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9012 Live - The Solos (ライヴ)

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ライヴ(紙ジャケット仕様)

 邦題からは、いかにも「ロンリー・ハート」に伴うツアーの様子をバッチリ収めたライヴ盤のようだが、かなり様相が異なる。ほぼ「オマケ」程度であり、ミニ・ライヴ・アルバムという形容が正しい。

 実のところ、映像作品である「9012 Live(LiveはFiveの韻を踏んでいる)」のボーナス・トラック扱いだったようで、「The Solos」の副題のとおり、各メンバーのソロ・プレイが中心になっている。

 しかし、このソロ中心というのがたまらなく面白い(逆の意見も多いが...)。ライヴでは各メンバーのソロ・プレイは定番で、各々のテクニックを披露して盛り上がるパターン。ここで特筆しておきたいのはラビンとイエスに戻ってきたケイ。ギター・ソロによって、ラビンのスタイルが、ハウとは明らかに異なるソリッドな速弾きスタイルであることが良く分かる。一方のケイは、ウェイクマンがあまりに派手なプレイヤーの為、評価が不当に低いが、実際のテクニックに遜色はないし、タイトなプレイはリズム主体となったこの時期のイエスにマッチしている。

 コアなイエス・ファンとしては、押さえておいて損はない珍品。

Yesshows (イエスショウズ)

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イエスショウズ(紙ジャケット仕様)

 「ドラマ」の後、イエスがほぼ解体されてしまった時期にリリースされたのが、この2枚組ライヴ盤。

 先の傑作ライヴ盤「イエスソングス」の続編としての製作意図が、「イエスソングス」との重複曲がないことや、「イエスソングス」後のベスト的選曲になっていることからも読み取れる。イエスの実体が薄い「ドラマ」期に、黄金期メンバーによるイエスの姿を感じさせるライヴ盤をリリースするあたり、多分に戦略的ではある。

 一見して「海洋地形学」~「トーマト」までのベスト選曲であることは疑いないが、パーソネル的に「ドラマ」収録曲がないのは当然だが残念。また、パトリック・モラーツとリック・ウェイクマンの参加音源が混在しており、全体のまとまりやライヴの疑似体験といった主旨で聴くのは少し辛い部分がある。

 「海洋地形学」以降の曲は全体的にハードなものが多いのも特徴で、当然そのあたりから選曲された本作はハード一辺倒にならざるを得ず、「イエスソングス」で聴かれたようなうねりといったものは期待できない。しかしながら、やはり演奏は一流。各人のテクニックが存分に堪能でき、「究極」、「クジラに愛を」、「儀式」といった傑作ナンバーのライヴを聴く事が出来るのは、至福と言えるだろう。

Yessongs (イエスソングス)

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イエスソングス(紙ジャケット仕様)

 イエス初のライヴアルバム。3枚組という圧倒的なヴォリュームで迫るほぼフルセットのライヴは圧巻である。勿論、ワン・ステージを収めたものではなく、一連のツアー日程からピックアップして構成されているのだが、ブラッフォードとホワイトの違いを除けば、全体の統一感は良好であり、臨場感はほぼ完璧と言っていいだろう。

 選曲等、ベスト盤的な構成を持つところもニクイ。実際、後々まで受け継がれる「危機」までの「ベスト」の曲目は、このライヴ盤選曲にほぼ集約される。ウェイクマンのソロ作品「ヘンリー8世と6人の妻」の一部がパフォーマンスされるところも聴きモノだ。この演奏はウェイクマンのベスト・パフォーマンスとの評判もあり、いかにこの時期のイエスがノッていたかが分かる。

 それにしても、この演奏を聴く限り、スタジオ盤と何ら遜色ない。それほど構成力、演奏力共に確かなものであり、それがイエスというグループが珠玉たる所以である。拡大された「ザ・フィッシュ」など、インストゥルメントの奏力は勿論だが、コーラスワークが完璧に再現されている点に特に注目していただきたい。つまり、「ヴォーカリスト」はアンダーソンその人だが、「シンガー」としてはスクワイアもハウも名を連ねることが出来るわけだ。「シベリアン・カートゥル」や「アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル」といったコーラスが最重要になるナンバーに関しても、何ら不満要素はないのだ。

