第24話「見参侍戦隊」

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 まさかの「侍戦隊シンケンジャー」とのコラボレーション!


 脚本は「電王編」での登板も印象深い小林靖子さん。「タイムレンジャー」あたりから、その脚本の巧さは光っていましたが、今年は「シンケンジャー」をそのビジュアルインパクトと反対側へ振り切るほどの迫力で描いており、その評価は実に高いものとなっています。今回の「シンケンジャー編」は、本家のメインライターが登板したということで、正にシンケンジャーの出張版になっており、シンケンジャー本編としても十分に楽しめるものに仕上がっています。

 まだ前半なので、「シンケンジャー」と「ディケイド」それぞれのストーリーが並行して進行している程度にとどまっており、完全に交差するところまでは来ていません。しかし、この軽いコラボ感により、「シンケンジャー」を未見の視聴者でもその世界観をある程度理解することが出来、いかに「ディケイド」とかけ離れたものなのかを味わうことが出来ます。一方で、外道衆を各世界の「怪物」に見立てたストーリー運びにより、いつもの「ディケイド」のパターンにちゃんと則っているのは秀逸。この絶妙の匙加減により、「シンケンジャー」の世界に士達が迷い込んだ感覚と、あくまで「ディケイド」の数々の世界の一つがシンケンジャーの世界だという感覚が同居しているのです。

 いわゆる「撮り方」も、戦隊の「東映チャンバラ映画」的アングルではなく、あくまで平成ライダーの「モダンムービー」的になっており、正に融合。一方で音楽は「ディケイド」のものだけを用いるのではなく、「シンケンジャー」の音楽が随所に使用され、一瞬「シンケンジャー」の本編そのものを見ている感覚に陥るところも巧い。


 前回でもちょっと触れましたが、あくまでライダーファン=戦隊ファンではないのは当たり前のことであり、人によってはその断絶の度合も深いものと思われますが、今回は「シンケンジャー」の世界観をちょっと笑っている感覚もあるので、戦隊ファンでない方でも楽しめるのではないでしょうか。

 「シンケンジャー」は「シンケンジャー」で、あくまでそのぶっ飛んだ世界観の中で大真面目に立ち回っているのですが、「ディケイド」にひとたび登場を果たすと、そのぶっ飛んだ世界観はユーモアの対象になって当然。このあたりを小林さんが書くことで、ユーモラスな感覚でとらえられたとしても「シンケンジャー」のファンは充分納得出来ると思います。


 なお、私は「シンケンジャー」のブログも並行して運営しているので、基本的に「シンケンジャー」側のキャラクターや世界観、ノリといった要素はそちらのブログとの連続を意識して記述します。

 「シンケンジャー」未見の方の為に、各キャラクターの紹介を。


  • シンケンレッド・志葉丈瑠 ... 「丈瑠」と表記
  • シンケンブルー・池波流ノ介 ... 「流ノ介」と表記
  • シンケンピンク・白石茉子 ... 「茉子」と表記
  • シンケングリーン・谷千明 ... 「千明」と表記
  • シンケンイエロー・花織ことは ... 「ことは」と表記
  • シンケンゴールド・梅盛源太 ... 「源太」と表記
  • 目付役(ジイ)・日下部彦馬 ... 「彦馬」と表記


 それでは、歴史的な出来事の目撃者になりましょう(笑)。

 冒頭は、源太の烏賊折神を盗んだ海東の様子から。このシーンは、先週の「シンケンジャー」のエンディング直前に突如挿入され、視聴者に驚きを与えました。

海東

 何者かと問う源太に、


「通りすがりの仮面ライダーってとこかな」


と答える海東。士の決め台詞をユーモラスに引用しています。「響鬼編」でも同様に名乗っていましたね。


「仮面ライダー?何じゃそりゃ!?」


と源太。源太らしい台詞ですが、実はこの一言こそがこの世界のすべてを言い表しています。


 さて、光写真館はやけに古風な看板を擁しており、その外観はなかなか壮麗なものになっています。「シンケンジャー」が志葉家の屋敷を中心に展開していますから、明治の洋館風の外観は良いコントラストを生むと共に、親和性をも感じさせます。

