SirMilesのマニアックな日々

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー #48「仮面の下の素顔」

 幹部怪人が次々と倒れていくという、王道中の王道を行く最終編!

 キレたドグラニオの言動も痛快に映り、ゴーシュの非道振りが強調される見事な最期となりました。

 そして注目すべきは「正体バレ」。意外にもあっさり風味!!

ゴーシュ・ル・メドゥ

 このキャラクターの行動原理は、全編を通して靄に包まれていましたが、ようやく土壇場でマッドドクターとしての興味が突出していたものと判明しました。

 前回も触れましたが、巨大化要員としての面が非常に強かったものの、このマッドドクター属性によって、ゴーシュは特徴的なキャラクターとして散っていくことになったわけです。

 それは、ドグラニオの思惑や統治下であることすら意に介さず、自らの興味の赴くまま行動していたゴーシュが、結局ドグラニオの「興味」によって破滅を迎えるという、実に非道な悪役らしい最期でした。

 ただ、彼女が本編大筋で果たした役割で特筆すべきものは、ノエルの正体看破と、ザミーゴの強化くらいで、やはり巨大化要員の域を飛び越えるほどではありませんでしたね。コレクションを取り上げられて弱体化した後は、ほぼ瞬殺に近いやられっぷりになってしまい、順当に幹部を片付けていくルーティン感は否めません。

 当の「正体バレ」にしても、ドグラニオが煽った結果でしかありませんし、ゴーシュはまんまとドグラニオの「興味」の糧になってしまったと言えるでしょう。

 劇中のゴーシュは、まあそんな感じなんですが、私が特筆しておきたいのは、やはり声を担当した竹達彩奈さんの存在でしょう。竹達さんのキャリアとか出演歴等には全く詳しくないので的外れかも知れませんが、そのトータルイメージからは随分離れた役柄だったな、というのがゴーシュの印象なのです。あれほど妖艶な声で演じられるポテンシャルには驚嘆しましたし、今回の断末魔の(良い意味での)「汚れ方」は実に素晴らしいと思いました。失礼ながら「悪役も行けるんだ」というのが率直な感想だったわけです。

 是非、ゴーシュを一つのターニングポイントとして、様々な役に出会って欲しいなと思います。

やっと動くドグラニオ

 巨敵は最後に動く。これも王道のセオリーですが、穿った見方をすれば、快盗 VS 警察がメインなので、最後の最後に両チームが協力して倒す敵として、ようやく舞台に登場したということでしょうか。

 その辺りの事情は脇に置くとして、黄昏のボスたるドグラニオが身を乗り出すほど面白かったのが、今回のノエル公開処刑でした。これまで人間界に現れたのは一回のみ。それを考えると、今回はよほど血が騒いだようですね。

 ノエルの「何故アルセーヌを亡き者にしたのか」という質問にも、単純な面白さを求めたと答えて悪びれる様子すらないあたり、徹底されていて良いです。要はドグラニオもゴーシュも興味を先鋭化させて他の要素を排した人物ですから、やはりこれまでギャングラーの頂点に君臨して来た実力が最終的にモノを言う…という具合に、両者の鮮やかな対比があったわけですね。振り返れば、結局ギャングラーは皆、興味本位でしか動かない種であり、その頂点たるドグラニオも例外ではない、いや、逆に例外と言って良いほど強烈な好奇心の持ち主だということが分かりますね。

 そして、ルパンレンジャーの正体バレもお膳立てした手腕(?)は、さすがと言ったところ。何となくアルセーヌとの関係に秘密が残っているような気はしますが…果たして?!

快盗の正体!

 全国生中継で正体バレとなった快盗。シチュエーション的には「ウルトラマンガイア」を思い出します。しかしながら、ウルトラマンは救世主的な扱いをされていたのに比べ、こちらは義賊という肩書のアウトロー。実際に日本の法に触れているか否かは別として、ダーティなイメージは避けられません。群衆の中に「ジュレの人たちだよね」とつぶやく人物を配置する演出の鋭さには感心しました。

 このシーンで最も印象的なのは、魁利たちが微笑んでいることでしょう。快盗がスタイリッシュでなければならないのは勿論のこと、残りわずかなルパンコレクションを収集するためなら、最も確実な方法として正体を世間に晒すことも厭わないという覚悟が垣間見られるわけです。迷いがない故に、あっさりした印象がありました。

 さすがに素面名乗りまでは行きませんでしたが、マスクオフ状態の尺を長めに取って三人の「正体」を印象付けるなど、演出が冴えに冴えていましたね。

 一方、コグレさんは、魁利たちのこの行動には断固反対していたようで、ノエルを見捨てることすら提案。快盗側の後見人キャラですから、まずは大上段に構えているテーマを振りかざすのが王道とは言え、これまでの言動からは少々違和感を禁じ得ません。しかし、その違和感こそが事態の切迫度を示しているわけであり、正体バレに頭を抱える姿に悲哀も見られ、コグレさんのキャラクター性の深さを感じることができました。

咲也は…

 初美花が快盗だと知った(というより確かめた)咲也の心中はいかばかりか。

 初美花の「好きになっちゃったんだもん」というセリフにドキリとさせておいて、実は「ジュレでの暮らしが」だったというところにガクッとなりつつも(笑)、やはり咲也を特別視しているのは、既に間違いないところ。咲也はそんな初美花の気持ちを知ってか知らずか、精一杯目前の状況から目を逸らそうとしていて辛いですねぇ。

 恐らく、気持ちの整理が付けば答えは一つだろうと思います。彼の場合は警察としての義務を優先するでしょう。

ゴーシュのコレクション

 ゴーシュの持つ数々のコレクションは、ドグラニオに回収されてしまいました。

 前回、今回で最も目立っていたのはキバレンジャーの白虎真剣。巨大化時に使用していたのは、「ゴーゴーファイブ」のライフバードからテイルインジェクター。そしてノエルを戦慄されたゲリルモンドなる双眼鏡は、「ゴーバスターズ」のソウガンブレードでした。

次回

 魁利と圭一郎、ドグラニオとザミーゴ。並列での会話劇がメインでしょうか? 嵐の前の静けさといった位置づけになりそうですが、果たしてどうなるのか。楽しみですね!

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