SirMilesのマニアックな日々

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー #23「ステイタス・ゴールド」

 ライモン軍団登場! しかし、軍団というよりライモン一座と言った方が似合う感じも(笑)。

 今回、ノエルと関わりを持つのは透真の役目で、ニヒルな透真とどう交わらせるのか見当もつきませんでしたが、思ってもみない、しかし納得の行く共通点によって、実に素晴らしい競演を見せてくれました。

 にしても、この三連休は灼熱地獄でしたね。図らずも今回のルパンコレクションがこの状況に呼応していたので、ちょっと笑えました。

ライモン軍団

 ライモン、ギーウィー、そしてウシバロックの三人で構成されるチーム。「ステイタス・ゴールド」たる証の金色の金庫を持つライモンがリーダーを務めているようです。

 ライモン軍団というネーミング、何となく「大門軍団」を踏襲しているようですが、あんまり関係なさそう(笑)。三人のネーミングは、ライム(レモン、ライチ?)、キウイと果物系なのかと思いきや、ウシバロックだけ牛…? よく分かりません。

 いきなり上位の敵が複数登場する作劇は、戦隊でも散見される手法ですが、「ジェットマン」の三魔人あたりがよく似た構成でしょうか。一番下っ端に相当するキャラクターが早々に倒されますし。

 ただ今回は、ライモンが金色の金庫を備えているという点でギャングラーにおけるヒエラルキーの上部に位置し、ギャングラーを逸脱しないという点で、ショッカーや黒十字軍の幹部怪人に近い印象になっているのは手堅いところ。金色の金庫はルパンレンジャーが所持しているダイヤルファイターでは開けられないという、意外な仕掛けも興味深いところですよね。

ウシバロック・ザ・ブロウ

 パワータイプを絵に描いたようなデザインが素晴らしい、牛の怪人。ライモン軍団のシェフであり、その料理も大胆かつ豪快で、しかも雑…だがライモンの舌を満足させることはできていたという、何ともコミカルなバックボーンを有しています。

 今回は、手下としてこき使える料理人を選定すべく、数多くの料理人を拉致するという、非常に即物的で凶悪な事件を起こしているわけですが、拉致後の処置も実に珍妙です。まず自身と料理対決をし、自分が勝てばその場で処分、自分が負ければ手下として採用という、シェフとしてのプライドをあまり感じないルール(笑)。結局透真が圧倒的勝利を収めたことで、ウシバロックはシェフをクビになってしまうのですから、どうもねぇ…。

 ライモンのために料理を覚え、常にライモンの満足のために料理を作ってきたという「告白」には、ギャンブラーにもそんな利他の粋を持つ人物が居たのかと、衝撃を受けること請け合いです。何だか可哀想になってしまって、作劇としてこれでいいのかと、一瞬思ってしまいました。

 ただ、多くの料理人を救助するというシーンが一切なかったので、恐らく個々の料理人たちは最悪の結末を迎えていたのではないかと思われ、その面では実に利己的なウシバロックの犠牲になったとも言えるわけで、やはり倒されて然るべき相手だったと断言できますね。

ほぼ止め絵状態のパトレンジャー…

 ウシバロックの事件に対する囮捜査として、料理人に扮する圭一郎たち三人。インスタントラーメンを用いるなど、全く以て料理人には見えないというシーンが用意されていましたが、立ち尽くす三人の画が挿入されただけで、多くを語られませんでした。いや、語る必要がなかったというだけですね(笑)。

 ここ最近で最も酷い扱いでした。パトレンはギャグ要員としても至極優秀です!

ノエルと透真

 ノエルは警察の人間として料理人の透真を利用することを思いつき、コレクションは透真に渡すという「取引」により、囮捜査への協力を取り付けます。

 ところが、透真は根っからの料理人であり、たとえ囮捜査のための「芝居」だったとしても、手を抜くことは一切ありませんでした。ノエルはその姿を賞賛し、プロフェッショナルな部分で共感を覚えるわけです。

 この料理人としての姿は、透真の恋人・彩がきっかけとなっていることを思うと、実に感慨深いものがありますよね。透真を演じる濱さんは決して料理が得意というわけではないそうですが、特訓の成果が素晴らしく、落ち着いた雰囲気と相俟って完璧に優秀な料理人として成立していました。拍手!!

 結局、透真は料理対決でウシバロックに圧勝。人間の味覚とは相容れそうにないギャングラーの舌を満足させるとは…恐るべし。

 一方、ノエルは恐らく警察としての立場が優位に立った上で、透真に協力を申し出ているわけで、それが義憤によるものなのか、警察のさらなる信用を得るためなのかは釈然としませんが、とにかく警察側の立場でジュレにやって来たことは間違いないでしょう。

 しかし、自らをコレクションの扱いにおけるプロフェッショナルだと自認するノエルは、透真のプロ精神に共感し、破損したダイヤルファイターの修理を買って出ます。ここでは最早警察としての立場が云々ではなく、個人的に透真の心意気に応える個人の感情が横溢しており、この意外な展開を経て、二人は快盗ではなくそれぞれの道のプロとしての共感を得るに至ったわけです。

 透真はこの一件で少なくともノエルが嘘を吐く人間ではないと確信したはず。魁利は警戒を解いていませんが、初美花もノエルを信用し始めているのが言動の端々から読み取れるので、いよいよルパンレンジャーの3分の2がノエル派に…!

ルパンコレクション

 デンジスパーーーク!!!

 ということで、デンジリングでした。電子レンジのような効果というところから発想していて、能力面よりも字面で来たかとビックリ。さすがに指輪だと小さすぎるからか、ブレスレット状になっていましたが、「エコ」に見える「D」のマークが嬉しかったですね。

次回

 魁利とつかさという、これまたどう絡ませるのか全く予想のつかない取り合わせが楽しみです。二人の意外な面を見せてくれる予感があります。

 

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