第9話 復讐の鎧

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ストーリー

 ボガールとの戦いの後、ミライはセリザワの元へと駆けつける。セリザワはミライの干渉を断固拒否。復讐の為にウルトラマンの心を捨てたとするセリザワ=ツルギは、かつてボガールによって滅ぼされた軌跡の惑星・アーブのビジョンをミライに見せる。平和な知的生命体の住むアーブを、科学者として永い間観察していたツルギ。彼は、ボガールによって死滅した、アーブを守ることができなかった悔恨の念にとらわれ、アーブの無念と怨念によって復讐の鎧を纏った戦士「ハンターナイト・ツルギ」へと変貌。ツルギは、ボガールが次の餌場として選んだ惑星・地球に来たのだ。ただし、ツルギは地球人をアーブと比較して軽視しているきらいがあった。

 テッペイの分析により、ボガールの生存が判明。しかもボガールは、捕食の度に体内エネルギーを増大させており、誘爆の危険性が極めて高いことが分かった。ツルギは躊躇無くボガールを攻撃しかねない。リュウは自分が止めてみせると言い出す。ジョージは単独行動を諌めるが、「あの人に喜んでもらえなきゃ、GUYSで頑張る意味なんて、俺には無ぇんだよ!」と吐き捨てたリュウは司令室を出て行ってしまう。

 思い出の丘で、立ち尽くすリュウにセリザワが近づく。「お前は誰だ」と問うセリザワと、「また会えて嬉しい」と答えるリュウ。セリザワに憑依するツルギは、リュウの差し出したメモリーディスプレイから感知して、リュウに「お前、このイレモノが最後に助けた人間だな」と告げた。ツルギが、ディノゾールに特攻したセリザワの体に憑依したことを知ったリュウはショックを受ける。ツルギを追い出そうとするリュウに、セリザワはその刃を向けた。そこへサコミズ隊長が現れる。「君もその若者を傷付ける事は出来ない、そうだろセリザワ君。いや、ツルギ!」

 その時、藤北市第三造成地に、グドンとツインテールが出現。リュウを除くCREW GUYSの面々は出撃した。サコミズ隊長は、「まだ短くても、お前にとって彼らと一緒に過ごした時間は、本当に何の意味も無いものだったのか?」とリュウに問う。リュウはガンフェニックスの翼のことを思い出し、仲間たちに合流する決意をした。

 さらに、互いに争うグドンとツインテールを捕食せんと、ボガールも出現。ボガールは苦もなく強力な2大怪獣を喰らう。ボガールの足を止めるべくガンウインガーとガンローダーは牽制を開始。コノミもミクラスを放つ。ミクラスは電撃攻撃でボガールを倒すものの、ボガールはボガールモンスへとパワーアップ。その強大なパワーの前にミクラスもなす術が無い。

 CREW GUYSの危機を見て、ミライはウルトラマンメビウスに変身。ボガールに攻撃を仕掛けるものの、「移動する火薬庫」と形容されたボガールモンスに光線技は使えない。劣勢となったメビウスに、発奮を促したのはリュウだった。善戦するメビウスだったが、今度はツルギが出現。容赦なくボガールに光線技を放った。戦い方をめぐって激しく対立するメビウスとツルギ!

解説

 ツルギの過去が遂に明らかとなる重要エピソード。加えてそれは、セリザワの姿と声で多くを語られる為、必然的にリュウの物語にもなる。

 一見、ツルギの立ち振る舞いが、ストーリーを牽引しているように見える。しかし、よく見てみると、これはリュウの主役編であることが分かる。リュウの熱血振りがストーリーを回転させているのだ。

 それはまず、前回のラストにまで遡る。セリザワに対する強い思いを、ツルギが感知したとき、ツルギはその集中力と執念を阻害された。興味深いのは、ツルギがリュウの意思を感知する必然性を、憑依しているセリザワの身体に求めていることだ。ツルギとリュウは、セリザワを介してのみ、互いの関係が成立するのである。

 さらに、ミライはウルトラマンとしての信念である「地球の生命を守る」というポリシーとは別個に、ツルギがセリザワの体を借りているという面をクローズアップし、終始ツルギへのアプローチを試みている。ここでも、セリザワがリュウにとって大事な人物であるということが、色濃く反映されている。当のツルギは、セリザワに関して、ひいては地球人に関して全く興味がないようだが、それはリュウとの初めての会話によく現れている。両者の会話は完全にすれ違っており、大変印象深いシーンだ。

 以上のように、ツルギのエピソードはリュウなくしては成立しない。ツルギの冷徹さと、リュウの熱さ。この対比も重要なポイントだろう。また、この重厚な対比に負けないよう、ボガールをパワーアップさせるなど、手が込んでいる。

 ところで、今回はその他に目玉が用意されていた。グドンとツインテールである。それぞれ別個のエピソードで登場し、それぞれ個性と強さを発揮。その折々にファンは嬉しさを感じつつも、どことなく寂しい思いを抱いた。やはりグドンとツインテールはペアのイメージが色濃いのだ。純粋にボガールのエサとしてのみの存在になってしまったのは惜しいが、それでも両者の対決は見せ場として輝きを放つ。ムチを振るう両者の荒ぶる姿は、短いシーンながら「帰ってきたウルトラマン」にも劣らない。ツインテールがやや優勢というのも、意外性があって面白いシーンとなっていた。それだけに、ボガールに捕食される両者は、何となくその仕草も含めて同情を誘う。勿論、それはボガールの凶悪さを印象付けるためだろう。

 旧来ファン以外にとっての目玉は、「ハンターナイト」になる前のツルギの姿が登場したことだろう。放映時、既に雑誌等で紹介されてはいたものの、まさかこの時点で回想の中に易々と登場するとは、考えもしなかったことだ。純粋にM78星雲人でありながらブルーの体色というのは、本来ならば意外性たっぷりなのだ。しかし、既にウルトラマンティガ~ウルトラマンネクサスでフォルムが提示されているため、新鮮味が薄い。少々残念ではある。

 最後に小さくも大きいポイントを一つ。サコミズ隊長が、何故かセリザワ=ツルギであることを知っていたということ。これには何か重要な意味が…?

データ


監督

小原直樹

特技監督

菊地雄一

脚本

長谷川圭一