第48話「龍の記憶、天の意思」

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ストーリー

 トロイアスに立ち向かうグランセイザーとユウヒだったが、その素早さと高い防御力・攻撃力に翻弄される。そして、遂にユウヒは大破。コントロール不能となったドルクルスにも危機が迫る。助けに入った辰平のグランビークルが撃墜され、辰平は重傷を負う。さらにガルーダも撃墜。最大の危機に、堀口研究室の水晶板が輝きを放つ。同時にクラウドドラゴンとガントラスが登場。クラウドドラゴンのギャラクティカ・プロミネンス砲がトロイアスを撃破する!

 国防省の医務班に委ねられた辰平は事なきを得た。蘭の行動について、激しく議論するグランセイザーたち。天馬は戦う以外にこの戦いを終わらせる方法があるのではないかという迷いを告白する。そんな折、堀口博士は水晶板の謎を遂に解き明かした。水晶板は宇宙の意思と通じているというのだ。辰平の病室に水晶板を持ち込み、12人が集ったとき、クラウドドラゴンのメモリに宿された記憶が、グランセイザーに語りかけた。同じ過ちを繰り返さないために必要な、12人の調和・・・。

 再度団結を果たしたグランセイザーは、アルゴウルを撃破する。そして、天馬はブライトンを追い詰める。ところが、ブライトンの卑怯な芝居に騙された天馬は返り討ちにあってしまう。そこに現れたロギアは、冷徹な態度で一撃の下にブライトンを粉砕するのだった。「甘いぞ天馬。お前たちは甘すぎる!」 しかしロギアの戦い続ける姿勢を批判する天馬は、ロギアに宇宙の調和を取り戻すと宣言する。「お前たちには驚かされる。」そういい残してロギアは去っていった。

解説

 水晶板とクラウドドラゴンの謎が遂に明らかになる・・・のだが、これまでの情報でほぼ想像がつくので驚きは殆どない。しかし、これはサプライズを狙った作劇ではないことは容易に判断できる。つまり、時間をかけて徐々に情報を開示していき、最終的には短時間の説明で視聴者に納得させるという方法がとられているのだ。これにより、冗長な説明セリフの応酬で物語のテンポを失わせることなく、スピーディな筋運びを実現している。スピード感を重視したグランセイザーならではの措置と言えるだろう。

 一方で、謎の氷解と共にグランセイザーの団結が一気に高まるという、精神的な面の描写がシンクロしているのが、いい意味で「クールでない」グランセイザーを盛り上げている。前半の、各自バラバラの思惑で絶対的な危機に瀕する絶望的な展開を一気に打ち破る、クラウドドラゴンの神秘性もポイントだ。

 ところで、遂にユウヒが大破してしまうのだが、この戦闘シーンではトロイアスの身のこなし方も含めて新味が大きい。ユウヒの、まさに「崩れ落ちる」という描写も素晴らしく、特撮も一切手抜かりはない。クライマックスの、団結力を取り戻したグランセイザーが矢継ぎ早に必殺技を繰り出してアルゴウルを葬り去るシーンでは、カメラがアルゴウルを中心に回転し、円陣を組んだグランセイザーを次々に捉えるという面白いワークとなっていて必見。

 最後に、最重要注目ポイントを2つ。堀口博士役の赤星氏が、ついに持ち前のキレた演技を披露! さらに、ロギアのアウトロー的なカッコ良さは主役を完全に食っています。