SirMilesのマニアックな日々

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー #16「仲間だからこそ」

 透真とギャングラーの怪人・マンタ・バヤーシが人格を入れ替えてドタバタを繰り広げる…という予想を覆してシリアスに展開した一編。

 ルパンレンジャー側のエピソードになると、スラップスティックな要素を持ち込んでもシリアスになってしまうという、ある意味試験的なエピソードでした。

 もうちょっと弾けても良かったんじゃないかな…と思うところもありますが、ここのところパトレンジャーにいいところを持って行かれているルパンレンジャーに、改めて覚悟の重さとかアウトローの矜持・美学といった感覚が示されたのは良かったですね。

定番の入れ替わりネタが…

 ギャグ回の鉄板、定番中の定番として使用されるのが「入れ替わり」です。

 映画界では言うまでもなく文学系作品として、その心情の切なさや人物の成長譚を描くものが多く、それぞれが傑作として語り継がれていますが、東映特撮ドラマでは恐らく殆どがギャグ回です(例外がすぐに思いつかない…)。

 今回も、マンタが檜山さんの声でサンシャイン池崎さんのパロディをしていたりと、シチュエーションからすれば全編ギャグ炸裂となってもおかしくないのですが、見事に裏切って来ました。

 中身がマンタになっている透真に関しては、基本的にギャグです。非モテがモテの外見を手に入れるという、これまたコメディの王道を行き、その状況を楽しんでしまうという部分には、ギャングラーらしからぬ人間性が感じられて笑えます。

 一方、外見がギャングラーになってしまった透真は、周辺の反応こそドタバタに近いものの、本人の苦悩そして覚悟(例の「誰か一人になっても…」が強調されます)のほどが壮絶とも言えるレベルで描かれ、コメディからはかけ離れた「SF(特撮)でしか為し得ないドラマ」になっていたわけです。

 元に戻れないならば、いっそのこと透真の姿をしたマンタを倒す…というのがルパンレンジャーの哲学。その理由がまた秀逸で、「マンタがチェンジャーを始めとするルパンコレクションを所持しているから」というものでした。なるほど、そうでなければ透真の名誉だけの問題になってしまいますからね(笑)。

 かくして、そこまで冷徹になれない魁利(このポジショニングがいい!)によってギリギリの賭けが行われ、透真とマンタを元に戻すことに成功するわけですが、それが完全に心理戦の様相を呈していて、実に凄まじい迫力でしたね。

女性陣のヒッププレス!

 マンタ態の透真をジュレに隠すくだり。店内のあんな目立つところにブルーシートで隠してしまうのが笑えますが、圭一郎たちが突然やって来たのでやむなしか…。

 ジュレでの緊迫感溢れる一連のくだりでは、埃を蚊と間違えて「ブルーシートの物体」に接近するつかさが、気を抜いてその上に腰掛けるという大胆なシーンが。そしてその「中身」を必死にごまかすため、初美花まで座って跳ねるという、何とも羨ましいシチュエーションが(笑)。

 そりゃあ、透真は彩さん一筋ですから、何のリアクションもないでしょうけど!

 …目立ったギャグシーンは、本当これと檜山さんの声で喋る透真のハーレム状態だけでしたね。

シティハンター方式(笑)

 魁利がマンタを脅すため、そして透真の身体へのダメージを最小限にするため、自らの手を貫通させるという、ショッキングなシーンが登場しました。

 シティーハンターの冴羽獠が、弾丸のスピードを殺すために掌を貫通させるという、どうしようもなく格好良いシーンは、つとに有名ですが、まさかそれを「快盗」がやろうとは…。いや、アウトローらしさここに極まれりと言うべきか。

 これにより、怖くなったマンタは瞬時に入れ替わりを解除。マンタはあえなく最期を遂げることになります。事前にマンタ態の透真からコレクションは奪われているし、完全にモテ男を楽しんだだけでした…。

やっぱりいいところを持って行く…

 エピローグでは、ハーレム状態の透真を目撃したパトレンジャー、特につかさがジュレにて透真に説教をするという、何とも微笑ましいシーンで締められます。透真にとってはたまったものではありませんが、何となく姉心を押し出してくるつかさに萌えます(笑)。

 圭一郎も呆れ気味、ナンパ師の咲也も引いているという、パトレンジャー個々の反応が実に素晴らしく、またもいいところを持って行ってしまった感があります。

 今回は魁利が非常に格好良かったので、もう少しエピローグでも拾ってあげて欲しかった!

バルカンボールだ!

 今回のルパンコレクションはバルカンボールでした。…って劇中からは全く分からず、公式サイトにある「太陽」という文字でやっと分かるという…。

 ここ数話の回収方法は、捨てたものを拾うとか、今回のように「とりあえず回収」とか、変化を付けてきてますね。毎回収奪だとマンネリ化するので、色々考えられています。大変ではありますが、様々な工夫が見たいですね。

 そういえば、トリガーマシンクレーンが何故地中深く埋まっていたのか、サラッと説明されていて笑ってしまいました。

次回

 またまた圭一郎に「花」が…。初美花もそこに関わるようで、楽しい一編になりそうですが、一筋縄ではいかないでしょうね。楽しみです。

 

モバイルバージョンを終了