</p>
<p><img src="images/40_27.jpg" alt="骨のシタリと筋殻アクマロ" /></p>
<p>　血祭ドウコクに助けられた薄皮太夫は、六門船には戻らず、一人修復された三味線を抱いて沈黙していました。</p>
<p><img src="images/40_28.jpg" alt="薄皮太夫" /></p>
<p>　十臓がその様子を遠巻きに見ていましたが...十臓の心中にあるものは何か、画面からは分かりません。</p>
<p><br /></p>
<p>　血祭ドウコクがしばらく動けなくなったことで、物語的には少しばかりの膠着状態になるものと予想されますが、それを利用して各々のキャラクターの背景に決着を付けて来るものと思われます。最終クールという局面においても、抜かりない構成には、ホント、感心させられますね。</p>]]>
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    <title>第三十九幕「救急緊急大至急」</title>
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    <published>2009-11-24T13:26:58Z</published>
    <updated>2009-11-24T13:28:55Z</updated>

    <summary>　前回までで巧くまとまってきたシンケンジャー。最終決戦への段取りとしては順調その...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
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        <![CDATA[<p>　前回までで巧くまとまってきたシンケンジャー。最終決戦への段取りとしては順調そのものといった雰囲気でしたが...ここに来て、丈瑠の本当の意味での段取りがお膳立てされることに。</p>
<p><br /></p>
<p>　巻き戻しとか蒸し返しとか、そういった言葉も脳裏に浮かんだものの、考えてみれば十臓はまだ虎視眈々と丈瑠との再戦を狙っているわけだし、例え丈瑠が彦馬に対する深い優しさを見せたとしても、丈瑠の根源が変化したわけではないということを、きちんと見せておきたい意図もよく分かります。これは、直線的で安心感のある展開を見せた前作「ゴーオンジャー」とは対照的で、テーマ性の確認を重層的に、かつ反復的に行う方向性を示唆しており、実に重厚です。かといって、戦隊シリーズに不可欠な、明朗快活な爽快感が失われているわけでもなく、そのあたりのバランス感覚は素晴らしいものがあります。</p>
<p><br /></p>
<p>　今回を見終わると、十臓は丈瑠の一面を映し出す鏡になっていることが分かります。十臓は丈瑠の中にある「強さ至上主義」をえぐり出す存在であり、その「強さ至上主義」が丈瑠の中で薄くなることにより、逆に十臓の存在が脅かされるわけです。十臓の「つまらん」という一言が、それを端的に表現しているように思います。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠の苦悩を表現する為に、茉子が配置されているのも巧いところで、少なくとも丈瑠と対等の(というより、丈瑠よりやや上の)精神性を有する茉子でなければ、丈瑠を含めた周囲を客観視出来ないでしょう。さらには、悩める者の気持ちに寄り添うことの出来る茉子ですらも、丈瑠の真意をはかりかねているという展開を持ち込むことで、より丈瑠の苦悩を強調しているのも巧みです。</p>
<p><br /></p>
<p>　では、重い展開ながらもバトルシーンが数多く配された、今回の見所をまとめてみましたので、どうぞ。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　冒頭からいきなり怪しげな雰囲気です。筋殻アクマロは、「旗上島」という島で、何やら祈祷を行っています。</p>
<p><img src="images/39_01.jpg" alt="筋殻アクマロ" /></p>
<p>　呪文を唱え、札を焚くという、真言っぽい雰囲気が実にミステリアスです。筋殻アクマロのモチーフは「公家」あたりからだと思われるので、この陰陽師っぽい雰囲気には納得がいくというものです。</p>
<p>　筋殻アクマロが焚いた札は黒い灰と化し、その灰が島に降り注ぎます。私を含め、(田舎で)焚き火等で紙を大量に燃やしたことのある方なら経験があるでしょうが、この灰の舞い上がり方といい降り方といい、結構リアルで思わず笑ってしまいました。</p>
<p>　この灰が島の住民に付着することで、人それぞれが争いを始めます。</p>
<p><img src="images/39_02.jpg" alt="島の人々" /></p>
<p>　この札を焚く炎を燃やし続けるよう、誰かに指示する筋殻アクマロ。その視線の先には、十臓と薄皮太夫が。</p>
<p><img src="images/39_03.jpg" alt="十臓と太夫" /></p>
<p>　筋殻アクマロが、単純に十臓と薄皮太夫に炎の番をしろと言うわけがありません。その依頼の真の内容は、いずれシンケンジャー達も気付いてやって来るだろうから、炎を宿す祭壇を襲撃される前に阻止してくれということです。</p>
<p><br /></p>
<p>　当然の如く、この島の動きはシンケンジャーにキャッチされていました。</p>
<p>　彦馬によれば、島民と連絡がとれなくなったという報告があり、様子を見に島に入った人は居るものの、島の者達が襲い掛かってくるというのです。「まるでホラーのようだ」という感想を持つ千明。ただし、ホラーで多用される閉鎖空間の恐ろしさが、本編に活かされているわけではありません。</p>
<p><br /></p>
<p>　早速、旗上島にやって来た丈瑠達。</p>
<p><img src="images/39_04.jpg" alt=""源太、茉子、ことは、丈瑠、流ノ介、千明 /></p>
<p>　島の風景はのどかなもので、大した異変は感じられませんが、早くも嫌な気配があると気付く茉子が秀逸です。とりあえず、3チームに分かれて捜査を開始。丈瑠と茉子、流ノ介とことは、千明と源太という順当なチーム編成が目を引きます。</p>
<p>　島の中は、鉄条網等が張られたり、住民が隠れるように家の中へ入るなど、やけに警戒厳重です。ここで、筋殻アクマロの仕掛けた術が、互いを争わせるのではなく、互いに疑念を持つという、より精神的なものであったことを明確にします。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここからはそれぞれのチームが遭遇する現象を追っています。</p>
<p><br /></p>
<p>　千明と源太は島民から石を投げられ、更に軽トラに追いかけられるという、大変な目に遭います。</p>
<p>　流ノ介とことはは、彼等を見て逃げる少年を見つけ、追いかけていました。二人は、この少年を捕まえ、落ち着かせると、この島で何があったかを聞き出そうとします。</p>
<p>　丈瑠と茉子は、カップルに襲われます。このカップルは、事件の初端でいきなりいがみ合い始めたカップルであり、互いが互いに疑念を持ち、敵視していることを示しています。面白いのは、このカップルが互いに互いに仇を為す為に、丈瑠と茉子を呼んだのだと解釈しているところです。</p>
<p>　ここでの丈瑠と茉子のアクションが工夫されていて、あくまで一般の人々であるという意識の元、ほぼ護身に徹しています。これにはなかなか感心しました。</p>
<p><br /></p>
<p>　なお、今回はほぼ丈瑠と茉子がメインになりますが、事件の手掛かりを得るのが流ノ介とことはのチームとなっており、メインを張るチームばかりにスポットを当てないバランス感覚の良さを見ることが出来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、流ノ介が少年から聞き出したところ、不思議な黒い灰が降った直後に異変が起こったことが分かり、その旨を丈瑠に報告します。</p>
<p><br /></p>
<p>「灰を浴びた途端、家族も友人も関係なく、全て自分の敵だと思い込んで戦ったり逃げたり...」</p>
<p><br /></p>
<p>という報告により、この島で起こっていることがより明確になります。他人との繋がり、双方向性をテーマとしている「シンケンジャー」において、この「周囲が全て敵」という構図は、際立って分かりやすいアンチテーゼになります。</p>
<p>　なお流ノ介の報告によると、その灰は、島の中心に位置する山から噴き出しているらしく、丈瑠は、すぐさまその山への集合をかけます。</p>
<p><img src="images/39_05.jpg" alt="茉子と丈瑠" /></p>
<p>　今更ですが、ショドウフォンには同時に複数の相手と通話出来る機能があるようで、これはこれまでも少しばかり描かれていましたが、ここまではっきりと複数人による通話が示されたのは初めてではないでしょうか。この複数人同時通話機能は、戦隊シリーズ黎明期から、もっと言えば「ウルトラマン」の時代からある、高性能通信機のイメージを投影していると言えるでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　そして、3チームに分かれたことにより、敵の襲撃もダイナミックに描くことに成功しています。</p>
<p><br /></p>
<p>　流ノ介とことはの前には薄皮太夫が、千明と源太の前には筋殻アクマロが、そして、丈瑠と茉子の前には十臓が現れます。丈瑠に十臓は順当としても、茉子と薄皮太夫の因縁はどうなったのかという疑問が浮かびます。しかし、それは後半できちんとフォローされており、決して構成力に難があるわけではなく、抜かりなしです。</p>
<p>　十臓は、</p>
<p><br /></p>
<p>「相変わらずの雇われ仕事でな。...が、少しはまともに戦わねば、飢える」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠に呟きます。丈瑠は当然、</p>
<p><br /></p>
<p>「今そんな暇はない」</p>
<p><br /></p>
<p>と突っぱねますが...。</p>
<p>　一方、筋殻アクマロと対峙する千明と源太は、</p>
<p><br /></p>
<p>「やっぱり外道衆の仕業か。島の人達に何をした！？」</p>
<p>「人が人との繋がりを無くし、ただ争うのみの、人として最下層な世界。これこそ三途の川の水を呼び込むのに相応しい」</p>
<p><br /></p>
<p>という問答を展開。私はこの島が閉鎖空間であることを利用して、シンケンジャーに周到な罠を仕掛けたのだと思っていました。確かにその一面はあるものの、真の目的は「三途の川の水の呼び込み」にあったのです。この辺り、割と愉快犯的な骨のシタリの作戦より、一貫性があると言えます。</p>
<p>　ここで、千明と源太はは筋殻アクマロによって例の灰を浴びせられてしまいます。見事、筋殻アクマロの術中にはまってしまった千明と源太は、哀れ、島民と同じ状態に陥ります。</p>
<p><br /></p>
<p>「源太...お前、アクマロと組んでんだろ」</p>
<p>「お前こそ、最初っから俺を狙ってたんだろ」</p>
<p><img src="images/39_06.jpg" alt="源太 VS 千明" /></p>
<p>　千明と源太は生身のままシンケンマルとサカナマルを構え、そのまま斬り合いを始めてしまいます。先のセリフ、普段「源ちゃん」と呼んでいる千明が「源太」と呼んでいる等、その豹変振りがハッキリ示されていて良いです。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、薄皮太夫の追撃に遭遇した流ノ介とことはは、保護した少年を守りつつ、戦っていました。</p>
<p><img src="images/39_07.jpg" alt="シンケンイエロー、シンケンブルー VS 薄皮太夫" /></p>
<p>　少年を守るという不利な状況ということもあってか、早速変身して戦ったにもかかわらず、薄皮太夫の猛追に敗れ、川へと転落してしまいました。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方で、丈瑠と茉子も変身して十臓との戦いに突入。ここでのアクションは、かなり明確な味付けがなされています。その味付けとは、シンケンピンクを庇う仕草が多く盛り込まれているのと、シンケンレッド自身、やや受動的な動きを多用しているといったものです。それは、直後の十臓の指摘への秀逸な誘導になっています。</p>
<p><br /></p>
<p>「シンケンレッド...お前、何故弱くなった？」</p>
<p>「何？」</p>
<p><img src="images/39_08.jpg" alt="シンケンレッド VS 十臓" /></p>
<p>「お前は自分を惜しむようになった」</p>
<p>「...」</p>
<p><br /></p>
<p>　明らかな動揺が生まれ、十臓に斬り倒されて変身が解ける丈瑠。かなりの衝撃度です。</p>
<p><br /></p>
<p>「つまらん...」</p>
<p><img src="images/39_09.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　この十臓の表情が凄い。以前は丈瑠と顔をあわせるや否や、ニヤリと口の端を上げて見せていたのに、今回は正に「弱い者を蔑む」といった目線であり、唐橋さんの豊かな表現力を垣間見られます。</p>
<p>　十臓は去り、丈瑠はそのまま昏倒...。茉子が丈瑠の名を呼び続けるという、凄惨な光景に。</p>
<p><br /></p>
<p>　同じ頃、千明と源太は警戒心を異常に強めており、完全に島民と同じ状態に陥っていました。これにより、丈瑠と茉子以外は連絡が取れなくなってしまいます。流ノ介とことはは、川岸に泳ぎ着いたところで気を失ってしまっており、彦馬からのコールが虚しく響いています。</p>
<p><img src="images/39_10.jpg" alt="流ノ介とことは" /></p>
<p>　最近は新アイテム攻勢が目白押しでしたから、このような静かなる危機描写には、突破口のない、ある種の恐ろしさすら漂っています。</p>
<p><br /></p>
<p>　なお、茉子は丈瑠の応急処置を終え、彦馬と連絡を取っていましたが、丈瑠は十臓の言葉が気にかかり、一点を見つめたまま沈黙していました。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここでシーンは六門船へ。</p>
<p><img src="images/39_11.jpg" alt="筋殻アクマロと骨のシタリ" /></p>
<p>「またぞろ、お前さんの地獄ごっこかい。よく飽きないねぇ、感心するよ」</p>
<p>「ありがとうございます」</p>
<p>「褒めてないよ...」</p>
<p><br /></p>
<p>　今更言及するまでもありませんが、やはり骨のシタリと筋殻アクマロの方向性は完全に異なっているようです。骨のシタリにしても失敗ばかりなので、今回の筋殻アクマロの手際の良さに、皮肉の一つでも言いたくなる気持ちは分かります。</p>
<p>　血祭ドウコクは、ススコダマの唄う太夫の三味線の音を聞きつつ、酒を飲んでいます。血祭ドウコクの心中に渦巻くは、薄皮太夫への思慕なのか、それとも？</p>
<p><br /></p>
<p>　その薄皮太夫、十臓に皮肉を投げかけていました。</p>
<p><br /></p>
<p>「お前、シンケンレッドにとどめも刺さずに来たようだね」</p>
<p><br /></p>
<p>　これに十臓は、</p>
<p><br /></p>
<p>「あれはもう、面白くない。裏正が戻って来たところで、あのまさに骨の髄までバラバラになる程の戦い、望むべくもないとはな...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、明らかに失望した様子を見せます。丈瑠は十臓の言葉にショックを受け、他方、十臓は丈瑠の変貌振りに失望しているという...。この二人、志はまるで異なる方向を向いていますが、かなりの面で似ていると言えるでしょう。かつての十臓の「似ている」発言も、むべなるかなといったところです。</p>