 ライヴツアー中、ブラッフォードが脱退するというアクシデントがあったが、代役のアラン・ホワイトは完璧にパーカッション・プレイをこなしている。特に「危機」のような複雑怪奇なアレンジメントを、短期間で覚えて演奏したとは思えない。この力量が、今後のイエスを支えていくことになる。

Live (ライヴ)

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ライヴ

 突如2001年に再編成されたロキシー・ミュージック。メンバー構成を見ると、ブライアン・フェリーは勿論、アンディ・マッケイ、フィル・マンザネラ、そして何とポール・トンプソンという布陣! これには驚くしかない。しかし、「アヴァロン」や「ハート・スティル・ビーティング」で完結した世界があるロキシーに対して、「再編成」というキーワードが馴染まなかったのも事実。

 ところが、2年後に届けられたライヴ盤の素晴らしさたるや、フェリーの美意識の高さ、マッケイやマンザネラといったメンバーのミュージシャンとしてのプライドをビシビシと感じさせるものであった。よくある昔のグループの再結成モノは、年季の入ったミュージシャンが往年の曲を「円熟味溢れる演奏で再現」し、「寄る年波」をファンに対して認識させる少々辛いものなのだが、ロキシーに関しては全く当てはまらない。

 まず「リ-メイク/リ-モデル」から始まる構成に度肝を抜かれる。ファースト・アルバムの一曲目だ。この曲のみならず、全体的にハイ・テンポで展開され、傑作「ストリート・ライフ」、「アウト・オブ・ザ・ブルー」、「ヨーロッパ哀歌」などなど、とても書き切れないが、オリジナルをハイ・レベルで再現し、さらにブラッシュ・アップさせた印象を受ける。

 ロキシーズ・ベストといった曲目、多数公演からの架空のライヴ構成といった「VIVA!」と同様の手法など、フェリーの計算高さに感服する。ロキシー・ファンは必聴中の必聴盤だ。

Heart Still Beating (ハート・スティル・ビーティング)

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ハート・スティル・ビーティング(ライヴ・イン・フランス 1982)(紙ジャケット仕様)

 ロキシー・ミュージックのラスト・アルバムにしてライヴ盤。ただし、1990年に発売されており、実に「アヴァロン」から8年が経過している。正式には、「アヴァロン」がラスト・アルバムと言えよう。

 以前にもライヴ盤「VIVA!」があったが、こちらはよりストレートにライヴ・セットを伝える内容になっており、収録時間も長い。1990年と言えば、既にCDがLPに取って代わった時期だけに、この作品もCDで発売されたようだ。この紙ジャケは、その際欧州で限定リリースされた2枚組LPを元に作られている。

 いきなり内容よりジャケットの話になってしまうが、解散からかなり経って発売されたにもかかわらず、従来のロキシー・ミュージックが織り成すトータル・アートの世界が完璧に継承されているのが分かる。実に、フェリーの美学に唸らされる部分である。

 内容の方はと言うと、「アヴァロン」期のライヴの充実度がよく分かる名盤となっている。中期ロキシーのパワーと、後期ロキシーのイリュージョナルなサウンドが見事に合致し、これぞロキシーとしての完成形かと思わせる内容である。「フレッシュ・アンド・ブラッド」や「アヴァロン」が既にフェリーのソロ・プロジェクトに限りなく接近していたのに対し、このライヴ盤はロキシーのグループとしてのアイデンティティを強く感じさせる音を発しており、ライヴ自体が緻密なプロデュース・ワークの元に構成されているのは驚嘆に値する。

VIVA!ロキシー・ミュージック(ザ・ライヴ・ロキシー・ミュージック・アルバム)(紙ジャケット仕様)

 ロキシー初のライヴ・アルバムは多分に戦略的な、「ライヴ・アルバムかくあるべき」とも言える素晴らしいものだ。一聴しただけでは、普通のライヴ・ドキュメントに聞こえてしまうが、実は緻密なプロデュース・ワークに彩られた準スタジオ盤と言えるような内容である。