光写真館

 そして、士の手には謎のブランクカードが。

謎のカード

 これ、ややネタバレになってしまいますが、よく見るとシンケンレッドの個人武器である「烈火大斬刀」のシルエットです。本編でも、シンケンレッドが烈火大斬刀を振りまわすシーンが印象的に描かれていますので、物語における何らかの鍵になっているものと思われます。


 士の頭上よりオーロラが降って来て、この世界の士の役割である黒子の姿に。

士、ユウスケ、夏海

 士が光写真館を一歩出ると、いつもその世界での役割に合わせたコスチュームに変化していましたが、こんなプロセスを経ていたとは。興味深いです。


「何の世界か知らないが、この俺の役割を黒子に振るとはな。いい根性してる...」


と士。「シンケンジャー」における黒子の役割は、影に日向にユーモラスにシリアスに、と多岐に亘りますから、士が憤るのはちょっと筋違い。しかしながら、士はこの世界のお約束など知る由もないし、いつも主役は自分という意識が強いので、当然と言えば当然なのです。この世界観のギャップに関する描写は、随所に登場してきます。


 士は道すがら海東と出会い、既にお宝を手に入れた様子の海東をからかいます。

海東と士

 海東は、


「ここ程君を拒絶する世界はないんだからね。ここはね、ライダーのいない世界だよ」


と士に忠告します。海東はずっと昔から、通りすがりの仮面ライダー。このシンケンジャーの世界に関しても、熟知しているようです。

 そこに、海東を追ってきた源太が登場。海東は逃走態勢に入ります。これまで、あまり海東自身の身体能力がクローズアップされることはありませんでした(というより、平成ライダーでは変身前をなるべく超人的に描かないようになっている感があります)が、ここでは海東の凄いジャンプ力や身のこなしが描かれ、何となく懐かしい感じがして嬉しくなってしまいます。

 夏海は、


「ライダーのいない世界...」


とやや不安げな表情を浮かべています。

 そこに突如ナナシ連中が登場。この世界にも「化け物」が居ることを認識した士は、すぐさま変身しようとします。ところが、突如現れた大勢の黒子に士は巻き込まれ、いつの間にか黒子の一員になってしまいました。

士と黒子

 この速いテンポ感が実にイイ感じ。そして、真打たるシンケンジャー登場!

シンケンジャー

 ここで、「シンケンジャー」本家にはないシーンが突如展開されます。流ノ介が、


「控えろ!こちらにおわすのは志葉家十八代目当主・シンケンレッド・志葉丈瑠様にあらせられるぞ!外道衆!恐れ入って大人しく隙間へ帰れ!」


と見得を切るのです。本家ではこんなことしないぞと思いつつも、


ことは「流さん、それは無理やと思うわ」

千明「逆にやる気出してるっつの!」

流ノ介「いや、一度やってみたかったんだが...やっぱりダメか!」

茉子「あたし達でお送りしないとね。三途の川に」

丈瑠「行くぞ!」


と展開。つまりこれは、「シンケンジャー」の世界観を端的に見せる為の「寸劇」だったわけです。導入として実に洒落ていますね。

 そして、待ってましたの一筆奏上!

一筆奏上!

 何と、変身シーンがバンクではなく新撮!一人一人名乗りつつ、変身していくという趣向がカッコ良過ぎで、このまま本家に逆輸入しても効果的ではなかろうかと思わせる出来です。これは嬉しいサプライズ。

 勢揃いの名乗りはいつも通りにキメていきます。

シンケンジャー、参る!

 ここからしばらくシンケンジャーの独壇場。いつもながらの素晴らしいチャンバラアクションを展開し、大勢のナナシ連中をあっという間に斬り捨てていきますが、どことなく平成ライダー風のアングルやカット割が、独自の雰囲気を作り出していて興味深いシーンです。