<p><br /></p>
<p>　茉子は、沈黙する丈瑠を気にかけています。</p>
<p><img src="images/39_12.jpg" alt="茉子と丈瑠" /></p>
<p>「気になってるの？十臓が言ったこと。前の戦いで勝ったのは、丈瑠の方じゃない。弱くなったとも思わないし」</p>
<p>「腕じゃない。十臓が言ってた通りだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　十臓の「お前は自分を惜しむようになった」というセリフに、丈瑠は最も過敏に反応していたのでした。</p>
<p><br /></p>
<p>「悪い事とは思えないけど」</p>
<p>「少なくとも、独りで戦ってた時とは違う」</p>
<p>「確かに。最初の頃の丈瑠とは違うよね。特に最近は。どんどん、何て言うか」</p>
<p>「お前達と戦うのが普通になってる」</p>
<p>「ていうか、皆と一緒に居るのが普通って感じかな」</p>
<p>「...」</p>
<p>「あたしもそんな感じかな。流ノ介達も、そうだと思う。それっていいことじゃない？昔の殿様と家臣とは違うかも知れないけど、あたし達は、これが」</p>
<p>「違う！」</p>
<p>「え？丈瑠？」</p>
<p>「俺は...違う！」</p>
<p><br /></p>
<p>　こうして会話を字面で並べてみると、まるで二人の会話が噛み合っていないことが、より明確になります。茉子の主張は、丈瑠が侍という名の呪縛から解き放たれ、仲間との絆を深めているのは、とても良い事だというもの。一方、丈瑠の方は、自分の求めていた強さの方向性が、茉子の言う「強固な絆」ではなく、十臓の言う「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」的なものであると、気付いて(あるいは思い出して)しまったが故のもどかしさです。</p>
<p>　丈瑠は、</p>
<p><br /></p>
<p>「いつまでも島の人達を放っておけないだろ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と言って、怪我を押して出掛けて行きます。制止する茉子を突き飛ばし...。</p>
<p><img src="images/39_13.jpg" alt="茉子" /></p>
<p><img src="images/39_14.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　思わず放心する茉子と、突き飛ばしてしまったことに対する丈瑠の後悔の表情が、素晴らし過ぎます。こういったシーンは、「戦い」と「悲壮感」という要素のあるドラマでないと、お目にかかれませんね。</p>
<p><br /></p>
<p>　道中、丈瑠と茉子のモノローグが挿入されます。</p>
<p><br /></p>
<p>「俺はいつから...いや、分かってて目を逸らしたんだ。よりによって、あいつに...見透かされた！俺に許される筈なかった...もっと...強く！」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠のこのモノローグ(途中、「見透かされた」だけは思わず口に出してしまうのが秀逸！)は、自分の求めていた「強さ＝暗部」を仲間との交流によって隠蔽してきた自分と、それに心底納得していない自分とを、同時に看破されてしまったことへの悔しさが見て取れます。</p>
<p><br /></p>
<p>「丈瑠、どうしたの？何を言おうとして...」</p>
<p><br /></p>
<p>　さすがの茉子にも、今回の丈瑠の心情を完全には理解出来なかったようです。「茉子が理解出来ない」という点が、今回の秀逸な仕掛けであり、これにより、丈瑠の問題の深さが印象付けられています。</p>
<p><br /></p>
<p>　苦悩しつつも、戦いに身を投じることで迷いを払拭しようと考えたのか、丈瑠は通常より厳しい表情を浮かべつつ、島の中心にやって来ました。丈瑠の姿を目にした薄皮太夫は、</p>
<p><br /></p>
<p>「面倒な...十臓、お前が斬らぬなら、わちきがやるぞ。いいな！」</p>
<p><br /></p>
<p>と十臓に問いますが、十臓はいっこうに答えようとしません。十臓は丈瑠への興味を失っているのです。薄皮太夫は、素早く丈瑠に斬りかかっていきます。そこへ飛び込んで来たのは茉子。丈瑠を庇い、腕を負傷しつつも、シンケンマルを構えます。</p>
<p><img src="images/39_15.jpg" alt="茉子と丈瑠" /></p>
<p>　このシーン、十臓の無関心振りにやや丈瑠が動揺していたと解釈してもいいでしょう。さもなくば、丈瑠の隙の大きさは、十臓の言う「弱くなった」という発言の確証に転じてしまうでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>「茉子...馬鹿！俺の事はいいから...」</p>
<p>「忘れたの？約束でしょ？命を預けるし、命を預かるって。その約束が丈瑠を弱くするとは思わない。一緒に居て、一緒に戦って、この世を守る！丈瑠、あたしが今言えるのはそれぐらい...」</p>
<p><br /></p>
<p>　茉子と薄皮太夫の、激しい斬り合いが始まります。</p>
<p><br /></p>
<p>「茉子...今は、この世を、守る為に！」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は迷いを払拭し、変身します。</p>
<p><img src="images/39_16.jpg" alt="一筆奏上！" /></p>
<p>　スーパーシンケンレッドになり、モウギュウバズーカを構える丈瑠。ナナシを蹴散らし、アクマロの祭壇に歩み寄ります。</p>
<p><img src="images/39_17.jpg" alt="スーパーシンケンレッド VS ナナシ連中" /></p>
<p>　スローモーションが効果的で、迫力あるアクションに引き込まれていくのですが、どこか退廃的な匂いを漂わせているのが見事。それもその筈、丈瑠は茉子の言葉に目覚めたような反応を示しつつも、自分が冷徹な程の強さを身に付けなければ、この世を守ることは出来ないという結論に達したものと想像されるからです。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方で、茉子と薄皮太夫もイデオロギーの戦いに及んでいます。</p>
<p><br /></p>
<p>「この世を守るか...。それ程の価値があるとも思えんが」</p>
<p><br /></p>
<p>と薄皮太夫。外道に堕ちた発端が、恋人の完全なる裏切りであったが故の発言です。対する茉子は、</p>
<p><br /></p>
<p>「それは、価値を自分で手放したからでしょ！？」</p>
<p><br /></p>
<p>と反論。</p>
<p><img src="images/39_18.jpg" alt="シンケンピンク VS 薄皮太夫" /></p>
<p>　なるほど、外道に堕ちた薄皮太夫に一度は同情心まで覚えた茉子ですが、現在はこのような結論に至っているんですね。薄雪には外道に堕ちない道があった筈だと、茉子は考えているのです。理性的な茉子ならではの見解だと納得出来ますね。</p>
<p><br /></p>
<p>　進撃を続ける丈瑠は、いよいよ祭壇の前まで来ます。祭壇の前に立ちはだかる十臓！</p>
<p><br /></p>
<p>「撃っていいぞ。もうやり合ってもつまらん」</p>
<p><br /></p>
<p>　雇われの身と言いつつ、裏正の存在価値を見失った十臓は、最早筋殻アクマロに何の義理もありません。これは、明らかに自殺行為であり、勿論祭壇を守るという意図も一切ありません。</p>
<p>　丈瑠は、何の迷いも見せず、「最終奥儀ディスク」を用いてスーパーモウギュウバズーカをぶっ放します。</p>
<p><img src="images/39_19.jpg" alt="スーパーシンケンレッド" /></p>
<p>　火炎弾は、十臓の傍を通り抜けて祭壇を爆破。丈瑠の表情は一切伺えませんが、それが逆に素晴らしい効果を発揮しています。仮面劇ならではの無表情の魅力を、遺憾なく発揮したシーンですね。</p>
<p>　祭壇が燃え尽きたことにより、島の人々は元に戻ります。</p>
<p><br /></p>
<p>「わずかだが残っているらしい。俺の肌を粟立たせるものが」</p>
<p><img src="images/39_20.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>　少しばかり嬉しそうな表情を浮かべる十臓。ただし、丈瑠の行為が「俺の肌を粟立たせる」ものだったかどうか、画面だけでは分かり難いのが惜しいところ。</p>
<p>　インロウマルにモウギュウバズーカ、これらは確かに丈瑠の戦力を飛躍的に高めているものの、それが十臓の言う「強さ」に直結するものであるとは言えません。インロウマルもモウギュウバズーカも、丈瑠と他の人間との絆がもたらしたもの。十臓程「強さ」に対する感覚が鋭敏な者ならば、このバックグラウンドに気付かぬ筈はありません。</p>
<p>　では、十臓の肌を粟立たせるものとは何か。それは、丈瑠の冷徹な「強さ」への希求でしょう。それが、茉子が望んでいるものとは真逆にあるものであることは、想像に難くありません。丸腰の十臓を万が一でも被弾させる可能性があったのですから、「優しい丈瑠」なら「退け」とでも言ったでしょう。そこを、何も言わず、躊躇せずに発射したのですから、十臓はその丈瑠の中に残るある種の冷酷さに反応したのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　ならば、と十臓は蛮刀を構えます。ところが突如、筋殻アクマロが両者の間に入り、</p>
<p><br /></p>
<p>「そこまで」</p>
<p><br /></p>
<p>と十臓を制止するのでした。</p>
<p><img src="images/39_21.jpg" alt="十臓と筋殻アクマロ" /></p>
<p>　あからさまに動揺する十臓がいい感じです。</p>
<p><br /></p>
<p>「術が破れた以上、無駄な戦いをお二方にさせられませぬ故」</p>
<p><br /></p>
<p>　筋殻アクマロは、切神とノサカマタを残して、十臓達と共に去って行きました。「無駄な戦い」云々といったゴタクは、十臓そのものを慮った発言ではないでしょう。まだ十臓を手元に置いて、利用したいという意図を透かし見ることが出来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>　術が解けた千明と源太、回復なった流ノ介とことはが合流し、切神とノサカマタをダイカイシンケンオーで迎撃するシンケンジャー。たちまちノサカマタを「二天一流乱れ斬り」で撃破します。</p>
<p><img src="images/39_22.jpg" alt="切神、ノサカマタ VS ダイカイシンケンオー" /></p>
<p>　いつもの調子で千明が、</p>
<p><br /></p>
<p>「後は切神だけだ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と言い、流ノ介が、</p>
<p><br /></p>
<p>「殿、イカテンクウバスターで...」</p>
<p><br /></p>
<p>と進言しようとしたのも束の間、丈瑠は単独で、</p>
<p><br /></p>
<p>「全侍合体！」</p>
<p><br /></p>
<p>と号令。流ノ介は、</p>
<p><br /></p>
<p>「え？、あ、はい」</p>
<p><br /></p>
<p>と、いつもと違う丈瑠の態度に困惑します。</p>
<p>　サムライハオーには切神の一切の攻撃が通用することなく、切神は「モヂカラ大弾円」で瞬殺されてしまいます。</p>
<p><img src="images/39_23.jpg" alt="切神 VS サムライハオー" /></p>
<p>　この圧倒的な威圧感は、切神に同情すら覚えさせる構図であり、丈瑠の豹変振りを端的に現すビジュアルだと言って良いでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>「これにて、一件落着」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠。</p>
<p><br /></p>
<p>「おい、一本締めなしかよ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と慌てる源太。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿様？」</p>
<p><br /></p>
<p>と不思議がることは。</p>
<p><img src="images/39_24.jpg" alt="シンケンジャー" /></p>
<p>　丈瑠はさっさと戦場を後にします。源太の登場以来、明るい雰囲気で締めくくられ続けた巨大戦も、今回は丈瑠の一存で妙に悪い後味を残す結果となりました。パターン破りを心情描写に当てるという手法が光る、秀逸なシーンです。</p>
<p><br /></p>
<p>　エピローグも非常に重苦しい雰囲気。初期の頑なな丈瑠の様子が思い出されます。いつものようにはしゃぐ流ノ介、千明、源太でしたが、丈瑠は一人思いつめて去っていくという構図です。茉子の、</p>
<p><br /></p>
<p>「何が...」</p>
<p><br /></p>
<p>という短い疑問のセリフが、その閉塞感を高めます。</p>
<p><br /></p>
<p>「茉子ちゃん、殿様、何かあったん？」</p>
<p><br /></p>
<p>　ことはの質問に、はっきりとした答えを出さない茉子。要するに、茉子は丈瑠が何を考え、思いつめているかを理解していない為、あえてはぐらかしたわけです。</p>
<p><img src="images/39_25.jpg" alt="茉子とことは" /></p>
<p>　何ともやるせないエンディング。次回以降のカタルシスが期待出来そうですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、</p>
<p><br /></p>
<p>「太夫...！」</p>
<p><br /></p>
<p>と血祭ドウコクがススコダマを握りつぶします。このススコダマは、薄皮太夫の三味線を真似て歌っていたヤツです。</p>
<p><img src="images/39_26.jpg" alt="血祭ドウコク" /></p>
<p>　どうも、血祭ドウコク、薄皮太夫との因縁浅からぬようであり、筋殻アクマロや十臓と行動を共にしている状況に、我慢ならなくなってきたようです...って勝手に想像してますが。次回はいよいよこの血祭ドウコクが出陣するようなので、丈瑠の様子と併せて堪能したいところです。</p>]]>
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    <title>第三十八幕「対決鉄砲隊」</title>
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    <published>2009-11-17T13:33:21Z</published>
    <updated>2009-11-23T06:02:43Z</updated>

    <summary>　今回も新武器登場によるパワーアップ編ではあるのですが、そのあたりを抑え、彦馬を...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.sirmiles.com/shinkengers/">
        <![CDATA[<p>　今回も新武器登場によるパワーアップ編ではあるのですが、そのあたりを抑え、彦馬をメインに据えるという構成により、爽やかな感動を呼ぶ娯楽編に仕上がっているエピソード。</p>