 まず、各曲は必ずしも同日に収録されたものではないということ。クレジットを見ると1973年11月、1974年11月、1975年10月と実に広い期間に及んでいる。次に、オーヴァー・ダブが効果的に使用されていること。オーディエンス・ノイズにも同様のことが言える。

 音質の統一、オーディエンスの歓声のダビングなど、緻密なポスト・プロダクションによって、いかにも同日のライヴのような雰囲気が出されている為、長いスパンで収録されたことがにわかに信じ難いのだが、それが一流のプロデュース戦略というものだろう。ロキシーというグループが持つ、実体と幽体の間を揺れ動くような微妙な存在感を実に良く表している。

 虚の中に実を生む。昨今の安易なポスト・プロダクションを一蹴するだけの計算が、ここにはある。

In Concert (イン・コンサート)

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イン・コンサート(K2HD/紙ジャケット仕様)

 個人的にあまり思い入れのないライヴ盤である。というのも、内容が中途半端だからだ。その上音質にバラツキがあって、変な構成に聞こえるのもマイナス・ポイント。

 イントロダクションから「孤独なタイガー」に至る流れはとても良い。特に「孤独なタイガー」はオリジナルよりもライヴ・テイクの方が1音ほどトーンが上がっていたり、全体のノリに張りがあるなど断然良い。しかし、その後のナンバーはオーケストラとELP自身の演奏がミスマッチ。「ナイフ・エッジ」は最たるもので、運悪く音質の悪さも手伝ってか、オリジナルのカッコ良さがスポイルされてしまっている。またオリジナルが重厚で素晴らしかった「邪教の神~」にオーケストラが重ならない、「ピアノ協奏曲第1番」も長さの問題か第3楽章のみである等、相当中途半端で、構想に現実が付いて行っていないようだ。このツアー自身、オーケストラとの軋轢が伴っていたようで、その雰囲気が伝わってしまっているのかも知れない。

 そんな中「展覧会の絵」は、なかなか興味深い。クラシック曲だから元々はオーケストラがあって当然なのだが(本来はピアノ曲)、強引にキーボード・トリオ編成にアレンジした演奏の上に(ただし、エマーソンの演奏は原曲であるピアノ曲にかなり忠実)、またオーケストラを重ねるという腸捻転的ナンバーになってしまった割には、意外と違和感がない。ただ、ELPとオーケストラ、どっちが主役なの? という感じがしないでもないが...。

 後に大幅に未収録曲を追加し、「ワークス・ライヴ」として完全版が出たが、それを聴くと少し印象が良くなった。

レディース&ジェントルメン

 ライヴ・ドキュメントとしては、ELP初となるライヴ・アルバム。CDでは2枚組だが、アナログでは3枚組というヴォリュームだった。「タルカス」「石をとれ」「悪の経典#9」といった大曲が、さらに一部を大仰にアレンジメントされて拡大され、再現されるのには「参った」の一言。

 複雑なスコアを形成するあの曲この曲が完璧に演奏され、スタジオ・アルバムが必ずしもレコーディング・テクニックだけではなく、プレイヤー達の演奏力によって成り立っていることを改めて認識させられる。しかもライヴならではのダイナミズムを生むインプロヴィゼイションやアドリブには余裕すら感じられ、テクニックに裏打ちされたエンタティメント集団であることが如実に現れているのだ。異様にテンポアップされた「ホウダウン」がライブの始まりを強烈に演出し、「トッカータ」のような難曲がさらりと、なおかつ強力に演奏される。

 ライヴでのELPの特徴は、映像を見ないことには分かり辛い部分もあるのだが、一貫して言えることは「とにかく凶暴」であること。ある曲はテンポが凶暴だったり、ある曲はオルガン・プレイが凶暴、ある曲は音量が凶暴だったりする。個人のインプロヴィゼイションの長さが凶暴な場合も。完全ではないが、このアルバムからはそれらが伝わってくる。

 惜しむらくは、音質だろうか。多少高域が欠落しており、ローファイ感がある。だが、それがまたヘヴィ感を煽っているのだから、何が幸いするか分からない。「トゥー・ヘヴィ」それがこのライヴ盤に対する褒め言葉だ。

Pictures at an Exhibition (展覧会の絵)

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展覧会の絵(K2HD紙ジャケット仕様)

