Episode 09 警告 -ワーニング-

 チェスターのフォーメーションをシミュレータで訓練する孤門は、あらゆる疑問に苛まれて集中できない。和倉隊長と凪に一喝されて自信を喪失した孤門は、リコとの出会いを思い出した。半年前、いつもの動物園で孤門とリコは出会った。意気投合した2人は、いつしか付き合いはじめる。

 孤門は久々にリコとデート。家族を紹介すると言うリコだったが、運悪く凪からの呼び出しが。その時、一人で寂しく帰るリコの頭上から窓が落下! 孤門は間一髪で助けるが…。

 その頃、ビーストの出現を感知した姫矢は行動を開始するが、ファウストに阻まれる。現場に到着した孤門は、バルスブレイガーに妙な文章が表示されるのを見る。「アレハ警告ダ」アレとはリコに降りかかった例の事故のことか?

 孤門が合流し、チェスターでウルトラマンとファウスト、そしてビーストに対する作戦を開始するナイトレイダー。ウルトラマンがメタフィールドを展開したため、ナイトレイダーはストライクチェスターでの突入を決定。隊長は孤門に合体管制を任せる。しかし、ファウストが展開したダークフィールドから光弾が外界へ漏れ、合体は失敗に終わる。

 意識を取り戻した孤門は、凪がコクピットにいないことに気付き、外に探しに出る。ところが、チェスター・アルファが不時着した森の中に、何故かリコが倒れていた…!

解説

 孤門とリコの出会いが描かれる。さらに、ストライクチェスターへの合体訓練と実際の合体シークェンスが丁寧に描写され、SF好きなファンにも納得の一編である。ただし、合体は失敗するが。

 リコに降りかかる危機により、何かが起こっていることを予感させるのだが、ラストで「居る筈のない」場所に倒れていることで、突然謎のキャラクターへと変貌を遂げるのが凄い。ウルトラの民間人ヒロインは、結構被害者の役回りに徹することが多い中、ストーリーの真ん中に放り込まれる展開は意外性に富んでいる。

 一方で、映像的に盛りだくさんな今回。まずはチェスターのフォーメーションの丁寧な描写。レーザーで合体をポインティングするようなシーンは、これまでなかなか見られなかったものだ。チェスターのデザインはどちらかと言えばトイ寄りなのだが、こういうリアルな描写で俄然現実感を高めている。また、結局失敗してしまった合体に至る「手順」が実に格好良いのもポイント。いかにも別プログラムを緊急ロードしているような緊張感が素晴らしい。

 ウルトラマンとファウスト、そしてビーストの戦闘も見所。ビーストは明らかにファウストによって使役されており、帰マンの最終クールに見られた「宇宙人と用心棒怪獣」を彷彿とさせてちょっと嬉しい。

 それと、隊長が孤門の成長の鍵になりそうなセリフを連発するあたり、要チェックだ。