<p>　それでいて、モウギュウバズーカの扱いは、サムライハオー登場編のようなヤケッパチな処理ではなく、彦馬にちゃんと絡ませ、更には徹底してシンケンジャーのピンチを描くことによって、キッチリとインパクトを与えるようになっています。画面に出て来ないながらも榊原家に言及したりと、シリーズ構成的にもバッチリで、緻密かつ大胆な構成力が感じられます。</p>
<p><br /></p>
<p>　今回の最大のポイントは、少々口うるさい指導者といったイメージの彦馬が、非常に優秀な人物であるということを示したことでしょう。さらには、志葉家に仕える身であるが故の苦悩をも描くことで、キャラクターの人間的造形の深みが大幅に増しています。シンケンジャー達は、それぞれの家族との関わり合いに特徴的なトピックを抱えていたわけですが、それは彦馬に関しても同様であることが描かれ、若き侍達とその後見人が同じフィールドに立っているという実感を補強しています。要するに、彦馬もシンケンジャーの一員だということが示されたと言っても過言ではないわけです。</p>
<p><br /></p>
<p>　ストーリーは、日頃休みを取っていない人に、何とか休みを取らせる為、一同が奮闘する様子をコミカルに描くという王道のパターンに則っています。しかし、そのコメディ部分を存分に成立させた上で、彦馬の家族関係が静かな感動を呼ぶ辺りに、「シンケンジャー」ならではの「生真面目さ」を感じます。最後までドタバタで終わっても充分話は成立するのに、パワーアップ劇や悲壮感といった要素まで盛り込んでしまうとは、実に贅沢です。</p>
<p>　その贅沢さは、丁寧な演出にも現れています。緩急取り混ぜたテンポの良さの中に、丁寧な演出が光ることで、重層的な魅力を放っているのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　というわけで、贅沢なエピソードに相応しく、キャプの取捨選択に物凄く迷ってしまいました。普段よりちょっと大目でお届けします。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　冒頭は、黒子にテキパキと指示を出す彦馬の様子から。日々の激務でやや疲れ気味の様子ではあるようです。</p>
<p><img src="images/38_01.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>　最初からいきなり彦馬の有能性をアピールしているわけですが、ちょっと疲れ気味という要素が加わることで、この後の展開を少々分かりにくくしているのは残念なところ。というのも、丈瑠が彦馬に「休みを取らせたい」と思っている本当の理由は、彦馬の墓参りや家族の事なのですが、疲れ気味の彦馬に休みをとらせたいようにも見えてしまったからです。</p>
<p><br /></p>
<p>　気を取り直して、場面は志葉家の外にある某所。</p>
<p>　明日は、彦馬が墓参りに行く日だという丈瑠。丈瑠は、彦馬に休みを取らせたいという相談を、他の面々に持ちかけるのでした。屋敷では出来ない相談だとして、わざわざ外に出て来たわけです。</p>
<p><img src="images/38_02.jpg" alt="流ノ介、千明、ことは、茉子、源太、丈瑠" /></p>
<p>　彦馬は、かなり昔に奥さんを亡くしており、明日がその奥さんの命日とのこと。実は娘と孫も居るのですが、</p>
<p><br /></p>
<p>「俺を育てることになってから、ずっと離れて暮らしてるんだ。戦いに巻き込まない為に...」</p>
<p><br /></p>
<p>と、丈瑠は彦馬が家族と一緒に暮らしていない理由を語ります。彦馬は、志葉家当主であり殿である丈瑠に仕える身ですから、侍の世界観ではプライベートを犠牲にするもやむなしではあるものの、現代人としての感覚も持ち合わせる丈瑠は、やや引け目を感じているようです。この、「現代人としての感覚も持ち合わせる」という部分、実は後で重要なトピックになります。ここで少しだけ触れておくと、少なくとも「シンケンジャー」開始当初においては、丈瑠の感覚はおよそ侍の世界観そのものだったのですが...ということ。</p>
<p>　なお、この丈瑠の相談を聞き、ダイゴヨウは泣き始めてしまいます。下町人情派っぽいのが可笑しいですね。</p>
<p>　丈瑠は、去年より戦いが厳しくなっている為、彦馬が休みをとるかどうかを心配しており、何とかしたいという胸の内を明かします。すぐさま千明が、</p>
<p><br /></p>
<p>「分かった。つまり、明日は何があっても、ジイさんには知らせないようにしろって事か」</p>
<p><br /></p>
<p>と応えます。丈瑠は、</p>
<p><br /></p>
<p>「頼む」</p>
<p><br /></p>
<p>と短い返事を返しますが、そこには信頼出来る仲間への、たっての頼みという雰囲気がさり気なく感じられるようになっていて、高ポイントです。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、シーンは三途の川へ。今回のアヤカシであるイクサズレが、ナナシ鉄砲隊を指揮していました。</p>
<p><img src="images/38_03.jpg" alt="ナナシ鉄砲隊" /></p>
<p>　ここのところ外道衆側には、筋殻アクマロ辺りしか新要素がないので、こうした作戦面でのパワーアップを見せるというのは、なかなかいい方法だと思います。</p>
<p>　イクサズレの声は、秋元羊介さん。もう秋元さんと言えば、私なんかは「Gガンダム」の東方不敗あたりを思い浮かべてしまうのですが、エキセントリックな部分とスタティックな部分のバランスが非常に素晴らしい声優さんだと思います。今回もさすがで、指揮官的なキャラクターならではの落ち着きと、アヤカシならではのコミカルな部分とを巧くブレンドして演じられていました。「ごわす」が口癖ということは、薩摩を意識しているのでしょうか？</p>
<p><br /></p>
<p>　なお、この鉄砲隊は骨のシタリが考案し、組織したもの。その華々しい訓練の様子を紹介し、周囲に自慢しています。</p>
<p><br /></p>
<p>「しかし、鉄砲とは少々野蛮ではござりませぬか？」</p>
<p><br /></p>
<p>というのが筋殻アクマロの反応。やんごとなき雰囲気に則した、やや意地悪な発言といったところでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>「お前さんだって、口から空鉄砲ばかりじゃないか。これからは飛び道具の時代だよ」</p>
<p><br /></p>
<p>　骨のシタリも反撃します。血祭ドウコクは、</p>
<p><br /></p>
<p>「フッ、何一つ変わり映えしない今の有様に、風穴開けてもらいてぇな」</p>
<p><br /></p>
<p>と、無関心を装いつつも骨のシタリを援護。これには筋柄アクマロも、</p>
<p><br /></p>
<p>「申し訳ござりません」</p>
<p><br /></p>
<p>と頭を下げるしかありません。血祭ドウコクとしては、やはり骨のシタリの方にシンパシィがあるということでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、丈瑠達は明日に備え、まずスキマセンサーを源太作の偽物にすり替える作業をしていました。</p>
<p><img src="images/38_04.jpg" alt="スキマセンサー" /></p>
<p><img src="images/38_05.jpg" alt="源太、丈瑠、千明、ことは、茉子" /></p>
<p>　黒子達が会議を長引かせている間、本物のスキマセンサーを流ノ介の部屋へと運ぶ手筈だったのですが、彦馬は思いのほか早く現れてしまい、一同は大慌て。この狼狽振りと稚拙な誤魔化し振りが非常に笑えます。</p>
<p>　何とか源太の服の腹の部分に隠して運ぼうとするのですが、ただならぬ雰囲気に彦馬が気付かぬわけもなく、源太の不自然な腹を指摘します。それに対し、ことはが「便秘」だと説明する等、てんやわんや。</p>
<p><img src="images/38_06.jpg" alt="ことは、流ノ介、源太" /></p>
<p>　どう見ても明らかに源太の腹は妙ですが、これはまぁ物語の方便というヤツで、いちいちツっこむのは粋じゃない(笑)。そこも含めて笑ってしまいましょう。とりあえず、流ノ介と源太は無事にスキマセンサーを運び去ることが出来ました。</p>
<p><br /></p>
<p>源太「しかし、便秘はねぇよな、ことはちゃん」</p>
<p>流ノ介「仕方ないだろ。今日から便秘キャラで行け」</p>
<p><br /></p>
<p>　源太と流ノ介も、コンビでこんなノリを披露するに至ってたんですねぇ。前回の千明とのコンビネーションといい、実は流ノ介が最も「他人に歩み寄れる」キャラクターだったのかも知れません。侍としての信念が頑なであるだけに、ギャップが面白く映ります。</p>
<p><br /></p>
<p>　千明の、飯はまだかという問いに対し、彦馬は榊原家から野菜が届いていて、仕度が進んでいると答えます。そして、野菜と一緒に、ヒロが頑張ってモヂカラの勉強をしているという手紙が入っていたと報告します。丈瑠は、ヒロの頑張りを知って嬉しそうな表情を浮かべています。丈瑠は自分と同じような境遇にあるヒロに、特別なシンパシィを抱いているようです。</p>
<p><br /></p>
<p>　日付は変わり、イクサズレが人の世で鉄砲隊の訓練をしようと出現します。</p>
<p><img src="images/38_07.jpg" alt="イクサズレ" /></p>
<p>　流ノ介の部屋の押し入れに仕掛けられたスキマセンサーに反応があります。どうも流ノ介は源太と共に寝ずの番をしていたようです。流ノ介はしっかり正座、源太は居眠りという対比がこれまた可笑しさを生み出します。</p>
<p><br /></p>
<p>　予定通り、彦馬は出かける準備を整えていました。丈瑠達は、何とか彦馬を誤魔化しつつ、出陣していきます。ここでもドタバタが繰り広げられます。特に丈瑠の焦りが可笑しい。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、無事(？)出陣してきたシンケンジャーでしたが、これまでの外道衆にはない、チームワークを鍛えられた鉄砲隊と、イクサズレの射撃の腕の前に、かなりの苦戦を強いられます。</p>
<p><img src="images/38_08.jpg" alt="イクサズレ" /></p>
<p>　千明と源太が銃撃を食らってしまうという状況の中、丈瑠が烈火大斬刀で何とか銃撃を防御し、その背後から流ノ介とことはが飛び道具で対抗。イクサズレ達を一旦撃退することが出来ました。</p>
<p><img src="images/38_09.jpg" alt="シンケンブルー、シンケンレッド、シンケンイエロー" /></p>
<p>「ナナシに鉄砲持たせるなんて、考えたよね」</p>
<p><br /></p>
<p>　茉子はすぐさま戦果を分析します。丈瑠も同じ事を考えており、</p>
<p><br /></p>
<p>「こっちも戦い方を考えないとな」</p>
<p><br /></p>
<p>と言い、一旦屋敷に戻ることにします。しかしながら、どうも戦い方を考える暇はなかったようで...。</p>
<p>　帰ってみると、何と彦馬はまだ出掛けていませんでした。負傷している千明と源太を見て、訝しげな表情を浮かべる彦馬。</p>
<p><img src="images/38_10.jpg" alt="ことは、彦馬、茉子、丈瑠、流ノ介、千明、源太" /></p>
<p>「稽古が盛り上がっちゃって...なぁ、源ちゃん」</p>
<p>「そう、ほら、俺には便秘もあるからね...」</p>
<p><br /></p>
<p>と実に苦しい言い訳でしたが(結局このウソはバレてた訳で...)、丈瑠達が早く出掛けた方がいいと勧めるので、彦馬は出かけて行きました。丈瑠はひと安心の様子。</p>
<p><img src="images/38_11.jpg" alt="丈瑠" /></p>
<p>　この丈瑠の穏やかな表情を見て、ことはは、</p>
<p><br /></p>
<p>「殿様、ほんまに優しいんですね」</p>
<p><br /></p>
<p>と微笑みます。</p>
<p><br /></p>
<p>「え？」</p>
<p><br /></p>
<p>　あからさまに動揺する丈瑠。ホントに人物の機微が的確に表現された演出です。</p>
<p><br /></p>
<p>「彦馬さん大事にしてはって。家族の事もちゃんと」</p>
<p><br /></p>
<p>　ことはのこの言葉に続き、源太と流ノ介が、</p>
<p><br /></p>
<p>「そりゃ、育ての親だもんな」</p>
<p>「親孝行ってヤツですか？」</p>
<p><br /></p>
<p>と続けます。丈瑠は照れ隠しも兼ねてか、</p>
<p><br /></p>
<p>「そんないいもんじゃない...今までは、ジイが墓参りに行かない時があった。俺が寝込んだり、ナナシの動きが活発だったり。それでも俺は何もしなかった。侍なんだから仕方ないし、当然だってな。でも、こないだの茉子の家族とか、色々、お前達もそういう...つまり、ジイにもお前達みたいに、持ってなきゃいけないものがある。そう思った。それだけだ」</p>
<p><br /></p>
<p>と言います。</p>
<p>　前述の、丈瑠が「現代人としての感覚も持ち合わせる」という部分、そこに至った理由が、ここにあります。つまり、これまでは彦馬が奥さんの命日に休みを取らなくても、丈瑠的に当たり前のことだという感覚があったわけです。そして、流ノ介、茉子、千明、ことは、そして源太との関わりを経て、侍でありながらも、あくまで一人の人間として普通に大事なものがあるということを理解し、彦馬にもそれがあって当然だと思えるようになったのです。これはつまり、丈瑠の形式上の「強さ」の裏返し。何を以って「強い」とするかという問題にもなってきます。そして、次回の予告を見る限り、その辺りにメスが入れられるのではないでしょうか...。</p>
<p>　しかし、千明達の反応は当然明るいものになります。</p>
<p><br /></p>
<p>千明「なんつぅか、いいんじゃないの？」</p>
<p>茉子「正直、協力してくれって言っただけで驚きだったけど」</p>
<p>流ノ介「殿！私何故か、感動してしまいました！」</p>
<p><br /></p>
<p>　こんな感じ。</p>
<p><br /></p>
<p>「もういい！」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は照れが限界に。こういう不器用な反応の可愛らしさも、丈瑠の魅力です。</p>
<p>　そこに、黒子が沢山の書類を運んで来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>「ジイの仕事だ。今日戦ったアヤカシの記録と、戦いのデータ。黒子の割り振り、勘定方の報告書...」</p>
<p><br /></p>
<p>　その上、さらに食料調達に献立も加わります。彦馬は一人で、これだけの仕事をこなしていたのです。セリフだけだと説得力に欠けますが、これだけの書類の山を見せることにより、ビジュアルでの実感を与えています。源太は突如、</p>
<p><br /></p>
<p>「さぁてと！帰るか」</p>
<p><br /></p>
<p>と言って志葉家を後にしようとしますが、そこは当然強制的な協力を求められます。流ノ介と千明が引きとめ、源太も彦馬の仕事の一端を手伝うことに。コミカルで説得力のあるシーンが連発されるので、ライトな感覚でありつつ、非常に見応えがありますね。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、骨のシタリは「今度こそ本番だ」とイクサズレに指示していました。つまりは、まだ本領発揮ではなかったということですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠達は、真面目に「ジイの仕事」をこなしていきます。</p>
<p><img src="images/38_12.jpg" alt="茉子、ことは、丈瑠、流ノ介、千明、源太" /></p>