 ELP初のライヴ・アルバムだが、通常ライヴ・アルバムというものは、既発表曲を含んだライヴを収録したもので、オリジナルとは異なる臨場感やアレンジを楽しむものが一般的だが、この作品は少し違う意味を持っている。それは、全編未発表曲ならびに1枚のオリジナル・アルバムとして完結していることである。

 タイトルが示すとおり、ムソルグスキーの代表曲を元にした壮絶なプログレ組曲である。とはいえ、「プロムナード」、「こびと」、「古い城」など原曲に忠実な部分も多く、エマーソンのクラシックに対するある種の敬意が感じ取れるものとなっている。「キエフの大門」に至っては、エマーソンが奏でるパートはほぼ原曲そのものだが、レイクが素晴らしいヴォーカル・ワークをプラスすることによって壮大なロックに仕立て上げた傑作である。

 私自身、このアルバムの映像版も見たのだが、レイクとパーマーが支える完璧な土台の上で、縦横無尽にシンセを操るエマーソンには本当に驚いた。レイクのオリジナル・ソロ「賢人」や、最高にハードなヴォーカルが冴える「バーバ・ヤーガの呪い」も盛り込まれてはいるが、エマーソンのパートの狭間という印象は拭えず、こういった面からも、このアルバムがスタジオ盤として発表されなかったのが理解できる。

 つまり、レイクとパーマーは「意外とあまり目立っていない」のである。このグループがエネルギーを存続するのに必要な要素「個々が目立つ」が、少々不足気味なのだ。世界中でヒットはしたのだが...。

 ちなみに、アンコール曲の「ナットロッカー」は「くるみ割り人形」のアレンジ曲で、シングル・ヒットしている。

USA (USA)

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USA(紙ジャケット仕様)

 「レッド」で終結宣言を告げたクリムゾンが、最後に放ったライヴ盤。「アースバウンド」とは異なり、音質は高レベル、演奏も精緻。何から何まで好対照を成すライヴ盤である。

 オーヴァーダビングが施されていて完全な生ライヴではないが、脱退したクロスに変わってオーヴァーダブに参加したのが、ロキシー・ミュージックやジェスロ・タル、UKに参加するというキャリアを築くエディ・ジョブソンであり、クロスよりもエキセントリックなプレイがこのライヴ盤の印象を決定付けているようだ。

 しかしながら演奏自体はやはり素晴らしく、この時期のライヴ盤は後に発掘盤として沢山リリースされたが、どれもこれも恐ろしい完成度を誇っていた。その上、壮絶とも言えるインタープレイには、誰しも戦慄を覚えること必至である。当時正規ライヴ盤はこの「USA」しかなかったので、ファンは、きっとレコードの溝が擦れる位聴いたに違いない。CD化もここに掲載した紙ジャケット盤が初めてで、長い間の廃盤状態が伝説化を一層強めたようだ。

 なお、オリジナル盤は2~7曲目のみが収録されており、1、8、9曲目はCD化に際しての新収録である。

Earthbound (アースバウンド)

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アースバウンド(紙ジャケット仕様)

 平和で暖かいイメージを内包した前作に続き、突如天を突く衝撃度を伴ってリリースされたのが、クリムゾン史上初のライヴ盤である。

 何が衝撃的なのか。まずはその音質である。はっきり言って粗悪な海賊盤レベル。何しろカセットテープで録ったというのだから、正規リリースされたのが不思議である。次にそのパフォーマンス。「アイランド」のメンバーとは思えないルーズでノイジィなサウンド。ロバート・フリップ以外のメンバーがジャズ・ブルーズ志向だったという話は有名だが、それが無意味とも思えるもっと粗暴なものとして聞こえる。

 ただし、このライヴ盤に収められている「21世紀の・・・」は、ベストパフォーマンスとの評価が高い。元々のスピリットがヘヴィ・ロックであるこのナンバー、ここまでヘヴィにされ、ここまで凶暴にアレンジされ、しかもオリジナルより相当長いとくれば、正に元来の精神を昇華したものに他ならない。

 確かに繰り返し聴くには音質や構成的に辛いが、ふとした瞬間に聴きたくなる、不思議で魅力的なライヴ盤だ。