第9話「戦慄!カリンの正体」

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ストーリー

 涼子は未加との戦いによって、その信念を崩されてしまった。それを懸念したカリンによって直ちに召集される風のトライブ。だが、カリンと涼子の対立により、風のトライブの結束は著しく揺らいでいた。そこへ突然現れる謎の武装集団。涼子と仁は装着して難を逃れたが、洸は傷を負ってしまう。

 一方、堀口博士は御園木と会っていた。御園木は、「緊急事態」を堀口に告げ、呼び出したのだった。実は御園木は国防省の高官であり、風のトライブを襲撃した武装集団は、国防省の特殊部隊であった。風のトライブは危険分子として抹殺される予定だったのだ。「日本の国防の為にグランセイザーを使う」と主張する御園木に対し、堀口博士は「グランセイザーは地球を宇宙の脅威から守るために存在する」として譲らない。御園木は堀口博士を幽閉し、天馬、未加、豪の元を訪れ、それが風のトライブの仕業であると告げる。

 その頃、カリンと共に逃げ延びた洸は自ら傷を治療し、カリンへの絶対の信頼を告げていた。カリンは洸を眠らせると、涼子と仁に対して攻撃を仕掛けた。その姿は怪人と化していた。カリンはアケロン人だったのだ! 危機に陥った涼子の元に未加、天馬、豪が現れ、共闘する!

解説

 ついに、カリンの正体がアケロン人であることが明かされる。そしてもう一つ重要なトピックは、御園木が国防省の高官であったこと、国防省が日本に存在していたことである。国防の為にグランセイザーを利用せんとする御園木と、よりグローバルな視点を持った堀口博士との対比が鮮やかで、この二人の関わりが今後の重要なポイントの一つになると思われる。

 全体に緊張感が漂う中、剣と蘭の微妙な関係や、涼子だけが仁の行動理念であることなど、ユーモラスな部分もあって、殺伐としないよう配慮されている。一方で洸がカリンに対して何らかの強い恩義を抱いていることも明かされ、興味深いものとなっている。

 クライマックスのアケロン人=カリンとの戦闘は、アケロン人の強力な力を描く為に、画面に様々な工夫がされており、これまでの戦闘シーンとは一風変わったものになっている。自在に飛行したり、腕を伸縮させたりといった妖怪振りは必見だ。