<p>　千明や源太が飽きてきた頃、黒子によって元通りに取り付けられたスキマセンサーが、イクサズレに反応します。</p>
<p>　颯爽と出陣した丈瑠達でしたが、黒子の人数がやけに少なく、横断幕も中途半端...。</p>
<p><img src="images/38_13.jpg" alt="そこまでだ、外道衆！" /></p>
<p>　黒子の手配は、ことはが担当したらしく、</p>
<p><br /></p>
<p>「ごめんなさい。うち、色々間違えたかも」</p>
<p><br /></p>
<p>と反省の弁を述べています。ここをあくまでコミカルに仕立て上げたのは、この先に待っている危機とのコントラストを狙ったものと思われます。また、黒子のコメディアンとしてのキャラクター性も、存分に生かされたものとなっています。</p>
<p><br /></p>
<p>　何はともあれ、変身する6人。</p>
<p><img src="images/38_14.jpg" alt="一筆奏上！一貫献上！" /></p>
<p>　黒子は個々人の名乗りに併せ、小さい横断幕を構えるのに大忙しです。ここでの黒子達もまた実にコミカル。</p>
<p><img src="images/38_15.jpg" alt="シンケンジャー、参る！" /></p>
<p>　待ち受けるはイクサズレ率いるナナシ鉄砲隊。かなりの自信を湛えつつ、イクサズレは開戦を宣言します。</p>
<p><img src="images/38_16.jpg" alt="ナナシ鉄砲隊とイクサズレ" /></p>
<p>　ナナシ鉄砲隊に対し、丈瑠はスーパーシンケンレッドに変身して対抗し、すぐさま作戦を指示します。全員が狙いをつけられるまでに動き、先にナナシ連中を一掃する作戦です。作戦は図に当たり、次々とナナシ鉄砲隊は撃破されていきます。慌てるイクサズレを源太が攻め、一時は怯ませるまでに至るのですが...。</p>
<p><img src="images/38_17.jpg" alt="シンケンゴールド VS イクサズレ" /></p>
<p>　源太は突如、別方向からの銃撃を受けてしまいます。変身が解け、倒れる源太！</p>
<p><img src="images/38_18.jpg" alt="源太" /></p>
<p>　非常に痛々しい描写が衝撃的です。先程までのコミカルな描写とは打って変わって、一気にテンションが高まります。</p>
<p>　実はナナシ鉄砲隊は谷を囲む程大勢居り、シンケンジャーは完全に包囲されてしまいました。</p>
<p><img src="images/38_19.jpg" alt="シンケンジャー VS ナナシ鉄砲隊" /></p>
<p>　数と遠距離攻撃に物を言わせる作戦で来たわけです。何となく、長篠の合戦を彷彿させます。まぁ、長篠の合戦における信長の作戦ほど巧妙でなかったことが、イクサズレの敗因と言えなくもないですが。</p>
<p><br /></p>
<p>　シンケンジャー絶体絶命の時、黒子達が援護するという、いいシーンが挿入されます。黒子はモヂカラこそないが、立派な侍なのだという精神が、ここに生きていました。しかし、黒子の援護を以ってしても、状況は打開出来ません。</p>
<p><br /></p>
<p>　するとそこに、彦馬がバイクで颯爽と登場！</p>
<p><img src="images/38_20.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>　ナナシ連中をバイクで蹴散らし、パワフルなアクションで何体かを撃退します。</p>
<p><img src="images/38_21.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>　正に「格さんアクション」。伊吹さんが出演されていた頃の「水戸黄門」をそのまま見ているかのようなアクションが嬉し過ぎます。そして、彦馬の格闘能力の高さをも照明するカットになりました。</p>
<p>　持ってきたモウギュウバズーカを、丈瑠に投げ渡す彦馬。丈瑠はモウギュウバズーカを構えると、光弾を連続発射し、ナナシ鉄砲隊をたちまち一掃してしまいます。</p>
<p><img src="images/38_22.jpg" alt="スーパーシンケンレッド VS ナナシ鉄砲隊" /></p>
<p>　モウギュウバズーカは牛折神の力を秘めた武器であり、牛折神について研究を重ねてきたヒロだからこそ、作ることの出来た武器です。実は昨日、榊原家より届いた野菜と共に送られてきたヒロの手紙に、今日モウギュウバズーカが完成するとの報告があった為、彦馬は墓参りを返上して榊原家へ足を運んだのでした。</p>
<p><br /></p>
<p>「早速取りに行ったのだ。殿達が隠し事をしているお返しに、内緒でな」</p>
<p><br /></p>
<p>と茶化すように今日の行動を明かす彦馬。更に、</p>
<p><br /></p>
<p>「お前達の怪我が、稽古で付くものかどうか、分からぬワシではないぞ！その前にな、スキマセンサーもお粗末過ぎたかな」</p>
<p><br /></p>
<p>と、丈瑠達の優しい企みを見抜いていた、見事な眼力を示します。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿や、皆の気持ちは有難く...が、今は外道衆を倒すことこそ先決！それに、殿や皆のことこそ、このジイにとって何より...」</p>
<p><img src="images/38_23.jpg" alt="スーパーシンケンレッドと彦馬" /></p>
<p>　丈瑠に頭を下げる彦馬が、厳しさと優しさを兼ね備えた武人としての、荘厳な雰囲気を感じさせて素晴らしいです。</p>
<p><br /></p>
<p>「三文芝居はそこまででごわす！」</p>
<p><br /></p>
<p>　イクサズレの憎々しい言葉で、再び戦闘開始。一気に斬り込むは丈瑠。スーパーシンケンマルとモウギュウバズーカを両手に構えつつの、高難易度アクションが大迫力です。</p>
<p>　彦馬の助言で、スーパーシンケンマルとモウギュウバズーカを合体させ、「最終奥儀ディスク」をセット。「スーパーモウギュウバズーカ・外道覆滅」がイクサズレを粉砕します。</p>
<p><img src="images/38_24.jpg" alt="外道覆滅" /></p>
<p>　二の目は、モウギュウダイオーと、戦えない源太の代わりを張りたいと張り切るダイゴヨウで迎撃します。ダイゴヨウは、そのやる気を受け止めた千明の「何かよう分かんねぇ合体」のコールにより、シンケンダイゴヨウに合体します。</p>
<p>　一方、外道衆も大ナナシ連中によるナナシ大筒隊を繰り出します。</p>
<p><img src="images/38_25.jpg" alt="イクサズレと大ナナシ大筒隊" /></p>
<p>　徹底してます。巨大戦を適当に処理しない姿勢が嬉しいですね。この大筒隊はなかなかの戦力であり、モウギュウダイオーとシンケンダイゴヨウを苦戦させるに充分なレベルでした。</p>
<p>　ここでも彦馬の叫びが丈瑠に届きます。彦馬の助言により、モウギュウバズーカに「大変化」を適用し、二丁拳銃で対抗する丈瑠！</p>
<p><img src="images/38_26.jpg" alt="モウギュウダイオー" /></p>
<p>　ダイゴヨウも思わず「カッコいい...」と呟きます。</p>
<p><br /></p>
<p>　シンケンダイゴヨウの援護もあって、戦況をものにしたシンケンジャーは、モウギュウダイオーの猛牛大回転砲でイクサズレを遂に撃破します。</p>
<p><img src="images/38_27.jpg" alt="モウギュウダイオーとシンケンダイゴヨウ" /></p>
<p><br /></p>
<p>　エピローグはやや夕焼けがかった風景で。</p>
<p>　帰り道とは反対方向に歩いて行く丈瑠。それを彦馬が引き止めますが、ふと見上げると、橋の上に彦馬の家族が。彦馬の顔に、少しばかりの緩みが...。</p>
<p><img src="images/38_28.jpg" alt="彦馬" /></p>
<p>　彦馬の孫が可愛く手を振るのを見て、彦馬の心中には、一緒に居てやれないやるせなさと、一緒に居ないからこその安心感とが混然としていたのではないでしょうか。</p>
<p><img src="images/38_29.jpg" alt="沢田陽菜、沢田晃一、沢田香" /></p>
<p>　伊吹さんの一瞬の表情に、その全てが表現されていたように思います。さすがですね。素晴らしいという一言に尽きます。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠に一礼だけし、何も言わず屋敷へと帰っていく彦馬には、再び厳しい表情が浮かんでいました。</p>
<p><img src="images/38_30.jpg" alt="丈瑠と彦馬" /></p>
<p>　もう素晴らしすぎて、何も言うことがありません。あらゆる要素がバランスよく配されたエピソードでしたが、この締めの素晴らしさで、正に燦然と輝く傑作エピソードとなりました。丈瑠達と彦馬の「双方向性」も見事に描かれましたね。</p>]]>
    </content>
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    <title>第三十七幕「接着大作戦」</title>
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    <published>2009-11-14T10:28:40Z</published>
    <updated>2009-11-14T10:29:49Z</updated>

    <summary>　流ノ介と千明が両手を繋がれ、強制的に行動を共にしなければならなくなるという、シ...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
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        <![CDATA[<p>　流ノ介と千明が両手を繋がれ、強制的に行動を共にしなければならなくなるという、シチュエーション重視のエピソード。こういった非現実的なシチュエーションを、楽しい雰囲気たっぷりに描くことが出来るのは、やはり戦隊シリーズならでは。その上、流ノ介と千明という、「シンケンジャー」における対極を為すキャラクターを配するという、面白くならないわけがない展開設計が、実に楽しいです。</p>
<p><br /></p>
<p>　もし、このエピソードが「シンケンジャー」のシリーズ前半に配されていたら、一体どうなっていたか...。千明の腕が上がり、互いを分かり合いつつある現在だからこそ、今回のような展開が可能であったのは、もはや説明するまでもありません。戦いのない状況に至っても、流ノ介と千明の息がピッタリだという描写こそ、やや唐突に映りはするものの、これまでのエピソードの積み重ねの中、確実に両者の距離は縮んでおり、それを改めて認識させるにはうってつけだったと言えるでしょう。</p>
<p>　特に、両手を繋がれてしばらくは、互いが全く歩み寄らないのに対し、クライマックス直前では、互いの長所を認め合って息を合わせていくというくだりは、正にシリーズの縮図であり、二人の関係を端的に表現するに充分だったのではないでしょうか。その辺りは、本文の方で振り返ってみたいと思います。また、シチュエーションをアクションに生かすという、JAEならではの素晴らしい技を見ることが出来るのも、今回の楽しみの一つです。両手を繋がれたまま、アクロバティックなアクションを繰り広げる様子は、正にアクションで空間を演出するというJAEの伝統美。これには思わず主題歌どおり「拍手の嵐」ですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　では、本編の方をご覧下さい。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　冒頭は何気ない志葉家の風景から。千明が、ショドウフォンでゲームを楽しんでいる様子が描かれます。モヂカラの発動、通話、メールといった基本機能に加え、彦馬が披露したワンセグ機能、そして、今回判明したゲーム機能のあることが分かり、結構多機能であることが示されました。変身アイテムの現実感を描出するという方針は、なかなか面白いものがあります。</p>
<p>　そこへ、二人の黒子が古いタンスを大事そうに抱えてきます。が、一人の黒子が足を滑らせ、タンスは落下！しかし間一髪、流ノ介と千明が受け止めるのでした。</p>
<p><img src="images/37_01.jpg" alt="流ノ介と千明" /></p>
<p>　その後、流ノ介と千明はタンスを目的の位置まで運んでいきます。その際の二人の息は、まさにピッタリ。これには、彦馬や丈瑠達も思わず頬を緩めます。</p>
<p><img src="images/37_02.jpg" alt="彦馬、丈瑠、茉子、ことは" /></p>
<p>　最初期の二人の対立振り(というより、あまりにもポジションが離れすぎていて、接点がなかった)を振り返れば、いかにシンケンジャーの結束が固まっているかが分かります。息がピッタリというのは、前述の通り、やや唐突ではありますが、これまでの経緯を踏まえれば、決して不自然ではないでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、談笑も束の間、スキマセンサーに反応があります。今回のアヤカシは、モチベトリ。全身を白い餅のような物体に覆われている、少々コミカルな味付けのアヤカシです。</p>
<p><img src="images/37_03.jpg" alt="モチベトリ" /></p>
<p>　声を演じた「りーち」なる人物は、そのクレジットにおける(チョーさんに匹敵する)インパクトから、一体何者なのかと興味が沸きますが、どうもアヤカシや十臓のスーツアクターである清家利一さんということらしいです。JAEの方々は芸達者ですねぇ。私は高木渉さんに声が似ていると思いました。</p>
<p><br /></p>
<p>　即時、モチベトリの迎撃に現れるシンケンジャー。まずは流ノ介と千明が先陣を切ります。ところが、モチベトリの発射するモチツブテにより、流ノ介と千明が両手を繋がれてしまいます。</p>
<p><img src="images/37_04.jpg" alt="シンケンブルーとシンケングリーン" /></p>
<p>　慌てふためく二人に、自分を倒さなければ一生そのままだと笑うモチベトリ。これが、今回の事件の主幹になります。</p>
<p>　源太が合流し、ダイゴヨウを駆使して一気に倒そうとしますが...。</p>
<p><img src="images/37_05.jpg" alt="シンケンゴールド VS モチベトリ" /></p>
<p>　善戦も打倒までには至らず、逃走を許してしまいます。</p>
<p><br /></p>
<p>　この源太の善戦振りからは、このモチベトリが戦力的にそれ程優れていないことが分かります。しかも、愉快犯的であまり危険な匂いがしない。つまり、モチベトリは筋殻アクマロ配下じゃないというわけです。</p>
<p><br /></p>
<p>　それをはっきり示すのが次のシーン。</p>
<p>　すごすごと逃げ帰って来たモチツブテを叱責するのは、骨のシタリでした。ここでモチベトリをかばうのは、何と筋殻アクマロ。シンケンジャーに大きな痛手を与えたとして、モチベトリを評価するのです。本音かどうかは分かりませんが。</p>
<p><br /></p>
<p>「青いのと、緑の奴をワイの技でくっ付けてやったんや」</p>
<p><br /></p>
<p>とその手柄をアピールするモチベトリ。血祭ドウコクは、</p>
<p><br /></p>
<p>「なかなか面白いことするじゃねぇか」</p>
<p><br /></p>
