#17 散りゆく光の中で その2

  • 投稿日:
  • by

 後半は、スメラギの思いが伝わり、各陣営がこの事態を収拾すべく団結していく様子と、セルゲイの最期を。

 ピラー外壁の破片がパラパラと(といっても、隕石並の巨大な構造物ですが)落ちてきて、このままでは麓の人口密集地に甚大な被害が出ます。

 スメラギは付近に展開する全軍に有視界通信を送り、被害が予想される地域への、ピラーの破片落下を食い止めるよう依頼します。


「このままでは、何千万という人々の命が消えてしまう。だからお願い、皆を助けて!」

スメラギ

 これは、スメラギにとって実は凄まじい自殺行為です。

 何しろ、展開する全軍に「リーサ・クジョウ」の面が割れたわけですから。

 ただ、それだけにインパクトは大きく、カティをも動かしたのかも知れません。

 一方でビリーはどう感じたのでしょうか。気になるところですね。



 ケルディムガンダム、アリオスガンダム、セラヴィーガンダムの3機がピラー破片の破壊を開始します。


 各ガンダムは超絶な機動力と破壊力を発揮して、次々に破片を破壊していくのですが、これが実にカッコいい。

 ただ、いかにガンダムと言えど、少しずつ破片を撃ち損じたりします。


 アレルヤが失敗したとき、


「これは戦いじゃないわ!命を守る為の!」

マリー

と、遂にマリーがGNアーチャーで出る!

 赤い(シャアザク色)のパイロットスーツが似合いますね。人革連、アロウズのものは何となくマリーが着ると冷たい感じでしたが、暖色系を着ることで印象がグッと変わります。


 GNアーチャーも、何の前触れも無くモビルスーツ形態に変形。一応、既にプラモでネタバレしてましたけど。

GNアーチャー

 この後、アリオスガンダムと仲良く並んでバンバンぶっ放します。ある意味微笑ましい光景でした。


 ロックオンが失敗すると、今度はカタロン部隊が加勢。

カタロン

 ティエリアが失敗すると、クーデター派も加勢します。

クーデター派

 この後、敵対していた連邦の正規軍も破片破壊に参加。

正規軍

 これにより、都市部への直撃は免れそうだという予測に至ります。


 何となく、「逆襲のシャア」のラストを彷彿させますね。


アニュー「こんな状況で、全てが一つにまとまっていく」

ラッセ「皮肉なもんだな。だが、悪くない」

アニューとラッセ

 この会話は視聴者の代弁だと思われます。

 この2人の気持ちと近い感情を抱いた人は多い筈。


 ここで、突如アロウズの部隊が接近してきます。

 しかし、スメラギは続行を指示。


「指揮官が彼女なら、きっと...」


と、カティならば人命優先の作戦を展開すると信じるスメラギ。


 その予測どおり、アロウズの地上部隊も破片撃墜に参加します。


 ルイスは、


「いくら命令とは言え...」


と、この指示に不満を覗かせている模様。

 この不満は、恐らくソレスタルビーイングを目前にしながら、彼等に協力しなければなららないという不満でしょう。

 ここでルイスが人命を軽視しているとは断言できません。


 一方、アンドレイは、


「私は、命を見捨てない。父と違う生き方をする!」


と言っており、人命優先の行動に大きな共感を抱いていることが分かります。


 ルイスとアンドレイの間ですら、随分温度差があるようですね。

 ホーマーとグッドマン、そしてルイスとアンドレイ、カティとビリー、ブシドー、イノベイター...。

 アロウズの弱点は、強大な軍備を持ちつつも、構成人員の意志がバラバラなところだと言えるのではないでしょうか。


 さ中、ピラーよりセルゲイとハーキュリーのモビルスーツが飛び出してきます。

 リニアトレインに乗った市民が全滅したのかどうかは、残念ながら定かではありません。


 マリーは、ティエレンタオツーに気付き、近付いて行きます。


 悪いことに、ルイスがこの様子をアンドレイに報告するのです。


 刹那も現場に到着しました。

刹那


 その間、アンドレイはハーキュリーを呆気なく落とし、セルゲイに迫ります!


「軍規を守って母さんを殺したくせに、クーデターに加担するなんて!」

アンドレイ

「母さんの...」

「アンドレイ...」

セルゲイ

「仇ぃっ!」

ジンクスIIIとティエレンタオツー


 14年前、ホリーは「次の作戦」での死を何となく予感しており、アンドレイのことを宜しくと言っていました。

 しかし、母の葬儀の後、教会を覗くアンドレイを、セルゲイは無視して(というか思わず目を逸らして)しまったのです。


 私が思うに、ホリーを失った悲しみは、セルゲイを極限まで苛んでいたのでしょう。

 この時点では、アンドレイにかまっている精神的余裕がなかったのではないでしょうか。

 そして、そのままアンドレイはセルゲイに対して心を閉ざしてしまい、セルゲイもどうすればいいか分からなくなってしまったのでは。

 生真面目な軍人らしい苦悩が垣間見られます。


 ここからは、余計な解説を挟まずに、場面だけを振り返ります。


「アンドレイ、すまなかった。心を閉ざしたお前に、どう接すればいいか...努力を怠っていた」

セルゲイ

「今更そんなことを!」

「は、離れるんだ...」

ジンクスIIIとティエレンタオツー

「ホリー...すまない...」

ホリー

「大佐ぁぁぁぁぁっ!」

マリー



 私事ですが、今回はリアルタイムで見ておらず、録画したものを寝る直前に見ました。

 セルゲイファンだった私には、実に後味が悪く、恥ずかしながら、なかなか寝付けませんでした。


 アンドレイは「命を見捨てない」という大義名分を掲げつつも、結局は私怨による行動に走り、よりによって父親を殺してしまうに至ったわけです。

 このテの話はガンダムシリーズではよくあることですが、アンドレイが「確固たる意志でアロウズに参加している人物」であることに問題があります。

 アンドレイが、アロウズとしての作戦行動中に誤ってセルゲイを撃ってしまうのなら、まだ救いようはあります。

 しかし、今回のようなパターンでは、言い方はすこぶる悪いですが、単にアンドレイが「アホなガキ」なだけに映ってしまいます。


 次回はいきなり4ヵ月後だとか。

 状況がどう変わっているのか、あるいは変わっていないのか。

 まだまだ強く興味を惹かれます。