遂に「トランスフォーマー アニメイテッド」も最終回。
都合、3話分が未放映となり、きっちり3クールの放映でしたが、未放映分はDVDでフォローされる予定なので、まだ楽しみは残っています。
なお、ごく私的な話ですが、金欠の為、当シリーズはトイの購入を控えていました。しかし、クリスマス気分に当てられて、トイザらスで「司令官セット」を買ってしまいましたよ。オプティマスとロディマスがクリア仕様でセットになっているパッケージです。アニメイテッドのトイは評判が良かったようですが、確かによく出来ています。最近はマスターピースやオルタニティといった、ハイエンド系ばかり触っていたのですが、アニメイテッドのトイは非常に完成度が高くて驚きました。放映開始当初に触らなくて良かったと思います(笑)。こんなブログをやっていて、こんな事を言っててはいけませんよねぇ…。
さて、無駄話をしてしまいましたが、最終回は、当初のレギュラー・プラス・アルファのキャラクターに絞って、真正面からオートボット対ディセプティコンの戦いを描き切るという、潔い構成。そこにプロールの戦死というショッキングな展開を織り交ぜつつ、トランスフォーマー(というか、アメリカの連続モノ)らしく、まだメガトロン側に逆転のチャンスが残り、続編の展開も可能という終わり方になっています。
ビーストにおける暴走を彷彿とさせる「主題歌を声優陣で無理矢理歌唱」も飛び出し、マニアックな視点でも大満足の一編でした。
4シーズン目が頓挫した事で、サリの今後はどうなるのか、ブラーがあの後どうなったのか、センチネルは正式な司令官になるのか、エリータ1は元に戻れるのか、コンストラクティコンのその後は…等々、語られない要素が多々残ってしまいましたが、一応大団円という形ではあったかと。
今回は、最終回という事でテンションが上がり、キャプ画をとり過ぎてしまったので、文章少なめとします。解説で講釈垂れるような処があまりなく、とにかくビジュアルが素晴らしい上に分かりやすい筋運びなので、こういう方針としました。
では、本シリーズ最後の本編をどうぞ。
]]>前回からの続き。オメガスプリームのクローンであるラグナッツスプリームが三体出現しましたが、すぐには攻撃して来ません。
クローン達は、ラグナッツによって動かされている為、わざわざラグナッツに命令しなければ動きません。それが面倒なメガトロンは、ショックウェーブにコントロール系を自分に移譲するよう指示するのですが…。
ショックウェーブは、まだコントロールに必要なデータを発見出来ないと答えます。
一方、メガトロンの指示によって、ラグナッツはクローンを動かし、サムダックタワーを攻撃し始めます。とりあえず、当面はバリアが有効に機能しているようです。
しかし、バリアもいつまで効力を発揮出来るか分からない状況。ラチェットはオプティマスに、マグナスのハンマーを使って、空中攻撃に出るしかないと提案します。
プロールの援護をうけつつ、空中戦を展開するオプティマス!
プロールは後にサイバーニンジャにしか為せない行動に出ますが、この時点ではオプティマスのチームとして、アクションを披露していて、コントラストが効いていますね。
その間、ジャズは人々をサムダックタワーに誘導します。
クローンの進撃はオプティマス達の奮闘をよそに続き、制圧は困難な状況へと追い込まれていきます。
ラチェットは、月に赴いてオメガスプリームのコントロールを取り戻せば、クローンを止められると進言。オプティマスはその案を承諾し、バンブルビーやアイアンハイドと共にラチェットを月に行かせる事にします。
クローンの進撃をなかなか止められない状況の中、プロールは、クローンを「いっぺんにやっつける方法を考えるべき」だと言います。オプティマスは覚悟を決め、マグナスハンマー・トルネードアタックを繰り出します。
この攻撃により、クローンの一体を破壊する事に成功。
クローンを一体失ったメガトロンは、態勢立て直しの為、残る二体を月に戻すようラグナッツに命じます。しかし、クローンには月まで飛行する能力がなく、帰還は不可能。それを知ったメガトロンは、力押しの作戦に出ます。「自分以外の全てを破壊せよ」という、恐るべき命令を下すのです。
この命令を受け、二体のクローンが街へ向かいます。
一方、ラチェット達は、スペースブリッジで月へ行く準備を進めていました。サリは、「行かなきゃいけない気がするの」と言って、ラチェットに同行する事に決めていました。
サリ、ラチェット、アイアンハイド、バンブルビーが、スペースブリッジで月へ向かいます。
丁度その瞬間、月から、メガトロンへの復習に燃えるスタースクリームが飛び立って行き、ラチェット達とはすれ違いとなります。
このタイミングのシンクロ感が小気味良い感じです。
月で、ラチェットはポツリと佇むアーシーと再会します。
ところが、それは罠で、直ちにショックウェーブの襲撃に遭うラチェット達!
ここでラチェット達は分散戦略を採ります。
バンブルビーとアイアンハイドがショックウェーブの相手をしている間に、ラチェットとサリがアーシーをオメガスプリームの中に導きます。
一方、地球ではオプティマスがなおもクローン相手に奮闘しており、マグナスハンマー・サンダーアタックを繰り出すも、この攻撃はクローンに通じず。
そして、遂にメガトロンが現れ、宿敵と対峙することになるオプティマス!
シーンは地球と月とで往復します。
月では、「私に勝てるわけがなかろう」と嘯くショックウェーブに、アイアンハイド入魂のパンチが決まります。
これはカタルシスありましたね。ある意味、ワスプの恨みを乗せたパンチという側面も感じさせ、一発でショックウェーブをノックアウトした力強さが素晴らしいです。
オメガスプリーム内では、サリがアーシーと感応し、電磁パルス発生装置をデータ回収モードにして使えば、壊れた回路を通さずにバックアップされた記憶を取り出せるとラチェットに告げます。
それは、アーシー自身の提案をサリが代弁した言葉にほかなりません。
再びシーンは地球へ。プロールをいとも簡単に退けてしまうメガトロンの姿がありました。
オプティマスは、プロールとジャズに、クローンの制止を任せ、自らはメガトロンとの対決に専念しようとします。
「オートボットめ、しぶとい奴よ!」とメガトロン。「私は、オプティマスプライムだ!」とオプティマス。
G1やビースト、実写映画版等では、オプティマスとメガトロンは両陣営(あるいはチーム)のリーダーであり、ある意味同格の宿敵といった感じでしたが、今回のオプティマスとメガトロンは格差があります。上のセリフの応酬は、それを端的に示したものとして印象的です。
一方、月ではラチェットによって、アーシーのバックアップされた記憶の呼び出しが成功します。
「アーシー、すべて片付いたら、君が無くした思い出をゆっくり話して聞かせてやるからな」というラチェットのセリフが粋ですね。危機的状況と、再会に際しての万感が、一行で説明されています。
記憶を取り戻したアーシーは、最終アクセスコードを発動させ、オメガスプリームの制御を取り戻す事に同意します。上司であるロングアームよりも、親友であるラチェットを信じる。そんな彼女の感情を垣間見るような気がします。
地球では、より危機の度合いが増しており、オプティマスは、クローンの進撃を止める為に、オールスパークの力が必要だと言います。
プロールは、ジャズと共に念じる事によって、オールスパークの欠片を一箇所に集合させる事を思いつきます。
オプティマスは、プロール達に賭けてみる事に決め、自分はメガトロン打倒に邁進していきます。
月では、サリが、「自分の元の姿」であるプロトフォームを見つけて触れていました。
「ここに来なきゃと思ったのは、この所為ね」と呟くサリ。
残念ながら、このシーンの意義は全く説明されることなく、本編が終了してしまいます。サリがプロトフォームと邂逅する事で、新展開を匂わせるという点では十分だったと思いますが、肝心の「続き」はないわけで…。
その頃、ラチェットはアーシーをオメガスプリームと対面させていました。ラチェットのマグネットパワーで浮遊しつつ、最終アクセスコードを発動させるアーシー。
遂に、オメガスプリームが本来の意識を取り戻し、再起動!
玄田さんの声が響き渡る快感!
哀れ、ラグナッツは排除されてしまいます。
実質的に、ここでラグナッツは退場に。
そして、ラグナッツのコントロールを失ったクローン達。これで完全停止となるかに思われましたが、何と突如、クローン達の顔がスタースクリームの顔に!
しかも、スタースクリームは、クローンに自爆装置を付加していました。
これは、スタースクリームがクローン達のコントロールを担っているわけではなさそう。というのも、スタースクリームが倒れた後も、クローンは動いているからです。つまり、スタースクリームは元々クローンに自分の意識のコピーか何かを移していて、ラグナッツのコントロールが失われた事により、それが表層に出てきたと解釈するのが良いかと。
クローンを奪われたメガトロンは、「クローンを救う事が出来ぬなら、お前を破壊するしかないな!オプティマスプラァァイム!」と、オプティマスとのバトルに専念する事を宣言。
オプティマスは、「ちゃんと名前を言えるじゃないか!」と返します。
この会話も粋!
しかし、その間にもクローンの脅威は拡大する一方です。とうとうサムダックタワーのバリアが故障し、サムダックタワーにクローンが迫り来ます。
プロールに促され、サムダック博士は避難シェルターへ。
クローンが迫るサムダックタワーで、ジャズとプロールは、オールスパークを集めるべく念じ始めます。
各地から集合し始めるオールスパークの欠片。ということは、彼も例外ではありません。そう、スタースクリーム。
スタースクリームの額にあるオールスパークの欠片も、プロールとジャズによって引き寄せられて行きます。
必至に抵抗するスタースクリーム。しかし、遂にスタースクリームの持つ欠片が、額から離れてしまいます。
哀れ、オールスパークの欠片によって生命を保っていたスタースクリームは…。
実はこのシーン、オールスパークがスパークの代替となる事を表現しています。サイバトロニアンの命を司るスパーク。スタースクリームの命を司っていたオールスパークの欠片。この両者がオルタネイティヴである事がここで示された意義は、後のプロールの行動へと繋がるわけです。
そして、地球にオメガスプリームが到着!
「さぁ行くぞ!戦いの始まりだ!」
オメガスプリームの高らかな宣言は、G1の政宗一成さんによるナレーションへのオマージュではないでしょうか。「さぁ、戦いだぁっ!」は名物でしたからね。
オメガスプリームのそのパワーは、たちまちクローン一体を片付けてしまいます。
しかし、安心したのも束の間、もう一体の反撃を受ける事に。
ここでは、トランスフォーマーにおける玄田さんの名物でもある、重厚な苦悶の唸り声が響き渡り、大満足!
そして、スタースクリームのセットしていた自爆装置が発動してしまいます。
爆発から街を守るには、もっとオールスパークの欠片が必要だと直感するプロール。単にクローンを制止するだけならば、現時点でも事足りていた可能性がありますが、爆発力を制するには、不足だったという不運!
スタースクリームのちょっとした「悪ふざけ」が、このような事態を引き起こすとは…。出来事は連鎖するものであり、等価な行いで決して釣り合わないという悲劇。この最終回には、そんな虚しさも漂っています。
プロールは、「これ以上、欠片は引き寄せられない…あと、出来る事は…」と呟き、さらに念じます。すると、浮遊し始めるプロール。オールスパークの欠片の集合体に近づいて行きます。
ジャズはプロールの真意を悟り、「プロール!よせ!他の方法を探そう!」と必死に制止します。しかし、ジャズの言葉に応える事なく、プロールはただ微笑みを返すのみでした。
その瞬間、クローンは突如光球の中に閉じ込められます!
力尽きるプロール…。
先ほどのスタースクリームの件で言及した、スパークとオールスパークの欠片の関係。ここで、プロールがとった行動に直結します。即ち、プロールはオールスパークの欠片の不足分を、自らのスパークで補ったわけです。プロールは、オールスパークへ「還った」のでした。
光球の内部では、オプティマスとメガトロンの対決が続いています。
ヒビ割れを起こしながら戦う両者には、G1の「ザ・ムービー」での対決が重なります。もしかしたら、原語版では「One shall stand, One shall fall」とか言ってたりして。未確認ですが。
そして遂に、自爆装置の時限に到達し、クローンは大爆発!
その時、プロールのスパーク=魂が光球の内部に現れて、オプティマスだけを外へ連れ出します。
オールスパークの力によって起こっている現象だという、確固としたエクスキューズが感じられ、いわゆる降って湧いた「奇蹟」とは異なる物事の連鎖の感覚が、非常に素晴らしいと思います。
クローンを撃破したオプティマスのチームは、喜びの声を上げていましたが、そこにジャズがやって来ます。彼の両手には、命を賭けて、皆を守ったプロールの亡骸をが。
ジャズが地球に来た目的を、ストーリー面から考えると、このシーンの為という事になります。共にヨケトロンの元で修行したジャズこそが、プロールの最期を目撃するに相応しい人物だったと思います。
愕然とする一同。しかし、気持ちの整理を付ける暇もなく、メガトロンの襲撃が!
力を振り絞って空中へと舞い踊るオプティマス、ハンマーでメガトロンをたたき落とします。
そして、止めを刺そうとハンマーを構えますが…。
「何をためらっている、オートボットよ。止めを刺せ!」と言うメガトロン。
オプティマスはハンマーを大上段に構え、思いっきり振り下ろします!
しかし、ハンマーは地面に叩きつけられていました。
「お前を倒せば、楽にしてしまう。罪を償うべきだ」と電子手錠をはめるオプティマス。
オートボットらしい措置でした。あくまで法に委ねるという姿勢が、いかにも秩序の担い手といった印象です。ただし、これはあくまで「アニメイテッド」におけるオートボットのイメージではないかと、私は思います。それだけ世界観も変容したのではないでしょうか。
全てが終わり、サイバトロン星へ凱旋するオートボット達。プロールの亡骸も連れ帰られました。
これは結構ショッキングなビジュアルでした。が、復活の可能性も残されている雰囲気を漂わせているのが、トランスフォーマーならでは。
そして、玄田さんのナレーションと共に、サイバトロン星の人々が歓声を上げる様子が描かれます。
ここで玄田さんをナレーターとして起用するあたり、ファンサービスをかなり意識してますね。大変嬉しく思います。
ふと見ると、オプティマスがマトリクス状の物体を身につけていたり。
これは、プロールとジャズの集めたオールスパークが収められているらしいです。
「はばたけ!トランスフォーマー達よ!」
3クールに渡ったシリーズが、とうとう終わりました。
アメリカで制作が発表された当初は、まだ実写版の興奮覚めやらぬ時期でしたから、あらゆる面でそのビジュアルに圧倒されました。
アニメで、しかもアメリカ主導によるトランスフォーマーという事で、期待は最大級。日本への導入まで間があったのは残念でしたが、同時進行でなかったメリットは、それなりにあったものと考えます。
例えば、ビーストシリーズのように、枠繋ぎの為に日本オリジナルシリーズを挟んで、テンションを持続するのが困難になる等の弊害がありませんでした。これはビーストIIやネオがダメだと言っているのではなく、CGアニメという目新しさによる人気の獲得が、セルアニメによって一旦冷却されてしまうという事で、当時の空気を体験する私自身の証言です。
G1やビーストのように、数年に亘って続くシリーズにはなりませんでしたが、トイ展開の側面から見れば、最早トランスフォーマーはアニメーション付帯のコンテンツではなくなっており、TVアニメシリーズは正しくプロモーションの一環であると言えます。その意味で、今回の「トランスフォーマー アニメイテッド」は大成功だったのではないでしょうか。
そして、当初は非難の声も聴かれた音仏家。
その音仏家に「ウドおじさん」のサンタが来たとあれば、もう全て許容できるでしょう(笑)。
むしろ、このミニコーナーがDVDに収録されない事が、今となっては残念なくらいです。
今後、トイでは「ユナイテッド」シリーズのCMが既にオンエア。実写映画版の三作目も予告編等が公開。TVシリーズもCGアニメ「PRIME」がアメリカにて放映と、トランスフォーマーシリーズの展開目白押し。益々期待が広がります。
この適当なブログにお付き合い頂き、ありがとうございました。この辺りでお開き。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
いよいよ最終決戦!
…というお決まりの盛り上がり方ではなく、状況を二転三転させる事で危機感を煽るいう手法で、観る者を引き込んでいきます。
こういった手法では、大体正義側が追い詰められていく話になるのですが、ディセプティコン側における状況の変転も見事に活写していて、非常に見応えがあります。特にスタースクリームの立ち回りによって、メガトロンの狡猾さと優秀な頭脳が遺憾なく描かれるのは、見事です。
一方、最終編ならではの展開も。それが特に現れているのは、オプティマスのチームがどのようにして結成に至ったかというプロセスを描く、過去編の挿入。これまでのエピソードで断片的に出された情報を総合すれば、大体の想像がつくような内容でしたが、それでも映像化された際の説得力は抜群であり、「なるほど」と膝を叩くようなシーンも。
シリーズ自体は、残念ながら4シーズン目が企画されながら中止となったようなので、語られない要素をかなり残したまま終了という事になりそうですが、とりあえずオプティマスのチームの過去だけでもはっきりしたのは収穫です。
あと、ロボットアニメの定番である主役ロボットのパワーアップ。これが、いわゆるアメリカ版トランスフォーマーシリーズで導入されるのは、非常に珍しい事だと思います。マイクロン三部作も含めた日本制作シリーズでは、大抵他のロボットと合体したり、強化パーツで巨大になったりと、定番中の定番として扱われますが、アメリカ版を見渡すと、シーズン毎に姿が変わるビーストシリーズのような例はあっても、日本のロボットアニメ的に明確なパワーアップは皆無です。
今回のオプティマスのパワーアップは、見た目こそ強化合体っぽく見えますが、実際に本編を観ると、パワーアップパーツ自体は人間の手によるもので、しかも今回に限って言えば、オプティマスは飛行を楽しんだだけ(!)。この辺りの見せ方は、既にパターン化したロボットアニメとは違う新鮮さを与えてくれます。
思えば、G1初期も、リアルロボット全盛の当時としては相当異質なロボットアニメであり、ビーストも、当時は珍しかったCGアニメーションが毎週テレビで見られるという、一種のカルチャーショックでした。
この「アニメイテッド」も、そのカートゥーンっぽさ全開のキャラクターデザインによって、新鮮なロボットアニメとして映りました。シリーズもいよいよ次回を残すのみ。しかし、未放映エピソードはDVDにてフォローされるとの事で、まだ楽しみは残っています。
今回の展開を、続きの方へまとめてみました。
]]>冒頭は、ジャズに見守られ、プロールがサイバーニンジャの訓練をしている様子から。
例の「念じて成し遂げる」訓練であり、「ムーーーーー」というプロールの怪しげな唸り声が響いてきます。
オイル缶を念じて浮遊させるプロールでしたが、そこにバンブルビーとアイアンハイドが帰ってきて、オメガスプリームが月に居る事を突き止めたと言います。
前回、サイバトロン星にてフォートレスマキシマスの砲撃をトランスワープでかわしたオメガスプリーム。そのトランスワープの行き先は、何と地球と目と鼻の先にある月だったというわけです(ただし、日本語版「アニメイテッド」では、舞台が地球であるかどうか、明確でない)。
つまり、メガトロンはオメガスプリームのトランスワープシステムを、既に自由に操れる段階にあり、明確に地球を攻撃目標に定めていたという事。
そのメガトロンの元で、ショックウェーブは、アーシーから最終アクセスコードを引き出そうと作業していました。
このショックウェーブも相当優秀な人材です。スパイとしてだけではなく、技術的にも卓越していて、オートボットの科学技術陣でも困難だった、アーシーの記憶復元に成功してしまうのですから。
目覚めたアーシーは、「教育用ロボット・RC-687040」と名乗ります。アニメイテッドでは、このようにコードが「本名」として設定されているらしく、以前、バンブルビー達がセンチネルによって名付けられた事からも、元々呼び名とコードは別個に存在するようです。
なお、アーシーは目覚めたものの、教育用ロボットだった頃の時代までの記憶しか復元出来ていない様子。ショックウェーブが本当に欲しいのは、その後、情報員として活動していた際の記憶です。
ショックウェーブが記憶の復元に「失敗」していても、メガトロンはショックウェーブを責め立てたり、無理に急がせたりしません。ショックウェーブが、メガトロンの大のお気に入りである事は確かでしょう。
スタースクリームは、それを利用して好機を得ようとします。彼はラグナッツのメガトロンへの忠誠心を煽り、ショックウェーブへの対抗心を喚起させ、二人を乱闘状態に。
スタースクリームは、その隙に「自分のやりたい事」をやろうと、首だけでゴロゴロ転がり、別の部屋へ。
素晴らしいのはこのスタースクリームの狡猾さ!
口だけ達者な状態でも、十分状況を打開する能力があるわけです。ただ、今も昔もスタースクリームの欠点は「スケールが小さい事」と「ツメが甘い事」。いつも目論見が達成される寸前に、メガトロンによって「この愚か者が!」となってしまうのでした。
一方、地球では、月にオメガスプリームが居るという情報を聞き、ラチェットが、オメガスプリームとアーシーを助けに行こうと提案します。オプティマスにウルトラマグナスのハンマーを使えと言うラチェット。
ウルトラマグナスのハンマーは、メガトロンに対抗し得る強力な武器だということが、この時点で判明します。実際にウルトラマグナスが使用するシーンが幾つかありましたが、あまり印象が強くないので、ちょっとピンと来ない感はあります。
ここでウルトラマグナスのハンマーを見つめるオプティマスに、かつての思い出が去来します。
ここで過去編にスイッチ。
実習生時代のオプティマスとセンチネルは、エリータ1の事件についてウルトラマグナスより叱責されていました。
有機生命体の存在する「命の星」にオプティマス、センチネル、エリータの三人で入り、エリータがブラックアラクニアになってしまった、あの事件です。
センチネルは、エリータを助けようと引き返すつもりが、オプティマスに止められたと証言。オプティマスは弁解する事なく、潔く事件の全ての責任をとって、オートボット大学から追放される事になります。
ウルトラマグナスより、「君には期待していたのに残念だ」と告げられるオプティマス。学生時代より、かなり優秀な人物だったようですね。「アニメイテッド」のオプティマスは、他のシリーズのようなオートボットの頂点に立つ「総司令官」ではありませんが、いずれはそうなる可能性のある人材だったという事でしょう。
ここで現代編に戻ります。
この出来事を思い出していたオプティマスは、ハンマーを手にする資格はないと答えます。代わりにロケットブースターで飛行可能になる事で、メガトロンと張り合えるのでは考えます。その案は、早速サムダック博士によって実現される事になるのですが…。
今も昔も、ディセプティコンのアドバンテージが飛行能力である事は、いい事です。
そして、月の偵察に、バンブルビーが選出されます。
最初はプロールが月へ偵察に行くと言っていたのですが、ジャズがサイバーニンジャの訓練をすべきだと反対し、結果的にバンブルビーが暗黙のうちに適役として選出されたわけです。バンブルビーは不満気でしたが、とりあえずスペースブリッジで出発します。
一方、月では、スタースクリームがクローンのボディにプロトフォームをセットし、復活を遂げました。
クローンといえば、「イケメンズ」もスタースクリームのクローンとして誕生したわけですが、彼らにプロトフォームが使われたという描写はなかったので、プロトフォームの使用により、何らかの有利な作用が得られるのかも知れません。
なお、スタースクリームのクローンはかなりの数用意されていたようですが、メガトロンがやって来ると、スタースクリームのクローンボディを次々に破壊してしまいます。メガトロンは、「やることが小さすぎる」とスタースクリームを評し、もっとデカいクローンを作ると言います。
メガトロンの視線の先にあったのは、オメガスプリーム。そして、既に両端にそのクローンと思われる巨大な体躯の一部が見えています。つまり、デカいクローンとは、オメガスプリームのクローンです。
その頃、訓練を続けていたプロールは、サイバーニンジャの術により、オールスパークの欠片を生成するまでに至っていました。
プロールは、「この惑星では、オールスパークは、本当に私達の周りにあるのであるな」と呟きます。このセリフの本当の意味は明確ではありませんが、サイバーニンジャの術は、微粒子となって浮遊しているオールスパークを、一点に集めて欠片の大きさにまで集約する事が出来るのではないでしょうか。
さらにその頃、月にてバンブルビーは、盗聴器を仕掛けようと奔走していました。しかし、それは失敗に終わってしまいます。
そこでスゴスゴと帰らないのが、成長したバンブルビーの凄い処。代わりに船内に侵入し、アーシーの通信機能をオンにする事で、メガトロン達の会話を傍受しようと試みたのです。
この試みは見事成功。バンブルビーとアイアンハイドは、やや不明瞭ながらも、メガトロン達の会話を傍受する事が出来ました。メガトロンは会話の中で何かを作ると言っていましたが、これは勿論オメガスプリームのクローンを作る事に言及しています。しかし、バンブルビー達には理解出来るはずもなく。
その後、オプティマスのロケットブースターが完成を見ます。
オートボットには、ある程度の飛行が可能なプロールや、特別仕様のセーフガード二人を除き、自在に飛行出来るメンバーが居ません。オプティマスにしても、飛行経験はないわけで、彼のような猛者でさえ、やや不安を抱いているのがいいですね。
不安を振り払い、遂に翔びたつオプティマスプライム!