<p>と寛容な態度を示します。骨のシタリは、モチベトリのモチツブテを把握していなかったようで、そんな技が使えるのなら、初めから人間達をくっ付けまくってやれば良かったのではないか、とやや呆れた様子です。この会話が、後半のモチベトリの行動へと繋がっていきます。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、志葉家では流ノ介と千明の両手を繋ぎ止めているモチツブテを、何とか切り離そうと、丈瑠がシンケンマルを構えていました。恐怖に耐えつつ丈瑠の一太刀を待つ二人でしたが、残念ながら丈瑠の腕を以ってしても、モチツブテの弾力性の阻まれ、切断には至りませんでした。</p>
<p>　流ノ介と千明は、その苛立ちからか、冒頭で見せたようなコンビネーションを全く見せることもなく、喧嘩ばかり。当然日常生活もままなりません。竹刀を手に取り、茉子相手に稽古をしようにも、何も出来ずに茉子にあっさりと面をとられ、モヂカラの稽古をしようにも、互いの動きが全く合わず、文字はメチャクチャ。</p>
<p>　いわば、両手を繋がれた事による、非日常的な面白さをここで強調しているわけです。この一連のシーンは実に愉快ですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠は、次の戦いには4人だけで出ると言います。源太は、</p>
<p><br /></p>
<p>「何でこんなに息が合わねぇかね...」</p>
<p><br /></p>
<p>とため息。丈瑠は、</p>
<p><br /></p>
<p>「息が合わないんじゃない。息を合わせようとしないだけだ」</p>
<p><br /></p>
<p>と指摘しますが、</p>
<p><br /></p>
<p>「息どころか、顔も会わせたくねぇよ！こんな奴！」</p>
<p><br /></p>
<p>と反発する千明。冒頭の素晴らしいコンビネーションが無意識的である故に、意識して卓抜したコンビネーションを図ることが、いかに難しいかを強調しています。茉子は、</p>
<p><br /></p>
<p>「休んでた方がいいみたいね」</p>
<p><br /></p>
<p>とクールに言い放ち、ことはも同意見でした。</p>
<p><img src="images/37_06.jpg" alt="茉子、源太、流ノ介、千明、ことは" /></p>
<p>　流ノ介のあがきは、これで収まったわけではありません。流ノ介は、自分達がただの役立たずに堕してしまうことに、我慢がならないのです。</p>
<p><img src="images/37_07.jpg" alt="千明と流ノ介" /></p>
<p>　千明はもどかしく思いつつも、休んでいられることを、ちょっとした非日常と捉えているようです。細かいことですが、ここで既に流ノ介の頭の固さと千明の自由な発想の差が見られるのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　戦いが無理ならば...という流ノ介の焦りは、彼を黒子のお遣いを代行するという行為に向かわせます。千明は当然不満気ですが、流ノ介は、</p>
<p><br /></p>
<p>「少しでも役に立つ為だ！」</p>
<p><br /></p>
<p>とごり押し。両手を繋がれたままの珍妙な二人のお使い道中は、勿論市民に笑われてしまいます。違和感を払拭すべく思案した流ノ介は、突如千明の両手を握り、</p>
<p><br /></p>
<p>「どこからどう見ても、ダンスを練習しているただの通行人にしか見えない！実に自然だ！」</p>
<p><br /></p>
<p>とダンスを踊るように道中を急ぎ始めました。流ノ介のズレた感覚では、通行中にダンスの練習をするという行為が、自然に映ると解釈されるようです。流ノ介のコメディリリーフ振りが際立つと同時に、流ノ介の発想の狭さをも物語っているのです(逆に、充分自由な発想だと映らなくもないですが...)。</p>
<p>　と、流ノ介は突如立ち止り、</p>
<p><br /></p>
<p>「一大事だ！来てくれ！早く！」</p>
<p><br /></p>
<p>と千明を強引に引っ張っていきます。何か緊急事態でも起こったかと思いきや、流ノ介の目指す先はトイレでした。</p>
<p><img src="images/37_08.jpg" alt="流ノ介と千明" /></p>
<p>　ドラマの構成上、目をつぶっておいても良い要素というものがあると思いますが、トイレは正にそれに当てはまるでしょう。しかし、こうした細かい部分が描かれることにより、事件にリアリティが出てきます。このシーンはその好例でしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠達は、ダイゴヨウの秘伝ディスク乱射を、シンケンマルとサカナマルで弾き返すという稽古をしています。その目的意識は明確ではありませんが、文脈からしてモチツブテ対策の稽古だったと言っても、強ち外れてはいないでしょう。</p>
<p>　稽古の合間、ことはは、</p>
<p><br /></p>
<p>「流さんも千明も、何で息合わへんのやろ。あん時は巧く行ったのにな...」</p>
<p><br /></p>
<p>と冒頭のタンス運びのシーンをふと思い出します。ここで流ノ介と千明が本来持っているコンビネーションを振り返ることで、これから先の展開を補強しています。今回のシーン構成は、特に巧いと感じます。</p>
<p><br /></p>
<p>　トイレの後、流ノ介に手を拭いてもらいつつ、千明は、</p>
<p><br /></p>
<p>「何なんだよ...超サイテーだ...」</p>
<p><br /></p>
<p>とぶつけようのない不満を呟きます。流ノ介は仕方ないと開き直っていますが、千明は既にウンザリしており、帰ると言い出します。</p>
<p><br /></p>
<p>「最後まで責任を果たさなきゃ！」</p>
<p><br /></p>
<p>という流ノ介のあまりのしつこさに、遂に千明は折れ、お使いの続行を決心します。その時、千明はふと台車を見つけます。千明は一計を案じ、台車に乗って流ノ介に押してもらうのでした。</p>
<p><img src="images/37_09.jpg" alt="千明と流ノ介" /></p>
<p>　両手を繋がれているので、最も移動に適した手段ではありますが、まぁやっぱりそれなりの違和感はありますな。とりあえず、ダンスの練習に見えるよりはマシといったところでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>「千明、お前に言いたい事が一つだけある！」</p>
<p>「ああ、替わって欲しいってんなら、お断わりだからな」</p>
<p>「そうじゃない。お前に感心しているんだ」</p>
<p>「え？」</p>
<p>「まさか手押し車を、こんな風に使うなんて。私には考えもつかなかったからな」</p>
<p>「流ノ介...？」</p>
<p><br /></p>
<p>　怒りっぽい流ノ介のこと、「何で私が押す役なのだ！」とか何とか言うかと思いきや、こんな千明評を述べるのでした。これは意外性を見せると同時に、流ノ介と千明の元来のコンビネーションの基盤が、こういった互いの歩み寄りによって成立しているということを示しています。</p>
<p><br /></p>
<p>　その頃、モチベトリ出現の報を受けた丈瑠は、仲間と共に直ちに出陣します。流ノ介と千明は、スムーズに済ませたと思しき買い物からの帰りに、現場に向かう丈瑠達を目撃します。</p>
<p>　モチベトリは、人々にモチツブテを次々と放ち、建造物に張り付けるという蛮行を繰り返しています。颯爽と登場したシンケンジャーに、モチベトリは妙な余裕を見せます。そして、モチベトリを追いかける丈瑠達は、まんまとモチベトリの罠にかかってしまうのでした。</p>
<p><img src="images/37_10.jpg" alt="シンケンジャー" /></p>
<p>　モチツブテが階段の最上段に仕掛けられており、モチベトリはわざとシンケンジャーを煽り、シンケンジャーの足元を掬ったのです。さらにモチツブテを投げ付けられ、丈瑠達は完全に身動きが取れなくなってしまいました。</p>
<p><img src="images/37_11.jpg" alt="シンケンジャー" /></p>
<p>「茉子ちゃん、重いって...！」</p>
<p>「何よそれ、失礼じゃない！」</p>
<p><br /></p>
<p>という源太と茉子の会話が最高。絶対的危機じゃない様子を、細かいギャグで表現しています。</p>
<p><br /></p>
<p>「あんさんら、そこで、人間共の苦しむ所、じっくりと見ときなはれ」</p>
<p><br /></p>
<p>というセリフも、シンケンジャーにとっての絶対的危機ではないことを示します。が、人々にとっては絶対的危難。身動きできない丈瑠達を見て、自分達が行くしかないと覚悟する流ノ介と千明の姿がそこにありました。</p>
<p><img src="images/37_12.jpg" alt="流ノ介と千明" /></p>
<p>　千明は、丈瑠の「息が合わないんじゃない。息を合わせようとしないだけだ」という言葉を思い出し、流ノ介にある提案をします。</p>
<p><br /></p>
<p>「流ノ介。俺に合わせてくれないか」</p>
<p>「千明...」</p>
<p>「俺の腕じゃ、お前の動きに付いていけないんだ。だから、お前が、俺のレベルに合わせてくれ。頼む、流ノ介」</p>
<p><br /></p>
<p>　頭を下げる千明。</p>
<p><img src="images/37_13.jpg" alt="流ノ介と千明" /></p>
<p>「分かった。だがな千明、指示はお前が出してくれ」</p>
<p>「え？」</p>
<p>「私はお前のように自由な発想は出来ない。今一番必要なのは、その自由な発想だ。こちらこそ頼む！お前に全てを委ねる」</p>
<p>　流ノ介も頭を下げます。</p>
<p><img src="images/37_14.jpg" alt="千明と流ノ介" /></p>
<p>「流ノ介...行こうぜ」</p>
<p>「ああ」</p>
<p><br /></p>
<p>　この歩み寄り、そして双方向性こそが、「シンケンジャー」の重要なテーマであることを、私は常々指摘してきましたが、最近は割とテーマに対してドライなエピソードが多かったこともあり、今回の明確なテーマ性の発露は、やや新鮮に映りました。</p>
<p>　流ノ介と千明という、対極にあるキャラクターが互いのポジションを意識する様子は、これまた最終クールに向けての静かな段取りのようにも思えます。</p>
<p><br /></p>
<p>　繋がれたまま、変身を果たす流ノ介と千明。特殊な舞のようで、優美ですらあります。</p>
<p><img src="images/37_15.jpg" alt="一筆奏上！" /></p>
<p><img src="images/37_16.jpg" alt="シンケンジャー、参る！" /></p>
<p>　両手を繋がれたままでの名乗りも完璧。この「優美さ」こそが、両者のコンビネーションの発露を如実に示していると言えます。</p>
<p><br /></p>
<p>「この勝負、もろたわ」</p>
<p><br /></p>
<p>と余裕のモチベトリですが...。</p>
<p>　千明の的確な指示の元、息の合った攻撃を見せる流ノ介と千明。</p>
<p>　この限られた条件下で見せるアクロバティックなアクションが、JAEアクションの真骨頂！</p>
<p><img src="images/37_17.jpg" alt="シンケングリーンとシンケンブルー" /></p>
<p>　千明を流ノ介が振り回すという、荒業も披露します。実はシンケンジャーには明確な力持ちキャラが設定されていないのですが、実は流ノ介こそが該当キャラクターなのかも知れません。</p>
<p><img src="images/37_18.jpg" alt="シンケンブルー、シンケングリーン VS モチベトリ" /></p>
<p>　華麗にコンビ技が決まり、千明のテンションも、</p>
<p><br /></p>
<p>「どうやら俺達の場合、1+1=2じゃねぇみてぇだな！」</p>
<p><br /></p>
<p>といった具合にアガってきます。</p>
<p>　こんな具合に、アクションのテンションと、キャラクターの心情描写におけるテンションがシンクロすると、視聴者側のテンションもアガってきます。演出の緻密さも光ります。</p>
<p>　勢いに乗った流ノ介と千明は、ウッドスピアとウォーターアローの連続攻撃で、モチベトリの一の目を撃破します。</p>
<p><img src="images/37_19.jpg" alt="シンケングリーン、シンケンブルー VS モチベトリ" /></p>
<p>　当然、続いては二の目となるところですが、二人の両手を繋ぎ止めていたモチツブテも解け、ちょっと一段落といった雰囲気がホッとさせてくれます。二の目で巨大化したモチベトリが現れると、間髪入れず丈瑠と源太が牛折神と海老折神を繰り出してきます。モウギュウダイオー、イカダイカイオー、ダイゴヨウのトリプル体勢でモチベトリに臨む丈瑠と源太。こういった組み合わせもアリですね。柔軟性の高さが変化を付けてくれます。</p>
<p><br /></p>
<p>　モチツブテを「猛牛砲」で一つ残らず撃ち落とし、「槍烏賊突貫」、「ダイゴヨウ大回転」、「猛牛大回転砲」が次々と決まり、モチベトリは何も出来ぬまま撃破されます。</p>
<p><img src="images/37_20.jpg" alt="モウギュウダイオー VS モチベトリ" /></p>
<p>　「一件落着」の頃には、すっかり夕焼け空に。</p>
<p><img src="images/37_21.jpg" alt="一件落着" /></p>
<p>　特撮の夕焼けは、いつの時代もいいものですね...。</p>
<p><br /></p>
<p>　エピローグは、流ノ介と千明の復活記念で、源太が寿司を振舞うという楽しいシーンで。</p>
<p>　流ノ介と千明の寿司の食べ方がシンクロしていて、丈瑠達はそれが可笑しくて仕方がない様子。それぞれの笑顔がいい感じです。まとめてどうぞ。</p>
<p><img src="images/37_22.jpg" alt="流ノ介と千明" /></p>
<p><img src="images/37_23.jpg" alt="茉子、ことは、丈瑠" /></p>
<p><img src="images/37_24.jpg" alt="源太" /></p>
<p><img src="images/37_25.jpg" alt="流ノ介と千明" /></p>
<p>　想定外の事態に遭遇すると、そのコンビネーションに影が差す流ノ介と千明でしたが、寿司を同時におかわりするシンクロ振りを見るにつけ、そのコンビネーションは鉄壁になったのではないか...と思わせるのがいいですね。コミカルな中にも力強い結束が感じ取れます。</p>]]>
    </content>
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    <title>第三十六幕「加哩侍」</title>
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    <published>2009-11-04T04:46:57Z</published>
    <updated>2009-11-04T04:47:52Z</updated>

    <summary>　「加哩侍」は「かれーさむらい」と読みます。源太とことはをメインに据えて、源太が...</summary>
    <author>
        <name>SirMiles</name>
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    </author>
    
        <category term="感想" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="ストーリー" label="ストーリー" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
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        <![CDATA[<p>　「加哩侍」は「かれーさむらい」と読みます。源太とことはをメインに据えて、源太が自らの目標を再確認する様子が描かれます。</p>