 最後は丈瑠の烈火大斬刀でケリをつけます。

シンケンレッド VS ナナシ連中

 ナナシ連中を一掃すると、丈瑠達は早々に立ち去って行きます。「ディケイド」のキャストに場面を譲っていく感じが、舞台演出的で面白いです。

 ユウスケは、


「何だろうね?あの人達。今どき殿様って...」


と不思議顔。夏海も、


「ライダーじゃなくて、殿様がいる世界ってことでしょうか」


と呟きつつ、ユウスケと共に不思議顔です。

夏海とユウスケ

 2人が気付いた頃、士はいつの間にか黒子に紛れて居なくなってしまいました。


「凄いね。あっという間に居なくなった」


とユウスケ。しかし、夏海はこの状況を面白がることもなく、うつむいています。


ユウスケ「...どうかした?」

夏海「何か、士君が消えたみたい」

ユウスケ「ああ、確かに。今度は士がいない世界だったりして」


 またも沈黙が訪れます。


ユウスケ「...何?」

夏海「別に...ただ、ライダーのいない世界って...」


 このやり取りも重要です。ライダーのいない世界=ライダーという存在を拒絶する世界において、士はその存在を限りなく滅してしまうのか。既に士に対するシンパシィが目覚めていると思われる夏海にとって、これは酷な状況なのでしょう。小林脚本は、こういった感情の機微を描くのに長けていると私は思います。ただ、ユウスケもライダーなんですけどね(笑)。


 さて、シーンは替わり、舞台は志葉家の屋敷に。

 丈瑠達を出迎え、ねぎらう彦馬に、丈瑠は「ジイ!」と何やら咎めるような呼びかけ。

 彦馬は目を丸くして、何かを誤魔化している様子。

彦馬

 これ、「シンケンジャー」未見の方には、このシーンの奥深い面白さが伝わりにくいと思うのですが、これから展開される丈瑠と彦馬に関連したシーン(特に喧嘩)は、「シンケンジャー」におけるお約束の繰り返しというわけではなく、これまで描かれて来なかった新要素なので、完全に「シンケンジャー」本家と地続きになっています。つまり、「シンケンジャー」自体が一週休止している間に、「ディケイド」に舞台を移して展開しているわけです。


 黒子の士は、


「なるほどね。あの化け物と戦ってんのが、こいつらシンケンジャーってわけか。しかし、侍ね...。しかも殿様とジイって」


と、平成ライダーシリーズとのギャップにシニカルな笑いを向けています。これがまるっきり厭味になっていないのがいい感じ。

士

 そんなことを思いつつも、士は、丈瑠の彦馬を見る目が何故か気になっています。


 一方、ユウスケと夏海は光写真館に帰って来ましたが、夏海はずっと不機嫌なまま。

 栄次郎は、夏海の顔を模した(?)クッキーを焼いたりしてエンジョイしていますが、それが余計に夏海を苛立たせます。ユウスケから「ライダーが居らず、殿様の居る世界」だと聞き、栄次郎は、


「お伽噺の世界だなぁ」


と茶化しつつ感慨に耽るのですが、その言葉が遂に夏海をキレさせてしまいます。


「どこがですか!ライダーが居ない世界なんですよ、ここ。何か、士君とか、本当に居なくて当たり前な感じで。ま、今までも、そんな世界ばっかりだったんですけど」

夏海

 夏海は、そのまま光写真館を出て行ってしまいました。ネガ世界やディエンド世界のちょっとズレ気味の夏海に比べ、思慮深く、感情的で、夏海というキャラクターの掘り下げが巧く出来ているのは特筆すべきところです。


 同じ頃、まだ源太と海東の追いかけっこは継続中。

 源太をあまりにしつこいと感じた海東は、とうとう変身して力づくで追い払おうとします。

海東

 ディエンドは「KAMEN RIDE SCISSORS」「KAMEN RIDE RAIA」でシザースとライアを呼び出し、源太を襲わせます。何処かで読んだところでは、源太に合わせて海産物系のライダーを選択したのだとか。ネタだとしても、なるほどと膝を叩きました。また、「龍騎」は小林さんがメインライターを務められた作品ですから、セレクトも順当です。