一旦飛んでしまえば、という事か、「素晴らしい!最高だ!」とロケットブースターを賞賛し、楽しそうに気持ち良く飛んでいます。
ここでオプティマスは、再び過去を思い出します。
過去編に移行…。ウルトラマグナスは、「君は特別な存在だと思っていたよ、オプティマス。君を失うのは我々にとっても損失だ」といい、オプティマスをドックへと案内しています。ウルトラマグナスは、エリートガードへの道をオプティマスに示す事は出来ないまでも、彼に船を用意したと言います。
そして、オプティマスに「船長になれ」と言うウルトラマグナス。
この時、ウルトラマグナスはオプティマスを「オプティマスプライム」と呼んでいる事から、プライムとはチームリーダーに与えられる呼称である事が分かるのですが、日本語版ではプライムの呼称がオプティマスにしか与えられていない為、「分かっている人」にしか分からないのが残念…。
オプティマスは自分に与えられた船が新造船だと思っていたようですが、実際に与えられた船を見て、些か面食らってしまいます。
見るからに「オンボロ船」であり、唖然とするオプティマス。
これがラチェットとの出会いになります。
艦底から身を滑らせて出てくる辺り、いかにも整備士っぽい雰囲気。
既に、センチネルによってエリートガードのアカデミーを退学になった、アイアンハイドとバンブルビーも配属されていました。
要するに、ラチェットを除いて、センチネルの「被害者」の集団なんですよね(笑)。
なお、「オンボロ船」はオメガスプリームであるからして、ウルトラマグナスがこの船をオプティマスに託したという事実には、色々な含みがありそうです。オメガスプリームと縁の深いラチェットを配属したのも、現在の状況を予見しての事かも知れませんね、もしかすると。
オプティマスが思い出の中に居ると、現れたのはスリップストリーム。ここで出てくるとは思いも寄らず。彼女はオプティマスをスタースクリームと誤認し、狙撃します。
ロケットブースターに全飛行能力を委ねるオプティマスは、制御を失い、落下して河の中へ消えてしまいます。
同じ頃、遂に情報員としてのアーシーの再起動に成功したショックウェーブは、情報長官ロングアームとして、アーシーの報告を聞いていました。
姿と立場を巧みに使い分ける様子が秀逸すぎます。これには思わず唸らされました。ちゃんと色が戻っているのもポイント。ロングアームの姿をもう見る事はないと思っていたので、嬉しいですね。
アーシーは、オメガ計画の最終アクセスコードを持っていると答えます。それはそのまま、会話を傍受していたバンブルビーとアイアンハイドにも聞こえ、二人は戦慄を覚えるのでした。その瞬間、通信は途絶えます。ショックウェーブは、アーシーにつながれたコードを引き抜いてしまったのでした。
一方で、河に落ちたオプティマスは無事でした。
オプティマスは、オメガスプリームの最終アクセスコードを、メガトロンが入手したとの報告を、バンブルビー達より受けます。しかし、オプティマスはまだ月へ赴くのは尚早だとします。
さて、シーンが地球と月と、そして過去編とで目まぐるしく往復し、文章等では分かり難いですが、とりあえず時系列通りに進めます。
月では、オメガスプリームのクローンにプロトフォームを挿入し、最終アクセスコード投入を待つだけとなりました。
オメガスプリームに似た青系のロボットといえば、G1では「ガデプ」(あるいは「ガデポ」)ですが、今回のクローンは、それを踏襲している雰囲気があります。
オメガに新しい教師が必要であるという名目で、最終アクセスコードを渡すように言うロングアーム。しかし、アーシーは目前のメガトロンを見て事態を把握し、受け渡しを固辞します。
もしかすると、メガトロンさえ目の前に居なければ、アーシーは素直に最終アクセスコードを渡したかも知れません。しかし結局、ロングアームはショックウェーブへと戻り、強制的に最終アクセスコードをメガトロンに転送させようとします。力を信条とするディセプティコンならではのシーンであり、満足度が高いです。
順調に最終アクセスコードを入手せんとするメガトロンでしたが、ここでスタースクリームの邪魔が!
しかし、さらにラグナッツが割って入り、結局ラグナッツが最終アクセスコードを受け取る事になります。
メガトロン自身が最終アクセスコードを入手出来ず、しくじったと笑うスタースクリーム。ところが、メガトロンは一番忠実な部下が動かすクローンならば、自分の味方だと自信を見せるのでした。
セリフにやや説明不足な点があり、少々状況が分かり難い面があって残念ですが、要するにメガトロン自身がオメガスプリームのクローンを動かさずとも、ショックウェーブかラグナッツが動かす事になれば、それで十分だったという事です。メガトロンは、自分のカリスマ性に絶対の自信があったというわけです。スタースクリームさえ警戒していれば、それで良かったんですね。さすがはメガトロンです。
苦境に立ったスタースクリームは、オールスパークの欠片がなければ、オメガスプリームのクローンも起動しないと言うのですが、メガトロンは三体分のオールスパークの欠片を、オメガスプリームのチャンバーから既に入手していました。メガトロンへの抗弁のネタが尽きたスタースクリーム、哀れにも再びバラバラにされてしまいます。
「イケメン台無しぃ~」と言ってますから、不死身のスタースクリームはまだまだ健在といった処でしょうか。
地球では、まだオプティマスがハンマーを使う資格はないと言い張っており、プロールによって「運命は自分で切り開くものである」と諭されます。
このプロールの言葉を受け、オプティマスはまた過去を思い出すのでした。
ここで過去編へ。
今度は、オプティマスのチームが活動を始めた後のお話。スペースブリッジのメンテナンスが主な任務ですが、どうやらエネルゴンの採掘も仕事の一つだったようで、とある小惑星にて、その作業に勤しんでいます。
作業をしていたオプティマスのチームは、ふとしたきっかけで瞑想するプロールを発見します。
百万年の間、プロールはオールスパークと交わろうと頑張っていたのだと言います。オプティマスのチームは、その邪魔をしてしまったわけです。
しかも、ラチェットの不注意によって、プロールの船がエネルゴンの爆発に巻き込まれてしまい、プロールはこの小惑星から飛び立てなくなってしまうのでした。憤慨するプロールに、オプティマスは「作業が済めば送る」と言います。
さらに、「手伝ってくれたら作業が早く済む」というオプティマスの言葉に、プロールは心を乱してしまいます。
プロールは、運命を切り開こうと努力してきたのに、いつしか自分の居場所すら分からなくなっていたのだと吐露します。
オプティマスは、その気持ちが分かると答えます。
この頃のプロールは、サイバーニンジャとしての腕はかなりのものであった一方、まだ精神的に未熟であり、ややエキセントリックな面を残しています。「アニメイテッド」開始当初も、まだこの頃のプロールの一面が残っているように見えるので、この出来事自体、「アニメイテッド」開始当初の時点とかなり近い位置にあるのかも。
そして、月では三体の「クローンラグナッツスプリーム」が誕生していました。
ああ、確かにラグナッツの顔なら絵になりますが、メガトロンの顔だとちょっと恐ろしさに欠けるかも知れませんな(笑)。
「始まりだ」
月での動きをキャッチしたオプティマスは、いよいよ決意の元、ハンマーを手に!
さぁ、戦いだ!!
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
いよいよ残すところ、今回を含めてあと3話。サイバトロン星にラチェット自身が赴くことにより、宇宙規模にまでスケール感を高めてくれます。
G1では、スペースブリッジがディセプティコンの手にあり、敵味方問わず頻繁にサイバトロン星と行き来していた為、地球とサイバトロン星は常に繋がっている印象でしたが、「アニメイテッド」では、ここぞという時にスペースブリッジを出していて、一つの切り札として機能しています。
設定からして、オプティマスのチームはスペースブリッジのメンテナンス部隊でしたから、この盛り上げ方も納得ですね。
今回の凄い処は、サイバトロン星にファンゾーン警部が赴くという点で、サイバトロン星は、人間が普通に生きられる環境である事が判明します。G1でどうだったかは失念しましたが、確かエクセルスーツを着ていたような?
とにかくこの事は、サイバトロン星に有機体が住めるという事を示しているのであって、ビーストウォーズで提示されたサイバトロン星の原始の姿を、そのまま踏襲しているのではないかと思わせます。
事実、ラットルくんの転生が出てますしね。
話の流れとしては、ラチェットとファンゾーン警部が立ちまわる中で、オメガスプリーム起動の鍵を握るアーシーの争奪戦があり、センチネルの司令官としての器に疑問を提示し、ディセプティコンがいよいよ集結を開始。ファンゾーン警部を引っ張り出す事でバラエティ編の様相を呈しつつ、しっかりと最終戦に向けて段取りがなされるあたり、やはりさすがとしか言いようがないです。
では、今回はキャプ画多めで行きます。
]]>冒頭は、ある機械の使い方について尋ねるべく、ファンゾーン警部がサムダック博士に会いに来るシーンから。
そこにはサムダック博士はおらず、ラチェットが居るだけ。
しかも、機械と相性の悪いファンゾーン警部は、警備マシンに付け狙われ、何やら忙しげに働いているラチェットに煙たがられてしまいます。
ラチェットは、スペースブリッジのセンサーを駆使して、オメガスプリームの居所を突き止めようとしていたのでした。
ラチェットの、ファンゾーン警部を警備マシンから助けつつの作業は無駄がなく、それは今回のショックウェーブとの戦いにおける、動作の無駄の無さを既に予告しています。
その時、突如スペースブリッジが作動し、オメガスプリームの存在をキャッチします。
すると、運悪く居合わせたファンゾーン警部、なんとスペースブリッジに吸い込まれていきます。
ラチェットはあんまり慌てていませんでしたが、人間の組成について理解が及んでいなかった為なのか、それとも行き先がサイバトロン星だと分かっていて、人間が行っても問題ないと判断したのか。
いずれにせよ、ホントにラチェットは全く慌てていませんでしたね(笑)。
とりあえず、一呼吸置いた後、ラチェットもスペースブリッジに飛び込んで、ファンゾーン警部の後を追いました。
そして、サイバトロン星。
ロボット嫌いのファンゾーン警部は、よりによってサイバトロン星に迷いこんでしまったのでした。早速、人間を珍しがり、恐れるサイバトロニアン達。またまた登場のグランダスが、ファンゾーン警部を踏み付けようとします。
喋り方からして、このグランダスは女性なのだろうか、それとも!?
いずれにせよ、その体躯とはかなりのギャップがあるので、もしかすると日本語版の遊び心というヤツかも知れません。
今にも踏み潰されそうなファンゾーン警部を、ラチェットがマグネットパワーで救います。
マグネットパワー、今回沢山登場しますよ。
マグネットパワーと言えば、「鋼鉄ジーグ」を思い出しますが、当時のトイ「マグネモ」もタカラ製でしたね。ヘッドマスターの発想は、この「マグネモ」の頭部が元だったと聞いた事があるような。
ラチェットはセンサーを取り出し、この辺りにオメガスプリームが居て、トランスワープをやめたのではないかと推測していました。が、オメガスプリーム探索はとりあえず先延ばしとし、久々のサイバトロン星を楽しむつもりなのです。早速「オイルを一杯やれる店」に行ってみますが…。
店には「危険防止対策の為、閉店」というインフォメーションが掲げられていて、楽しみにしていたラチェットは思わず憤慨します。
どうしてこのような事になったのか、ラチェットが疑問を抱くのにタイミングを合わせたかのように、センチネルの広報ビデオが流れ始めます。
「飲み屋」の閉店は、ディセプティコンのスパイを警戒し、危険な場所を閉鎖するというセンチネルの方針に従って行われた措置とのこと。どうやらセンチネルは、市民活動への統制を強化する事によって、ディセプティコンによる危険を排除する考えのようです。
そしてご本人、エリートガードの登場です。
センチネルは、ラチェットが勝手にサイバトロン星に帰ってきた事、そしてファンゾーン警部を連れてきた事を責めます。
逆にラチェットは、いたずらに恐怖を煽る宣伝を中止すべきだと責めます。
ラチェットはセンチネルに対してシンパシィも特別な感情も持ち合わせていないので、今回は会話が実にドライ。オプティマスのように感情の伴ったウェットな感覚でない為、物語が淡々と進んでいく印象があります。
ラチェットは、サイバトロン星に帰って来た目的が、オメガスプリームを探す事だと告げます。トランスワープの痕跡からして、オメガスプリームが近くに居ると断言するラチェット。その話を、センチネルは一笑に付すのでした。
しかし、いきなり出現するオメガスプリーム!
今回はセンチネルの誤解や狭量に関する尺はあまり割かれず、即座にセンチネルの思惑を裏切る事で、物語を進めていきます。これが実にスピーディで気持ちがいい。センチネルは気の毒ですが、これが彼のキャラクター性なので、仕方ない処でしょう。
なお、オメガスプリームの信号は嵐に妨害されていた為、具体的な位置情報をキャッチ出来なかったようです。
一方、オメガスプリームの中では、ラグナッツがしきりにメガトロンを賛美していました。
アイアンハイドの策により、オメガスプリームはランダムにトランスワープを繰り返すようになり、メガトロン達は宇宙の放浪者になってしまったわけですが、何とメガトロンはトランスワープを止める事に成功。しかも、オメガスプリームのロボットモードへのトランスフォームをも可能としたのです。
メガトロンというと、暴君といったイメージがあったりしますが、実はG1の頃から慎重な科学技術者としての一面があり、今回もテクニカルな部分での優秀さを垣間見せた格好になっています。
その時、通信が入り、ショックウェーブがオメガスプリームの最終アクセスコードを入手間近であると報告します。
ウルトラマグナスを襲撃した後、そのまま逃亡していたかと思いきや、しっかりスパイとして活動していたようです。ただし、ロングアームの姿を見る事は出来ませんが。
その頃、センチネルは、オメガスプリームを攻撃すべきだと上層部に進言していました。
この辺りから、センチネルの極端なタカ派が露呈し始めます。オプティマスが穏健派なので、完全な対比になっているわけですが、今回はオメガスプリームと縁の深いラチェットと絡ませる事で、多面的な対比を構成しています。
ラチェットはまず、実害的な面を挙げてオメガスプリーム攻撃を制止しようとします。それは、オメガスプリームが大量のエネルゴンを積載しているので、爆破すればサイバトロン星ごと吹っ飛ぶという警告でした。
そして、本音としてラチェットは、オメガスプリームは友達であり仲間。攻撃できないと言うのでした。
しかし、センチネルは、今にもラチェットに反逆者の汚名を着せようかという勢い。ここで、ファンゾーン警部がクシャミをしたのをきっかけに、ラチェットはセーフガードをマグネットパワーで吹っ飛ばし、脱出をはかります。
とりあえずこの場はラチェット達を泳がせたセンチネル。「エネルゴンを全てフォートレスマキシマスにまわせ」と、セーフガードの二人に指示します。要は、オメガスプリーム破壊の準備をしろという意味ですね。
「フォートレスマキシマス」というタームに反応する御同輩も多い筈。G1では「ヘッドマスターズ」に登場した超巨大トランスフォーマー。いわゆる海外版の「ヘッドマスターズ」である「ザ・リバース」にも登場しており、その巨大なトイは当時の少年の憧れでした。
センチネルの指示に疑問を感じるジャズ。彼はマンホール(?)の蓋が開いているのを発見します。
地球に始めて現れた頃から、ジャズは地球の風土や文化に興味を持っているそぶりを見せており、エリートガードの中でも非常にオプティマスのマインドに近い人物でした。今回もそのキャラクター性が存分に発揮されたと言っていいでしょう。
ラチェット達は、ここから逃げた模様。百万年以上前に封鎖された秘密の研究所に向かっていました。
二人が研究所に到着すると、その扉が空いているのに気付きます。
そこには、ウルトラマグナスのハンマーを持ったショックウェーブが…!
ハンマーを持つ事で、より禍々しさを増していて、カッコいいですね。
G1のショックウェーブは、かなり役人的な感覚のキャラクターであり、スタイルもマッシヴだったのですが、今回のショックウェーブは、特に正体を現してからというもの、より昆虫的なしなやかさを感じます。情報員ですが、より攻撃的な感じですね。
オメガスプリームの攻撃でオートボットは全滅すると嘯くショックウェーブ。ラチェットは思わず、最終アクセスコードの在り処は教えられない等と口走るのですが…。
逆にショックウェーブは、ラチェットの言葉からその在り処を悟り、せせら笑いつつ去って行ってしまいました。
一方その頃、パーセプターはセンチネルを詰問中でした。
評議会の決定を待つことなく、フォートレスマキシマスに殆どのエネルゴンをまわしたのは何故か、センチネルに説明を求めていました。
センチネルは、メガトロンの攻撃に備えていると返答しますが、ここでのセンチネルの態度は完全に評議会を疎ましく思っている雰囲気で、彼のふてぶてしさが極まった感があります。
センチネルの思惑通り、オメガスプリームに対する臨戦態勢をとるフォートレスマキシマス!
おお!正にフォートレスマキシマスですよ。やっぱりカッコいいですねぇ。それにしても、容赦ないセンチネルは、いつにも増して憎たらしいというより、何だか思慮が浅くて哀れです…。
一方、ディセプティコン側は割と余裕。最終アクセスコードへの通行証を手に入れたというショックウェーブに、メガトロンは笑みを浮かべていました。
この「通行証」、私は何かの比喩かと思っていたのですが、実は文字通りホントに「通行証」だったという(笑)。
ラチェットとファンゾーン警部は、どこから情報を仕入れたのか、調達屋の「ラトルトラップ」に会っていました。
ラチェットは、ラトルトラップにサイバトロン星中央病院の通行証を所望します。
このラトルトラップ、ビーストでの「ラットラップ(日本名ラットル)」がオリジン。今回、名前が「ラットラップ」と「ラットル」の合体になっていますな。声はオリジナルどおり山口勝平さん。既にジェットファイアーの声を担当されていますが、見事に「ラットルくん」になっているのが凄い。ちょっと卑屈な情報屋という雰囲気は、オリジナル(むしろ原語版)通りですね。
通行証を手に入れたラチェットでしたが、手に入れた通行証はニセモノ。そこにジャズがやって来ます。
ファンゾーン警部はジャズの尾行に前から気づいており、ジャズがラチェットを逮捕しに来たのではないと、自信たっぷりに言います。
ファンゾーン警部の優秀さをチラッと見せてしまう辺りが実にニクい!
本シリーズは人間の優秀さも愚かさも満遍なく、過不足なく描いていて、そういった面でも見応えのあるシリーズでしたね。トランスフォーマーシリーズではお馴染みといった処でしょうか。
さて、ジャズはサイバトロン星中央病院の通行証を、ラチェットに手渡します。センチネルの方針に疑問を持ったジャズは、ラチェット達の行動に賭けてみたということですね。ラチェットの思惑が通れば、オメガスプリームが起動して攻撃し始める事はない。そうなれば、サイバトロン星の危機はとりあえず去るのです。
遂に、アーシーと再会するラチェット。
しかし、そこには既にショックウェーブが。大した頭脳です。さすが長年スパイを務めてきただけの事はあります。
ラチェットはショックウェーブの虚を突くと、アーシーを連れ出しにかかります。直ちに追跡してくるショックウェーブ!
ところがラチェットの実力も大したもの。ウルトラマグナスを殺そうとするショックウェーブから、ハンマーを奪取してしまいます。
ここでのラチェットは、マグネットパワーを巧みに用いて相手の虚を突き、戦いを有利に進めるという、手練者として描かれています。G1における似たようなポジションのキャラに、カップ(日本名チャー)が居ますけど、彼は名物爺さんという感じでしたので、ラチェットの年長者としての凄さは際立っている感があります。
ハンマーを持ってウルトラマグナスの前に立つラチェットを見て、裏切り者だと誤解するのは、やっぱりセンチネル。
この早とちり振りが、センチネルを司令官の器と認め難い、最大の理由ではないかと。これに年長者ラチェットはとうとう声を荒らげ、「何を寝ぼけた事言うちょっとか!しっかりせんか!戦う相手が違うやろが!」と一喝!
このドサクサにまぎれて、ショックウェーブがアーシーを連れ去ってしまいました。
完全にセンチネルの落ち度。負い目を感じたのか、センチネルはフォートレスマキシマスでオメガスプリームを攻撃する指示を出します。直ちに開始される砲撃!
しかし、オメガスプリームはトランスワープによって消えてしまいました。
その後、「何と無茶なことをしてくれた」と評議会の喚問を受けるセンチネルの姿がありました。
センチネルは弁解していますが、その言動に迷いはなく、司令官としての自分に絶対の自信があるようです。ある意味潔いので、嫌味がないのです。
代わりに、アルファトライオンから「今日のヒーローは、ラチェットとこの人間だ。本当にありがとう」というフォローの言葉が。
これは効果抜群。アルファトライオンの威厳をも描出する、見事なシーンだったと言えるでしょう。
パーセプターは、アーシーの記憶が戻る事はないと言うのですが…。
一応、ラチェットもその言語に納得していましたが…。
地球への帰還の際、ハンマーを持ったまま去るラチェット。ウルトラマグナスが復活した時、自ら直接手渡すとしています。要するに、センチネルには渡せないと言っているわけです。
センチネルは、ラチェットを追いかけようとしますが、ジャズが立ちはだかります。
そう、ジャズも地球へ赴くのです。
スペースブリッジをくぐって地球にやって来たジャズは、「センチネルの部下はやめた」とラチェットに告げます。彼は、オプティマス達のチームに入ることに決めたのでした。
エリートガードの地位を捨てるという事は、あらゆる特権を法規するという事ですが、オプティマスのチームが為そうとしている事に、ジャズの信念が合致した結果の行動なのでしょう。
オメガスプリーム内部では、ショックウェーブが遂にメガトロンの元へ帰還。本来の姿に戻ります。
トイではオリジナルVer.として、このカラーリングでリリースされていますが、劇中でもちゃんと出ましたねぇ。ちなみに、G1のショックウェーブを彷彿させるカラーリングなのです。
そして、囚われたアーシー。
「ラチェット…」と呟いていますが、もしかして記憶が戻っている…!?