<p><br /></p>
<p>　ところで、カレーと戦隊シリーズは割と関係が深く、元祖「ゴレンジャー」ではキレンジャー・大岩大太の大好物とされ、そのあまりの好物振りに「キレンジャー＝カレー好き」という図式が広く浸透する程でした。その後も、「サンバルカン」のバルパンサーのカレー好きだったり(キレンジャーを踏襲したと思われる)、「アバレンジャー」における「恐竜や」の名物メニューがカレーであったりと、そこかしこにカレーが姿を現します。</p>
<p>　カレーという食べ物は、非常に当たり障りの少ないポピュラーなものであり、小道具としても準備しやすいものであることから、シチュエーションとして多用されているものと思われますが、今回は特に源太が「寿司屋」であるという面から、最も縁遠いものの一つとして考えられるカレーが、採用されたと言っていいでしょう。奇しくも、シンケンイエローとキレンジャーに、「黄色」という共通項が見出せますが、特段ことはがカレー好きというわけでもなさそうなので、その辺りにオマージュ的な感情があるかどうかは分かりません。ただ、キレンジャーの存在を知る身からすれば、黄色＝カレー好きという図式が否応なく想起されることでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　今回は、ことはがスーパーシンケンイエローになるというクライマックスこそ用意されていますが、ストーリーのメインにポジションを取っているのは源太であり、ことはは、源太の目標を再確認させるという位置を担っているだけです。ことはは図らずも源太を一度寿司から引き離し、再び源太の中に占める寿司の存在の大きさを確認させることで、源太の寿司屋としての目標をより強固にしました。そこにまるで他意がなく、また企図もないというのが、ことはの自然体の爽やかさを際立たせています。これを見ると、茉子とことはという二人のヒロインが、あれこれ考えてしまうタイプとそうでないタイプの代表になっていることが分かります。</p>
<p><br /></p>
<p>　源太も、改めて寿司屋としてのアイデンティティを確立することにより、様々な迷いを払拭しました。これで、源太に関しても、最終戦に向けたプライベートな段取りを済ませたと言えるのではないでしょうか。</p>
<p><br /></p>
<p>　それでは、本編のまとめをご覧ください。キャプはことはメインでいきたいと思います(笑)。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　源太のゴールド寿司に、今日も丈瑠達がやって来ます。ゴールド寿司の屋台は基本的に閑散としているらしく、恐らく常連客は丈瑠達くらいのものでしょう。それだけに、今回のカレー騒動が源太を迷わせることとなります。</p>
<p>　次々と注文する一同の中、ことはだけが注文を迷っています。そんなことはを見て、「何でも作る」という源太。源太は「寿司なら何でも握る」というつもりで言ったのでしょうが、ことはは、</p>
<p><br /></p>
<p>「うち、カレーライスが食べたい」</p>
<p><br /></p>
<p>と答えるのでした。</p>
<p><img src="images/36_01.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>　唖然とする一同でしたが、</p>
<p><br /></p>
<p>「いいだろう...男に二言はねぇ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と、源太は丈瑠達の注文を無視して、カレーを作り始めます。生まれて初めて作ったというカレーのお味は...？</p>
<p><img src="images/36_02.jpg" alt="源太のカレーの味は...？" /></p>
<p>「おいしい！」</p>
<p><br /></p>
<p>　ことはの感想を聞いて、流ノ介、千明、丈瑠、茉子もすぐに試食。皆その味に感心することに。中でも茉子の、</p>
<p><br /></p>
<p>「悔しいけど...負けたわ...」</p>
<p><br /></p>
<p>という反応が秀逸。以前、薄皮太夫の一件で料理本の騒動が併せて描かれましたが、その時茉子は、自らの料理の腕を客観的視点で見る機会がありました。どうも、茉子はその際に自らの料理の腕を正当に評価したわけではなかったらしいのです。これは可笑しいトピックでした。</p>
<p>　一方、いつも寿司の味を「普通」だと評価されている源太は、思わぬ反応に有頂天。</p>
<p><br /></p>
<p>「俺には溢れんばかりの料理の才能があるってことだ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と喜びを露にします。</p>
<p>　それと同時に、カレーの匂いに誘われ、次々とお客が入って来ます。源太のゴールド寿司始まって以来の大盛況です。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、シーンは六門船へ。骨のシタリが、筋殻アクマロの行動に一石を投じようと調達したアヤカシは、ソギザライ。最近の筋殻アクマロ系のアヤカシとは異なり、ややコミカルな面が強調されています。</p>
<p><img src="images/36_03.jpg" alt="骨のシタリとソギザライ" /></p>
<p>骨のシタリ「ソギザライの能力があれば、シンケンジャー相手でも楽しめる筈だよ」</p>
<p>血祭ドウコク「確かに、腕は立つ野郎だが...」</p>
<p>筋殻アクマロ「でしたら、お手並み拝見といきましょうか」</p>
<p><br /></p>
<p>　骨のシタリはかなり張り切っている様子ですが、血祭ドウコクはそれ程興味がないようで。筋殻アクマロは、この骨のシタリの横槍を面白くないと思いつつも、大した脅威だとは思っていない様子です。いずれにせよ、骨のシタリと筋殻アクマロが静かなる対立関係にあることを、ここで強調しています。</p>
<p><br /></p>
<p>　翌日、源太が昨日限りのつもりで作ったカレーは、いつの間にかクチコミで評判を呼んだらしく、お客が殺到することに。</p>
<p><img src="images/36_04.jpg" alt="源太とカレー目当ての客" /></p>
<p>　流行らない自分の寿司とのジレンマに悩みつつも、腹をくくった源太はカレーを作り、お客に振舞うのでした。</p>
<p>　たちまち大忙しとなるゴールド寿司。しかし、ソギザライの行動開始に伴って、外道衆の報を受けた源太は、丈瑠達に合流すべく、ダイゴヨウに待たせているお客の対応を任せ、屋台を後にするのでした。</p>
<p>　しかしながら、一体どうやってダイゴヨウが応対するのか...？そこを見てみたかった気がしますね。多分「待って下せぇ！」とか「待ちねぇ！」といった語を連呼していただけだと思いますが。</p>
<p><br /></p>
<p>　ソギザライは建造物を次々と粉々にしつつ、愉しそうに暴れまわっていました。冷静さを保ちつつ迎撃するシンケンジャーでしたが、源太だけはお客を待たせているという状況故に、焦りを見せつつ戦っており、ソギザライ相手に精彩を欠いてしまいます。</p>
<p><img src="images/36_05.jpg" alt="ソギザライ VS シンケンゴールド" /></p>
<p>　源太の苦戦を見て、助太刀する千明でしたが、超高速回転で攻撃してくるソギザライに、シンケンマルを削られてしまいます。</p>
<p><img src="images/36_06.jpg" alt="シンケングリーン VS ソギザライ" /></p>
<p>　何気ないシーンですが、シンケンマルが目に見えて破壊されるのは非常に珍しく、その衝撃度において重要なシーンと言えます。</p>
<p>　図らずも敗色の濃度が増してきたシンケンジャー。源太は状況を打開しようと無理矢理立ち向かうのですが、やはり跳ね飛ばされてしまいます。もう源太の頭の中には、お客を待たせているということしかありません。</p>
<p>　幸いにも、ソギザライは水切れで退散。源太は慌てて、待っているお客の元に戻るのでした。</p>
<p><br /></p>
<p>　志葉家の屋敷に丈瑠達が戻ると、彦馬が大声を上げて出迎えます。彦馬のショドウフォンに映し出されたのは、何とゴールド寿司を紹介するワイドショー番組。</p>
<p><img src="images/36_07.jpg" alt="ゴールド寿司がテレビに登場" /></p>
<p>　ゴールド寿司はカレーの名店として紹介されていました。それにしても、ショドウフォンにワンセグ(？)が搭載されていたとは。驚きですね。時代劇のモチーフを大幅に導入しつつも、こういった処に現代の感覚がしっかり取り入れられています。</p>
<p>　番組内の源太は緊張のあまり完全にあがってしまっており、どんな質問に対しても素っ頓狂な声で、</p>
<p><br /></p>
<p>「目標は三ツ星ですっ！」</p>
<p><br /></p>
<p>しか答えられません。ミシュラン三ツ星の野望はまだまだ健在のようです。しかし、源太のこの様子にはさすがの丈瑠達も呆れ顔。</p>
<p><img src="images/36_08.jpg" alt="丈瑠、千明、流ノ介、ことは、茉子" /></p>
<p>　ここでも、茉子がやや嫉妬しているのが面白い。どうも今回の茉子は、自分の料理の腕が源太より優れていると考えている節があります。その点では、これまでの流れとややズレを生じている気がしないでもありません。ただ、この茉子の方が面白いですけどね。</p>
<p><br /></p>
<p>　殺到するお客、テレビの取材に続いて、今度はゴールド寿司にブローカーが現れます。</p>
<p><br /></p>
<p>「まずは銀座に本店を...」</p>
<p><br /></p>
<p>と話を切り出すブローカー。</p>
<p><img src="images/36_09.jpg" alt="源太とブローカー" /></p>
<p>　いきなりスケールの大きな話を持ちかけられ、源太は思わず大喜びではしゃいでしまいます。しかし、源太は寿司の店を出せると有頂天になっていたのですが、ブローカーはカレー店としての展開を考えており、源太にためらいの色が浮かびます。</p>
<p>　その様子を陰から見守る丈瑠達。皆カレー店でもいいじゃないかと思ってはいないものの、静観を決め込んでいる中、ことはは、本当にカレー店でいいのだろうかと真剣に心配し始めます。</p>
<p><img src="images/36_10.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>　とってもいい表情です。丈瑠達が「やれやれ」といった表情をしている中、この表情は非常に際立って見えます。セリフに頼らない場面作りが好印象ですね。</p>
<p>　その夜、源太は悩みに悩んだ末、ある結論に達したような表情を見せます。</p>
<p><img src="images/36_11.jpg" alt="源太" /></p>
<p>　それにことはも呼応するかのように、何かの決心を固めます。</p>
<p><br /></p>
<p>　両者の決断は、完全に方向を異にしています。源太はカレー店を足がかりに寿司屋を展開する事を。ことはは源太の迷いを直感してそれを指摘する事を決断したのでした。ことはの場合、それはカレーという迷い道に源太を誘い込んでしまったという反省も含まれます。</p>
<p><br /></p>
<p>　六門船で水切れを癒し、再びソギザライが人の世へと出て行きます。骨のシタリが三途の川の水を汲み、ひしゃくでソギザライにかけてやるという光景がやけに微笑ましいですが、三途の川の沐浴以外で、はっきりと水切れの解消方法を示した初のシーンとして印象に残ります。</p>
<p><br /></p>
<p>　翌日、源太はカレーの準備に勤しんでいました。準備は万端といったところで、そこにことはが現れます。</p>
<p><br /></p>
<p>「お、ことはちゃん。手伝いに来てくれたんか？」</p>
<p>「源さん、うちの所為で、何か大変な事に...」</p>
<p>「何言ってんだよ。ことはちゃんのおかげで、店が出せるんだぜ！雑誌の取材もバンバン来てるし、これでゴールド寿司も有名店の仲間入りだ」</p>
<p><br /></p>
<p>　話は前後しますが、この後、源太には「目が覚めた」発言が登場します。しかし、ここでの源太はカレー店展開に「甘んじている」感が漂っており、無理をしているように見えます。</p>
<p><br /></p>
<p>「でも、ホンマに源さんこれでいいの？」</p>
<p>「勿論だよ。俺の長年の夢が叶おうとしてるんだからな」</p>
<p>「でも、これって違う！これは、源さんのホンマの夢と違うんとちゃうの？」</p>
<p><img src="images/36_12.jpg" alt="ことはと源太" /></p>
<p>　しばしの沈黙の後、源太は、父親より看板を継いだ時からずっと思っていた事があると語り始めます。それは、いつかは屋台ではなく、立派な店を開いてやりたいということ。子供の頃は父親の気持ちをよく理解できなかった源太ですが、今なら、夜逃げした際の父親の気持ちが分かる気がするというのです。即ち、源太の父親は、夜逃げした際、いつかもう一度店を建て直してやろうという気持ちだったのでしょう。そんな父親の意が理解できる源太は、まがりなりにも店が出せることの方が大きいと言うのでした。</p>
<p>　源太の想いを聞いたことはは、源太の寿司を所望します。源太の寿司は一般的に「普通」だということになっていますが、ことはと十臓だけは、美味いという評価を持っています。ことはが源太の寿司を評価するということは、ことはの基準で評価するということですから、丈瑠達が評価するよりも、より厳しいものになる筈です。</p>
<p>　握られた寿司を、端っこだけ口に入れることは。</p>
<p><img src="images/36_13.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>「美味しく...ない...だって、源さんの握ったお寿司、カレーの匂いがする」</p>
<p><br /></p>
<p>　ことはの評価は、源太の姿勢に一石投じるに充分だったようです。</p>
<p><br /></p>
<p>「そういや、寿司握ったのは久しぶりだ。ずっとカレーばっか作ってたからな」</p>
<p><br /></p>
<p>と、最近の状態を顧みます。実際に寿司にカレーの匂いが染み付いていたわけではなく、あくまで源太の視線が寿司に向かっていないという、ことはの感性による指摘だと、私は思います。</p>
<p><br /></p>
<p>「うち、こんな源さん、嫌や。源さんの夢はカレー屋さんと違う。お寿司屋さんやろ？...そやろ？源さん！」</p>
<p><br /></p>
<p>　ことはは畳み掛けるのですが、源太はまだ、カレーを足がかりにして店を出せるということと、根っからの寿司職人であることの狭間で悩み続けます。そこに、例のブローカーが再びやって来ます。</p>
<p>　ブローカーは、カレー専門店「ゴールドカレー」の店舗完成予想図を広げ、源太に見せます。</p>
<p><img src="images/36_14.jpg" alt="ブローカー" /></p>
<p>　カレー店であること以外を、つまり寿司を完全に排除しようとするブローカーの言を聞き、遂に源太は、</p>
<p><br /></p>
<p>「ことはちゃん、ありがとな。ようやく目が覚めたぜ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と笑顔を見せます。</p>
<p><img src="images/36_15.jpg" alt="源太" /></p>
<p>　これには、ことはも嬉しい表情。</p>
