#19 絆

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 いやぁ、なかなかイイ話でした。

 プトレマイオスの(っていちいち書かなきゃならんとは面倒な...)ガンダムマイスターに心情の動きがあると、やっぱり面白いです。


 予想通りというか、収まるところに収まったというか。

 反目する(というより互いに「興味ナシ」な)刹那とティエリアが、トリニティを共通の悪と目することで、緩やかに結束していく様子が描かれました。


 予測できた展開ですが、ここに至るプロセスは感情移入しやすい作劇だった為、いい感じで響いてきたと思います。



 冒頭は、刹那&ティエリア VS トリニティ。

 長兄ヨハンは一際冷静で、下の2人のように感情的に反撃するのではなく、状況を判断してから行動に遷るタイプのようです。


 刹那の猛攻は、最近あまり活躍しなかったエクシアの、久々の晴れ舞台といった趣。

 スローネ・ツヴァイのファングをGNビームダガーやGNビームサーベルで落としていくという、格闘モノ的な爽快感はなかなかの迫力でした。


 ティエリアがヴァーチェを駆って、いきなり援護に現れるくだりは非常にカッコ良く、思わず鳥肌。

 ティエリアの刹那嫌いを知っていたからこその鳥肌ですな。


 そして刹那とティエリアがフォーメーションを組む!


「ふっ。まさか君と共に、フォーメーションを使う日が来ようとは思ってもみなかった」

「俺もだ」


 ここでスメラギがやや嬉しそうな表情をするのが印象的です。


 ヴァーチェがGNビームサーベルを振るい、ナドレが登場し、スローネのシステムをダウンさせるという、何だかスゴイことに。

 ヴァーチェに殆ど使わない筈のGNビームサーベルを振るわせたというのは、1/144 HGのプロモーションの一環でしょうか(笑)。



 今回、ナドレ、そしてティエリアの能力が明かされます。


 ヴェーダとリンクする機体を全て制御下に置く、ティエリア・アーデにのみ与えられた、ガンダムマイスターへのトライアルシステム。


 というのが、ガンダムナドレの真の力でした。


 「ガンダムマイスターへのトライアルシステム」とは、そのまま解釈すると「ガンダムマイスターへ審判を下すシステム」ということになります。

 つまり、ティエリアはヴェーダによってガンダムマイスターを審査する役割を委譲されているということです。ティエリアがヴェーダに一番近い人物であることは分かっていましたが、こんな重大なジョブを受け持っていたとは。


「そうとも。万死に値する!」


 と今回もティエリアは言ってましたが、要するに審判者としての発言なわけです。



 ところが、アレハンドロ・コーナーの笑みと共にトライアルシステムが解除されます。

 アレハンドロ・コーナーが、そしてリボンズが何かの鍵を握っているのは、もはや間違いなさそうです。

 アレハンドロ・コーナーはガンダム同士の戦いを予想していたし、「第3段階への移行」だとかモノローグで語ってましたし。

 リボンズのニヤリも実に意味深ですね。


 ちなみに王留美は、殊更プトレマイオス派というわけではなく、あくまでソレスタルビーイングの理想を信望しているに過ぎないことを匂わせてました。



 続いて、ロックオンもデュナメスで出撃。

 ハロがロックオンの行動にツっこむ明るい出撃シーンから、トリニティを挑発する豪胆振りまで、さすがロックオン兄貴といった感じ。


 しかし、ヨハンの話から雰囲気は一変。


 「ニール・ディランディ」というロックオンの本名は以前にも登場しましたが、今回は刹那の本名がフルネームで判明(「ソラン」という名自体は既に登場)。


 刹那の本名は「ソラン・イブラヒム」であり(中東っぽい分かりやすい名前)、クルジス共和国の反政府ゲリラ組織「KPSA」の少年兵でした。勿論、「KPSA」のリーダーはアリー・アル・サーシェス。


 ロックオンの両親と妹は、この「KPSA」の自爆テロに巻き込まれて死亡しました。


 これらはヴェーダにおけるレベル7の情報であり、ヴェーダの情報を自由に引き出せる何者かが、プトレマイオスのガンダムマイスターの分裂を狙ってヨハンに提供したものと考えられます。



 見事、ロックオンは沸々と復讐心を燃やし始め、刹那に銃を向けることになります。

 それを咎めるは、ティエリア。以前展開された構図とは真逆なポジションなのが好感。分かり易過ぎではありますが、ティエリアの心情の変化を明確に表現してます。



 ロックオンは神も宗教も太陽光発電システムも悪ではないことを知っているが、その中でやむを得ず生じる世界の歪みによって肉親を失ったと語り、その悲劇を根絶する為、あえて憎むべき暴力を使う側へとまわり、ガンダムマイスターとなることを受け入れたとしています。


 矛盾を抱えつつの毅然とした姿勢が、ロックオンの真価と言えましょうか。



 その後は、緊張感を湛えつつロックオンと刹那の問答が続くのですが、以前モラリアで、刹那がコクピットを降りるという行動をとった意味を、ティエリアが知るシーンは見逃せないシーン。刹那の行動原理を知ることで、彼への理解を進めていく感じがウマく出ていたと思います。



 では、刹那とロックオンの問答を以下に採録。


「刹那、これだけは聞かせろ。お前はエクシアで何をする?」

「戦争の根絶」

「俺が撃てば出来なくなる」

「かまわない。代わりにお前がやってくれれば。この歪んだ世界を変えてくれ。だが生きているなら俺は戦う。ソラン・イブラヒムとしてではなく、ソレスタルビーイングのガンダムマイスター、刹那・F・セイエイとして...」

「ガンダムに乗ってか」

「そうだ。俺が、ガンダムだ」

「ははっ、アホらしくて撃つ気にもなんねぇ。全くお前はとんでもねぇガンダムバカだ」

「ありがとう」

「ん?」

「最高の褒め言葉だ」


 最後にニコッとする刹那がイイですな。

 ティエリア微笑んで「これが、人間か」と呟くシーンも実に宜しい。


 ...演出の術中に完全にハマってしまいましたわ。



 さて、今回の他の動きを以下にまとめておきます。



 ソレスタルビーイングの関係者と名乗る者が、内部分裂の情報を各陣営にリーク。

 当然、何らかの企みの内の一つでしょう。ここではあれこれ予想するのを止めときます。アレハンドロ・コーナー絡みかなぁという予想は成立しますが。


 沙慈とルイスの微妙にかみ合わない心情。

 沙慈が宇宙での仕事をするという夢をかなえることが、ルイスの夢だといいます。

 自由奔放、傍若無人な振る舞いをしつつ、内心は沙慈至上主義だったルイス。何だか沙慈絡みのシーンが一気に本編に溶け込んできました。

 ちなみに、沙慈とルイスの出会いの回想シーンはちょっと、というかかなり萌え(笑)。

 この沙慈とルイスのシーンはBGMもしっとりとした挿入歌で雰囲気満点。


 絹江の危険な情報収集継続中。

 「ラグナ」という語からリサーチした結果は、ラグナ・ハーヴェイなるリニアトレイン事業の総裁にして国際経済団のトップ。

 ガンダム開発の財力、軌道エレベータも自在に扱えると目される人物らしい。

 これが果たしてトリニティの言う「ラグナ」なのかは、まだ不明です。



 そして、エンディングでは次回への「引き」が。

 南極大陸の地下に、各大国陣営から招かれた一団が見た物は...というシーン。

 一体何でしょうか。これもあれこれ予想するのは止めておきます...。