というわけで、次回は恐らく怒涛の展開。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
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2011年1月下旬発売予定。
いよいよ最終章へ。今回はその助走編といった処です。
これまで用意されてきた要素が、数珠繋ぎに展開する様子は、圧巻そのもの。サイバトロン星への道筋を、これまでの要素をまとめて何とか作り上げる構成力の確かさに加え、段取りだけに終わらない娯楽性がちゃんと盛り込まれている完成度の高さ。言い尽くせませんね。
まぁ、サリの万能感が予定調和だと言われれば、否定は出来ませんけど、ちゃんと背景がありそうだし、3シーズン目でサリが「成長」した事自体が、ここに繋がる要素だと考えれば、実に納得がいくのです。
それから、サイバトロン星の描写が増えることによって、モブキャラも大量に登場。どこかで見たことのあるような方々が、大挙画面に映ります。とにかく、盛り上がっています。
では、その盛り上がりを追ってみましたので、続きをどうぞ。
]]>オプティマスは、スペースブリッジ完成を急ぐよう、アイアンハイドに指示していました。オプティマスなりに危機感を感じており、悪い予感もしているようです。
サリに手伝ってもらったらどうかと提案するオプティマスでしたが、アイアンハイドは、鍵を持っていないサリに手伝わせても、状況は変わらないという答えます。これは暗に、サリの技術的有用性が鍵に集約されていた事を示す発言。逆に、サリへのシンパシィが強いアイアンハイドがこの発言をする事により、事態の切迫性を表現しているとも言えます。
さらに、サムダック博士は、鍵を持っていたとしても、サリ自身が専門知識に欠けており、手伝えるかどうか疑問を持っているのです。
この会話を聞いたか聞かずか、サリは特殊能力を用いてコンソールを操作し、何とスペースブリッジの起動に成功させてしまいました。
掌がグワッと展開する描写が異常にカッコいいのですが、トランスフォーマー・シリーズ的には、結構新しい表現ではないかと思います。
「ただ、いじってたら、出来ちゃった」と言うサリ。
これは謙遜ではなく、ホントにそうなのかも知れません。というのも、サリは謙遜したり気を使ったりするタイプではないし、この特殊能力を使う前に、別の意識が働くかのように目を青く光らせていたからです。
その頃、エリートガードの船では、センチネルが捕らえたディセプティコン達を尋問していました。
しかし、有用な情報は引き出せません。ラグナッツという、メガトロン万歳な者をまず尋問したという時点でも失敗ですが、ここに揃っているディセプティコンは、どれもエキセントリックな奴らなので、誰を尋問しても同じだったでしょう。
そこに、サイバトロン星の評議会より、センチネル宛に通信が入ります。
ウルトラマグナスが襲われた件を、サイバトロン星に広く公表するというパーセプター。そして、センチネルが指揮を執るのは時期尚早だとするアルファトライオン。G1キャラが出てくるのは、やっぱり嬉しいですね。特に、アルファトライオンが偉い人なのが嬉しいです。
センチネルは、ウルトラマグナスの危篤状態を公表する事に反対していますが、この時点では自分がリーダーとなる事に、少々の気後れがあったものと思われます。しかし、アルファトライオンにリーダーである事の資質を疑問視された際には、持ち前のプライドが苛立たせるのです。実に魅力的なキャラクターですね。こういう矛盾点を内包したキャラクターを作るのは、非常に難しい事です。
機嫌を悪くしたセンチネルは、エンジン全開で嵐の中を突っ切り、サイバトロン星へ急ぐ事にします。
使いたくない敬語を使って抗弁するジャズでしたが、センチネルは強引に船の運行を進めるのでした。班長になると、いきなり態度がデカくなる典型像ですが、元々センチネルの態度はデカいので、違和感はありません(笑)。
このセンチネルの行動は、危機を招く事になります。
嵐に発生していた稲妻の影響で、スィンドルが復活!
というか、スィンドルが捕まってた事を忘れてましたが(笑)。
スィンドルは純粋な商売的動機により、囚われたディセプティコン達を解放します。
実際、ここに居るディセプティコン達を解放した処で、直接的な利益はないのですが、メガトロンの処へ辿りつけるという事と、そのメガトロン自体が上得意先という事で、解放と相成りました。その後も、ディセプティコン達は、ある意味スィンドルの掌の上で転がされている状態になります。
スィンドルは武器も提供します。この、四次元ポケットのようなスィンドルの武器庫が、今回の鍵です。
それにしても、あらゆる武器を集めているもんですねぇ。結局、元々の武装と同仕様のものを、皆受け取る形になっていました。
完全復活を遂げたディセプティコン達は、すぐに行動開始し、ブリッジに侵入します。
奇襲を受け、ブリッジのセンチネル達は為す術もありません。
実際、サイバーニンジャのジャズや、戦闘力に長けたセーフガードの二人が揃っているにも関わらず、すぐに制圧状態になってしまったのは、人員不足という事もありますが、後の展開からすると統率者の技量と、ディセプティコンの戦力の高さが主な理由でしょう。
危機に陥ったエリートガード。面子上、サイバトロン星に応援要請出来ないセンチネルがとった行動は…。
地球では、オプティマスは「槍が折れた」という謎の暗号通信を受け取っていました。
オプティマスによれば、これはセンチネルからの暗号であり、しかも、学生時代に、悪さをして捕まりそうになった際の暗号だったといいます。旧知の仲らしい、いい話ではないですか。しかも、バカやってた学生時代が想起できて、いかにもアメリカンな感じがします。そう、あのサム・ウィトウィッキーみたいな。
一方スィンドルは、エリートガードを生かしておけば、レアなスペアパーツの取得にも役立つし、取引の人質としてメガトロン発見にも利用出来るとして、拘束のみの措置とする事に決めます。
この時点で、基本的にスィンドルがリーダーシップを執っていますね。G1では、コンバッティコンの一員でしたが、一人だけ目立った活躍をしていたキャラなので、今回の活躍ぶりも嬉しいですね。そういえば、バイナルテック・シリーズでは、数少ないディセプティコンの一人に選ばれていましたよ。
このスィンドルの存在が、後のオプティマスの奇襲に繋がります。
まず、エリートガードの船の上に、トランスワープフィールドの跡を見つけるアイアンハイド。
「こんな事は今までなかった」と言ってますが、私は恥ずかしながら、この時点では何のことやらさっぱり分かりませんでした…。
とにかく、エリートガードの船にスペースブリッジを繋げる為の目印が出来たわけです。早速、オプティマスはスペースブリッジを繋げるよう指示します。しかし、技術的に困難だという懸念が。
ここで再びサリのお出まし。特殊能力を使い、スペースブリッジ接続を試行します。すると、見事に成功。今回のサリの万能感は、鍵を持っていた時を上回っている感があります。
戻って来られないかも知れないと仲間に引き止められつつも、オプティマスはスペースブリッジに飛び込んで行きます。
気合一閃、勢いでジャンプして飛び込んでいく…のではなく、一旦リフトに乗ってフィールドの近くまで上昇する辺りがクールです。
再びシーンはエリートガードの船へ。
スィンドルは、サンストームとラムジェットの見分けがつかないと言い出し、二人にヘルメットを提供します。
これって(笑)。
サンストームはG1アニメには未登場なので、G1スタースクリームそのもののヘッドデザインを模していると言えば良いでしょうか。一方のラムジェットは、G1における、いわゆる新ジェットロンの三角帽子を踏襲。G1のラムジェットも新ジェットロンの一人でしたから、気の利いたサービスですね。
そうこうしていると、突如、スィンドルの腹から飛び出すオプティマス!
スペアポケットに入ったのび太が、ドラえもんのポケットから出てくるというシチュエーションと同じ。あの「ゲヘヘ!くすぐったい!」というアレですよ。つまり、スィンドルの武器庫に繋がるトランスワープチャンネルを、アイアンハイドがキャッチしたというわけ。エリートガードの船に突然現れたトランスワープの痕跡は、スィンドルの腹のポケットだったんですね。
実にスッキリしました。このロジックはホントに凄い。ただただ納得させられました。
突然のオプティマス登場に驚きつつも、早く解放するよう指示するセンチネルでしたが、オプティマスはセンチネル達を放置して、エネルゴン貯蔵庫へ向かいます。
オプティマスがとった行動は、エレベーターにエネルゴンを積み、ラグナッツ達を罠にかけるというもの。
エレベーターの前に居たラグナッツ達は、オプティマスの作戦どおり吹っ飛ばされます。頭脳プレーがもたらす、何とも素晴らしいカタルシスです。しかし、派手に爆発し過ぎて自分も吹っ飛ばされるというオチをしっかり付けていて、緻密な戦略家というわけではない一面を見せ、ホッとさせてくれます。こういうバランス感覚はさすがですね。
そして、捕虜監禁室へ「ミッション・インポッシブル」のイーサン・ハントのように潜入するオプティマス(笑)。
これは完全に狙ってますな。ただし、オプティマスのこの潜入姿勢は、意図したものではなく、たまたまコード類が絡まっただけです。
ここでオプティマス、肩のエンブレムを光らせて光通信をしながら、汚染浄化チャンバーに冷凍ホースを繋げるよう、ジャズに指示します。
一見して、何か罠を仕掛けようとしているのが分かるシーンですが、センチネルではなく、ジャズに指示しているのがミソ。オプティマスはセンチネルのプライドに配慮しているのでしょう。
さて、オプティマスの例のエレベーターの作戦は、単に少々の時間稼ぎとなったに過ぎず、ラグナッツ達はすぐにブリッジへとやって来ます。そして、ラグナッツの一撃が船の床をぶち抜き、敵味方諸共宇宙へ放り出されてしまいます。
宇宙空間では、飛行能力を有するディセプティコンが圧倒的に有利。しかし、オートボットには、セーフガードが居ます。
さぁ、オートボットとディセプティコンの宇宙戦、たっぷりとご覧いただこう!
…なんていう、政宗一成さんのナレーションを乗せたくなる、エキサイティングなバトルが繰り広げられます。
しかし、オートボット側が有利になってきたかと思われたのもつかの間、センチネルはブリッツウィングに捕まってしまいます。
センチネルは、構わず攻撃しろと言うのですが、オプティマス達は無抵抗のまま一網打尽にされてしまい、汚染浄化チャンバーの中に閉じ込められてしまいます。
ディセプティコンを汚染浄化チャンバーに閉じ込めて、凍結するという作戦を、全て盗聴していたというブリッツウィング。「自分たちが仕掛けた罠で凍れ」と、逆転劇をものにした力のほどを誇示します。
しかし、実際に冷凍ガスが噴射されたのは、汚染浄化チャンバーの外でした。
本当の作戦をジャズに光通信で伝えるという、オプティマスの作戦が見事図に当たったというわけ。この作戦、「スーパーマンII」で、スーパーマンがやった「クリプトンの太陽」照射作戦とよく似てますね。
今回は、映画からの引用ネタが散見されます。というより、いつもは私が見逃しているだけなのかも。
この騒動の中、散々物色したスィンドルは、まんまとポッドで脱出してしまいました。
ちゃっかりしてますね。小悪党ぶりが際立っています。
事件はとりあえず終わり、センチネルはオプティマスの指揮振りを高く評価。エリートガードに戻ったらどうかと、オプティマスに告げます。
センチネルが自分の資質に疑念を抱いていたのは確かで、適任者はオプティマスだと感じたようです。
しかし、オプティマスはそれを断り、地球に戻ると言います。オプティマスはセンチネルの事をよく分かっており、実績こそ伴っていない様子であれど、彼の実力を高く評価しているのです。いい話ですねぇ。センチネルとオプティマスの和解話は、それこそ三回目くらいですけど、何度出てきても、やっぱりいい話です。
エリートガードの船で、地球に帰還するオプティマス。
地球を発つ際、センチネルは敬意を込め、オプティマスに敬礼します。
そしてオプティマスも。
ここでようやく、二人が完全に和解し、そして別々の道を歩み始めた事を暗示してますね。いいシーンでした。
そしてサイバトロン星。
グランダスに乗せられて護送されるディセプティコン達。センチネルの凱旋です。
グランダスは、「バトルスターズ(リターン・オブ・コンボイ)」という、トイのみのシリーズに登場したキャラクターで、今回はほぼオリジナルそのままで登場しています。
同様に、モブキャラいっぱい状態!
ワーパスとか、ハファー(ドラッグ)っぽいヤツがいたり。他の人々も見たことあるけど、名前が出て来ない…。
「どうか私を、新たなリーダーと認めて欲しい」とセンチネルが一席ぶって、大歓声!
名実ともに、センチネルがウルトラマグナスの後継者となった瞬間です。G1でのロディマスを想起させますね。
一方、行方不明になっていたラグナッツは、偶然にもメガトロンの乗るオメガスプリームと合流。
遂に、メガトロンが自由の身になるようです。冒頭と同じ文句ですが、いよいよ最終章!
期待してます。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
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2011年1月下旬発売予定。
前後編、終わってみると、実に硬派なSFモノでしたね。
サブタイトルでは、「ヴァーチャルリアリティ」の部分をクローズアップしている感じですが、それよりはサウンドウェーブの暗躍がリアル世界に及んでいる不気味さの方が強かったようです。
随所にギャグとしてのシーンも盛り込まれていて、車輌の運転のままならない人間オートボット達とか、スクラッパーやレックガーの思慮がとっても浅いとか、色々と笑わせてくれるので、全体的なトーンは割とライト。サリにしても、オートボットが掌握されてしまうという、かなりの危機的状況にありつつ、まるでゲームを楽しむかのような感覚で対処しているので、やっぱりライトな感覚で楽しめるのです。
とにかく、サリの活躍が楽しい一編でした。結局、サウンドウェーブはメガトロンの干渉を一切受ける事なく、単独で行動していた事になりますが、メガトロンに付き従う役柄も見てみたいですねぇ。
それでは、本編の方へどうぞ。
]]>いわゆる「洗脳」の作業中、サウンドウェーブのシステムがトラブルに見舞われます。このトラブルによって、一度は危機の大波に飲み込まれそうになったオートボット達は、一時的に考える暇を与えられる事に。
この機に乗じ、プロールは念じる事によって、このヴァーチャルリアリティの弱点を突く試みを開始します。
この試みは達成され、プロールはサウンドウェーブのシステムから解かれます。そして、オプティマスに付けられた装置を外そうとするのですが、サウンドウェーブの力はプロールの予想を超えていました。
プロールは再びシステムにとらわれ、仮想空間へと戻ってしまいました。オートボットが意外に手強い事を認識したサウンドウェーブは、システムの稼働を再開。オートボットは再び人間の姿になってしまいます。
プロールの行動や、周囲の分析によって、ラチェットは、サウンドウェーブと繋がっているものを攻撃するべきだという結論に達します。
この、ヴァーチャルリアリティにおける、外界とリンクするシンボルという考え方は、このテの話にはよく登場しますね。しかし、ここで解決へと向かわず、さらに先手を取られて大変な事になるのが、今回の素晴らしい処。
分かりやすいシンボルとして、黒いサウンドウェーブが登場。オートボット達は、それぞれのビークルモードのモデルとなった車輌に乗って、それを追跡しはじめます。
黒いサウンドウェーブのカラーリングは、日本製アニメ「ザ☆ヘッドマスターズ」に登場した、サウンドウェーブの強化版であるサウンドブラスターがモチーフになっていて、現在、実際に日本では「サウンドブラスター」としてトイが発売されています。トイ自体は、アクティベイターと呼ばれる簡易変形版カテゴリーにラインナップされていますが、今回、仮想空間の中でゾロゾロと出てくるイメージと、ちゃんと合致しているのが面白いです。
ところで、地球製ビークルを運転するのが初めてであるオートボット達は、それぞれ運転に苦戦。オプティマスは、「人間は優秀だな。運転というのは、思っていたより難しい」と、運転の難しさを訴えています。
ただ、オプティマスは水を撒き散らす程度で、割とちゃんと走行していたのに対し、ラチェットはバック走行していたりと、かなり珍妙な運転をしていて、笑わせてくれます。
それでも何とか「サウンドブラスター」を追い詰めたと思いきや、実はそれは罠。
車輌の運転席という限定された空間に拘束する事で、サウンドウェーブによる再プログラミングが、円滑に進行するよう、仕掛けられていたのでした。
正攻法ではオートボットに通用しないかも知れない。そこで、わざわざビークルを運転するという「作業」が発生するように仕向けて、不意を突く作戦だったわけです。自分と同型ビークルを運転させるというサービスシーンを、ここまで理知的に回していく構成力が凄いですね。
一方、現実世界では、サリが次なる行動を開始。彼女は、ダイノボットの島へとやって来て、ダイノボットに加勢を頼もうとしていました。
以前にも、オプティマス達が加勢を要請しに来た事がありましたけど、ダイノボットって意外と戦闘に参加したがらないんですよね。今回も例外ではなく、サリの依頼を断っています。
ただし、そこにはグリムロックとスワープしかおらず、彼らの話によれば、スナールは何者かのペットになっているというのです。
サリがスナールを探していると、海岸にスクラッパーが。あのドカンとやった話の後、ここに漂着していたんですね。
実はスクラッパーがオイルでスナールを手懐け、ペットにしていたのですが、それにしてもスクラッパーの風貌が凄いことになっていて笑えますね。
ロボットでも髭が生えるんだなとか何とか呟いていますが、これは遠藤雅さんのアドリブではないでしょうか。この方もビースト組で、当時もキャラクターの見た目を茶化したアドリブを入れたりなさってたので、正にお得意といった処でしょう。
サリのオイル贈呈の話に乗ったスクラッパー。サリの提案でイカダを作り、スナールを連れて島から移動します。
推進力をどうするのかと思っていましたが、何と自分の腕がスクリュー代わり!
このアイディアにはシビれましたね。どうってことないシーンですけど、こういう細部への気配りが実に気持ちいいです。
そして、これで仲間が揃ったわけではなく、会話の中の「オートボット達を助けることにより、ヒーローになれる」というサリの言葉に反応し、海中よりレックガーも登場!
こちらは、サリのセリフではないですが、相当久しぶりの登場。バラバラになっていましたが、見事復活です。さすがはジャンキオン、G1でもガラクタから容易く復活してましたが、その能力は健在です。
これで、「オートボット助け隊」が結成と相成りました。
ネーミングセンスが、いかにも岩浪監督な感じですね。しかし、これがいいのです。ノリで押していく作風が、今回の雰囲気にピッタリ合致していると思います。
そしていよいよサウンドウェーブとの対決を迎えます。ところが、サウンドウェーブは洗脳したオートボット軍団を差し向けてきました。
トランスフォーマーでは、一部の例外を除いて、青い目がオートボット、赤い目がディセプティコンという分け方をしていますが、「アニメイテッド」では結構演出の道具として活用されている感があります。G1では、それほど青い目と赤い目に演出上の重要性がなく、色指定ミスで入れ替わった時に強い違和感を感じる程度でしたね。
今回のように、赤い目のオートボットを違和感たっぷりに登場させることで、いかにも「洗脳された」という雰囲気を出しているのが巧いです。音声にもエフェクトがかけられていて、より一層「操られた者」としての雰囲気が高まっています。ちなみに、G1初期の日本語版では、オートボット側はエフェクトなし、ディセプティコン側はエフェクトありという演出になっていました。
さて、「助け隊」は好き勝手に行動する為か、サウンドウェーブ一体が統制するオートボット達に歯が立ちません。特にレックガーの制御に苦労するサリは、リーダーの大変さを知るのでした。
で、その好き勝手な攻撃ですが、中でもスクラッパーの「雪合戦攻撃」は、特に大した効果が感じられない、随一の珍妙な攻撃となっています。
それでも、ビークルモードを活用したアタックの良さは際立ってますけどね。あと、遠藤さんが「オラオラオラァッ」とか言わなかったのは、良心かと(笑)。
この戦闘の間、サリはチームの統制について考えていましたが、やがて、逆にバラバラに攻撃すれば、サウンドウェーブのコントロールが乱れるのではないかという事に気付きます。
バラバラに攻撃する事で、サウンドウェーブの集中力を分散させれば、オートボット個々に対する統制力も弱くなり、結果的に弱体化するではないかと考えたわけです。
サリの考えは図に当たり、バラバラの攻撃は、次第にオートボット達のコントロールを乱す事につながっていきます。
成り行きやパワー押しで解決せず、敵味方が知恵を絞って戦闘を繰り広げる醍醐味。トランスフォーマーの世界観は結構楽天的でドライですが、根底にあるのは、キャラクターそれぞれが「生きている」という事。「アニメイテッド」では、特にそれが強く出ていて嬉しい限りですね。
スナールがラチェットを捕縛したのを皮切りに…。
続いてスクラッパーがアイアンハイドを凍結。
一方、レックガーはサウンドウェーブに対抗し、「コパ、コパ…」と歌いながら(?)アコーディオンを奏でます。
彼一人だけは、何やってるんだか分からないんですね(笑)。ちなみに、コパというのは、Dr.コパではなく、アコーディオン奏者として有名なcobaさんの事だと思いますが…。
逆に、咄嗟にサリを助けるプロールの姿があったり。
このプロールの行動は、操られているのを装っていたという、後のサリの解釈が正解ではなく、念じる事によって抵抗している最中に、プロールの意識が一瞬表出しての事であると思われます。
前のシーンではバカをやっていたレックガーでしたが、見事バンブルビーを捕縛。
短時間でまんまと形勢逆転です。テンポもスリルも高密度。「ながら見」を許さない構成です。そういえば、G1の日本語版は、政宗一成さんのナレーションが殆どラジオドラマ状態だったので、画面を見なくても状況を把握出来たという(笑)。なので、たまに耳寂しい時にG1アニメを流してしまいますねぇ、今でも。
これで事件は収束に向かうかと思いきや、さらにサウンドウェーブは上手を行きます。今度は、オプティマスのコントロールに集中し、彼のパワーを用いて対抗してくるのです。
サウンドウェーブ自身、「助け隊」の統率者が誰であるかを既に把握しており、操られたオプティマスは、真っ先にサリを襲撃します。
しかし何と、我に帰ったプロールがサウンドウェーブを攻撃!
ショルダーキーボードに変形したラットバットを叩き落とします。ここでのプロールは目が青くなっており、目の色による演出が、状況を分かりやすくしていますね。
プロールは、ずっと念じる事でサウンドウェーブの呪縛から解き放たれようとしていたのでした。プロールのサイバーニンジャとしての能力は、精神のパワーという領域で遺憾なく発揮されはじめています。
遂に元に戻ったオプティマス。ギター型のレーザービークを手に取り、すかさずかき鳴らしてサウンドウェーブに対抗します。
このギタリストスタイルが、妙に様になっているのがいいですね。
サウンドウェーブも音楽戦に対抗!
G1でも音楽戦が色々とありましたけど、中でも「2010」の「音楽惑星への挑戦」は一見の価値ありです。超作画崩壊、ファンタスティック、センス・オブ・ワンダーなストーリーで、一度見たらきっと忘れられないと思います(笑)。
ここでオプティマス、「音楽を変えるときが来たようだ!」と気合一閃。何をするのかと思いきや、何とギターをサウンドウェーブに叩きつけ、サウンドウェーブを破壊してしまいます!
正に、エキセントリックなステージングを繰り広げるギタリストそのものですわ。いやぁ、ビックリしました。
サウンドウェーブ破壊と同時に、街の人々も我に返ります…って、いつサウンドウェーブの統制下に入ったんだっけ?
サウンドウェーブが「人間達も云々」と叫ぶシーンがあったので、あの時でしょうね。実際に影響が及ぶシーンは、丸ごとカットされたのかな?