<p><img src="images/36_16.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>　前述の通り、源太は状況を把握していて、決してカレー専門店でも良いという感じで有頂天になっていたわけではないのですが、「目が覚めた」というのは、寿司屋の店を構えることに近道は必要ないという源太の「悟り」だと言っていいでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>「俺は、寿司屋だぁぁぁぁっ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　源太の大迫力にブローカーも腰を抜かしてしまいます。普通ならば、このブローカーが完全に悪者になってしまうところですが、このブローカーもカレーの味に惚れ込んで話を進めて来た感じに描写されており、それは、源太とことはがブローカーを助け起こすという、とても微笑ましい描写に集約されます。この爽やかさは抜群ですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　そこに、ソギザライ出現。ことはと源太を含め、直ちに集結して名乗りを上げるシンケンジャー！</p>
<p><img src="images/36_17.jpg" alt="一筆奏上！一貫献上！" /></p>
<p>　しかし、先の戦いと同様、ソギザライの高速回転攻撃に翻弄されてしまいます。</p>
<p><img src="images/36_18.jpg" alt="ソギザライ VS シンケンジャー" /></p>
<p>　ここでことはが一計を案じ、インロウマルの拝借を進言。インロウマル登場からかなり経過していますが、ようやくスーパーシンケンイエロー登場です。</p>
<p><img src="images/36_19.jpg" alt="スーパーシンケンイエロー、参る！" /></p>
<p>　ことはの作戦とは、「真・猿回し」の超高速回転で、ソギザライに対抗するというもの。</p>
<p><img src="images/36_20.jpg" alt="ソギザライ VS スーパーシンケンイエロー" /></p>
<p>　同じ速度で回転することにより、相手の動きが止まって見える為、隙を突くことが容易になるという離れ業です。ビジュアルによってかなり無理矢理納得させていますが、実際はこれ、ウソです。実際に2人で向かい合って同じ方向に回転してみるとよく分かりますが、同じ方向に回転すると正面ですれ違う速さは2倍になる為、隙を突くどころではないのです。この方法で最も的確なのは、敵の頭上にて同じ速度同じ向きで回転すること。それがダメなら、せめて敵とは反対方向に回転することです。ま、そのあたり突っ込んでもしょうがないんですけど。</p>
<p><br /></p>
<p>　ソギザライの回転が止まり、逆転の好機を掴んだシンケンジャー。ここで飛び出したのは源太で、「元祖回転攻撃」と称して、「サカナマル・千枚おろし」を炸裂させます。迷いのなさが源太を強化したという風にもとれます。</p>
<p>　源太の猛攻撃で戦意を喪失したソギザライに、ことはは「真・土煙之舞」を見舞って一の目撃破を果たします。</p>
<p><img src="images/36_21.jpg" alt="ソギザライ VS スーパーシンケンイエロー" /></p>
<p>　二の目には、ダイカイシンケンオーとダイゴヨウのタッグで迎撃。やはり等身大戦と同様、回転攻撃の前に苦戦を強いられます。それでも何とかダイゴヨウがソギザライを押さえることに成功。その間に、サムライハオーを完成させます。矢継ぎ早な展開が気持ちいいです。</p>
<p>　サムライハオーになってからは、当然苦戦などしません(笑)。モヂカラ大弾円を決め、勝利の一本締めとなります。</p>
<p><img src="images/36_22.jpg" alt="勝利の一本締め" /></p>
<p><br /></p>
<p>　その後、源太はスッパリとカレー作りをやめます。ゴールド寿司への行列もなくなり、寒風吹き抜ける様子が描かれ、閑散としています。</p>
<p><img src="images/36_23.jpg" alt="カレーやめました" /></p>
<p>　しかし、源太の心は晴れやか。カレーによって店を出せるという話は嬉しくはあったものの、源太はかなり無理をして自分を納得させていたのでしょう。</p>
<p>　源太のおごりで寿司を振舞われる丈瑠達。いつもの「普通の」源太の寿司に戻っており、一同は談笑するのでした。そんな中、ことはだけは、いつものごとく、</p>
<p><br /></p>
<p>「美味しい！」</p>
<p><br /></p>
<p>と笑顔。</p>
<p><img src="images/36_24.jpg" alt="ことは" /></p>
<p>　源太の寿司は、ことはの笑顔にも支えられ、これからも精進していくことでしょう。</p>]]>
    </content>
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    <title>第三十五幕「十一折神全合体」</title>
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    <published>2009-10-29T13:28:16Z</published>
    <updated>2009-10-29T13:29:29Z</updated>

    <summary>　サブタイトルがそのままサムライハオーの登場編であることを示していますが、そう一...</summary>
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        <name>SirMiles</name>
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        <![CDATA[<p>　サブタイトルがそのままサムライハオーの登場編であることを示していますが、そう一筋縄ではいかないのが特徴の今回。</p>
<p>　中身は完全に流ノ介メイン編であり、しかも流ノ介のアイデンティティの一つを確実に形成している「歌舞伎」が題材とあれば、これはもう完全に流ノ介の物語なのです。千明の父親登場、茉子の両親の登場といった、個人のプライバシーに踏み込んだ一連のエピソードの一つとして数えられるものと言えます。</p>
<p>　その証拠に、メインストーリーは流ノ介がかつて企画に携わったという、歌舞伎の若手公演が軸になっており、しかも、そのパートナーであった新太郎に舞を見せるというシーンが、事実上のクライマックスに仕立てられています。さらに、その舞を見せるという行為自体は、新太郎と流ノ介の間にあった溝や壁といったものを払拭する効果こそあれど、外道衆との戦いには殆ど関係しておらず、単に過去への未練が一旦スッキリしたことで、異様にテンションの上がった流ノ介が、とりあえず「その勢いだけで」勝利への道を作ったというだけに留まります。「シンケンジャー」らしいリスクヘッジを考慮した作戦は一切感じられず、流ノ介のノリだけで解決してしまうというのは、非常に異色に映りますし、残念ながら浅薄な印象を受けます。</p>
<p><br /></p>
<p>　サブタイトルに掲げられているように、本来のメインはサムライハオーである筈が、何故このような構成になったのでしょうか。</p>
<p>　ここで必ず出てくるのは、スポンサーの要求が悪いといった論調なのですが、確かにそういった面こそあるものの、私が何度か指摘しているように、そこばかり取り上げるのは本来ナンセンスであり、全てはスポンサーの要求と視聴者の欲求の交差点をいかに高い次元で結ぶかということなのです。それが作り手の担う商売の方法であり、それを高次元で達成してきたのが、「シンケンジャー」。虎折神から始まる折神達しかり、インロウマルしかり、源太の繰り出す新アイテムしかり、牛折神しかりなのですが。</p>
<p><br /></p>
<p>　しかし、どうも今回に限っては、そういった物語の止揚を探っている様子があまり感じられないのです。ここには、新要素を続々と登場させる必要に迫られている状況が、作家性を追い詰めてしまったという感が漂っています。いわば、作家性が発揮された流ノ介の物語と、スポンサーの意向に沿ったサムライハオーの登場。この間には大きな断絶があるのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　勿論、見所も多く存在しますので、その辺りも併せてまとめてみました。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　まずは六門船の一幕より。今回のアヤカシであるフタガワラが、六門船の内部を食い荒らしているという光景から始まります。</p>
<p><img src="images/35_01.jpg" alt="フタガワラ" /></p>
<p>　骨のシタリの杖まで食らおうとするフタガワラ。人の世に焦熱地獄を作るという、筋殻アクマロ配下のアヤカシです。それまで、血祭ドウコクが呑んだくれて暴れる以外は平穏そのものだった六門船も、筋殻アクマロが現れてからは、やや騒がしい様子。六門船をも食ってしまうというこのフタガワラは、その騒々しさの象徴と言えるかも知れません。</p>
<p><br /></p>
<p>「フタガワラの本領は、命を賭して後に...で、ござりますれば」</p>
<p><br /></p>
<p>と筋殻アクマロ。血祭ドウコクもその興味深い特徴に、</p>
<p><br /></p>
<p>「ほぅ、死んでからが見せ場か！」</p>
<p><br /></p>
<p>と思わず反応します。よくあるパターンに、「死んだ時に大爆発を起こして周辺を焦土と化す、危険な怪人」というものがありますが、今回はそのパターンに則りつつも、一の目、二の目という設定を生かしたものになっています。二の目は巨大化ですから、その危険極まりないとされるフタガワラの二の目に対抗するには、ダイカイシンケンオーを超えるものが必要...というロジックには、一応納得出来ます。</p>
<p>　というわけで、ここにサムライハオーの必然性をある程度忍び込ませています。サムライハオー登場編という側面だけ捉えれば、一応筋は通っているわけです。</p>
<p><br /></p>
<p>　オープニング後のCM明けは、そのサムライハオーへの布石をシンケンジャー側でも打ちます。源太が、牛折神に関わる2枚のディスクを持って説明します。</p>
<p><img src="images/35_02.jpg" alt="源太" /></p>
<p>　牛折神登場編では、ヒロ少年の完成させた制御ディスクに、折神を集める力があることを描いていました。そのディスクの特性に注目した源太は、牛折神の車輪を形成するディスクにも、同様の、いやそれ以上の力があるのではと感じており、いずれ使うことになるのではないかと提起します。ただし、牛折神は「禁断の折神」と称されていただけにリスクも高く、まだ慎重になったほうがいいのではないかとも述べています。</p>
<p>　これが深い意味を為していて、ストーリーの根幹に関わっているのならば良いのですが、今回は、単なる危険性を指摘するセリフのみに終わってしまっているのが実に残念。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、流ノ介はこの話し合いの場に居らず、どこかへ出掛けていました。流ノ介がやって来たのは、とあるホール。松川新太郎という若手歌舞伎役者の公演が気になっており、それが上演されるホールに来ていたのでした。</p>
<p><br /></p>
<p>「すまん！」</p>
<p><br /></p>
<p>と公演会場に向かって頭を下げる流ノ介。</p>
<p><img src="images/35_03.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p>　そこにたまたま居合わせたのは、東勘助。勘助は新太郎の後輩にあたる人物です。流ノ介は、去り際に勘助とぶつかってしまいますが、流ノ介はぶつかった相手が勘助だということに気付きません。</p>
<p>　勘助は、流ノ介が居たことを新太郎に報告します。</p>
<p><img src="images/35_04.jpg" alt="勘助と新太郎" /></p>
<p>「やっぱり、公演が気になって来たんですかね？」</p>
<p><br /></p>
<p>と新太郎に言う勘助でしたが、</p>
<p><br /></p>
<p>「ふざけるな...あいつの所為で公演中止になりかけたんだ。どれだけ皆が苦労したか！ホントに流ノ介だったらな、一発ぶん殴ってやりたいんだ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と新太郎は憤慨している様子。その理由は明白で、かつて流ノ介は新太郎と共に歌舞伎界を盛り立てようと、若手公演を企画し、公演許可まで漕ぎ着けたのでした。</p>
<p><img src="images/35_05.jpg" alt="流ノ介と新太郎" /></p>
<p>　しかし、侍として戦う為に、歌舞伎の世界を投げ出したのです。ここでは、第一幕における印象的なシーンがプレイバックされます。</p>
<p><br /></p>
<p>「恨まれて当然だな...」</p>
<p><br /></p>
<p>と流ノ介。歌舞伎に対する心残りを伺わせるエピソードが、ごく初期にもありましたが、今回は、一旦未練を断ってしばらく経過した後の再度の想起ですから、重みが違います。この若手公演の企画には、流ノ介も懸命になって関わったのでしょうから、未練が再度心に湧き上がっても仕方がないのかも知れません。</p>
<p>　そこにフタガワラが出現。近くに居た為、すぐさま駆け付けることが出来た流ノ介は、自転車で転倒した女性を救おうとしてショドウフォンを落としてしまいます。フタガワラは、何とそれを食ってしまいました。</p>
<p><img src="images/35_06.jpg" alt="フタガワラ" /></p>
<p>　どうやらショドウフォンはフタガワラにとって苦いらしい...。後でショドウフォンを取り戻すことが出来たのは、この苦さ故に消化されなかったからかも知れません。</p>
<p>　変身出来ず、状況を好転させることが出来ない流ノ介。そこに丈瑠達が合流し、フタガワラを一旦は撃退します。</p>
<p><img src="images/35_07.jpg" alt="フタガワラ VS シンケンジャー" /></p>
<p>　フタガワラを退散させたものの、流ノ介は気もそぞろ。源太は、ショドウフォンを無くしたことで意気消沈しているのではないかと思っていますが、流ノ介の真の苦悩は、ショドウフォン紛失ではなく新太郎由来なのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、十臓と薄皮太夫は相変わらず流浪の身。2人の前に筋殻アクマロが現れます。</p>
<p><br /></p>
<p>「十臓さん、200年の御無沙汰。どうでしたか外道は？その器、多少満たされておれば宜しいのでござりまするが」</p>
<p>「折角だが、底が抜けたらしくてな」</p>
<p><img src="images/35_08.jpg" alt="十臓" /></p>
<p>「さすが。並の人間ならば外道に堕ちても数年で壊れるもの。太夫さんといい、お二方こそ、我が頼るに相応しい方...」</p>
<p><br /></p>
<p>　いつものことながら、十臓関連のやり取りはアダルトな雰囲気であり、セリフによる雰囲気作りが非常に巧いと感じます。「底が抜けた」という表現が実にイマジネーションに富んでいます。</p>
<p>　十臓は、裏正の迅速なる修復を筋殻アクマロに促しますが、筋殻アクマロは余裕に構えています。裏正を作り出したのは筋殻アクマロ自身であり、当然修復することが出来るのも筋殻アクマロというわけで、裏正を生かすも殺すも筋殻アクマロ次第。いわば、裏正の件を筋殻アクマロが握っている限り、十臓は筋殻アクマロに使われることになるのです。</p>
<p>　筋殻アクマロ自身は、裏正を修復する間、ほんの少しだけ自分の為に働いて欲しいと言っていますが、当然筋殻アクマロの本音は、利用するだけ利用しつくすということでしょう。勿論、薄皮太夫に関しても同様です。薄皮太夫は三味線の修復という肝を握られています。</p>
<p><br /></p>
<p>「この裏正で外道を見せたお前が、次は何を見せる？」</p>
<p>「さぁ、何が見えまするやら」</p>
<p><br /></p>
