#13 聖者の帰還

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 2008年最初の「ガンダム00」。


 前回の予告で「刹那、ガンダムになる」てなニュアンスのフレーズが登場していたので、爽快な活躍劇になると思いきや、結構重苦しい展開になっていて唖然。

 しかし、刹那の「現地の一般少年の芝居」や、ロックオンが実銃を撃ったりと、アッと思わせる見せ場もあり、充実度の高い回でした。


 アザディスタンの内紛の仕掛人は、やはりサーシェス。

 エクシアとの戦闘時に、クルジスの少年兵の中の一人がガンダムに乗っていると気づきました。

 この時の会話から察するに、サーシェスはクルジスの内紛も仕掛けていた可能性が高く、彼にとっての「神」など存在しないように見受けられます。

 サーシェスが、PMCトラストに所属しているのか単なる契約者なのかは今一つ不明ですが、PMCは戦争によって利益を得ている企業なので、むしろ目的は明白だと言っていいでしょう。


 エクシアとの戦闘は、さすがサーシェスといったところ。しっかりエクシアに肉薄していました。

 ただし、刹那も冷静に対処していたのか、ひけをとらない技量を示していました。



 さて。


 今回のグラハム氏は、珍妙なセリフこそなかったものの、眼光鋭し。

 言動に緊張感が漂っていて良かったですね。行動を共にしていたビリーが、刹那の「無垢な少年の演技」にまんまと騙されていたのに対し、グラハムは刹那の発する何かを敏感に感じ取り、イナクトの情報をリークしました。

 ガンダムのパイロットだと分かったか否かは不明ですが、ソレスタルビーイングのメンバーであることは見抜いた様子。

 さすが、センチメンタリズムな運命をガンダムに感じた男ですな。


 丸腰でアザディスタンの宮殿前に降り立ち、ラフマディーを送り届けたエクシアを、追う事もなくただ見送るグラハムの表情が、実に良かったです。

 ガンダムにご執心故に、追撃したくてウズウズしつつ、ユニオンの体裁も気にせざるを得ない。

 この加減が秀逸でした。



 「聖者の帰還」というタイトルは、ラフマディーが帰還するということに対するものでしたが、宮殿に降り立つエクシアの厳かな雰囲気こそが、正に「聖者の帰還」に相応しい。

 丸腰という、ガンダム破壊に繋がりかねないハイリスクなミッションを指示したスメラギの判断は、正しかったのかどうか。

 それは、その後のアザディスタンの状況を伝える、若干寂寥感の漂うナレーションを聞くにつけ、疑問もなくはありません。


 ただ、これは刹那にとってのイニシエーションだったのではないでしょうか。


 アレルヤにもイニシエーションがありました。

 偶然20歳の誕生日と重なりましたが、超兵の研究施設を自らの手で殲滅するという、アレルヤ自らが選んだイニシエーションでした。

 このミッションを受け入れ、指示したのはスメラギでした。


 今回の刹那に与えられたミッションも、スメラギの用意した「ケジメ」だったのかもしれません。

 刹那の素養に大いに疑問を持つティエリアが真っ先に反対したのも、何だか象徴的ですね。



 そして、今回の目玉は。

 マリナではなく、紅龍!


 王留美の側近的存在で、有能な諜報員のような雰囲気を漂わせていましたが、遂に今回具体的な活躍が描写されました。

 ゾロのようなマスクを付け、忍者のような体術を見せる!

 王留美がロックオンに「役に立つ」と言っただけのことはあります。今回最もインパクトのあるキャラクターでした。

 いやぁ、ソレスタルビーイングには色んなエキスパートがいるものです。



 これで、一応1クールを消化したことになります。

 2クールで1シーズンを終了し、半年の充電期間をおくことが決定していますが、一体どう展開していくのでしょうか。