なお、街の人々の中に、またスパイク一家が登場しています。
これを見ると、単体で「出演」していたダニエルも、二人の子であるらしい事が分かります。
一方、サウンドウェーブのコアは、レーザービークが持ち去ってしまい、まだ復活の余地がある事を匂わせます。
G1の頃から、レーザービークは優秀な兵士なのです。
エピローグでは、「人間の気持ちが分かった、いい経験だった」というプロールの感想が披露されます。
一方で、サリはリーダーの大変さを知り、少しだけオプティマスと感覚を共有する事になります。さらに、家族が大事だというテーマが語られますが、これ自体はあんまり効いてない感じがしますね。前述のカットされたと思しき部分が、そのまま人間側の被害に繋がっているので、このあたりの関係性が希薄になってしまったのは、ちょっと惜しまれますね。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
「2010」に「人間トランスフォーマー」という話がありましたけど、そのアニメイテッド版とも言うべきエピソードです。ただし、「2010」では本当に人間になってしまうという、かなりとんでもない話だったのに対し、こちらは結構几帳面な組み立てによる、仮想空間でのお話。
ということで、「2010」に比べればインパクトは弱いかも知れませんが、ビジュアル面では最高。「2010」でも各キャラクターの特徴をうまく人間キャラクターに変換していましたが、今回のはそれ以上です。プロールだけ普段のホログラムと同じ姿というのも、仕掛けとしてバッチリであり、一目見てどれがどのキャラか分かるデザインが素晴らしいです。
初期編に登場したサウンドウェーブが、クライマックス近くのエピソードに登場するという意外性も手伝って、インパクトは十分。構成としては前後編の前編になっていますが、違和感を表現しつつ、高いテンションとテンポでもって疾走していくので、非常に満足度の高い一編になっています。
そのビジュアルインパクトをピックアップしてみました。
]]>何故サウンドウェーブが巷に出回っているのかは、後に分かる仕掛け。ここでは、かつての脅威をサリ周辺の一部の人物しか知らないという点が重要です。
一瞬目を赤く光らせるサウンドウェーブ。ただならぬものを感じたオプティマスは、それを追跡し始めます。
しかし、取り逃がした上に、市民から注目されてしまう羽目に。オプティマスは追跡を諦めて基地へ。
基地では、オートボット達がサリからプレゼントをもらっていました。とはいえ、このプレゼントがサリからのものかどうかは不明なんですけど。
また、プレゼントを開封してはならないとサリが言っていたので、少なくともこのシーンはクリスマスイヴ以前ということでしょう。
皆が談笑する中、そのプレゼントの箱から飛び出したサウンドウェーブ。サウンドウェーブは、「チョコオイル」に何らかの仕掛けを施します。
絵面では、電流に似たビームを浴びせて沸騰させているように見えますが、後の展開からして、チョコオイルを変質させ、オートボットを睡眠に導く作用を持たせたようです。いわば、強い酒に変換したわけですね。
そうとは知らず、チョコオイルで乾杯するオートボット達。
飲みっぷりがいい感じ。オートボットには、口のないキャラクターがいないので、こういったシーンも違和感なく見ることが出来ます。
G1等では、割とマスクをした状態のキャラクターも多かったので、こんな「食事」シーンは殆どありませんでした。オプティマスプライムですら、マスクでしたからね。ちなみに、ビーストではオプティマスプライマルに口がありましたが、最初は凄く違和感がありました。今では、オプティマス系のキャラに口があるのも当たり前になりましたね。
チョコオイルを飲み干したオートボット達は、徐々に眠気を覚えはじめます。結局、サリが考えていたパーティは途中でお開きとなり、オートボット達は眠ってしまいました。
そういえば、トランスフォーマーの睡眠というのも、あんまり見たことがありませんねぇ。「アニメイテッド」のトランスフォーマーは、実に人間的です。
ところが、オプティマスが目覚めると、人間的どころか、人間そのものになっていたのです。
他のオートボット達も人間に...。
ラチェットが検査してみると、体組織は100%人間のもの。つまり、オートボット達はロボットの痕跡を残すことなく、人間そのものになってしまったのです。
動揺する仲間を尻目に、プロールは「こうなることをいつも想像し、夢見ていた。それが叶った」と感慨深げ。しかし、「だが、何かがおかしいである」とも感じており、この事態の異常性に対して、冷静な視点も持っていました。
例のサムライプロール編を経て、プロールが完成されたキャラクター性を発揮していますね。
自分たちの心が、人間の体に移されたのではないかと推測するオプティマス達。しかしそれは、強ちハズレではありませんが、正解ではありませんでした。
一方、サリはサムダック博士からプレゼントを受け取っていました。
一つはサウンドウェーブ。ただのおもちゃだとサムダック博士は言いますが、以前酷い目に遭ったサリは不満げ。
「パウエルを儲けさせる」といったサリの発言も有ることから、どうやらこのサウンドウェーブは、サムダック博士ではなく、パウエルが売り出しているものらしい。そこもサリに不満を抱かせるポイントでしょう。
このサリの態度は、以前ほどのエキセントリックさはないにしろ、基本的に「小さい頃」と変わっておらず、何だか安心してしまいます。
実はもう一つプレゼントが用意されていました。それは、ジェットパックに変形するバイク。サリは大喜びで装着して出掛けていきます。
その頃、人間として行動していたオプティマス達は、アイアンハイドの空腹を解消すべく、ハンバーガーショップで食事を楽しむ事に。
プロールは赤ちゃんをあやして満足感を得つつ、ロボットの姿ではこうは行かないと複雑な思いを抱いたり。そして、アイアンハイドはトイレも経験します(笑)。
彼らが談笑していると、そこにディセプティコンの大襲撃が!
たちまち街は戦場に。ビル火災から、果敢にも女性を助け出すオプティマス達。そして、プロールは超人的な体術でその女性の子どもを救出します。
超人的な体術とは、高所から子どもを抱えたままヒラリと飛び降りるというもの。実は、このシーンが後へのフックになっています。プロールは、ほぼ無意識にロボット時のイメージで(即ち、サイバー忍者として)行動しており、それがそのまま体術として現出したわけです。
そこに現れたイケメン・スタースクリーム!
スタースクリームに、かなわぬと思いつつも立ち向かうオプティマス達。
このシーンでは、二つの違和感を持たせています。
まず、スタースクリームが現れる事。クローン技術を持つ彼が復活するのは、それほど不自然ではありませんが、メガトロンと宇宙をさまよっている状態からは、いきなり単独での地球襲撃はあり得ないように思えるからです。また、クローン軍団には既に見限られているので、リーダーシップをとっているのにも違和感があります。
そして、先ほどのプロールの行動と、オプティマス達との能力に大きな開きがある事。全ては、この事態の綻びを導く為の「仕掛けられた違和感」です。これ、映画「マトリックス」にも通じる手法ですね。
一方、オートボットの基地は、既にレーザービークが潜入していました。
レーザービークは、G1では「コンドル」と呼ばれていたキャラクターで、サウンドウェーブの部下です。当時はマイクロカセットテープに変形する鳥型トランスフォーマーでしたが、今回はフライングVというギターに変形します。G1とは別の意味でクールですね。
そして、オプティマス達の目前では、驚愕すべき出来事が起こっていました。
それは、地球にサイバトロン星が接近し砲撃を開始するという、もうとんでもない画!
私は「ウルトラマンレオ」での、ウルトラの星が地球に接近してくるというエピソードを思い出しました。惑星接近のシチュエーションは、いつも緊張感を高めてくれます。
そして、サイバトロンから、メガトロンを始めとするディセプティコンが降り立ち、全面攻撃開始を宣言します。
若本さん、「ハイ、ポーズぅ」とか、ノリまくってますね。メガトロンって、敵ボスにも関わらず、意外に登場回数が少ないので、ここぞとばかりに発散している感があります(笑)。
人間になったオートボット達の始末は後回しにし、地球が滅びる様を彼らに見せつけるという、悪の親玉らしい姿勢を見せてくれるメガトロン。いいですねぇ。
しかし、オプティマス達は立ち上がります。実は、先のスタースクリーム戦で足を骨折していたのですが、骨折は幻。オートボット達は、この世界が現実ではない事に気付き始めていたのです。
まず、プロールの手刀が、メガトロンの腕が切り落とします!
そして、アイアンハイドの体当たりがブリッツウイングの足に穴をあけ、バンブルビーの「修正してやるっ!」がブリッツウィングに炸裂!
「修正してやるっ!」は、バンブルビーお得意のガンダムネタで、「Ζガンダム」の主人公の有名なセリフです。
人間オートボットに、次々と倒されるディセプティコン!
何とも痛快無比なシチュエーションです。
やがて、オプティマス達は、自分達がバーチャルリアリティの中に居ると気付くのでした。
一方、サリは基地の地下に辿り着き、そこでオプティマス達がサウンドウェーブの術中にはまっているのを目撃します。
異様な雰囲気が素晴らしい。
しかし、仮想空間の中のオプティマス達は、遂に事態を打破しはじめるのでした。
プロールの指南により、イメージする事でロボットの姿に戻るオートボット達!
そして、サリはサウンドウェーブと対決です。
ところが、サウンドウェーブはレーザービークで反撃!
サリを退けたサウンドウェーブは、オートボットの再プログラミングを開始します。
これは、オプティマス達をディセプティコン化する作戦でした。オートボットの青い目が、赤くなり...。
予告もナレーション以外は危機感抜群だったので、一体どうなるのか、期待が高まりますねぇ。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
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2011年1月下旬発売予定。
WAR WAR 争いはSTOP it♪
「アニメイテッド」、遂にビーストに席巻される!
…とまぁ、冗談のつもりだったのですが、これは冗談ってレベルじゃないよ(笑)。
もう作品論議なんかしてる場合じゃないくらい、全編笑わせて頂いたのですが、これって日本版ならではという部分もありそうですね。
ただ、日本語吹き替えの部分を除いたとしても、明らかに狙っているラストシーンなんかは、完全にオマージュの域。私が考えていた以上に、ビーストはトランスフォーマーシリーズの中で重要なポジションにあるようですね。
今回はワスピネーター関連のインパクトが強すぎて(特に日本語版では)、テーマが影に隠れがちになってしまいましたが、本来、オプティマスとセンチネルが、不完全ながらも過去を清算するという点が重要です。
ブラックアラクニアは、同様の構造を持つワスピネーターを生み出したことにより、唯一のハイブリッド型ではなくなりました。つまり、「新種」が複数人によって構成される事になったわけで、これにより、既にオプティマスやセンチネルとは違う世界に生きる存在になったという事になります。
結局、オプティマスとセンチネルは、エリータ1を半ば諦めることで、互いの友情を取り戻したという、ちょっと暗いドラマになっているんですよね。ワスピネーター関連のドタバタがあって、巧くバランスをとっている処が、やっぱり素晴らしいです。
では、本編の方をどうぞ。
]]>冒頭からいきなりカーチェイス!
逃走中なのはワスプ。オプティマス達が暴走を止めるべく追跡しています。
その追跡の中、オプティマスの前にセンチネルが現れます。センチネルは、疑いが晴れたとはいえ、まだワスプを危険視しており、逮捕しなければならないと考えています。「まだいたのかセンチネル」とオプティマス。「ウルトラマグナスが襲われて、サイバトロン星は混乱している」と言って、センチネルが今すべき事を諭すのですが、「お前には関係ない」といった具合に聞く耳を持ちません。
オプティマスは「君には関係あるだろう」と応酬しますが、やはり二人は平行線です。オープニングでこの関係性を見せておくことにより、今回のラストにおける情感を高めているのが巧い処。
とにかく追跡は再開され、遂にワスプは包囲されます。
強制的な逮捕をよしとしないオプティマスは、バンブルビーに交渉を任せる事に。
バンブルビーは、「怒りをぶつけるのは僕達じゃなくて、ロングアームだよ」と、ワスプに真実を伝えるのですが…。
ワスプにとって真犯人がどうであれ、もはや関係はなく、自分がセンチネルやバンブルビー達によって刑務所へ入れられたと感じている以上、彼等に対する恨みは深い。もうワスプの中には復讐心しかありません。
センチネルは、ワスプを「危険な逃亡者」とみなし、刑務所送りにすると言います。確かに、元々の罪に関する疑いは晴れましたが、放っておくとそれはそれで危険な反乱分子である事は間違いありません。センチネルはオプティマスの意見の対立者として存在していますが、彼なりの論理も間違ってはいないわけです。
オプティマスは、地球は自分の管轄だというくらいしか対抗の言を持ちませんでした。
口論が続く間、何とワスプはスワープにさらわれて行ってしまいます。
セーフガードに追跡を命ずるセンチネル。セーフガードがスワープを逃がしたと知るや、自分も連れて行くよう命令します。
後を追うのは危険だというオプティマス。事前に知っておいて欲しいことがあると言います。それは勿論、ブラックアラクニアの事ですね。センチネルがブラックアラクニアに会えば、ブラックアラクニアの素性を知ってしまうという事。オプティマスは、センチネルに対する思いやりのつもりだったわけですが、残念ながらセンチネルにとって、それは忠告には聞こえなかったようです。
さて、スワープは、ブラックアラクニアの元にワスプを運んできました。
「100%サイバトロン星のロボットが欲しかった」というブラックアラクニア。つまりは、ワスプを何かの実験台にするつもりです。
一方、ダイノボットの島へと、セーフガードに吊られて移動するセンチネル。
なかなか間抜けな図ですが、そこがまたセンチネルらしくていいですね。
ダイノボットの島上空へ差し掛かると、再度オプティマスからの警告が入りますが、センチネルは完全に無視して島へ入ろうとします。ところが、セーフガードによるセンチネルの扱いは酷いもので、波間に沈めたかと思えば、結局上空でセンチネルを切り離してしまいます。
哀れ、島へ逆さまに落ちるセンチネル…。
ここで日本語版ならではの強烈なアドリブ(?)が!
「センチネルが逆立ち?」
「逆さに読んだらルネチンセ?」
さすがです。もうビーストの侵略は始まっています。あくまで日本語版だけですが。ちなみに、この二人(山口さんと高木さん)に逆さ読みで最初にイジられたのは、「ビーストリターンズ」における「コンボイ」であり、「イボンコ・ペッタンコ」などと、散々な物言いでした(笑)。
その頃、ブラックアラクニアの思惑どおり事は運びつつありました。ワスプに共感しているそぶりを巧みに装うブラックアラクニア。このあたりの悪女っぷりはさすがといった処でしょう。
ブラックアラクニアは、ワスプにトランスワープ発生装置を紹介します。
これって、「ザ・フライ」のポッドそっくりじゃないですか(笑)。
ブラックアラクニアが生命体と融合して力を得ると説明しているので、恐らく強く意識していると思います。「ザ・フライ」でも、元々物質転送装置だったものが、二つの生命体を分離させるプログラミングに失敗していた為、人間とハエを融合させてしまったというストーリーなので、その類似性は明らかです。
迷いつつも、ワスプはこの装置に入っていきます。
そして、ブラックアラクニアは装置にハチを入れます。
既に十分デカいハチですな…。
一方、ジェットストームとジェットファイアーがダイノボット達の気を逸らし、センチネルが潜入する作戦が開始されます。
攻撃しつつ、ジェットファイアーが「6月からおもちゃは売ってま~す」とアドリブをかますのが可笑しい。確かに本編の登場遅かったですもんね。
さらに、オプティマス達も島に到着。しかし、オプティマスが到着した時には、既にセンチネルはブラックアラクニアと遭遇していました。
ブラックアラクニアがビーストモードからロボットモードにトランスフォームするのを見て、気持ち悪いと呟くセンチネル。それに対し、ブラックアラクニアは、かつてエリータ1であった事を告げるのでした。
動揺したセンチネルは、当時の「事故」をオプティマスが置き去りにした所為だとし、さらにウルトラマグナスが再捜索を許可しなかった為だと言い張ります。このあたりの言い訳がましい感じは、センチネルのキャラクター性というより、ポジショニングによるものだと解釈していますが、その証拠に、これだけイヤなセリフを喋らせても、センチネルがあんまり嫌な奴に見えないんですよね。
その時、トランスワープ発生装置が爆発!
中から巨大なハチが出現し、変形してロボットモードに。そして、「ボクチン、ワスピネーターだブ~ン」と第一声。
来ました!来ましたよ!加藤賢崇さん!
ビースト系では周囲の芸達者な声優陣に圧倒されていた事を吐露されたり、つい最近まで東京を離れていらしたこともあって、基本的に声優のお仕事は受けられないものと思ってましたので、この第一声は衝撃でしたね~。
当時は日本語版では「ワスピーター」とされており、今回は原語版に忠実なネーミングである「ワスピネーター」に変わったので、若干リズム的な語感は異なりますが、正にあの時の「ワスピーター」が復活した事を実感させられたのです。嬉しいです、ホントに。
賢崇さん登場により、ここから一気にビースト化していきます(笑)。
が、とりあえず軌道修正。
有機体とロボットのハイブリッドが新たに誕生した事で、未来は自分たちの物だと豪語するブラックアラクニア。彼女に、センチネルの剣の一撃がヒットします。
すると、マスクがとれて…。
「やだ、スッピン…」
これ、上手いアドリブですよね!ホントに不気味なビジュアルなので、十分な緩衝材として効いています。
ちなみに、以前、エリータ1がブラックアラクニアになる過去を描いたエピソードがありましたけど、今DVDで見返すと、被っていたマスクが一瞬写ってるんですよ。芸が細かいというか、周到過ぎて逆に笑ってしまいました。
それはそうとワスピネーター、口調は変われど、ワスプとしての記憶は完全に持っているようで、すぐさまやって来たバンブルビーを発見し、襲撃します。
ワスピネーターは何と、トランスフォームの際に「変身~」と言ってます!
これ、狙っての事なのかどうかは分かりませんけど、思わず昔のクセで「変身」って言ってしまい、本来NGである筈が、岩浪監督がOKしたので採用になったとか、要らない妄想をしてしまいますなぁ。
一方、オプティマスはブラックアラクニアに、あの事件がセンチネルの所為ではないと主張します。センチネルを一切悪く言わないオプティマスと、オプティマスの悪口ばかり言っているセンチネルが、ここでも対比されているわけです。
場面転換が激しいですけど、再びワスピネーターのシーンへ。
バンブルビーを追い詰めるワスピネーターでしたが、身体に痺れを生じ始めます。
色々な部位の痛みを訴えるアドリブが笑えます。さすが、元ビースト声優(笑)。
一方、オプティマスに今回の実験の目的を訊かれたブラックアラクニアは、ワスプを自分と同じ状態にし、それを戻す実験に成功すれば、自分も元に戻れるのだと説明します。
その説明に、実験でワスピネーターが死んだらどうするのかと疑問を呈するオプティマス。それに「失敗は成功のもと」だと応えるブラックアラクニアの言葉を聞いたワスピネーターは、怒りを燃やします。
この激情的なワスピネーターは、ビーストの朴訥としたオリジナルと比べ、ややエキセントリックなワスプの性格を反映させたものだと思われます。
なお、ワスピネーターの身体はどんどん巨大化しており、実験は失敗した模様。
ワスピネーターは逃げるブラックアラクニアを追って外へ。オプティマス達もそれを追います。
なお、センチネルはこの直前にブラックアラクニアの毒によって麻痺状態になっていた為、バンブルビーに背負われてます。オプティマスの株を上げまくりなのは、多少気になるところですけど…。
ワスピネーターと対峙するブラックアラクニア。オプティマスは、「もう置いて逃げたりしない」と声をかけますが、「あたしが置き去りにする番さ!」と吐き捨てつつ、暴走するワスピネーターを蜘蛛糸で包みはじめます。
そして、爆発!
つまり、ワスピネーターはトランスワープエネルギーを体内に蓄積してしまっており、暴走によってその影響が広範囲に拡がるのをブラックアラクニアは防いだというわけです。「置き去りにする」というのは、トランスワープエネルギーの影響で、自分がどこかへ飛ばされてしまうのを予感していたからではないでしょうか。
ブラックアラクニアが助けてくれたというオプティマス。彼女の中には、オートボット・エリータ1としての感情がまだ強く残っているのかも知れません。
「とにかく、厄介払い出来たのは良かった。とにかく…良かったよ」と沈痛な面持ちのセンチネルが呟くのがいい。
エリートガードとして、事態を収めたという自負もありますが、同時にエリータ1に対する後悔の念も渦巻いていた筈で、今回の白眉と言える素晴らしいシーンです。
ワスプの件について、やや不本意ながらも解決をみたエリートガードは、サイバトロン星へと出発して行きます。
別れ際、自らの非を詫び合う二人…。
ウルトラマグナス不在の今、センチネルこそがリーダーに相応しいというオプティマス。センチネルは極めて無能に描写されてきましたが、彼の本当の実力をオプティマスだけが知っていて、ウルトラマグナスの代役という重要なポストに推薦するというくだりが、実に心憎いですね。
結局、オプティマスとセンチネルは、親友なのでした。
その頃、とある場所で、まだワスピネーターは生きていました。
バラバラになっていても生きているという点では、ビーストのワスピーターと同様であり、この辺りにオマージュが見えて来ます。
そして、今回最大のインパクトは、この画!