 源太も変身して応戦します。

源太

 シンケンゴールドと、ライダー達の乱戦が開始されます。

シンケンゴールド VS 仮面ライダーライア、仮面ライダーシザース、仮面ライダーディエンド

 こんな図が現実に見られるとは。戦隊の新戦士がライダー相手に戦っているという、実にシュールな図です。


 その様子を眺めているのは、鳴滝。


「侵食される...この世界もやがて、ライダーに...」


 危惧しているのか、はたまた楽しんでいるのか。その真意ははかりかねます。

 様子を伺っているのは鳴滝だけでなく、骨のシタリも隙間から見ていました。


「何だろうね、アレは。この世の者でもあの世の者でもないよ。ヤな感じだ。チノマナコは居るかい?」


と骨のシタリ。外道衆にとってもライダーが異質な存在であることは自明ですから、この台詞がど真ん中を突いてくる感覚は気持ちいいですね。

 呼び掛けに応じて力自慢のアヤカシであるチノマナコが登場し、骨のシタリの「様子見がてら突いて来い」という指示に従って、人間界へと繰り出していきます。


 一方、源太は華麗な刀捌きでシザースを倒します。が、余裕の海東。

 源太=シンケンゴールドの活躍、そして後に続く海東の苦戦振りから伺えるのは、戦隊ヒーローの単体での強さ。戦隊ヒーローはグループで敵に立ち向かうヒーローですから、単体の強さは表現されにくいきらいがありますが、今回、奇しくもこのようなシチュエーションで、その強さを表現することになったのです。


 そこに、チノマナコが登場し、


「お前突っついて来いって言われたから、突っつく」


といきなり無数の目玉爆弾を飛ばします。直撃を受けたライアが消滅し、連続攻撃の前にディエンドは大きなダメージを受けてしまいます。

 さらに、烏賊折神の入ったクーラーボックスを守ろうとして、海東はディエンドライバーを奪われ、変身も解除されてしまいます。

 ディエンドライバーを入手したチノマナコは、それが銃器であることを察し、海東に向けて発射しようとします。

チノマナコ

 源太は海東を庇おうとしますが、連続射撃の前に変身解除を余儀なくされます。

源太と海東

「凄い力だこれ!」


 ディエンドライバーのパワーの虜になったチノマナコは、ディエンドライバーを手に、去っていってしまいます。


 その頃、チノマナコがスキマセンサーに反応しなかったのか、志葉家の屋敷では丈瑠と彦馬の口論が展開されていました。

 実は、丈瑠は彦馬の持病の腰痛を心配しており、彦馬は今日、病院に行く約束だったようなのです。彦馬の腰痛については、「シンケンジャー」本家でもチラッと本人の台詞で触れられた程度なので、マニアックな掘り下げに思わず頬が緩みます。


 とうとう病院に行く行かないの口喧嘩になり、


「頑固ジジイ!」


と丈瑠が呟いてしまいます。


「これは!ジジイとは何たる暴言!殿のお言葉とも思われませんぞ!」

「うるさい!もういい、勝手にしろ!その代わり、外道衆とのことも関わらせないからな。流ノ介達にも言っとく」

「殿!ジイに隠居せよとでも?殿!」

「それもいいかもな!」

「分かりました。ジイが必要ないと仰せなら、病院でも、そのまま墓にでも参りましょう!」


 険悪ムードでありつつ、何となく微笑ましいのは、丈瑠と彦馬の長年の付き合いを感じさせる応酬が高い完成度を誇るからこそ。

彦馬と丈瑠

 その微笑ましい様子は、士も感じたようで、


「殿様って言うから、どんだけ偉いのかと思ったが、案外普通だな。可愛い喧嘩なんかしちゃって」

「ずっと気になってた。そろそろ正体を現せ」

「へぇ。さすがだな。ま、黒子見習ってとこだ。よろしく、殿様」


 頭巾を捲って素顔を見せる士。遂に二大ヒーロー素顔の邂逅です。

士と丈瑠

 そこに、


「失礼しまぁす」


とユウスケが黒子に扮して登場。士に足を引っ掛けられて転倒し、お盆の上の物を撒き散らしてしまいます。慌てて片づけるユウスケでしたが、そのまま士に襟首を掴まれて引き摺られ、屋敷の外に連れて行かれていまします。


「何だ?あいつら」


と怪訝な顔の丈瑠。そりゃそうでしょう。このあたりの笑いのテンポの良さは素晴らしいものがあります。

 ユウスケは、夏海がナーバスになっているのをかなり気にしており、この世界について色々調べたいという気持ちから、黒子に扮して潜入したのでした。しかし、そんなユウスケを咎める当の士も、この世界でやるべきことはまだよく分かっていない状態。


「ライダー達が居ないからな。いつもと勝手が違う」


と愚痴をこぼします。ライダーの居る世界ならば、ライダーに付きまとうことによって、その世界ですべきことを見出して来れた士ですが...。ただ、今回の結論としてシンケンジャーに付きまとうことを選択していますから、付きまとう対象としての共通項を戦隊ヒーローにも見出したと言えそうです。

