最終話「復活の時」

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ストーリー

 キャブレオンとの戦いは続く。だが、ガンシーサーが倒れ、さらにリヴァイアサンまでも倒されてしまう。その頃、天馬とルビーは謎の空間で生き延びていた。ついに、宇宙の意志・ウオフ・マナフとの対話が成立する。しかし、ウオフ・マナフは地球からの声が必要だとする。そして、辰平と愛の前にベルゼウスが姿を現わす。辰平は愛を庇って負傷、パイシーズに装着し戦闘に臨む愛だったが、ベルゼウスに倒されてしまう。

 ウオフ・マナフの意志は、「鎧を脱げ」と天馬に告げる。ベルゼウスは豪、そして涼子を襲撃。その様子を見ることのできる天馬は、蘭に必死に呼びかける。天馬の声がかすかに届いていた蘭は、グランセイザーに力を貸してくれるよう呼びかける。その必死の涙がついに水晶板の本来の力を呼び起こした!

 グランセイザー12人の意志が、蘭の言葉によってウオフ・マナフの意志に伝えられる。戦いを避けられないこともあるが、本来地球は平和を望む星であると。ウオフ・マナフの意志は納得し、キャブレオンとベルゼウスを制裁すると告げるが、天馬は自分の星は自分たちで守ると言い、遂に地上へと再び舞い戻るのだった! 12人のグランセイザーが全員ダイブインしたダイセイザーは、まさに無敵! キャブレオンをハイパーバースト一撃のもとに粉砕する。

 敗色濃いベルゼウスは戦意を喪失、ロギアによってウオフ・マナフに連行されることとなった。ロギアは自ら裁きを受けることを望んでいた。「もう戦いはごめんだ」と。そして超星神は天へと還る。ついに平和が訪れたのだ!

解説

 遂に最終回を迎えたグランセイザー。「超星神グランセイザー」として最高の最終回だったのは、実際に見られた方々が一番よくご存知だと思う。グランセイザーの意志を動の面で代表する天馬と、静の面で代表する蘭が、宇宙と地球で意志を通じ合わせた瞬間、蘭の涙によって交信能力が発動する。さらには、12人誰もが欠けても調和は訪れないという意味合いも随所に見られ、堀口博士がエピローグ直前に口にした「仲間か」という言葉で遂にグランセイザーのテーマが締めくくられる。

 思い出していただきたい。グランセイザーは12の星座の戦士。つまり、地球人を運命付ける黄道12星座の代表なのである。地球人が真に平和を得る為には、地球人たちが調和しなければならない。これが、グランセイザー全51話のメッセージだ。

 一方、部外者であり、ある意味被害者でもあったロギアにスポットをあててみると、最終的に断罪されようとしている態度が非常に興味深い。本来はウオフ・マナフに踊らされていたのだから、ウオフ・マナフに抗議さえする権利も彼にはあるように思える。しかし、敢えて彼は自らの行為すべてを罪として受け入れるのだ。それは、彼が常に「戦い」を求めていたからであり、ウオフ・マナフにとって「戦い」は単なる手段であり、「戦い」を目的とすることは罪なのである。ここまで徹底してテーマを語られると、もう完全にノックアウト。天晴れ、制作関係者の皆さん。

 そして、最後の最後に抜群の存在感を見せた堀口博士、御園木、沖田。彼らもまた、「戦い」を目的としない善なる意志の代表だった。この3人に印象的なキャストを配した慧眼は素直に認めなければならない。

 グランセイザー12人も、一人一人が素晴らしい存在感を見せてくれた。誰一人没個性とならず、1年間のシリーズを乗り切ったのは、キャストの皆さんの魅力、そして努力の賜物だ。そして、魅力あるアクションを展開したスーツアクターの皆さんにも賛辞を送りたい。12人+超星神5体という前代未聞の集団戦が、見応えあるものに仕上げられたのはまさに奇跡であり、その奇跡は努力と鍛錬に裏付けられたものだ。

 「超星神」はシリーズ名へと昇華され、東宝のTV特撮番組としては、異例の盛り上がりを見せた。今後もその動向に大いに期待したい。