ブラックアラクニアに「誰だお前!?」を連呼する動物たち(笑)。この世界の動物は言葉を発しませんから、完全に元ビースト陣営の暴走でございます。
高木さんの伝家の宝刀「言わないと校長先生怒るよ!」も飛び出す始末。
「アニメイテッド」が「ビーストウォーズ」と化した一幕でした…(笑)。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
プロールが何故サイバーニンジャとなったのか、その過去が明かされるエピソード。
ここに来て、各キャラクターの過去が続々と明かされているわけですが、一応最終シーズンにあたるので、色々とケジメを付けておく必要があるわけですね。
ラチェットのエピソードは、オメガスプリームとの関係を、過去と現代に亘って行き来しながら確認するものでしたが、今回のプロールの場合は、既にオールスパークの源に還った師匠との関係を、師匠の関係者と交流する過程で振り返るといった構成になっています。ある意味、これまでのエピソードの中で最も「泣ける」一編となりました。
しかも、プロールが物凄く重要なキャラクターになる事を予感させるラスト。当初はオプティマスのチームに馴染めないキャラクターとして描かれ、徐々にチームの大切さを学んでいったプロールですが、そのプロセスも、サイバーニンジャを極める為に必要なものだったように描かれ、満足度も一際高いものとなっています。
以前、一過性のもののように扱われたサムライプロールも、しっかり復活。しかも、以前のサムライプロールのように、純粋な力として鎧をまとうのではなく、明らかに「悟り」の結果としてまとっているのが秀逸です。ちゃんとロックダウンを絡ませる辺りは、さすがロジカルですね。
では、そろそろ本編の方に。細かいオマージュやネタについても、そちらで触れようと思います。
]]>オプティマス達は、センチネル、ジャズと協力して、ディセプティコン狩りをしていました。メガトロン不在の今、地球に居るディセプティコンの戦力を弱体化させておく必要があるからだと思われます。
しかし、一筋縄ではいかず。ディセプティコン側は信号発信機を使うなど、なかなか狡猾な手を使って追手を逃れています。
ディセプティコンの信号を遮断する装置の効力がない今、逆に偽の信号を発して捜査を撹乱する辺り、リーダー不在ながらも戦略的な匂いが漂っていて、面白いです。
そんな中、突如センチネルとの連絡がとれなくなる事態に。
心配してセンチネルを探し始めたオプティマスは、奇妙なヘルメットを被った謎の影を目撃します。
はっきりとは分かりませんが、オプティマスは新手のディセプティコン登場を疑ったと思われます。
影を追っていくと、そこにはサンストームが。何と、センチネルが一人で捕まえたと豪語しています。
明らかに挙動不審なセンチネルには笑えますが、この時点ではどんな手を使ったのかさっぱり分からず。ただ、「あんなズルい取引をするなんて…」とサンストームが言うのを必死で制止していましたから、この時点でも、何らかの取引による結果だという事は分かるようになっています。
ただ、相手が誰なのか、しかも何を取引材料として使ったのか、さらにはどんな取引をしてサンストームを捕まえられたのか、さっぱり分からない処がいいです。先読みを許しません。
エリートガードの船に戻ると、何と既にスィンドルとブリッツウィングも捕まえていました。
センチネルは明らかに何かを隠していると踏むオプティマス。プロールも同意見で、早速基地に帰って調査を始めることに。
まず手始めに、オプティマスが見たという謎の影のヘルメットを特定します。
オプティマスが見たシルエットは、このヘルメット。
このヘルメットを見て驚いたプロールに、過去がフラッシュバックしてきます。
ということで、ここより過去編。
過去編では、プロールがまだエキセントリックな青二才だった頃が描かれます。つまり、サイバーニンジャになる気も全くない時期です。
この人物が、サイバーニンジャの師・ヨケトロン。
このヨケトロン、タカラトミーの餘家英昭さんへの、スタッフのリスペクトから生まれたとされるキャラクター。餘家さんは、トランスフォーマーの前身であるミクロマン時代から開発に関わっている重鎮であり、正にピッタリなモチーフというわけですね。
ヨケトロンだけでも相当な話題性がありますが、同じシーンには、ワーパスというキャラクターも登場します。
「ワーパスという」なんて言ってしまいましたが、言わずもがな、G1のキャラクターです。
当時はトイにおいてミニボットの一員として括られ、アニメでは扱いの曖昧な戦車のトランスフォーマーでしたが、結構登場回数も多く、やや呑気で豪気な戦車野郎というイメージが秀逸でした。今回は、巨大な戦車の兵士といった趣であり、よりパワーアップしているものの、イメージはG1のワーパスそのものです。
プロールはワーパスに、「凶暴なロボット」と呼ばれており、しかも凶暴と揶揄されるだけのパワーを持ちつつ、兵士として戦争に行くのを嫌がっている若者とされていて、その口調もかなり「青二才」を意識したものになっています。
「何で他人の戦争の為に、危険を冒さなきゃならないんだ」とヨケトロンに言い放つプロール。ヨケトロンは、「そなたの刑務所行きを止めるのに、私は危険を冒した。私の元で学ぶというなら、それも報われる」と返します。
続いてヨケトロンは、自分に阻まれることなく、プロールがこの部屋を出られたならば、どこへ行くのも止めないと言います。プロールはあざ笑うかのようにトランスフォームして部屋を出ようとしますが、結局ヨケトロンに阻まれ、部屋を出る事は出来ませんでした。
そして、まずは掃除から始めよ、と、掃除機のようなものを渡すのでした。
ここまでのくだり、完全に昔の武道系映画やカンフー映画の典型をなぞっていて、それはそれで笑えてしまうのですが、こういうシチュエーションは「武道のエキゾチックな魅力」の普遍性を担っているものであって、やっぱりいつの時代でも「いいもの」ではあります。
ここで現代編にスイッチ。
プロールは、ヘルメットがヨケトロンのものだった事から、オプティマスが話しかけるのも聞かず、すぐ基地を飛び出し、エリートガードの船に足を運びました。
実はジャズもヨケトロンの弟子であり、プロールはヨケトロンのヘルメットについてジャズと意見交換。
そこにやって来たセンチネル。彼はヨケトロンを「ポンコツ」呼ばわりし、プロールとジャズの困惑した睨みの洗礼を受けます。慌てたセンチネルは、いそいそと外出して行きました。
外出したセンチネルを、ジャズと共に追うプロールに去来する過去…。
ここで過去編へ。
プロールの武器を取り上げ、何も無いところから始めなければならないと説く、ヨケトロンのシーンが描かれます。この時のプロールは、恐らくその真意を理解しておらず、単に武器に頼らない体術を磨く事に専念し始めたものと思われます。ヨケトロンの真意は、後に何度も言及される「念じることで成し遂げられる」高みへの、基本となる事柄でしょう。
ここでまた現代編へ戻ります。
セーフガードの二人が、エリートガードの船の姿勢制御装置を修理しようとしていましたが、何故かあった筈の取り替え部品がなくなっていました。
一方、センチネルはラグナッツをも捕らえており、その凄まじい活躍ぶりに、オートボット達は驚きを隠せません。
センチネルが誰かの手を借りているのでは、とプロールは指摘。彼の脳裏にはヨケトロンの存在があり、漠然と何らかの影響を感じている様子です。
逮捕されたディセプティコンは、武器がなくなっている事に気付くプロール。
ここで一つミスディレクションが仕掛けられています。先程の過去編にて、プロールの武器を容易く取り上げるヨケトロンが描写されている為、何となくヨケトロンの仕業ではないかと錯覚させられるのです。少なくとも私はちょっと錯覚しましたよ。
なので、「武器を外すのが巧いロボットを知っている」というプロールの言葉には、この時点で色々な解釈が成立します。
一つの確信を得たいプロールは、ラグナッツの拳はどこにあるのかと尋ねます。センチネルは、おどけて驚いたような顔をしつつ、それを得意げに披露するのでした。
ここでプロール、何か確信したようです。
シーンは過去編へ。
ヨケトロンによるプロールの武術の修行が続いています。
必殺技コールとか、多分日本版独自なんでしょうけど、演武のような動きには、優雅さが漂っており、やはりサイバーニンジャには東洋系武術のエッセンスがかなり導入されているようです。
そして、武器を持つに相応しいサイバーニンジャとなったプロールに、ヨケトロンよりソーサーエッジが与えられました。
これで一応、プロールは、サイバーニンジャを名乗る資格を与えられたものと考えられます。彼がヨケトロンに案内されたのは、歴代サイバーニンジャの胸像が飾られている部屋。胸像は何体かあるのですが、一つだけ空席になっています。
それはかつてのヨケトロンの弟子であり、サイバーニンジャに恥をかかせた人物だといいます。
その人物の正体は、今回引っ張られる事なく判明します。ネタを出し惜しみしない構成が心地良いですね。
ヨケトロンは、念力を駆使してプロトフォーム保管庫のチャンバーを開けて見せます。「念じることで成し遂げるのだ」というヨケトロン。この一節が、後で呪文のように繰り返されますので、かなり印象に残ります。なお、チャンバーを開ける際に、ヨケトロンは舞いつつ「ンーーーー」という低いハミングを披露。この奇妙なハミングは、以前プロールが念じる際に使ったものと同様です。こんな処に伏線のようなものがあったとは。
ヨケトロンによると、サイバーニンジャの使命はサイバトロンの未来であるプロトフォームを守る事だといいます。オメガ計画が失敗すれば、多数のオートボットが死に至る為、ディセプティコンに対抗すべく、大量のプロトフォームが必要となるのです。
プロールは、ヨケトロンに託された使命の重さを痛感しつつも、念力でチャンバーを閉じる事が出来ませんでした。
つまり、まだプロールには「念じることで成し遂げる」までの実力を得ていないという事になります。一人前のサイバーニンジャとなって戻って来いとヨケトロンに告げられるプロール。これはつまり、教える事がなくなったので、後は自ら会得すべしという意味でしょう。
この辺りも、伝統的でエキゾチックな師弟関係に忠実です。
再び現代編へ戻ります。
センチネルは、件の姿勢制御装置を持って何処かへ向かっています。
センチネルは何とロックダウンを相手に取引しており、姿勢制御装置を譲渡する見返りに、ディセプティコン達の逮捕を手伝ってもらっていたのです。ロックダウンの実力の高さを物語ると同時に、センチネルの虚栄心の強さを垣間見るやり取りですね。
というわけで、ヨケトロンのヘルメットを被っていたのもロックダウンでした。
プロールは、ラグナッツの拳を見て、ロックダウンの仕業だと気づいていたらしい。ちょっと根拠が弱い気もしますが、以前ロックダウンと戦っている為、「武器の外し方」に特徴があったということかな?
で、今度はラムジェットが捕らえられていたわけですが、それは実は芝居。
ディセプティコン側からロックダウンに出された条件の方が良かったのです。センチネルは逆に電子手錠をはめられてしまい、ラムジェットによって拘束されてしまいます。
一方で、ロックダウンとプロールの戦いが開始されます。
プロールの動きを読むロックダウン。「ヨケトロンの精神論になど興味はないが、ヘルメットは気に入っていた」などと言いながら、余裕の戦いを展開します。
要するに、ロックダウンもかつてはヨケトロンの弟子であり、例の「恥をかかせた人物」こそが、このロックダウンだったのです。プロールには、思い当たる事件がありました。
その事件を描く過去編。
プロールは「念じることで成し遂げる」ステージへと到達出来ず、失意の中ヨケトロンの元へ帰ってきました。
すると、ヨケトロンは保管庫よりプロトフォームを奪われ、スパークは風前の灯という状態。
プロールは咄嗟に代わりのプロトフォームへスパークを移します。しかし、ヨケトロンは、「良いか、未来を過去の為に犠牲にしてはならぬ。いつの日か、この時が訪れたら、お前も分かるだろう…」と言い、自らの寿命を自覚し、オールスパークの源へと還って行ったのでした。「アニメイテッド」の中でも突出して涙を誘うシーンですね。
そして現代編へ。
ヨケトロンを襲ってプロトフォームを盗んだ、あの忌まわしい事件の犯人は、ロックダウンでした。あの事件こそ、いわゆる「賞金稼ぎ」の初仕事だったわけです。
いかにもアメリカンな、モンスターカーにトランスフォームするロックダウン。彼がエキゾチックな武道精神と遠い処にある事を、ビジュアルが既に語っていたわけです。素晴らしい!
怒りに燃えたプロールは、ロックダウンを追い詰めてヘルメットを取り戻したのですが、奸智に長けたロックダウンは、ヨケトロンのヘルメットに拘束装置を仕込んでいました。
そのままロックダウンの船に運び込まれたプロールは、かつて力を求めて着たサムライの鎧を見ます。ロックダウンが作り上げたもので、プロールの部品を組み込む事で完璧になるといいます。
その時、プロールは「念じることで成し遂げる」を実践し、拘束を解く事に成功します。
一方、外ではラムジェットとの戦いが展開されていました。お約束とばかりに、ジャズがセンチネルを誤爆!
そしてセーフガードも誤爆!
さらに、センチネルを抱えて空へと逃げたラムジェットに、オプティマスがウルトラスプレーを浴びせると、センチネルは頭から落下…。
ホントに損なキャラですね…。
密かに拘束を解いたプロールは、ヨケトロンのヘルメットと鎧をまとい、サムライプロールに!
「私は学んだである。サイバーニンジャにとって、大事なのは武器ではない!」
プロールは遂に、力の象徴としてではなく、志の象徴として鎧をまとう事が出来たのです。
一方、オプティマスとジャズは、ラムジェットにスタジアムのスコアボードを浴びせて動きを封じようとします。ところが、格闘しながら躍り出たプロールとロックダウンも巻き添えに!
しかし、プロールは「念じることで成し遂げて」いました。
優雅な舞によって、破片が宙を舞っています。
これをカッコいいと見るか、それとも何かカッコ悪いと見るかによって、物語への入り込み具合が違ってきてしまうわけですけど、この辺りは洋画にあるエキゾチックなシーン作りに、失笑してしまうか否かに通ずるかも知れませんねぇ。
当のロックダウンは、すぐさま現場を離脱してしまいました。姿勢制御装置が彼の渡ったままな気もしますが(笑)。
エピローグ。「先生のヘルメット、取り戻したんだな。きっと、先生も喜んでるよ」とジャズ。こういう控えめな処がいいですね。
「ありがとう。このヘルメットに恥じぬよう、力の限り頑張るである」とプロール。
彼はヨケトロンの魂を継承したに違いありません。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
いよいよロングアーム包囲網が迫る、サスペンス編。ただし、主役はバンブルビー。ワスプの仕掛けた罠によって、窮地に陥ります。
アイアンハイドですら、完全に騙されてしまう展開には戦慄。バンブルビーとの友情の力で、ワスプの変装を見破るなどという、甘い解決に持っていかないあたりがリアルでイイです。
しかも、今回の話の構造は非常に素晴らしいものになっています。ロングアームがかつてスパイの汚名を着せたワスプ。彼が逃亡を果たす事でエリートガードが動き、ワスプがスパイとして疑われているという事実が、ウルトラマグナスにエリートガードへの直接指示の契機を与えます。さらに、ワスプが地球に向かった事により、エリートガードはオプティマス達と合う事になり、結果的にロングアームこそがスパイだという事が、エリートガードに知らされるのです。
つまり、ロングアームは巡り巡って、自らの身にスパイの嫌疑が降りかかってしまったわけですね。
ところが、ロングアームことショックウェーブは、さらに先手を打っていて...という具合に、実にもうサスペンスフル。
G1ではあまり見る事の出来なかった、多重構造の展開は圧巻ですね。
そして、新キャラも登場。ジェットファイアーとジェットストームなる、セーフガードの二人です。この二人がもう、完全に美味しい処を持ってっちゃいました。その理由は...。
というわけで、続きの方に参りましょう。
]]>一方、バンブルビーはオプティマスの指示により、モニターを監視中。サイバトロン星との通信が不能になった為、警戒を強める意味合いがあります。ワスプの逃亡についても言及されてはいましたが...
まさか、バンブルビーは、ワスプによって今回酷い目に遭うとは思いも寄らなかったでしょう。何しろ、あんまり真面目にモニター監視をしていないし、危機感としてはかなり薄い様子なのです。
その頃、地球に到着するセンチネルとジャズ。
この二人、地球に対する態度は完全に正反対ですが、それ故に今回良いデコボココンビを演じてくれます。センチネルがボケ、ジャズが控えめなツッコミという具合ですが。
エリートガードが地球にやって来るような事態とは知らず、バンブルビーはモニター監視に飽きてゲームを始めていました。
そう、この時もし、モニター監視をちゃんとやっていれば、エリートガードの飛来に気付き、ワスプに遭う事もなかったかも知れないのです。
こういう、すれ違いによる話の回転が、実に巧い。基本的にサラリと流してしまうような処に、こういった仕掛けがしてあるので、深く納得出来るようになっているわけですね。
そこに、突如ワスプが登場。薄暗い部屋で浮かび上がる姿が不気味です。
ちょっとしたホラーテイストが付加されているのも、雰囲気作りに貢献していますね。
ワスプは「俺の人生を台無しにしたロボットに、復讐しに来ただけさ」と、ヘッドギア(?)を取り、バンブルビーに近付きます。
何やら麻酔銃のような物を手に取り、バンブルビーに発射するワスプ。
何と、ワスプはバンブルビーに成り代わってしまいました。
面白いのは、ワスプの化けたバンブルビーはマスクをしているという事。一方のバンブルビーは口を隠していないので、この違いは謎。何か理由があるのかも知れませんけど、少なくとも私が本編を見た限りでは分かりませんでした。
もしかして、視聴者による見分けが容易になるようにという演出意図だけが一人歩き?
さて、昏倒していた(ワスプ型)バンブルビーが気が付くと、オプティマス達が囲んでいました。勿論、バンブルビーに化けたワスプも一緒です。
懸命に自分がバンブルビーである事を説明するのですが、当然周囲には信用されません。困惑したバンブルビーは、基地を飛び出していきました。ワスプ、してやったりの顔。
直後、ワスプを追ってきたセンチネル達は、オプティマスと合流します。
ワスプの追跡よりも、ロングアームこそがスパイだという報告の方が重要だと考えるオプティマスでしたが、残念ながらセンチネルには戯言にしか聴こえず、全く信じていません。
センチネルはエリートガードに入隊出来る程の実力を持っていますが、オプティマスと対比されるキャラクターとしてポジショニングされているので、どうしてもマヌケになってしまう。割と可哀想なキャラクターだと思います。
一方サイバトロン星にて、ショックウェーブは、正体が露見する事を見越して、自らの判断で動く事をメガトロンへのメッセージとして残します。
これはつまり、今回の衝撃のラストへと繋がる事項なのですが、単にサイバトロン星を脱出するだけという意味ではなさそうですね。
再び地球。バンブルビーは、何とか塗料を落とそうとしますが、全く落ちず。
他にも、マスタードを塗って黄色くしようとしたり、かなり冷静さを失っていますが、無理もないですね。なお、ワスプ色の塗料が何故落ちないかという理由が、ラストにちゃんと明かされます。細かい処まで丁寧ですな。
続いて、ワスプ(実はバンブルビー)を捜索するオプティマスとラチェットの前に、二体のジェット機が出現。空を飛べるオートボットは、オメガスプリーム以外登場していないので、オプティマスとラチェットは、超アクロバティックな軌跡を描いて飛ぶ二体のジェット機を、ディセプティコンだと認識します。この二体、一応トランスフォーマーではあるのですが...。
こちらは、ジェットファイアー。
そしてこちらは、ジェットストーム。
どこかで聴いた声。そう、「名探偵コナン」ですよ...って、まぁそれは冗談。確かに「コナン」にも出てますけど、ここはトランスフォーマーですから。
そう、「ビースト」再来ですよ!
ジェットファイアーに「ラットルくん」こと、山口勝平さん。
ジェットストームに「チータスじゃん」こと、高木渉さん。
もうアドリブ出まくり。やや際どいのも含めて、やっぱり現場を荒らしに来られましたね(笑)。明らかにリップシンクを無視した喋りを入れてきたりと、トランスフォーマーが自分達の庭みたいな状態で、何か凄いですわ。
結局、サブキャラを全部集めてきたら、CG版「ビースト」のキャストは殆ど揃ったのでは。加藤賢崇さんも、後から出られるらしいという噂ですよ!
後から気づいて申し訳ないのですが、ミックスマスターには中村大樹さん(ライノックス)が、スクラッパーには遠藤雅さん(スコルポス)がキャスティングされているんですよね~。聴いたことのある声だと思ってましたが、すっかり忘れてました...。
ジェットファイアーとジェットストームは、オプティマス達と交戦状態になります。完全にディセプティコンと誤認しているオプティマス達と、邪魔者を無邪気に排除するといった趣のジェットファイアーとジェットストーム。「アニメイテッド」は、仲間のレコグニションがとれないという事態があっても、比較的違和感がないような気がします。
なお、ジェットファイアーという名はG1にも登場。アニメではスカイファイアーでしたが、トイは「Jetfire」名義。なお、トイがバルキリーの輸出版だったのは有名な話です。一方のジェットストームは、「ビーストウォーズリターンズ」に登場。カラーリングが意識されていますね。
この二人最大の特徴、それは、「お前と合体したい!」ということ(笑)。
二体がいわゆる「シンメトリカルドッキング」して、セーフガードになります。
「合体したい」というセリフは、まぁ「アクエリオン」のパロディなんでしょう。合体方式は、「エクスカイザー」や「ガオガイガー」における左右合体ロボを彷彿させます。
合体シーンが割と長めだからか、お二人のアドリブが入る入る(笑)。いい意味でやかましいくらいです。
合体すれば強くなるのが道理。セーフガードは、ラチェット達を圧倒します。
そこにセンチネルが登場。セーフガードが、実はセンチネルの部下だという事が判明します。
初の航空型オートボットをもの珍しがるラチェット。何と、監禁していたスタースクリームのデータを元に双子を改造し、空を飛べるオートボットが誕生したのだそうで。技術の盗用とか、普通にやってしまうあたりが、これまたリアルですね。情報戦、諜報戦の要素が入ってきている辺りが、妙に硬派です。
早速、セーフガードの二人はセンチネルの指示でワスプ捜索へ。
その頃、バンブルビーになりきる努力を怠らないワスプは、ゲームに手をつけます。が、その腕は最低。
これが後々足を引っ張るとは、ワスプにとって予想外だった筈。
一方、ワスプ型のバンブルビーは、アイアンハイドとプロールに発見されてしまい、交戦状態となります。
バンブルビーは、サイバトロン星でセンチネルを下敷きにしたアイアンハイドをかばい、自分が犯人だと名乗り出た出来事を話し、ようやくアイアンハイドに自分がバンブルビーである事を信じてもらえるのでした。
ところが、そこにセーフガードの二人の奇襲が!
必死にバンブルビーをかばうアイアンハイドでしたが、ジェットストームは「嘘を付くと園長先生怒るよ!」と容赦なく攻撃を加えます。
この「園長先生」は、「ビースト」時代に高木渉さんが好んで用いていたネタで、当時は「校長先生」でした...って、まぁどうでもいいか(笑)。
なお、戦闘中には、バスを被るアイアンハイドのお茶目な画が。
こういったデフォルメが似合うのも「アニメイテッド」の特徴。とは言え、実はここまで元々のサイズ感を崩したデフォルメは、この「アニメイテッド」でも珍しい部類ですが。
その頃、オプティマス達はセンチネルやジャズと共にアイアンハイドの元へ向かっていました。小ネタとして、センチネルのタイヤのグリップ力が弱いというのがあり、濡れた路面を巧く走れずに、ロボットモードでドタドタと走るというシーンが見られます。
オプティマスもそれに付き合い、「センチネル、ゆっくり話すよ。君が理解出来るようにね」と、オートボットのスパイに関する経緯を説明しようとするのですが...。
残念ながら、センチネルの硬い頭はそれを受け付けようとはしません。
オプティマス達が現場に到着すると、バンブルビーは既にセーフガードによって電子手錠をはめられた後。ワスプとバンブルビーが入れ替わっていると説明するアイアンハイドとプロールでしたが、センチネルは興奮していて全く聞き耳を持ちません。
とうとうジャズが、センチネルに落ち着くよう苦言を呈します。
ジャズは割と呑気なヤツという印象がありますけど、かなり頭も切れるし、冷静で落ち着いてます。G1での「副官」という肩書きは日本版独自のものですけど、意外と事情を汲んでいるのかも知れませんね。
オプティマスは「誰も逮捕などさせないぞ、センチネル」と牽制。「お前も裏切り者ってワケか?」とセンチネル。これは多分本気で言ってますよ(笑)。オプティマスは「いや、そうじゃない。大切なのは信じる心だ」と返していますが、これは結構日本的なセリフだと思います。まぁ、ドライな中に多少ウェットな部分が出てくる事で、「オッ」と思わせるという技でもありますね。
結局、疑念を抱いたまま、オプティマスの説得で基地に戻るセンチネル。彼はバンブルビーに化けたワスプを尋問しますが、ワスプは言葉巧みにかわしていきます。
アイアンハイドは、バンブルビーが本物かどうかを判別する術があると言い出します。何と、それはゲーム対決!
そのアイディアに対する、ジャズの「最高だな」と、セーフガードの二人の「やっちゃってください!」という反応が愉快です。
ゲームの腕だけは誤魔化しようがなく、追い詰められるワスプ...。
とうとう万事休すとなったワスプは正体を表し、バンブルビーにスティンガーを突きつけて「人質」にとります。
ワスプは、「お前たちはワスプを逮捕した。ワスプはいいロボットだった!」と、センチネルやバンブルビー、アイアンハイドを非難しますが、「それは違う!君はいつも俺とバンブルビーに意地悪だった。裏切り者でもないけど、いいロボットでもなかったよ」とアイアンハイドは答えます。確かに意地悪なロボットでしたが、今回の過激な行動はスパイの濡れ衣を着せられたからであり、ワスプ本来の性分ではないでしょう。結構可哀想なキャラクターだと言えます。ただし、「意地悪」であった事によって疑惑を招いた事も否定出来ず、その意味では自業自得の要素も多少は認められるでしょう。
結局、ワスプは逃亡。バンブルビーが被せられていたワスプのヘッドギアに、電子絵の具のスイッチがある事を、プロールが気付きます。
電子絵の具を使って色を変えられていた為に、いくらバンブルビーが色を落とそうとしても、落ちなかったわけですね。しかし、「電子絵の具」とは何ぞや(笑)。多分、原語版ではもっと難しいテクノロジーの名前が付けられているものと想像出来ます。電子的な色彩変換とか何とか。あくまで想像です。
これにより、オートボットの置かれた状況をようやく理解したセンチネル達。
「ロングアームが本当のスパイで、ワスプをはめたなら...オートボットの情報長官はつまり」と、まずジャズが気付きます。オプティマスが「ディセプティコンのスパイということだ」と補足すると、センチネルは、「全く...何で最初にそう言ってくれなかったんだ?」とボケまくり(笑)。
この直後、エリートガードは早速ウルトラマグナスに報告したものと思われます。
そしてサイバトロン星。
ロングアームがスパイだという報告を受け、ロングアームを尋問しにやって来たのは、アーマーハイドです。アーマーハイドが情報部の部屋に入ると、何とウルトラマグナスが無残な姿に!
ハンマーも奪われており、「ショックウェーブ...」という言葉を残して昏倒するウルトラマグナス。
超衝撃のラストでした。「ウルトラマグナス~!!」という気合入れ過ぎなアーマーハイドの叫びが、逆に笑いを誘っちゃってるあたりが、「らしい」と言えば「らしい」ですね。
果たしてウルトラマグナスは無事なのか...!?