<p>　十臓は、裏正を筋殻アクマロに預けます。十臓とて筋殻アクマロを信用しているわけではないでしょうが、シンケンジャーの邪魔をするのも一興といった心境なのでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>　その後、流ノ介はまた公演会場に足を運び、今度は新太郎の稽古風景を覗き見ていました。</p>
<p><img src="images/35_09.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p>　新太郎は懸命に舞っていましたが、どうやらある箇所の仕上がりに不満を抱いているようで、同じ箇所を何度も繰り返して稽古していました。稽古を繰り返しても改善は見られず、一種のスランプのような状態になっていました。</p>
<p><br /></p>
<p>「流ノ介さんが居てくれれば...」</p>
<p><br /></p>
<p>と勘助。その呟きを聞いた新太郎は、</p>
<p><br /></p>
<p>「あいつのことは言うな。居ねぇモンは居ねぇんだ！...あいつは俺達を、いや、歌舞伎を裏切ったんだ！」</p>
<p><br /></p>
<p>と声を荒げます。</p>
<p>　流ノ介は当然歌舞伎を裏切ったという意識はなく、侍としての戦いに身を投じる為に、やむなく「一時的に」歌舞伎を離れたに過ぎません。ただ、それでも流ノ介は、新太郎の元から突如離脱したことに罪悪感を抱いていたように見えます。新太郎のこの言葉、思う所のある流ノ介には相当ショックだったようです。</p>
<p><br /></p>
<p>　流ノ介は志葉家の屋敷へ帰って来ても、何となく機嫌が悪く、千明に当たっては謝る始末。茉子は流ノ介の様子がおかしい原因は、ショドウフォンの件だけじゃないと直感するのでした。例外なく、他人の心境の機微を読み取るのは茉子の役割ですね。</p>
<p>　彦馬は、流ノ介の様子がおかしい原因を、自分なりに調査していました。彦馬は、流ノ介が新太郎と企画したという歌舞伎若手公演のポスターを、丈瑠に見せます。これにより、丈瑠達は事情を理解。ここより、流ノ介と丈瑠達の行動は完全に分離され、互いに余分な影響を与えないよう配慮されます。これで、流ノ介は心置きなく歌舞伎の世界の解決に邁進出来ます。</p>
<p><br /></p>
<p>　流ノ介は、歌舞伎を裏切ったという新太郎の言葉を思い出し、</p>
<p><br /></p>
<p>「私は...」</p>
<p><br /></p>
<p>と一人呟いていました。後半は、流ノ介サイドと丈瑠達のサイドとで、シーンが入り乱れますから、CM前の静けさとして実に効果的です。</p>
<p><br /></p>
<p>　後半は再び街にフタガワラが出現するくだりから。次々と建造物を食っていくフタガワラが、なかなかの迫力です。スキマセンサーの反応を受け、丈瑠達は出陣します。</p>
<p><br /></p>
<p>「流さん、まだ帰って来たらへん」</p>
<p><br /></p>
<p>と、ことはが言うと、</p>
<p><br /></p>
<p>「行くぞ。俺達が踏み込むことじゃない。流ノ介なら、自分で決着を付ける筈だ」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠。茉子も短く、</p>
<p><br /></p>
<p>「だね」</p>
<p><br /></p>
<p>と同意し、千明も、</p>
<p><br /></p>
<p>「それまでに取り戻そうぜ。あいつのショドウフォン」</p>
<p><br /></p>
<p>と流ノ介を欠いた状態での出陣に気合を入れます。精神面でのチームワークの素晴らしさが光るシーンです。</p>
<p><br /></p>
<p>　フタガワラの前に現れた丈瑠達は、源太と合流してすぐさま変身！</p>
<p><img src="images/35_10.jpg" alt="一筆奏上！一貫献上！" /></p>
<p>　シンケンジャー登場と相成ります。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここから展開されるフタガワラ戦では、なかなかの頭脳プレーが披露されます。まず、千明が流ノ介のショドウフォンに電話をかけます。どこからともなく聞こえる着信音。フタガワラは、ようやく鳴っているショドウフォンの所在が自分の右腕内部だと気づき、右腕のショドウフォンに向かって、</p>
<p><br /></p>
<p>「もしも～し」</p>
<p><br /></p>
<p>とやります。</p>
<p><img src="images/35_11.jpg" alt="フタガワラ" /></p>
<p>　コミカルですが、戦闘の緊張感は持続しています。流ノ介のショドウフォンが右腕にあると見たシンケンジャーは、それを取り戻す為に行動を開始します。ところが...。</p>
<p>　そこに現れたのは十臓と薄皮太夫。2人はシンケンジャーとフタガワラの間に立ちはだかります。</p>
<p><img src="images/35_12.jpg" alt="シンケンレッド VS 十臓" /></p>
<p>　十臓と薄皮太夫関連のシーンは、ストーリーの緊張感を一気に高めてくれますね。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、完全にスランプに陥ってしまった新太郎の前に、面を付けた謎の踊り手が現れます。</p>
<p><img src="images/35_13.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p>　当然、話の流れからしてこの謎の面の男が流ノ介であることは明らかです。新太郎の前に素面で姿を現せば、確実に言い争いになる。しかも、一度歌舞伎を捨てた身としては、素面で舞台に立つなどおこがましい。そんな流ノ介の奥ゆかしさが透けて見えるようです。</p>
<p><br /></p>
<p>　シーンは再び丈瑠達の側へ。</p>
<p>　スーパーシンケンレッドとなって十臓を突破しようとする丈瑠は、積極的に(要するに倒す為に)丈瑠達を攻撃しない十臓達の様子を見て、時間稼ぎをしているのではないかと読みます。</p>
<p><img src="images/35_14.jpg" alt="シンケンゴールド、十臓、スーパーシンケンレッド" /></p>
<p>　「あのアヤカシに何が...？」</p>
<p><br /></p>
<p>　丈瑠にやや焦りの色が見えてきます。</p>
<p><br /></p>
<p>　再び流ノ介サイドへ。</p>
<p>　面を付けた流ノ介の舞は、やがて新太郎の脳内イメージとリンクし始め、新太郎が流ノ介と共に舞うというイメージトレーニングへと推移していきます。</p>
<p><img src="images/35_15.jpg" alt="新太郎と流ノ介" /></p>
<p>　そして遂に、イメージの中で流ノ介と共に舞うことにより、新太郎自身の舞はイメージの中で完成をみるのでした。</p>
<p>　非常にイマジネーションを掻き立てられるシーンですが、吹き替え(つまりその道のプロによる舞)と本人のカットを巧く繋ぎ合わせることで、幻想的かつ完成度の高いシーンに仕上がっています。私自身は伝統芸能についての理解が乏しく、イメージトレーニングで開眼することについてのリアリティを論じることは出来ませんが、手の届きにくい世界だからこそ、こういったシーンに説得力があるという面もあるでしょう。</p>
<p><br /></p>
<p>「出来た...やっと...」</p>
<p><img src="images/35_16.jpg" alt="新太郎" /></p>
<p>　感慨に耽る新太郎は、去っていく面の男に向かい、</p>
<p><br /></p>
<p>「流ノ介」</p>
<p><br /></p>
<p>と呼びかけます。振り返る流ノ介。</p>
<p><img src="images/35_17.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p>「いつか、戻って来い」</p>
<p><br /></p>
<p>　新太郎のこの言葉は、流ノ介の心中に影を落としていたものを払拭するに充分でした。</p>
<p><br /></p>
<p>　一方、十臓と薄皮太夫の時間稼ぎにより、たらふく食ったフタガワラは、とうとう満腹に達します。十臓達は頃会いとみて、何と薄皮太夫と共にフタガワラに斬りかかり、一の目を撃破してしまいます。</p>
<p><img src="images/35_18.jpg" alt="フタガワラ、十臓、太夫" /></p>
<p>「こやつの本性は二の目。せいぜい楽しめ」</p>
<p><br /></p>
<p>と薄皮太夫。二の目が本性とあって、てっきりシンケンジャーが一の目を撃破することにより、恐ろしい焦熱地獄が招来されるのかと思いきや、一の目を撃破してしまったのは十臓と薄皮太夫というパターン破り。なかなか気が利いています。</p>
<p>　フタガワラ爆発の瞬間、丈瑠は間一髪流ノ介のショドウフォンを取り返すことに成功します。</p>
<p><img src="images/35_19.jpg" alt="スーパーシンケンレッド VS フタガワラ" /></p>
<p>　このカット、実にカッコ良く仕上がっています。アニメで言う止め絵的な迫力があります。</p>
<p><br /></p>
<p>　二の目で巨大化したフタガワラは、両腕に装備された盾を身体の前で合わせ、強力な光線を発射します。</p>
<p><img src="images/35_20.jpg" alt="フタガワラ" /></p>
<p>　二の目が本性と言われているだけあって、フタガワラというネーミングは、二の目にこそ相応しい感じになっていますね。ドラクエに似たモンスターが登場していた気が(笑)。</p>
<p><br /></p>
<p>　そこに流ノ介登場！</p>
<p><br /></p>
<p>「殿～！お待たせいたしましたぁっ！池波流ノ介、只今推参！」</p>
<p><br /></p>
<p>とポーズを決めます。</p>
<p><img src="images/35_21.jpg" alt="流ノ介" /></p>
<p>ことは「流さんや！」</p>
<p>千明「何か復活してるし。...つか、テンション高ぇ！」</p>
<p><br /></p>
<p>　本当にテンションが高く、千明の言う「復活」という言葉が実に的を射ています。このテンションの高さ、新太郎に対する罪悪感や歌舞伎に対しての未練を払拭した後の、爽やかな心境から来るものですが、流ノ介らしく落ち込む時も復活した時も全力なのが可笑しいのです。</p>
<p>　問題は、このテンションの高さが、無思慮なままサムライハオーを生み出してしまうこと。しかも、丈瑠を差し置いて...。</p>
<p>　流ノ介が新太郎の前で舞うことによって取り戻した歌舞伎の呼吸を、全侍合体ディスク制御に生かすとかいう展開(それもあまり燃えませんが)ならまだしも、ここから後はひたすら流ノ介の勢いで突っ走るのみ。サムライハオーを、限りなくやけっぱちな感じで出している印象なのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　さて、ダイカイシンケンオーで迎撃するシンケンジャーでしたが、フタガワラの強固な盾の前に大苦戦を強いられます。</p>
<p><img src="images/35_22.jpg" alt="フタガワラ VS ダイカイシンケンオー" /></p>
<p>　「二天一流乱れ斬り」も効かず、次の一手を繰り出す余裕もありません。ただ、残念ながら、サムライハオーの登場が前提になければ、ここで何とか知恵を絞って対抗する手段を考える展開が待っていそうな隙があり、こういった面でも、サムライハオーの存在を持て余している印象なのです。</p>
<p><br /></p>
<p>　ここで流ノ介は、</p>
<p><br /></p>
<p>「殿！例のディスクを使いましょう！」</p>
<p><br /></p>
<p>と丈瑠にすがり始めます。</p>
<p><img src="images/35_23.jpg" alt="スーパーシンケンレッドとシンケンブルー" /></p>
<p>千明「は？こんな土壇場でいきなりかよ！」</p>
<p>茉子「流ノ介！勢いだけで言わないで！」</p>
<p>源太「そうだぞお前！牛折神のパワーをなめると...」</p>
<p><br /></p>
<p>　他の面々は慎重ですが、流ノ介の勢いは止まりません。</p>
<p><br /></p>
<p>「殿！例のディスクを！行けますって！早く奴を！」</p>
<p>「分かった！やるから落ち着け！」</p>
<p><br /></p>
<p>　やっと流ノ介をなだめ、丈瑠は「全侍合体ディスク」をインロウマルにセットします。</p>
<p><img src="images/35_24.jpg" alt="全侍合体ディスク" /></p>
<p>「どうせいつかは使うんだしな」</p>
<p><br /></p>
<p>と、シンケンマルのディスクを回転させようとする丈瑠。ところが流ノ介は、</p>
<p><br /></p>
<p>「そうです！こういうのは勢いです！」</p>
<p><br /></p>
<p>と勝手にディスクを回してしまいます。ある意味、ハイテンション過ぎて我を失っている状態っぽくもあり、危険です。あらゆる迷いを払拭したことで、事象が手に取るように見えて来ている状態だと言えないこともないですが。</p>
<p>　そして、11体全ての折神が合体した最強形態が、遂に完成します。</p>
<p><br /></p>
<p>「サムライハオー・天下統一！」</p>
<p><img src="images/35_25.jpg" alt="サムライハオー" /></p>
<p>　流ノ介が勝手に命名してしまいました。</p>
<p>　なお、サムライハオーはそのまま「侍覇王」であり、最強の形態であることを名で示しています。が、ディスクに刻まれたエンブレムに注目すると、それが「全」という文字とのダブルミーニングであることに気付きます。つまりは、「全」という漢字が「ハ」と「王」に分解出来ることから、「ハ王」とされたわけです。なかなか巧いネーミングですね。</p>
<p>　サムライハオーは、あまりに凄まじいボリューム故に、牛折神が母体となった「台」にダイカイシンケンオー(の一部)が立っているという処理になっています。色々考慮しても、この処理は適切ですし、その存分な迫力に圧倒されます。MOJOさんによる挿入歌も旧来ファンには嬉しいですね。</p>
<p><br /></p>
<p>　「虎ドリル」、「海老バサミ」、「ダイシンケン覇王斬り」と次々に繰り出される技により、とんでもない図体を誇りながらもテンポ良い戦闘シーンを実現しています。</p>
<p>　必殺技は「モヂカラ大弾円」。</p>
<p><img src="images/35_26.jpg" alt="サムライハオー" /></p>
<p>　全員が11体の折神全てのモヂカラをショドウフォンで書き上げるという、とても手間のかかる必殺技ですが、それだけに強力さがアピール出来ていると思います。円月殺法的な刀の動作があったので、てっきり斬撃系の技だと重いましたが、実際はビーム攻撃でした。昔も今も、最終兵器系の巨大ロボットはビーム系の必殺技です。</p>
<p>　登場の脈絡は薄いサムライハオーでしたが、そのインパクトの強さは充分であり、その迫力満点の威容を手元に置きたいという願望を、トイファンに抱かさせるに不足はありませんでした。</p>
<p><br /></p>
<p>　公演の日、新太郎の楽屋には、流ノ介が贈ったと思しき花が。明確ではありませんが、流ノ介のカラーである青い花だったことと、意味深長なアングルから、そう判断しました。</p>
<p>　そして流ノ介は、新太郎の舞台を見に行くことなく、都会の雑踏の中に居ました。</p>
<p><img src="images/35_27.jpg" alt="流ノ介と丈瑠達" /></p>
<p>　爽やかでありつつも、少しほろ苦いエンディングに、このエピソードが完全に流ノ介のものであったことを伺わせます。</p>]]>
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