第21話「プリズン・ブレイク」

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

 またまた休止を挟んで一週ぶりのオンエアとなった今回。操とタスクという組み合わせで、笑いを生み出す展開が爽やか(?)です。

 ナレーションにまで「面倒臭いヤツ」と評された操が、どう変化していくのか目撃すると共に、やっぱり操は操だと納得してしまいます。メンバー一人一人と関わりつつ、操の様々な面が少しずつ開花していくような展開が待っているかも知れませんね。

クイズ、OP、ED

 まずは、「どうぶつかくれんぼ」の告知。いきなりの操バージョンで驚きましたね。テンションの上下が物凄い本編の操ですが、ここではハイテンションで告知しています。ご承知のとおり、タスクバージョンの劇中とのギャップもなかなか凄いことになっているので、そのインパクトという点で両者は共通していますよね。

 オープニングもリニューアル。操のカットが単純にインサートされるのではなく、すべてではありませんが個々のカットも撮り直しされており、新鮮味が増しています。中盤にこうしたマイナーチェンジが加えられると、メンバーそれぞれの成長ぶりまで感じられて嬉しくなります。

 エンディングは二番が採用され、ゴリラ以降のジューマンがフィーチュアされた映像にリニューアルされました。一部のダンスカットは継続採用となっていましたが、こちらは殆どのカットが撮り直されており、歌詞の変化と相俟って新鮮味はOP以上となりました。何故か鳥男まで登場しており、画面の派手さは以前よりも数段アップしています。

 これで、操が正式にレギュラーへの仲間入りを果たしたと言えます。なお、追加戦士がセミレギュラー的に登場したのは「ジュウレンジャー」が初ですが、オープニングにて追加戦士もレギュラー準拠でクレジットされ始めたのは「ガオレンジャー」からだと記憶しています。それだけ定番化には時間がかかったわけですね。

プリズナブル

 今回のプレイヤーは、牢獄の番人プリズナブル。ゲームの内容としては、人々に足枷を付けて地下牢獄に陥れるという単純なものですが、単なる「地下」ではなく歪曲空間を経て海岸の洞窟に幽閉しているという小技が効いています。

 戦力としては、「牢」をイメージさせるアイテム群を投げつけたりするという、こちらもシンプルな描写。操とタスクが振る舞う舞台装置を作り上げることに徹している感じで、敢えて個性をスポイルしているようにも見えました。しかしながら、巨大戦では三大ロボを一時的に捕縛するという活躍も見せ、また断末魔では「おつとめご苦労様でした」というセリフを吐いてアピール。この辺りは抜かりのないところです。

 何と、真理夫のアトリエにお中元を持って登場。セラ達には前回丁寧な針仕事で作っていたぬいぐるみをプレゼントしていました。実はお中元の中身まで手作りという徹底振りで、その手先の器用さが強調されます。

 一方で、コミュニケーションに関しては非常に不器用な操。他人の言葉や態度に過剰に反応し、すぐに自信や自我を亡失してしまう様子は、コミカルながら実に面倒臭いヤツとして映っています。そこに絡むのが、操ほどではないものの、これまたコミュニケーションに問題のあるとされるタスクなわけです。

 後半では、またもやサイ、狼、ワニの三人のジューマンが妄想に登場。この妄想を経て、タスクを「似た者同士」だと認識して無配慮に親近感を抱くという場面でしたが、ここでは妄想というよりも、力を宿している三人のジューマンの魂が、操に語りかけているかのようなイメージでしたね。少々古い例えですが、仮面ライダーBLACK RXがキングストーンから啓示を得るような...。実は操の妄想力を利用して三人が助言しているのではないか...と思わせる描写でした。

 コミュニケーションの障壁が取っ払われてからの操は、憑き物が落ちたかのように快活な自信家に変貌します。この変わり身も、ことごとくタスクを巻き込んで先導する様子も、やっぱり面倒臭い(笑)。この辺り、キャラクター描写に関わる構成の確かさと演出の巧みさはやはり素晴らしいですね。

タスク

 操に興味があると思わせておいて、実のところ興味の対象は操の持つアイテム群のテクノロジー。この(操にとっての)残酷さこそがタスクの真骨頂。興味や懸念をストレートに表現あるいは指摘し、時に周囲を困惑させるのがタスク流コミュニケーションの在り方です。

 とりあえずは、そろそろ2クール消化という時期に差し掛かったのもあって、タスクは周囲と巧くやっているように見えていたのですが、実は周囲がタスクとの関わり方に慣れただけで、タスク自身はあまり変わっていなかった...と暴露されることになったわけです。まあ、それはタスクらしさという点で歓迎されるべきものでしたが。

 そして、「不器用同士」という理屈で操が心を許すに至りますが、その前に操に「自分の性格を反省すべきだ」と辛辣な言葉を投げかけるタスク。しかしタスクの偉さは、そのストレートな言葉を反省するところでしょう。このタスクの態度こそ、操が心を開いた最大の要因だったのではないかと思うところです。私自身は、タスクのコミュニケーションが器用かどうかという点よりも、そのストレートな物言いが、時には周囲を苛つかせるものの、基本的に「彼の言う事は正しい」と思わせていることが重要だと思います。

アム

 今回、意外な活躍をしたメンバーが一人います。それがアム。

 最近は操の物語が中心となっているため、あまりアムの出番もなく、一時期の「アム無双」もなりを潜めていました。今回は「アム無双」を思わせるような言動こそありませんが、我々も劇中の人物も忘れかけていた「味覚」をようやく生かす時が来たのです。

 衝撃的な、一部マスクオフからのジューマン態での噛み付き攻撃。敵の捕縛から脱するための手段として子役がよく使う手ですが、まさかフンワリ系のヒロインが使うとは! やはり虎なのです。

 そして、それだけではなく、噛み付いた結果「海の味がした」というこれまた衝撃的な発言が。その発言が、プリズナブルの牢獄の場所を特定するきっかけとなりました。これまで、人間界の食べ物を楽しむためだけに存在していた鋭い味覚の設定が、大きな意外性を持って戦力の前面に示されたわけで、これからの展開にも大いに期待が持てそうです。

次回

 そんなアムが次回は操と関わるようです。どんな小悪魔ぶりを見せてくれるのか非常に楽しみですね。