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
怒涛の三部作の後ということで、割とユルい感じのお話。
トイがリリースされなかったり、日本版では登場篇の放送をオミットされたりと、あんまりいい扱いを受けていないコンストラクティコンの皆さんにスポットを当てたエピソードで、「現場のオッサン」的な雰囲気が強調されていて、キャラクタードラマとしての満足感が高い一編です。その意味では、G1初期の雰囲気に近いかも。
今回、ダートボスなる新キャラが登場。一応カラーリングその他、コンストラクティコンとの共通性を見せていますが、フォークリフトとヘッドマスターの残骸から誕生しているという点で、かなり特殊な出自と言えるでしょう。
また、アイアンハイドとサムダック博士の関係性も、技術者同士の付き合いといった感じに描かれていて、スペースブリッジの件を経てからのアイアンハイドが、随分とキャラクター性を変化させている事が分かります。場面場面での臨機応変な対応も頻出してますしね。
今回はキャプ画少なめですが、その分、テキストは多めで。
]]>冒頭は、サムダック博士とアイアンハイドが、サムダック・タワーで何やら会話しているシーンから。
サムダック博士は、スクラップ寸前のヘッドマスターを前にして、何故かヘッドマスターの視線を感じるのだと言います。
どうもサムダック博士は、メガトロンの頭部と共に研究生活を送っていた時期が、強く深層心理に影響しているようで、ロボットの頭部の近くに居ると、その視線を錯覚してしまう模様。無理もありませんねぇ。メガトロンから技術を得てサムダック社を大きくしたものの、後でとんでもない恐怖を味わってしまったのですから。
アイアンハイドは、スペースブリッジを建て直してサイバトロン星に行き、ロングアームがスパイである事を報告すべきだと主張。早急な修繕の為に、サムダック博士の協力を仰ぐのですが…。
サムダック博士は、ディセプティコンに提供した「信号消去装置」を徹夜で解除する等しており、とても集中して作業出来るような状態にありません。アイアンハイドはやや焦っている様子。
一方、信号消去装置の解除によって、ディセプティコンの反応による追跡が可能になったオプティマス達は、早速一人のディセプティコンを発見、追跡を開始します。
そのディセプティコンとは、ラグナッツ。ところが、追跡されていた筈のラグナッツは自らオプティマス達の方へ方向転換し、襲撃を開始するのでした。
ディセプティコンは現在、メガトロン不在でバラバラの状態ですから、ラグナッツのこのような行為は自殺行為の筈…。勿論、後にちゃんとその理由が判明します。
さて、何だかんだ言いつつもサムダック博士はアイアンハイドと共に作業を進めていました。
スペースブリッジのパワーコアにオールスパークの欠片をセットする為に、一旦それを容器に入れ、その容器をスペースブリッジの処までフォークリフトで運ぶ算段でしたが、何とその重量に耐えられず(?)、床が抜けてしまいます。
タワーの中でスペースブリッジを作るのにも問題はあった、とアイアンハイド。メガトロンが鉱山にスペースブリッジを建造した事実を、散々バカにしていましたが、強ちバカには出来なかったとあって、落胆しています。
サムダック博士が作業を休止して眠りたいと訴えると、アイアンハイドはそれを了承。落下したフォークリフトや、抜けてしまった床を片付けてくれるロボットに見当を付けます。これが今回の騒動の元の一つですな。
床下では、オールスパークの欠片の作用により、フォークリフトとヘッドマスターが融合を開始していました。
オースパークの影響で偶発的に誕生したトランスフォーマーとしては、レックガーに続くコンセプトとなりますね。
さて、アイアンハイドが片付けを頼みに来たのは、何とミックスマスターとスクラッパー。彼等が何の仕事をしているのかは不明確ですが、現場を終えてオイルを一杯引っ掛ける姿は、ドリフのコントに出てくるようなオッサンそのもの。もしかして真面目に働いているのでしょうか?
とはいえ、彼等もディセプティコンとしてのプライドはあるらしく、アイアンハイドの依頼を門前払い。しかし、アイアンハイドが「おいしい仕事」だと囁くと、メガトロンに内緒でならばと、手伝うことに。
コンストラクティコンの二人、美味しいオイルをちらつかされると、断れないらしい。どら焼きでドラえもんを釣るのび太のようで、なかなか微笑ましくていいですねぇ。
現場に到着したコンストラクティコン達は、早速作業を開始。まず、落下したフォークリフトを引き上げる作業を。
かなり重いらしく、スクラッパーは「松方弘樹モード」で「本マグロ」を釣り上げます(笑)。キャプし忘れましたが、G1でのコンストラクティコンの一員であるフック(日本名:グレン)の機能を盛り込んでいるように見え、細かいオマージュ(と珍訳)に嬉しくなってしまいました。
引き上げたフォークリフトは、既に元のフォークリフトではなく、トランスフォーマーになっていました。
そう、ダートボスの誕生です!
この体型が素晴らしい!
ヘッドマスターのロボットモードを踏襲し、フォークリフトからの変形を考慮したスタイリングになっています。アニメイテッドのデザイン・ワークは、やっぱり素晴らしいですね。いかにも「チビでタフな親方」といった感じに見えるのがいいです。
自分がボスになると宣言するダートボス。馬鹿にするスクラッパーの額に、ダートボスはコントロールユニットを打ち込んで、無理矢理服従させるのでした。
この能力は、G1におけるインセクティコンのボムシェル(日本名:ボンブシェル)とほぼ同等。マニアックなネタを出してきますねぇ。
で、ここでいきなり場面転換ですが、ラグナッツがオプティマス達を襲撃したのは、メガトロンを探す為でした。
オメガスプリームで宇宙をジャンプし続けている状態のメガトロン。ラグナッツはメガトロン命なので、一生懸命探しているのでした。これもまた、微笑ましい。
瞬時に立案されたオートボットのラグナッツ攻略作戦は、バンブルビーとラチェットが陽動し、オプティマスとプロールが電子手錠をはめるというもの。
その作戦は完璧。巨躯を誇るラグナッツに、二つの電子手錠をはめて動きを制します。
ところが今度は、クレーター状の穴に落ちたラグナッツが重すぎて、引き上げ不能に。基本的に電子手錠をはめたら逮捕する方針なので、放っておくわけにはいかないわけですね。
アイアンハイドが居れば…という話になるも、アイアンハイドも取り込み中。
騒ぎを聞きつけて研究室へやって来たサムダック博士。コンストラクティコンに驚いて退去を命じますが、強気な彼等の態度にサムダック博士の危険を感じたアイアンハイドは、サムダック博士を守る為に、彼に強い口調で作業を命令します。
慌てて研究室を後にするサムダック博士。アイアンハイドはウインクしていましたが、実はサムダック博士、この時は芝居だと気付いていないんですねぇ。一応、サムダック博士が芝居下手なのは、以前のエピソードで存分に描かれましたので、今回の逃げっぷりが本気だと分かるわけです(後々のシーンでも説明されますが)。
どこまでも強気なダートボスは、街を支配すると言い出します。
まず手始めに、運搬車を襲撃してオイルを強奪!
この人物、G1の最初のアニメに登場した「スパークプラグ」にそっくり!
スパークプラグは、人間側の主役であるスパイクの父親で、機械いじりに関しては抜群の腕前を誇り、度々オートボット達の「治療」を手伝っていました。
以前、スパイクやその妻カーリー、さらには息子のダニエルも「カメオ出演」していましたから、これで親子三代にわたってカメオ出演を果たした事になります。素晴らしい。
その奪ったオイル、ミックスマスターとスクラッパーは「呑む」事しか考えておらず、早速頂いていたわけですが、ダートボスの狙いはそんなものではなく、街で一番大きな石油精製工場を襲撃するというものなのでした。
偶発的に誕生した地球製トランスフォーマーなのに、この奸智に長けた様子。ヘッドマスターが素材になっている事も関係しているのかな?
ダートボスの目論む石油精製工場制圧には、人間達が全てのオイルを自分の所に買いに来るという結果をも盛り込まれており、彼の知力の高さが窺えます。
ダートボスが為さんとしている事を知ったアイアンハイドは、コンストラクティコンに抵抗を試みますが、彼等もイッパシのディセプティコンであり、力では敵わず…。
通信機をオンにしておくという、アイアンハイドの咄嗟の判断で、彼の危機を知ったオプティマス達。ラグナッツ引き揚げは一旦保留とし、アイアンハイドの元へ向かいます。
現場では、アイアンハイドがぶつけられたタンクから、オイルが漏れ出し、ミックスマスターとスクラッパーがガブ飲み中。
この二人、ホントにオイル中毒なんですね。実に微笑ましい。G1におけるコンストラクティコンのストイックさとは、かなり違う魅力を持っています。
ダートボスは、ミックスマスターとスクラッパーをたしなめると、アイアンハイドの額にコントロールユニットを打ち込んで操り、こぼれ出たオイルに火をつけるよう指示します。
前の格闘戦の折から、アイアンハイドとチェーンデスマッチ状態になっていたミックスマスターも、哀れ道連れの憂き目に。スクラッパーの薄情っぷりが、また笑えます。
あわや大火災寸前のその時、オプティマス達が到着。操られているアイアンハイドやコンストラクティコンと混戦状態に突入します。
そんな中、ラチェットによってようやく正気に戻るアイアンハイド。
ここからの反撃はカタルシスに溢れていて、今回の白眉。
まず、アイアンハイドがミックスマスターを投げ飛ばし、スクラッパーとの衝突による火花で、オイルに引火。
このままでは大火災になります。すぐさま消火活動へと移るオプティマス達。
バンブルビーの、「行け!レスキューファイアー!石油タンクを爆沈せよ!」というアドリブが炸裂。アイアンハイドの、「もう…ちょっと懐かしいね。番組違うけど」という応答もいい感じ。最近はストーリー自体の密度が濃い為、こうしたアドリブの入る余地が少ない印象がありますけど、今回はやってくれたという感じですね。
結局、消化は不可能と判断されます。こうなれば、オイルタンクをどこかへ運び去るしかない。
そこに現れたサムダック博士。
サムダック博士の持ってきたプラズマダイナミックスラスターで、タンクをワープさせる事に。「専門家」のアイアンハイドにより、プラズマダイナミックスラスターが調整され、ワープ先をごく近くに設定、ダイノボットの島の近くの海へタンクをワープさせます。
これにて一件落着。
オプティマス達がラグナッツの処へ戻ってくると、ラグナッツは既に居なくなっていました…。
実は、ラグナッツを助けたのはラムジェット。
「メガトロンには内緒」と言っていたので、現在ディセプティコンの連中は好き勝手に行動している可能性があります。ここで、よりによってラムジェットを出してくる辺りのセンスが素晴らしすぎますよね。
コンストラクティコン達は一体どうなったのか…?
また普通に出てくるかも知れません。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
いわゆる3rdシーズン開始三部作の最終編。
アメリカ版のトランスフォーマー・シリーズではよくある、「敵が行方不明になって終わる」というパターンが使われて、思わずニヤリ。このパターンで終わらせておくと、一旦は味方側に敵ボスの脅威が及ばない期間が生まれて「メデタシ」になれるし、後で再び敵ボスを来襲させる事が可能になるので、便利といえば便利です。
便利は便利なのですが、これは諸刃の剣でもあります。いわゆる「ツマンナイ」物語になってしまう危険も充分に孕んでいるのですが、そこはトランスフォーマー。実に手堅くまとめています。
面白い事に、地球の視点だけでみると、サリが暴走して、オメガスプリームが来襲するだけであり、オプティマス達がその対処に追われているだけ。しかし、サイバトロン星の視点で見ると、スペースブリッジは全て停止し、スパイの確保に追われ、エリートガードの一人(ブラー)は行方不明…と、結構大変な事になっています。
盛り上げという点では、サイバトロン星でのオートボットの危機的状況を、地球にも波及させるという手法が使われても良さそうですが、それをやらずとも、ラチェットの過去編を絡めて充分盛り上げてしまう手腕に脱帽なのでした。
というわけで、三部作最終編だけに素晴らしい盛り上がりですので、無駄話はなるべく慎もうと思います(笑)。
]]>バンブルビーがサリに刺されて危機的状態に。前回はこんな衝撃シーンで終了しましたが、今回の冒頭は勿論その続き。
鍵はサリの胸にセットされたまま。ラチェットは、何とか自分の医療技術でバンブルビーを救おうと頑張っていますが、実は少しだけ迷いがあるようです。
バンブルビーの治療に手をつける前に、思わず過去を思い出してしまうラチェット。過去編では、当時オメガスプリームを治療する事が出来ず、眠らせるより仕方のなかった状況が描かれます。バンブルビーの治療が不可能かも知れないという思いが、この過去を想起させた事は、想像に難くありません。
オメガスプリームは激戦で傷つき、スパークが消えいくような状態。いわゆる瀕死状態でした。
「オートボットらしく守る事を私に教えてくれた。でも私のした事はディセプティコンのように破壊する事だった」とオメガスプリーム。ラチェットは、友達としてオートボットらしい道をオメガスプリームに示したようです。
「やるべき事をしたまでやが。それが納得出来ん事でもなぁ」とラチェットは言います。「私は納得出来ない」とオメガスプリーム。「おいも納得出来ん」とラチェット。トランスフォーマーの世界においても、戦争はかくも理不尽であるという事です。
満足な設備も時間も確保出来ないラチェットは、修理出来るようになるまで、オメガスプリームを眠らせるという選択をしました。
これにより、オメガスプリームは単なる貨物船となって、後にオプティマスのチームで運用されるに至ったのです。
そして現代、何とかバンブルビーの治療を開始したラチェットでしたが、近くでは未だにサリの暴走が続いています。
サリの鍵を抜けば、サリは助かる。そう気付いた彼等は早速行動を開始。オプティマスとアイアンハイドがサリの行く手を阻み、プロールが鍵を抜くという作戦を展開し、見事サリから鍵を抜く事に成功しました。
しかし、サリの暴走が止まる気配はありません。
この事と、後のシーンを考え合わせると、サリの暴走に鍵は関係しておらず、サリが性急なアップグレードを行った事による歪みが、一気にサリの制御系を混乱に陥れたものと推測出来ます。
その間にもバンブルビーの容態はどんどん悪化。遂にラチェットも匙を投げてしまい、サリの鍵が必要だとオプティマスに伝えます。
プロールが鍵をラチェットの元へ急いで持ってきたものの、鍵のパワーはサリのアップグレードで既に尽きていたのでした。
憤慨するラチェット。しかしプロールは「鍵など必要ない筈。ラチェットなら、治せるである」と確信を伴なって励ますのでした。
ここでようやく前々回、前回のラチェットの発言にリンケージが成立して来ました。サリの鍵がなくとも、ラチェットは優秀な医師として仲間を救う事が出来る。しかし、それはラチェットの辛い過去の積み重ねがあってこそなのです。
サリの暴走はエスカレート。サリが触れるものは次々と爆発してしまう有様で、サリが何とかそれを我慢しても、蓄積したエネルギー波が周囲を一気に破壊してしまうなど、もはや手の付けられない状態になっています。
一方、ラチェット懸命の応急処置が的確に功を奏し、バンブルビーは一命を取り留める事が出来ました。
応急処置とはいえ、軽口をきけるようになる程の回復を見せていますから、ラチェットの腕は相当なものですね。
結局、オプティマスはサリを止めることが出来ず、最終手段としてラチェットの電磁パルスを用いる事を考えるのでした。
確かに、電磁パルスを使えばサリを止める事が可能ですが、半分有機生命体であるサリに使用して、安全であるかどうかは未知数。ラチェットはさすがに逡巡します。
しかし、サリは既に覚悟を決めているというか、至極楽観的というか、電磁パルスの使用をラチェットに促すのです。
結局、ラチェットは電磁パルスを使ってサリを止めます。上の画像、分かり難い構図ですけど、これでも最良の瞬間をキャプチャしたつもり。動画だと全く問題ありません。
さて、その頃サイバトロン星では…。
メトロフレックス(英名:メトロプレックス)だ(政宗一成氏風に)!
メトロフレックスは、G1に登場した「スクランブルシティ」で、都市モード、移動要塞モード、ロボットモードの三つのモードを持つ超巨大トランスフォーマーです。当時、トイを買ってもらって遊んでましたねぇ。
当時のデザインと殆ど同じですが、今回はいわゆるオートボットの司令本部という扱いになっているようです。
ロングアームがやって来て、クリフジャンパーに青い塊を処分するよう命じています。
この塊、色からしてブラーですね…。哀れ、スクラップになってしまったのでした。スパークが無事なら良いのですが、これだと無理かも知れませんねぇ。結構な衝撃シーンです。
ロングアームはショックウェーブとなり、メガトロンとの通信を開始します。本部で堂々と通信している大胆不敵さが空恐ろしい感じです。
その通信の内容はというと、まずメガトロンの計画は失敗。スペースブリッジのネットワークは停止され、ロングアームの正体もバレそうだという事。メガトロンは、その二つの問題を一気に解決しようと言います。
まず、スペースブリッジが機能しない点については、オメガスプリームのトランスワープを使えば解決。そして、ショックウェーブの正体暴露に関しては、オプティマスのチームを殲滅すれば解決というわけ。
メガトロンは、手始めにストライカ達に撤退命令を下し、一旦引いたと思わせます。
さて、その頃オプティマスは、サムダック博士を基地に招いていました。
オプティマス曰く、「チーム」の一員として迎え入れるという気持ちであるらしい。ここに来て、ようやく人間の協力者を正式に得た事になるかと。
そうこうするうちに、バンブルビーはまたトランスワープしかけますが、アイアンハイドがプラズマダイナミックスラスターを取り出してスイッチOFF。
これで、バンブルビーがあちこち勝手にトランスワープする心配は消えました。このシーンは、バンブルビー個人が置かれた状況を完了させると共に、しっかり後への伏線になっているんですよね。実に巧い構成だと思います。
しかも、トランスワープしそうになったという事が、そのままオメガスプリームがトランスワープを開始した事と繋がっていて、オプティマス達の前にオメガスプリームが襲来して来るという、正に数珠つなぎとなったシーンが矢継ぎ早に繰り出される、凄い展開になっているのです。
オメガスプリームがロボットモードにトランスフォームすると、その顔はメガトロンの顔に!
意思を奪われるという状態を端的に示す名演出ですね。
オメガスプリームを救うべく、プロールが内部からアクセスしてメガトロンから解放する作戦を提案。サイバーニンジャの技を使えば、オメガスプリームの意思に直接アクセスする事が出来ると言います。
脛部より侵入し中枢部(?)と移動するのですが、意外に到達が早く、コントロールパネルが一体どこにあるのかは、よく分かりません(笑)。
オメガスプリームの意識にアクセスするプロール。しかし、そこにはオメガスプリームの意思を乗っ取ったメガトロンが。仮想メガトロンは仮想プロールに襲いかかります。
紫のメガトロンが、G1「ザ・ムービー」におけるガルバトロン誕生シーンを思わせて嬉しいのですが、こうした仮想空間上でのバトルというのも、トランスフォーマーでは違和感がありませんね。
プロールは、メガトロンを倒すのではなく、あくまでオメガスプリームに呼び掛ける形をとり、その結果、オメガスプリームは一旦意識を取り戻す事に成功します。
顔が元に戻る事により、意思を取り戻したのが分かりやすく描写されています。やっぱりこの処理は巧いですね!
オメガスプリーム内部では、今度はオプティマスとメガトロンが戦闘状態に突入。
挑発するオプティマスが、すぐに敗色濃くなってしまうとか、ちょっと笑える部分もあったり。それでも、メガトロンをして「やるな」と言わしめており、オプティマス自身の成長振りも窺うことが出来ます。
ここで、意外な事にスタースクリームがオメガスプリームを乗っ取ってしまいます。
オメガスプリームは、スタースクリームの顔に…。
やってくれますね、スタースクリーム!
勿論、オートボット殲滅が目的ではなく、メガトロンを出し抜いてやろうという根性が発端ですけど、物語を引っ掻き回すという点において、完璧な働きをしていますよ。
オプティマスはやむを得ず、サリの助力を要請しますが、ラチェットは拒否して自らがオメガスプリームの前に立ちはだかります。
スタースクリームに意思を乗っ取られたオメガスプリームですが、ラチェットの呼び掛けに呼応して意思を取り戻します。
「頼む。私を止めてくれ。もう一度、眠りに就きたい」とオメガスプリーム。しかしラチェットは、「今日は、これを一度使ったとよ。もう使いたくなか。それは、勘弁してくれ」と電磁パルスの使用を躊躇します。
「やるべき事をするまでだ。例えそれが納得いかない事でも」
オメガスプリームは、かつてのラチェットの言葉を使って、彼を説得するのでした。
やむを得ず、電磁パルスを発射するラチェット!
ところが、オメガスプリームのその巨躯に、外部からの電磁パルスは通用しませんでした。
この機に乗じ、サイバトロン星に侵攻して一気に攻略すると豪語するスタースクリーム。この危機的状態に際して、バンブルビーとアイアンハイドは、プラズマダイナミックスラスターを用いて、宇宙のあちこちにワープさせ、サイバトロン星に到達出来ないようにする事を思いつきます。
見事に伏線が繋がりました。
飛び立ったオメガスプリームに飛び移ったオプティマスが、プラズマダイナミックスラスターを投げ込みます。
この作戦は図にあたり、一度はオメガスプリームのトランスワープによってサイバトロン星に到達出来たものの、すぐに別の場所にワープを繰り返す羽目になってしまいます。
その頃、ウルトラマグナスは事態を憂慮し、直ちにスパイの洗い出しを開始。まずは手始めに、ワスプの連行を指示します。
アルファートリン(英名:アルファトライオン)が居る!
モブキャラがマニア心をくすぐるので、全く油断できませんな。
G1に登場したアルファートリンは、オートボットの長老的存在。あるエピソードで神と同一視されるコンピュータ・ベクターシグマと融合してしまいますが、その後もその存在はオートボット達のアイコンとなっています。
多分アニメイテッドでは、単なるモブキャラなんでしょうけど…。
続いて、オプティマスとの連絡をとる必要があると言うウルトラマグナス。ロングアームは慌てて、オプティマスとの連絡は安全のために自分を通して欲しいと進言。
ロングアームは、オプティマスのチームが全滅すると踏んで、堂々と正体を明かしてしまいましたので、今連絡を取られるとマズい事になるわけです。ブラーがいない今、ロングアームの正体を知るのは、オプティマス達だけです。
にしても、クールなロングアームの慌てっぷりが凄い。計画が色々と狂ってきたので、彼も相当焦っている様子が窺えます。
とりあえず静けさを取り戻した地球。
ラチェットの話を素直に効いていれば良かったというサリ。
人間態でも目は青い状態なんですね。オートボットに近い存在になったという証左ですかね?
皆、ラチェットの腕の確かさを再確認したいうところで大団円。いいお話でした。
ところで今回、予告が凄まじいインパクトでした。とにかく物真似が激似!