 さて、そこに海東が転がって来ます。チノマナコが執拗に海東を追いかけていたのです。ボロボロになって逃げ惑って来た海東を見て、士は意地悪く笑います。しかも、チノマナコがディエンドライバーを持っているのを見て、


「けっさくだな。泥棒が泥棒されたのか」


と、さらに嘲笑。


「士、悪いよ...」


と言うユウスケに、


「ユウスケ、海東を助けてやれ。丁重にな。後で思いっきり、恩を高く売れる」


と海東のポーズを模しておどけて見せる士。この底意地の悪さは、やや前回との断絶を感じますが、もうそんなことが気にならない程楽しいです。意地の悪さの裏に、ちょっと優しさを感じさせるところも巧いです。

士

「ハイハイ...」


と投げやりな返事を返して、ユウスケは海東を光写真館へと連れて行きます。


 一方、士はチノマナコを迎撃すべくディケイドに変身しますが、やや苦戦気味。チノマナコの元々の強さに加えて、ディエンドライバーのパワーが効いているようです。

チノマナコ VS 仮面ライダーディケイド

 ディケイドは「KAMEN RIDE DEN-O」で電王に変身。チノマナコはいわゆる妖怪に近いものですから、ここでの出番は響鬼あたりということになりそうですが、やはり小林作品ということで、電王の登場となったのかも知れません。

仮面ライダー電王 VS チノマナコ

 ライダーのアクションが展開されると、即座にライダーの雰囲気に戻ってくるのが不思議。チノマナコは完全に「シンケンジャー」のテイストなのにも関わらず、です。


 ここでまた、隙間から様子を伺っていた骨のシタリの解説が入ります。チノマナコはとっくに水切れの時間なのに、まだ人間界で活動しており、それが得体の知れないパワー由来ではないかと骨のシタリは感じているわけです。ディケイド電王もディエンドライバーに苦戦を強いられており、ディエンドライバーに秘められたパワーが、チノマナコに人間界で長時間活動出来る能力を与えているらしいことが判ります。「水切れ」というタームの解説に関しては割愛します。


 ディケイドは、コンプリートフォームで反撃を試みます。

仮面ライダーディケイド・コンプリートフォーム

 何と、ここに至ってディケイドライバーをはっきりと腰に付け替える動作が描写されており、誤魔化しがない分、逆に妙な説得力がありました。

 間髪入れず、「DEN-O KAMEN RIDE LINER」で電王・ライナーフォームを召喚。やっぱり電王の登板なのでした。徹底してます。

仮面ライダーディケイド・コンプリートフォーム、仮面ライダー電王・ライナーフォーム

 しかし、「FINAL ATTACK RIDE」は、残念ながらディエンドライバーの力で避けられてしまいます。

FINAL ATTACK RIDE

 逃走するチノマナコ。士は、


「あいつを倒すのが、この世界で俺がやるべき事...かどうか。もう少しだけ、あいつらにくっ付いてみるか」


とシンケンジャーに付きまとってみることを決断。ここから、本格的なヒーロー競演が始まるものと思われます。実に楽しみですね。


 一方、逃走したチノマナコは、何とディエンドライバーで「KAMEN RIDE」!

チノマナコ

 凶悪なディエンド態に変身します。

チノマナコ・ディエンド態

 このデザイン、ディエンドだと一目で判りつつも、アヤカシであることを主張していて、素晴らし過ぎます。ディエンドのデザイン上、隙間が沢山あるからなのか、ナナシ連中を一斉に召喚。このギャグテイストを織り交ぜた恐ろしさも特筆モノです。


 ここでようやくスキマセンサーが反応。丈瑠達が行動を開始する様子が描かれます。そして、


「やはり、この世界にもライダーが生まれてしまった」


という鳴滝の呟きで今回は幕。そう、「シンケンジャー」というライダーの居ない世界に、「シンケンジャー」ネイティヴなライダーが、チノマナコ・ディエンド態という形で誕生したのです。展開の良さが前面に出ていますね。


 次週は「シンケンジャー」本家にも「ディケイド」のキャラクターがチラリと出るようなので、益々「スーパーヒーロータイム」への期待が高まります。