SirMilesのマニアックな日々

騎士竜戦隊リュウソウジャー 第10話「無敵のカウンター」

 待望のアスナ編。今回は正真正銘のヒロイン回でした。

 これまでのエピソードは割とギミック重視なものが多かったように思いますが、今回は感情に訴えかける、ある意味戦隊らしいドラマになっており、どこか懐かしい雰囲気も漂っていましたね。

トロールマイナソー

 トロール(トロル)をモチーフとしたマイナソーですが、トロル自体に妖精というイメージ(かのムーミンもムーミントロール)が強いため、このデザインに落ち着いたのが、まずは驚きです。

 岩石の塊という感じでまとめられており、ファスナーからヒョコッと出した顔が結構可愛らしく、楽しいデザインになっていますね。

 能力は、これまでのマイナソーからするとかなり戦闘向きになっていて、サブタイトルどおり無敵のカウンター攻撃を繰り出すのが特徴です。これがマイナソーの元になった「森健太」なる高校生の技能を先鋭化させたものとして説明されていました。ただし、健太自身のカウンター攻撃は、訳あって抑制されていた(主に回避行動に特化していた)ため、劇中では「ボクシング」というタームのみが気付きになり、ちょっと関連性が弱かったような気がします。

 健太の絶望感で一気に巨大化するなど、ドラマとの関連性は高く設定されており、その点は非常に納得できる展開になっていました。ゲストのドラマはちょっと重めで、ヒーローたちがちょっとコミカルで…という味付けが今シーズンには最適なのかも知れませんね。

ワイズルー

 今回もなかなかの役者っぷり。健太が喧嘩に巻き込んで怪我をさせてしまった庄司に化け、一生恨み続けるという呪詛によって健太の絶望感を煽るという、戦隊としてはハイブロウな作劇が鮮烈でした。

 アスナと健太の会話の途中で、いきなり庄司が現れるといった「違和感演出」をわざわざ提示していたのにも関わらず、私は途中までワイズルーだとは気付きませんでしたからね(笑)。

 エピローグに至っても、庄司の本音が不明なままという構成がなかなか意味深ですが、色々あったとしても、アスナの楽観的な視点どおりに進んでいくのではないでしょうか。

アスナ

 今回はヒロイン編が志向されているだけあって、アスナの多彩な表情を見ることができます。

 生活パートでのアスナはいつもの快活な表情、作戦会議でスルーされる際のふくれっ面、健太との交流時におけるヒロインの顔、ワイズルーへの怒りを露わにする際の目力溢れる表情などなど、枚挙に暇がありません。随所でスタイルの良さが強調されているのも今回の特徴で、正にヒロインのプロモーションといった趣でした。

 一方で、楽観主義者、強運の持ち主(劇中では「結果オーライ」と呼ばれていました)、怪力キャラ、知性派からは遠いといった、これまで描かれた部分の強調に加え、新たな要素を付加するエピソードでもありました。それはいずれもアスナにとって魅力を増す設定になっていたのが良いですね。オーソドックスなヒロイン像と、変化球的なヒロイン像を兼ね備えている感覚でした。

キシリュウオーアンキローゼ

 アンキローゼがメインになった途端、ポージングがヒロインっぽくなるのが笑えます。これまでロボにジェンダーを意識させるようなことはほとんどありませんでしたが(ヒロイン専用の単体ロボ等の例はありますが)、これからはこうした演出もありですね。

 結果オーライの究極として、ピタゴラスイッチばりのミニチュア演出が用意されていたのには驚き。特に今シーズンは巨大戦が重視されているので、ルーティン化を避けるのは至上命題。今回のような絶妙な間とギミックで魅せる巨大戦は、様々な変化の試みとして高く評価されて良いと思います。

今回のバンバ

 普通に龍井家に違和感なく溶け込んでいたり、コウたちと一緒に行動したり。あれ? という感じではありましたが…。

次回

 次回は新たな騎士竜が登場! パワーアップ譚ではありますが、ソウルの乱発でソウル自体の印象が薄くなっているので、どう描かれるのか興味深いところですね。

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