「日曜洋画劇場」にはシビれました(笑)。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
サリがアップグレードするお話。極端に言えば、ホントに「それだけ」なんですけど、これは、前回と次回を含めて三話連続エピソードという構成故に、こんな雰囲気になっているわけです。
真ん中のエピソードらしく、前回に続いてラチェットの過去の断片が挿入されたり、スペースブリッジを巡る動きが細かく描写されたり。いわば殆ど大勢に関する動きに決着が付かないという、実に中途半端な状態。
しかしながら、マスターソンの一件は解決し、サリとサムダック博士の間の溝が解消されるという、一つの着地点はきちんと描かれているので、一応一つのエピソードとして成立しているのではないでしょうか。ちなみに、この「親子」の仲が元通りになる感覚は、色々な示唆に富んでいると感じます。
細かい描写が沢山重なるので、今回は実にまとめにくいのですが、もうスッパリ、サラリと時系列で流していきます。
]]>前回の続き。
オプティマスは、サリとサムダック博士を守るべく、スタースクリームのボディを操るヘッドマスターとの戦闘を繰り広げます。
この戦闘が、飛び道具を駆使して戦うのではなく、完全に肉弾戦系。これぞ、トランスフォーマーの魅力です。
G1当時はリアルロボット全盛期で、殴り合いを展開するような戦闘の多いトランスフォーマーは、色々と揶揄されていましたけど、これぞ当時は忘れ去られそうになっていたロボットプロレスの醍醐味であり、現在では、その良さを理解出来る人口も多くなってきたように感じます。というより、今はリアルロボットでもプロレスやってますもんね。
戦いの中、サムダック博士は、必死にサリをマスターソンから庇います。
サリを娘として大切に思い、「愛してるんだ!」と叫ぶサムダック博士。この言葉と行動に突き動かされたサリは、「父親」を守るべく、自分の持つ特殊能力を行使します。
まだ威力が弱いながらも、ヘッドマスターを威嚇するには充分でした。
しっかりとハグ状態の親子。
サリは、地球人ではありません。その意味で言えば、サムダック博士は里親に近いのですが、後で分かるように、単なる里親とは更に事情を異にします。この複雑で微妙なポジションこそが、今回の白眉たる要素でしょう。この辺りについては、後で触れます。
一方、トランスフォームを駆使してヘッドマスターを翻弄するオプティマス。しかし、元々高い戦闘力を持つスタースクリームのボディだけあって、次第に苦戦を強いられ始めます。
そこでオプティマス、マスターソンを挑発する事に。
その挑発とは、「トランスフォームしてみろ」という内容。まんまと乗ったマスターソンは、トランスフォーム!
しかし、頭がデカかった!
自滅したマスターソンは、今度こそ逮捕されてしまいました。ここで、ヘッドマスターの件は落着。
落ち着いた所で、プロールが登場。サリの出自についての調査結果を報告しに来たのでした。
プロールの報告によれば、サムダック博士が触れたという金属生命体は、プロトフォームではないかとの事。「スパークを宿す前の、我々の基になるものだよ」とオプティマスが説明していますが、この「プロトフォーム」という概念自体は、スパークと共に「ビーストウォーズ」より導入されたもので、近年のトランスフォーマー・サーガでは、もはや必須とも言える概念になっています。
ただし、このプロトフォームの概念は曖昧で、地球で組み立てられたロボットもトランスフォーマーになれる事から、あくまでサイバトロニアンの基という意味合いが強いものと思われます。ちなみに、「ビースト」でのプロトフォームは、サイバトロン星の先住民族であるオートボットやディセプティコンの誕生経緯には当てはまらず、後進のマクシマルとプレダコンの原型だという印象が強いです。
今回のプロトフォームには、ビースト系の概念が色濃く投影されていて、それがサリの誕生につながっています。
プロールによれば、プロトフォームが、偶然サムダック博士のDNAと合体した事によって、サリが誕生したのではないかと推測しています。これこそ、ビースト系におけるプロトフォームの振る舞いそのものです。
「じゃあ、私は半分サイバトロン星の人ってこと?」とサリ。
顔を曇らせるサムダック博士。
ところが、サムダック博士の心配とは裏腹に、サリの反応は、「最高!あなた達と従兄妹だ!」という、実にカラッとしたもの。
サリのキャラクター性を最もよく表現した一幕だと思います。
ここで、サリとサムダック博士の関係について触れてみましょう。
先程、里親という表現をしましたが、実は、前述のセリフ「あなた達と従兄妹だ」が示すように、サムダック博士のDNAとサイバトロニアンの特徴を併せ持つのがサリです。
つまり、父母のDNAのハイブリッドが子どもだという理からすれば、サムダック博士の子どもだと言っても全く差し支えない。ただ単に、誕生の経緯が特殊だっただけで、サリは正真正銘サムダック博士の娘だということになります。
サリにとってのネックは、自分が生物学的な成長を遂げて来たわけではない(かも知れない)ということです。しかし、サリのあっけらかんとしたキャラクターと、サムダック博士の父性愛によって、そのネックは殆ど払拭されてしまったのではないでしょうか。
さて、周囲でも様々な動きがあります。
アイアンハイドは先のヘッドマスター戦で負傷、バンブルビーは行方不明。ここまでは前回に詳細が描かれていますが、ようやくラチェットがこの事態に気付きます。
一方宇宙では、オメガスプリームがトランスワープの後、眠ってしまうという事態に。しかも、メガトロンが企図していたサイバトロン星到達は果たされないままです。メガトロンは、オートボット最強の武器であるオメガスプリームをコントロールする野望に燃えており、サイバトロン星に到達するより先に、その目的を果たそうと知略を巡らせ始めます。
さらにサイバトロン星での出来事。
ウルトラマグナスが緊急措置としてスペースブリッジの運用を禁止した為、ロングアーム(=ショックウェーブ)は、やや慌て気味。そこに、宇宙を駆けまわっていたブラーが戻って来ます。
ブラーは、ディセプティコンのスパイに特定したショックウェーブの音声と、ワスプの音声を照合した処、一致しなかった事を報告。他のオートボットの誰かと照合すれば、必ずスパイが見つかるのではないかと進言します。
しかし、情報部のロングアーム長官こそがディセプティコンのスパイ。
そうとは知らないブラーを、ロングアームは無慈悲に消そうとするのです。
哀れ、ブラーはトラップにかかり、スクラップに…?
まさかここで退場じゃないですよね。う~ん、どうも退場ということらしいのですが…?
その頃地球では、アイアンハイドの治療に勤しむラチェットを差し置き、鍵で治癒してしまうサリの姿がありました。
ラチェットは長い間、自分流のやり方で仲間たちを治療してきた自負があり、サリの鍵の行使には少々疑問を感じている様子。はっきりとは言いませんが、ラチェットの胸の内には、仲間たちも、サリの鍵をアテにして安易に危険な目にあっているのではないかという疑念がありそうです。
ラチェットはサリを、「新しい生き方を、時間をかけて学べばよか」と諭します。
絶対的に戦力不足であるオートボットにとって、サリと彼女の持つ鍵は必要な力なのですが、それでいいのかという疑問が、ラチェットの中にあるようです。
また、サリを導くような言動は、彼の過去に関係しているのでした。
ここで話はラチェットの過去へ。
アーシーは、実はオメガスプリームのアクセスコードを持っていた為に、ディセプティコンに狙われたのでした。記憶を失ったアーシーは、それでもアクセスコードの持つ意味と有用性を深層で認識していたらしく、最も安全な機会である「手術中」を待って、ラチェットにアクセスコードを託したのでした。前回、ラチェットの頭部に向けて照射されたビームには、アクセスコードの伝達作用があったのです。
アーシーは情報部に入る前は教師だった為、オメガスプリームの教師役をする予定だったらしい。オメガスプリームは、知能には優れるが、戦う事に疑問を持たないよう設計されたようで、正しく導く者が必要だったのです。
アーシーが行動不能になった今、それが出来るのはアクセスコードを継承したラチェットのみというわけ。
ここでは、オメガ計画の中枢技術者として、ホイルジャックとパーセプターが登場!
どちらもG1に優秀な技術者として登場したキャラクターで、デザインも殆ど同じ。ただし、彼等は真面目だが割と陽気な科学者といった風情だったので、今回のパーセプターのロボットボイスにはビックリ。無機的でちょっとした怖さすら感じさせます。
ちなみにG1では、ホイルジャックはランチア・ストラトスに、パーセプターは顕微鏡にトランスフォームしていました。
さて、決心したラチェットは、オメガスプリームを起動させます。
「私はオメガスプリーム。あなたの命令通り動く。私はあなたの生徒」
「おいはラチェット。おいは、君の友達」
教師ではなく「友達」を名乗るラチェットがいいですねぇ。
ラチェットがボーッとしている間に、バンブルビーの話題へ。
アイアンハイドは、バンブルビーが何も言わずに突然失踪するようなヤツではないと主張。バンブルビーが、プラズマダイナミックスラスターを持っていた事から、たまたまトランスワープ波をキャッチして、宇宙に飛ばされたのではないかと推測します。
アイアンハイドは、追跡装置を修理できれば居場所を調べる事が出来ると言うのですが…。
早速ラチェットが追跡装置の「診断」を始めましたが、サリが鍵ですぐに追跡装置を蘇らせてしまいます。
「ラチェット、仕事が遅い」とサリ。溜息をつくラチェット…。
で、この辺りから舞台があっちこっちに飛びつつ、話が繋がるのでややこしいのですが。
まず、メガトロンは電子手錠でオメガスプリームを再起動し、自由に操ろうとしています。ところが、オメガスプリームの周囲にモンスターが次々と現れ、危機を察知したオメガスプリームは、トランスワープに入ります。
続いて、バンブルビーが、オメガスプリームの飛び立った跡の宙域にトランスワープしてきます。要するに、オメガスプリームのトランスワープの航跡を追うような形でワープを繰り返しているわけですね。
それを、地球に居るアイアンハイドがキャッチ。バンブルビーを地球にワープさせることに成功…の筈が、現れたのはオメガスプリームに群がったあのモンスターでした。
しかし、アイアンハイドの追跡は実は正しく、モンスターの体内にバンブルビーの反応があるのでした。
ラチェットは電磁パルスを装備して現れ、「おいはこのチームのドクターだ。そして、400万年の間、これを使って治療を続けてきた。どうだ、こん事に文句のある奴はおるか」と意気込みを披露します。この口上、文脈的にかなり分かりにくい印象があります。きっと、サリを牽制(勿論保護者的な目線で)しての発言であり、サリの鍵に頼ることなく、自分の身を大事にせよというメッセージなのでしょうけど、ちょっと分かりにくいですよね。
サリは自分もトランスフォーマーだから戦えると張り切っていますが、結局は残るように言われ、子供扱いされていると感じるサリは、鍵によるアップグレードを試みます。
何と、サリのアップグレードは成功。身の丈はティーンエイジャーに成長し、戦闘モードへとトランスフォームしました。
その頃、なおメガトロンは電子手錠を用いて、オメガスプリームを操ろうと試みていました。スタースクリームはそれを茶化し、「ヘヘ、頑張るねぇ穴子さん」などと発言(笑)。
勿論、「穴子さん」とは「サザエさん」に登場するキャラクター。メガトロン役の若本規夫さんは、その穴子さん役として有名なので、それを茶化したギャグですね。以前、メガトロンがサムダック博士を「フグ田くん」と呼んで自らネタにしていましたが、ここに来て自分以外のキャラクターからネタにされてしまいました。
悪態をつくスタースクリームを鷲掴みにしたメガトロンは、その額に埋め込まれているオールスパークの欠片に注目。スタースクリームの頭を電子手錠に接触させて、遂にオメガスプリームを操る事に成功するのでした。
さて、地球ではアップグレードしたサリの活躍開始です。
その戦闘能力はなかなかのもので、光る手刀を駆使したり、素早い動きで相手を翻弄したり。ハンマーを形成して相手の装甲を叩き割る事も!
遂に、バンブルビーは救助されました。痛快そのものです。
驚くバンブルビー達。サリはアップグレードされた自らの能力に得意げです。ちょっと等身が変わっているのが分かりますね。
しかし、ここでハッピーエンドとならないのが絶妙なのです。
サリは突如、自分の行動を制御出来なくなり、暴走しはじめます。ここで、ラチェットの危惧が顕在化したわけですね。サリは、必然とはいえ安易に鍵を使って自らを進化させました。そこにラチェットのような深い思慮は介入しないので、このような事態になってしまった。そういう類のテーマ性が感じられます。
そして、サリの一番の友達を自負するバンブルビーが、制止しようとするものの、何とサリの凶刃がバンブルビーを…!
致命的なダメージを負ったバンブルビーは、その場に倒れてしまい…。
予告では、バンブルビー死すということになっていました(笑)が、果たして!?
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
アメリカ版で言うところの、3rdシーズンに突入。前回とは緩いクリフハンガー形式になっていて、連続性を感じさせる構成ではあるものの、やはり「新章」というイメージが強いですね。
サブタイトルでは、サリの秘密が前面フィーチュアされている印象を与えていますが、実際はサリの出自については謎を含ませて軽く触れられているだけ。遠い宇宙で起こっているオートボット VS ディセプティコンのスペースブリッジを巡る攻防がメインです。
さらに、ラチェットの過去、即ちアーシーとの思い出を絡めてくるので、結構複雑になっています。
そして、モブキャラが物凄く多い!
しかも、モブキャラと言いつつ、それぞれにしっかり名前があって、G1キャラだったりビースト系キャラだったりして目立つ。これを全て認識するのは大変ですが、私が分かる範囲で拾っています。というわけで、キャプ画がモブキャラメインになってしまいました(笑)。
では、ストーリーも併せてどうぞ。
]]>冒頭は、いきなり宇宙での戦闘シーンで開始。ロディマス率いる「チーム・アセニア」と、ストライカ率いる「チーム・ジャール」による、スペースブリッジを巡る攻防です。
アセニアにジャールというキーワード、「2010」をしっかり見ている方はすぐにピンと来るのでは。
「2010」には、アセニアとジャールという二つの惑星が登場します。アセニアは、オートボット達がユニクロン戦争での勝利を祝してオリンピックを開催した場所。ジャールは、サイバトロン星から放逐されたディセプティコンが、一時的に根城にしていた惑星です。
なかなか巧いネーミングだと思います。しかも実にマニアック。
さて、チーム・アセニアとチーム・ジャールに多くの新キャラクター(名のあるモブキャラ扱い?)が所属。
アーマーハイドは既出なので、ここでは紹介しませんが、まず、ブローン。
もう、見た目がG1の同名キャラと殆ど同じですね。ちなみに、G1での日本名は「ゴング」でした。
そして、ホットショット。
これは、「マイクロン伝説」に登場した同名キャラと、カラーリングは多少違いますが、スタイルが殆ど同じ。日本名は「ホットロッド」で、しかも今回、当時ホットロッド役だった岡野浩介さんが演じています。これは嬉しいキャスティング(今作ではマスターソン役なので、片手間ではありますが)。
現在のバンブルビーの原型は、このホットロッドだったのではないかと思いますねぇ。
そして、傷付いたホットショットを看護に現れたのは、ミネルバ!
ではなく、このキャラにはレッドアラートという名がついています。
レッドアラートは、G1では男性キャラであり、ファイアチーフ(消防指揮車)に変形する保安員でしたから、名前だけ拝借したのではないでしょうか。デザイン的には前述のように「マスターフォース」のキャラクターであるミネルバを意識しているようです。
ただし、よく見ると胸部デザインなんかは「マイクロン」のレッドアラート(日本名:ラチェット)と酷似。要するに、このレッドアラートはG1ではなく、「マイクロン」版なんですねぇ。
チーム・ジャール側には、スピッター。
このキャラクターはビースト系で、当時はカエルそのものに変形するトイでした。
で、真打登場!
ロディマス=石丸博也さん!
G1ファンとしては、オメガスプリームの玄田哲章さんに匹敵するサプライズ・キャスト!
当時と比べ、多少歳月の経過を感じる部分はあるものの、最近ウルトラマンタロウの声を若々しく演じられているだけあって、やっぱり若々しい声。石丸さんの場合、ジャッキー・チェンもタロウもロディマスも(ついでに兜甲児も)同じ声なんですけど、いかにもそのキャラクターが喋っているかのようなシンクロ感があるんですよね。
なお、このロディマスは「プライム」の一人ですけど、デザイン自体は「ロディマスコンボイ」ではなく「ホットロディマス」を意識しているようです。トイもビークルモードはホットロッドカーだし。
チーム・アセニアの苦戦を知るエリートガードも、猛攻激しいディセプティコンとの防衛戦を繰り広げていました。久々登場のジャズは、「ディセプティコンはスペースブリッジ全てを奪う気だ!」と危機感を強めていますが、ロングアームは、「サイバトロン星のスペースブリッジ・ネクサスは完璧に守られています。ご安心下さい、司令官」と報告しています。
勿論、ロングアームはディセプティコンのスパイ・ショックウェーブなので、虚偽報告なのですが。ただし、まだサイバトロン星は侵攻されていませんから、ある意味スペースブリッジの周辺は静かです。
スピッターに続いて、チーム・ジャールのメンバーも続々登場。
まず、一番のサプライズ・キャラが、このサイクロナス!
ビークルモード、ロボットモード共にG1の同名キャラに激似。素直に興奮してしまいました。もう少し活躍の場があると嬉しかったのですが。また、G1ではボスであるガルバトロンの右腕的存在でしたから、一部隊員という扱いには少々不満です。
続いて、この巨大なヤツは、ブラックアウト。
実写映画版の同名キャラを意識していて、電磁パルスでスペースブリッジのコントロールパネルが狂ったりする辺りは、正に実写映画版の踏襲ですね。
続いて、チーム・ジャールのリーダーであるストライカ。あんまり良いキャプのタイミングがなくて、こんな地味なカットになってしまいましたが。
ストライカは「ビーストウォーズ・リターンズ」に登場したキャラクターで、デザインも殆ど同じです。
しかも、声まで愛河里花子さんという事で、一緒!
愛河さんといえば、「リターンズ」の映像特典でぶっ飛んだ発言をしたりで、衝撃を受けた覚えがありますねぇ。
そして、オイルスリック。
ロックダウンにちょっと似た感じですが、元々トイのみのキャラクターだったので、あんまり印象が強くないですね。しかし、彼の使う武器がマニアック。
手にした液状の物体をロディマスが浴びてしまい…。
こんな具合にサビに覆われてしまいます。「宇宙サビ」とロディマスは呼称していましたが、これって、G1のエピソードに登場した「恐怖のコスミックルスト!」ですよね。細かい部分でのネタが、いちいちマニア心をくすぐります(笑)。
さて、チーム・アセニアを制し、スペースブリッジを掌中に収めたチーム・ジャール。ストライカが、アクセスコードを入力してサイバトロン星に行こうとしますが、ショックウェーブの連絡によれば、まだメガトロンがサイバトロン星に到着していないので、指示を待てとの事。
チーム・ジャールが、メガトロンの作戦失敗について、まだ知らされていない事が分かります。
そのメガトロン、とあるエリアに飛ばされていました。幸い(?)スタースクリームの頭を一緒で、スタースクリームの頭から放たれたビームによって、電子手錠の解除に成功します。
この顔、何だか怖いですなぁ。
さらに、そのエリアにはオメガスプリームも。メガトロンは、オメガスプリームを利用してスペースブリッジのある場所へ移動し、サイバトロン星に辿り着く事を思いつきます。
ここでお話は地球へ。自分がロボットであると知ったサリは、サムダック博士に真相を問い質していました。
数年前、サムダック博士は研究所から不思議な光が漏れているのを見つけ、液体金属の小さなロボットを発見しました。そのロボットに触れた途端、サムダック博士の全身に衝撃が走り、気絶したサムダック博士が目覚めると、そこにサリがいたという寸法。
つまり、この時の「液体金属の小さなロボット」こそがサリの正体。ビースト系で始めて概念が紹介された「プロトフォーム」にあたるものですね。だとすると、サムダック博士を生体スキャンした事になります。
サムダック博士とサリがサムダックタワーに戻ると、そこにはパウエルとマスターソンが。
調子良くサムダック博士を迎えるパウエルと、悪態をつくマスターソン。勿論、この二人の本音はマスターソンの言い草と一致します。
その後、サムダック博士とサリを罵倒しまくるマスターソンを、オプティマスがつまみ上げたり。
サムダック博士は、すぐに二人を会社から追放。なおも悪態をつく二人に怒ったサリは、両手が衝撃波を発する器官にトランスフォーム!
自分の身体に起こり始めた変化に、サリは戸惑いを覚えます。
結局、サリは一旦オートボットと共に暮らすことにしました。
プロールは「液体金属の身体」というキーワードを元に、サムダック周辺について調査を開始します。この行動の素早さがいい。
また、オプティマスはメガトロンのスペースブリッジを、アイアンハイドに修理させる作戦を立案します。スペースブリッジを利用して、サイバトロン星のスパイがもたらそうとしている危機を、防ごうというわけです。
ラチェットの診断で、サリは基本的には生命体だが、回路はサイバトロン星のものと判明します。サリは、自分がメガトロンの部品で作られたのではと思い、激しくサムダック博士を嫌悪。オプティマスは、親子が心で繋がっているのではないかと言いますが…。
サリの様子を見て、ラチェットに過去のフラッシュバックが起こります。
アーシーに電磁パルスを浴びせて記憶を失わせた後、ラチェットは何度かアーシーに対する尋問を行ったようですが成果はなく、ウルトラマグナスを始めとする上層部は、いよいよアーシーの記憶中枢への直接アクセスを試み始めます。
サイバトロニアンがロボットである事を、思い出させるヒトコマ。今回、このアーシーに関するラチェットの過去のシーンが、逐次登場します。
一方、別のエリアでは、ブラーがスカイワープ、サンダークラッカーと共にミックスマスターのコンクリートに固められたまま、宇宙を漂っていました。
ブラーが思いつくままの脱出法をベラベラと短時間で喋りまくると、サンダークラッカーはその中から役立つ情報を抽出し、脱出に成功します。
ブラーはスカイワープの追撃を逃れるべく、何とその類まれなる走力によって宇宙を翔けていきます。
凄いぞブラー。ブラーブラブラ三ブラブラ…。
その頃、メガトロンは巧みな話術でオメガスプリームをたぶらかしていました。
メガトロンは、自分が捕虜であると称して、攻撃の意思がないことを強調。また、裁判を受ける為にサイバトロン星に行く必要があると言い、オメガスプリームの思考パターンを巧みに誘導して行きます。この卓抜した悪知恵こそが、メガトロンの真骨頂。武力的に強いのもアリですが、やっぱりメガトロン様はこうでなくては。
このメガトロンの話術によって、オメガスプリームは宇宙船に変形。トランスワープシステムでサイバトロン星へ!
そう、メガトロンは、オメガスプリームにスペースブリッジのある場所まで行くよう仕向けるつもりだったのが、一気に手間が省けてしまったというわけ。オメガスプリームが、トランスワープシステムが搭載された決戦兵器だった可能性を伺わせています。
一方、地球ではアイアンハイドとバンブルビーが、大破したスペースブリッジの部品集めに奮闘中。
二人のやり取りがコミカルながら、アイアンハイドが的確な指示を出す辺り、なかなかの緊張感を備えています。
そして、バンブルビーの身に、思いもよらぬ出来事が。
ある部品を拾ったバンブルビーは、その部品の作用でワープしてしまったのです。
さらに、今度はマスターソンが動き出します。
転がっていたスタースクリームのボディに、ヘッドマスターユニットを合体させて、サムダック博士やオートボットへの復讐を果たすべく「チョー最高!」と立ち上がります。アイアンハイドが迎撃しますが、スタースクリームのボディの持つ戦力は絶大で、たちまち敗れてしまいました。
この辺、あらゆる話が錯綜しているので、着いて来て下さいね(笑)。
今度はサムダック博士ですよ。
プロールがぶら下がってますが、これは隠密行動。プロールは、サムダック博士のコンピュータを走査したり、サムダック博士自身の身体をスキャンしたりと、すでにサリの正体を見極めているようです。さながら、「ミッション・インポッシブル」のイーサン・ハントのようなスパイっぷり。カッコいいです。
プロールの感想は、「実に面白い」でした。大方の見当がついたようです。
ここでまた、ラチェットの過去編へ。
ラチェットは、アーシーのブレインサーキットを調査中に、突如アーシーの額から放たれたビームを受けます。
事態を把握できず、「何かが起こった」としか答えられないラチェット。長官の一人であるハイブロウが、なにやら慌てた様子で別の部屋へと急ぎます。
ハイブロウといえば、G1で言うところの「ザ・リバース」に登場するヘッドマスターの一人。日本版では「ヘッドマスターズ」の主役陣の一人でした。今回のハイブロウは、名前は同じですが、印象はかなり違ったものになっています。
ウルトラマグナス、ハイブロウを追いかけ、別の部屋へ招かれたラチェットは、そこで「オメガ計画」なるプロジェクトに基づいて建造されていた、オメガスプリームを目の当たりにしました。
つまり、アーシーは記憶を失いつつも、ラチェットにキーとなる情報を伝えたようなのです。そして、その情報は「オメガ計画」にとって重要なものだったと思われます。
現代へと話を戻し、オプティマスはサリとサムダック博士を何とか引き合わせようと画策。
「バーガーボット」に行こうと、サリを強引に誘いつつ、その声をそのままサムダック博士の電話につないでいます。
要するに、サムダック博士も「バーガーボット」へ来いと誘っているわけです。
しかし、それはマスターソンによって盗聴されていましたよ。
オプティマスはサリとサムダック博士を引き合わせる事に成功しましたが、サリは非常に不満げ…。
サムダック博士は何とかサリを説得しようとするのですが、そこに水を差す者が。
マスターソンは容赦なく復讐のビームを放ってきます…!
ここで今回は終了。見事に次回へと引っ張っていますが、さて、どうなるか!?
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
遂に、第二シーズンのクライマックス。日本版では、あんまりシーズンを意識する事がないですけど、話数調整によって、丁度2クールの最終話になり、9月最後ということでキリも良し。そんなわけで、怒涛の展開がホントに素晴らしい名編となりました。
前回、スタースクリーム軍団とブラーのロボットモードが(日本版ではコンストラクティコンも)初登場となりましたが、いきなりの新キャラ大量登場であったにも関わらず、次の回(つまり今回)でガンガン動かしてくるのが凄い。スタースクリーム軍団もブラーも、ついでにコンストラクティコンの二人も、それぞれのキャラクター特性を活かして大活躍です。しかも、めまぐるしく動きつつ、ストーリーテリングの根幹を形成する要素になっている。これは凄いです。
特に、スタースクリーム軍団の演じ分けは、山野井仁さんの独壇場!
色分けで見分けはつくけども、これは誰でそれは誰?という感じであるにも関わらず、完璧にそれぞれの特徴的な性格を表現していました。これには、チョーさんのアドリブも霞んでしましましたな(笑)。
そして、今回最大のトピックは、「あの方」の登場でしょう。
そう、G1コンボイ役、そして、実写版オプティマス役の、玄田哲章さん!
もう、声が聞こえてきた時点で大興奮。しかも、オメガスプリームの声ですよ。この辺は、続きで触れますね。
では、早速本編の方へ参りましょう。
]]>スペースブリッジは、スタースクリーム軍団の襲撃を受けます。
スタースクリームの狙いは、スペースブリッジではなく、あくまでメガトロンへの復讐であり、とにかく乱射しまくるという、物量による制圧作戦をとってきます。
即ち、三つ巴の乱戦となっていくのですが、面白いのが、スタースクリーム軍団の攻勢に、オートボット、ディセプティコン両軍共に手を焼いていて、スペースブリッジの攻防に手が回らない状態になっている事。
というわけで、まずは邪魔なスタースクリーム軍団を何とかすべく、オートボット、ディセプティコン(というよりメガトロン)双方が動くことになります。そう、私の大好きな利害の一致パターンです。
もう乱戦が、瞬きを許さないレベルになっています。
プロールが電子手錠をかけたかと思えば…。
すぐに仲間が外してしまう。
ブラーが次々と電子手錠をかけていったものの、ミックスマスターのセメント攻撃に巻き込まれてしまう。
もう、大混戦でございます。
一方で、アイアンハイドは何とかスペースブリッジの起動を阻止しようと奮闘中でした。
スタースクリーム軍団の襲撃で、メガトロンの手が回っていないからこそのシーン。物凄くテンポ速いですけど、構成がしっかりしていて矛盾がないので、流れが分かれやすくなっているという、もうお手本のようなお話です。
そして、徐々に追い詰められていくメガトロン。しかし、まだ彼には充分余裕があったようです。
一方、ラチェットは船を何とか起動させるべく、スパークチャンバーにオールスパークの欠片を入れ、サリの鍵の助けを借りるなど、手を尽くしていました。
その甲斐あって、遂に船の思考と音声が復活!
ラチェット曰く、船は、グレートウォー以来200万年以上眠ったままになっていたらしい。「彼」は仲間を救うために自らのスパークを犠牲にし、貨物船に姿を変えていたのでした。
そして、ここで「オォ~ッ!」と驚くこと請け合い(古いファンならば…ですけど)。遂に、アニメイテッドでも玄田さんの声を拝聴出来たのですよ。
あれ?オプティマスは別に居るのに…もしかしてプライマス?
などと考えてはなりません。G1をよ~くご覧下さい。船のカラーリングと、この玄田さんの声から、自ずと一人のキャラクターが浮かび上がってくるではありませんか。
ちなみに、私は「スーパーリンク」でプライマスに玄田さんがキャスティングされた時、違和感ありまくりでした。確かに、プライムのオリジンとしてのプライマスに玄田さんの声をアテるという発想は、真っ当なのかも知れませんが、プライマスって、いわゆる「コンボイ顔」じゃないではありませんか。何だか、安易なキャスティングだと思いましたよ。
しかも、玄田さんは非常にお上手な方なので、別のキャラクターを演じると、ホントに全然別のキャラクターになるので、プライマスはプライマスになっちゃったわけです。なまじ「トランスフォーマー・シリーズ」なので、コンボイがプライマスを演じているみたいになってしまい、どうにも首を傾げたくなってしまったのでした。
さて、一方で混戦模様は継続中。
オプティマスとメガトロンは、防戦を繰り広げていましたが、遂にメガトロンはその本性を顕にします。何と、オプティマスをつまみあげて、盾にしてしまうのです。
今回は、オプティマスは殆どメガトロンに歯が立ちません。この盾にされるシーンは、それを如実に示しています。
この行動によって好機を見出したメガトロンは、すぐに「ミックスマスター、スタースクリームの顔を攻撃せよ!」と命令を。
この「顔」という言葉を聴き、サムダック博士はヘッドマスターの使用を思いつきます。
使える要素は使い尽くす。この姿勢が散漫になりがちな乱戦シーンに刺激を与え、うねりを生み出しています。素晴らしいですね。
一方で、プロールも電子手錠をかけられてしまい、オプティマスと共に昏倒中。
絶対的な危機がオートボットに降りかかってくるテンションの高さに、引き込まれます。
そして、サムダック博士はヘッドマスターを起動。スタースクリームを首チョンパ(笑)。
まんまとボディを奪ってメガトロンに挑戦します。
サムダック博士は長年メガトロンを研究してきたので、彼の弱点については熟知している筈。本人も自信満々だったのですが…、残念ながらメガトロンに一蹴されてしまいました。シーンとしては極端に短いですけど、ここでサムダック博士が自らメガトロンに挑戦したというくだりが良いのです。
ここで、スタースクリームは殆ど敗北した状態になってしまいました。と、その時、スタースクリームのクローン軍団は次々と本来のリーダーであるスタースクリームに離反。メガトロンに付くのでした。
皮肉にも、裏切り者スタースクリームは、自分の分身達に裏切られてしまったのです。哀れ。
さて、遂に岩山より脱出を果たした船が、オートボットの危機を救いに飛来します。
そして、ここにもこの事態を打破しようとするオートボットが一人。
プロールは、「ンーーーーーーーーー」という怪しげな歌(?)を発し、集中力を高めて手錠を外そうとしているのです。
プロールの行動は、バンブルビーによるツッコミの格好の的になっていましたが、裏を返せば、ツッコミが出来る程度まで、やや静かな状況になったという事。この状況を利用して、オプティマスとアイアンハイドが会話を展開しています。
メガトロンは、スペースブリッジを用いてサイバトロン星にトランスワープし、サイバトロン星を拠点に宇宙を支配する事を目論んでいますが、そのスペースブリッジの技術を、アイアンハイドはいつ身につけたのか。オプティマスは意外性のあるアイアンハイドの一面に興味があり、その質問をアイアンハイドに投げかけていました。
アイアンハイドは、サイバトロン星でスペースブリッジの技術を学ぶ時間が沢山あったと答えます。「とにかく好きだった」というアイアンハイドの言葉からは、元々彼は戦闘を好まないキャラクターである事がよく分かります。
アイアンハイドは、スペースブリッジには共通コードが必要であり、送信側と受信側で同一のコードを用いないと、機能しない事を指摘。何故メガトロンがスペースブリッジの起動を確信しているのか、疑問に思っていました。
その話を聞き、すぐにバンブルビーはワスプが手引きしていると睨みます。
ところが、バンブルビーは直後に、ワスプへの嫌疑が誤りであると気付く事になります。
メガトロンとの通信モニタに現れたのは、ショックウェーブ。何故かショックウェーブはバンブルビーの事を知っています。
勿論、それはショックウェーブがロングアームその人だったからです。
驚きのあまり絶句するバンブルビー。アイアンハイドは、「君は無実のロボットを刑務所に送った…」と力なく呟くのでした。
重い!暗い!
しかし、ここでガクンとテンションを落としておくことにより、直後の怒涛の展開に弾みをつけているのです。
展開されたのは、船とスタースクリームクローン軍団の空中戦!
船はダメージを被っていますが、まだ軽微。ところが、船の思考はかなり悲観的であり、何度も挫けそうになります。
しかし、ラチェットは懸命に船を鼓舞。そして遂に、「緊急防御モード・コードネーム=オメガ」を発動させる決意をします。サリが鍵でシステムにショックを与え、ラチェットが「関節を緩める」という処置を施すと、船はトランスフォームを果たし、オメガスプリームに!
そう、船はオメガスプリームだったのです!
このアニメイテッド版オメガスプリーム、そのスタイルや、先の大戦で精神的に疲弊していたりといった要素が、G1のオメガスプリームをしっかり踏襲していて、旧来のファンには嬉しいキャラクター造形になっています。後のラチェットのセリフにもありましたが、最終防衛戦士というポジションもG1の踏襲なんですよね~。
で、玄田さんの話に戻りますけど、玄田さん、G1のオメガスプリームの声なのですよ。
玄田さんと言えば、一般的にはもうオプティマスなんですけど、ちょっとコアなファンにとってはオメガスプリームの声でもあります。G1メガトロンの加藤精三さんが、デバスターの声も担当されていたのと奇しくも同じ構図。それだけに、印象的なのです。
初代アニメでは、コンボイとオメガスプリームがサシで会話するなんていう、もう鳥肌モノのシーンがあったりするのですが、お気付きのように実質一人芝居なわけですよ。もう、職人技を見ることが出来るとあって、今でも何回も見てしまうエピソードになってますね。
ここで、このアニメイテッドで、あえて玄田さんをオメガスプリーム役にキャスティングするというセンス!
もう絶賛、絶賛、また絶賛ですよ、私の中では。
さて、興奮覚めやらぬまま、本編に戻りますが、ここで今度は「怪獣特撮ファン」に響くシーンが登場。
そう、巨大なオメガスプリームを制止すべく、スリップストリームがオメガスプリームの足を狙うよう指示するのです。これは、怪獣相手の作戦の定番。特に重量級の怪獣に対して有効に描かれます。
まぁ、発想的には正義と悪が逆転しちゃってるんですが、思わずニヤリですね。
オメガスプリームはその場に倒れこみ、またも弱音を吐露。
ラチェットは、「オメガスプリームは防衛の最後の砦だ。彼は戦争で多くのロボットが死ぬのを見てきた。そりゃ、悲観的になるのも無理はなか」と説明しています。
G1のオメガスプリームは、感情を奪われ、復讐の目的意識を密かに燃やすというキャラクターでしたが、今回のオメガスプリームは、もっとナイーヴというか、より人間的で深い感情設定がなされていると思います。
そして、ラチェットの注ぐエネルギーと、懸命な励ましで、再び立ち上がるオメガスプリーム!
全身の武装を開放するカッコよさは、G1のそれを超えています。
一方、プロールは遂に集中力を高めて手錠を外す事に成功!
刹那、メガトロンによってオプティマスがスペースブリッジに放り投げられる!
オプティマスの危機を、プロールのソーサーエッジが救う!
ソーサーエッジが、見事オプティマスの手錠に命中。オプティマスはすぐさまウルトラアンカーをメガトロンに巻きつけ、脱出に成功します。
同時に、スペースブリッジがパワーダウン。動作が不安定になっています。メガトロンはパワーコアへオールスパークの欠片を追加投入する事で、事態を改善しようとします。
最も近い場にあるオールスパークの欠片は…スタースクリームの頭!
無残にも、スタースクリームの頭はパワーコアへ投入されます。
すると、メガトロンの思惑は外れ、スペースブリッジが暴走を開始します。
メガトロンが吸い込まれて銀河の彼方に…。
オートボット達が吸い込まれるのも時間の問題と思われたその時、オメガスプリームが登場。身を呈してトランスワープエネルギーを吸収し始めます。
「皆を守るためなら、私が犠牲になる!」
熱い!実に熱い展開です。玄田さんの声がまたマッチしてるんですよね。
犠牲になる為に起動させたわけではないと嘆くラチェットも、感動を誘いますよね…。
今回の大騒動は遂に収束したわけですが、高い代償を払うことになってしまいました。
アイアンハイドの、宇宙の何処かに居るという言葉が、救いになっていますね。
ここで大団円…と思いきや、サリの身に異変が…。
何と、サリの肘のあたりから機械が露出し、スパークしている!
サリの正体とは、一体!?
と、こんな具合で次クールへと続いていきます。いやぁ、引っ張りますねぇ。
ところで、音仏家のコーナーでは、しきりに「トランスフォーマー2010」を「トランスフォーマー・ツーオーワンオー」と呼んでいましたが、本放送時の正式な呼称は「ニイゼロイチゼロ」です。
アイキャッチで、「エキサイティ~ング・トランスフォーマー・ニイゼロイチゼロ!」という、クールな正宗節が炸裂しますし、「今日のトランスフォーマー・ニイゼロイチゼロ、どうだったぁ?」というセリフで始まる「トランスフォーマー・ニイゼロイチゼロ情報」なるミニコーナーがあったので、間違いありません。
ただし、初代アニメが「2010」に切り替わる直前の、タカラ主導によるプロモーション映像では、「トランスフォーマー・トゥーオーワンオー、近日スタート!」という正宗節が炸裂しています。勿論、こちらを意識する程、このコーナーはマニアックではありませんので、単に語感のカッコよさを狙ったのかなぁ、と。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
サブタイトル通り、キャラクター各々が色々な動きをしていて、整理が大変なエピソード。しかし、整理しようとするから大変なのであって、普通に視聴する分には、充分分り易い構成になっており、いつもながら巧いなぁ…と感心してしまいます。
新キャラクターも、スタースクリームのクローン軍団にコンストラクティコンの二人、そしてロボットモード初登場のブラーといった具合に、一挙大登場。こりゃ凄い。コンストラクティコンに関しては、誕生編と思しきエピソードが放映されない事になってしまっていますが、恐らくDVDでフォローされるのでは。
まぁこんな感じで、正に怒涛の展開といった感じなのですが、粛々と進む感覚がこれまた巧い。次回はいわゆる第二シーズンの最終エピソードにあたるわけですが、つまり、ちゃんと盛り上がりのピークをクライマックスに持って行く手法になっているのです。
では、エピソードの詳細については、続きの方で。
]]>メガトロンは、いつの間にかコンストラクティコンの二人にスペースブリッジ建造を指示しており、いつの間にかスペースブリッジは完成していました。
メガトロンを前に正座(?)しているのが、コンストラクティコンの二人。向かって左からミックスマスター、スクラッパーです。
コンストラクティコンと言えば、G1にも同じ部隊が出て来ました(日本版はビルドロン)。G1トランスフォーマー初の合体兵士デヴァステイター(日本版はデバスター)に合体する能力を持った部隊でもあります。
今回は、合体こそないものの、オリジナルと同じ名前とモチーフでの登場となり、なかなか嬉しいものがありますね。
そして、ディセプティコンを名乗る為に必要な儀式を見ることが出来るのですが、これが何とも「悪の組織」らしい描写。
こんなディセプティコン・エンブリムの焼きゴテを…。
何と胸に押し付けて刻印してしまう。オートボット・エンブレムが、いわゆるステッカー型だったのに対し、何と恐ろしい事か(笑)。
メガトロンはスペースブリッジの完成の褒美としてディセプティコンに迎え入れるといった発言をしていて、この辺りはG1での設定を巧く取り入れたものになっています。
G1では、コンストラクティコンは「カーモード」に変形することから、オリジンはオートボットであり、トランスフォーマー達が地球に飛来する前のはるか昔、とある事件をきっかけにディセプティコン側に寝返ったという設定になっています。ところが一方で、メガトロンによって地球で作られたという設定もあり、アニメイテッドでは、その二つの矛盾した設定をブレンドしたものであると言えそうです。
なお、今回スクラッパーとミックスマスターが完成させたスペースブリッジには欠陥があり、メガトロンがオールスパークの欠片をセットして起動させようとするも、結局起動しませんでした。
そこでメガトロン、サイバトロン星で最も優秀なスペースブリッジ技術者を拉致する計画を思いつくのです。
さて一方、スタースクリームはクローンのテストを終えたという事なのか、満を持して「軍団」を創設しました。スタースクリームの様々な性格を反映させたクローン達の顔ぶれをどうぞ。
スタースクリームの秘められた臆病な性格を反映した、「ビクビク」スカイワープ。G1のオリジナルを踏襲したカラーリング。
スタースクリームの傲慢さ反映した、「えばりんぼ」サンダークラッカー。これもG1のオリジナルを踏襲したカラーリング。
スタースクリームが自らの野心を包み隠す際に見せる才能を反映した、「ゴマスリ」サンストーム。G1にはモブキャラ程度に出ており、後からファンによって命名されたという経緯があるキャラクター。
欺瞞に満ちたスタースクリームの性格を反映した、「ウソつき」ラムジェット。G1では後から新航空兵として登場したキャラクターで、印象的な特殊なウィングは省略されていますが、カラーリングは踏襲されています。
最後にスリップストリームちゃん(向かって右側)。スタースクリームの女性的な部分を抽出…というよりは、スタースクリームの狡猾さを反映させたと言った方が適切か。
このスリップストリームだけ、G1には不在です。
それにしても、これだけ一気に出てきつつ、ちゃんとそれぞれのキャラが立っているのは、凄いことですねぇ。
さて、地球での動きに戻ります。
メガトロンは、ショックウェーブにサイバトロン星で一番のスペースブリッジ技術者を探させていましたが、何と、その技術者の名は、アイアンハイド!
不器用で大雑把なイメージの強いアイアンハイドに、敢えて優れた技術者というキャラクター性を与える処が、トランスフォーマーの真骨頂!
かつて、G1でエアリアルボット部隊という航空機部隊がありましたが、そのリーダーであるシルバーボルトに、何と高所恐怖症を克服するという話がありました。この意外性によるキャラクターの印象付け。この辺りに、トランスフォーマーの面白さのエッセンスがあるのです。
アイアンハイドはサリをモデルに呑気に(いや、多少イライラしつつ)絵を描いています。が、この「絵を描く」という行為が、アイアンハイドの器用な面を物語っているのでした。巧い。
その一方で、マスター・ディザスターのレースに出てきた青いレーシングカーが、メガトロンとショックウェーブの通信を傍受しつつ疾走中。
オプティマス達は、青いレーシングカーの事も、メガトロンがアイアンハイドの存在にフォーカスした事も知らず、アイアンハイドの絵に余計なアドバイスを次々と与え…。
シンプルなキュビズムをフィーチュアした絵が、メチャクチャな絵に。それでも、サリだと言われれば何となく分かるのが可笑しく、またアイアンハイドの絵心も確実に進歩している事が分かります。
絵が大失敗になってしまったアイアンハイド。
機嫌を悪くして、出て行ってしまいます。
バンブルビーとサリは、アイアンハイドを慰めようと追いかけてくるのですが、それがアイアンハイド誘拐劇への立会いになるとは。
メガトロンは、狡猾にもサムダック博士を人質に、アイアンハイドに脅迫による協力の要請を仕掛けてきます。
メガトロン、実に汚ねぇ(笑)。「破壊大帝」なんて肩書きがありますけど、G1から続いている正統派メガトロンって、実は結構姑息なヤツというか、卑怯な人なんですよね。その意味で、このメガトロンは大正解。
アイアンハイドが結構ひどい目に遭っている間、青いレーシングカーを見つけたバンブルビーは、すぐに追跡してブロック!
一方で、哀れ、アイアンハイドはメガトロンに一本釣り状態にされ、連行されていきます。
完全に青いレーシングカーをディセプティコンだと思っているバンブルビーでしたが、その正体はエリートガードのエージェント・ブラーでした。
早口ブラー メイクアップ・アーシー ウルトラマグナス ナンバー2♪
なんて具合に、G1のファンだったらつい口ずさむと思いますが(?)、今回もG1と同様に早口キャラになっています。
ただ、G1のブラーが吃音的にまくし立てるキャラクターだった(あくまで山口健さんの演技がそうだったんですけど)のに対し、今回のブラーは理路整然と多くの情報量を短時間に詰め込むタイプのキャラクターであり、印象はだいぶ異なります。
デザインは、G1によく似ていますが、むしろシャープになった印象ですね。
ブラーは、密偵としてディセプティコンの動きのみならず、オプティマス達の動きも監視していました。今回、メガトロンのスペースブリッジ計画をキャッチしたにも関わらず、バンブルビーに邪魔されてしまったわけで。バンブルビーに経緯の説明と抗議を行うブラーでしたが、あまりの情報量にバンブルビーは口アングリ状態になってしまい、その殆どが伝わっていません…。
処変わって、メガトロンのアジト。
アイアンハイドは、以前ひどい目にあったヘッドマスターの洗礼をちらつかされていました。
またまたメガトロン、汚ねぇ(笑)。人のトラウマを完璧に利用する狡猾さ、見習わなければなりません(笑)。
アイアンハイドは、この責め苦に屈服してしまうのですが…。
その頃、ブラーはオプティマス達の元へやってきて、例の調子で経緯を切々と語るのですが、やっぱりあんまり理解されていない模様。
ただ、緊急事態である事は充分伝達出来たようで、オプティマスはラチェットとサリに船の起動を試すよう指示し、他のメンバーと共にアイアンハイド救出に向かいました。
実はラチェットには考えがあり、危険を伴うものの、船のスパークチャンバーを開いて、オールスパークの欠片を入れれば、船はジャンプスタートが出来るかも知れない…というのです。
ところで、ヘッドマスターのトラウマによって、というよりは、サムダック博士の為を思ってメガトロンに屈服したアイアンハイド。彼は一計を案じ、スペースブリッジの組み立て指示に誤りを紛れ込ませる事にしました。
技術的な面の興味が強いサムダック博士は、当初、臆面も無く、アイアンハイドの間違いを指摘していましたが、やがてアイアンハイドの思惑に気付き、派手に意見をぶつけ合う芝居を展開。
とばっちりを受けたスクラッパーとミックスマスターは、腹を立ててしまい、オイルをがぶ飲みしています。
コンストラクティコンの二人、G1よりも「現場のオッサン」色が強く、微笑ましいというか笑えるというか。かなりキャラクター付けに腐心された形跡が窺えます。
そうこうするうちに、オプティマス達はメガトロンのアジトに到着。
ブリッツウィングとラグナッツが襲撃してくるも、ブラーはさすがエリートガードの一員だけあって、超スピードを活かした行動により、一瞬で二人を拘束してしまいます。
しかし、敵もさるもの。スクラッパーが奇襲によってバンブルビーとブラーを拘束。
ミックスマスターはセメント攻撃でオプティマス達を一網打尽にしてしまいます。
というか、コンストラクティコンの二人って、かなりデカいんですね。ディセプティコンって、割とデカいメンバー揃っているので、大きさを誤認してしまいました。
オートボット大ピンチ!
その時、現れたのはエリートガード…ではなく、スタースクリーム軍団!
「敵の敵」が登場することで、正義側がピンチを脱するという話はよくある事ですが、果たしてどうなりますか。
ともあれ、一気に役者が揃った感じですね。中盤のクライマックスに向けて、テッションも上がります。
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。