第3話 勇士の証明

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ストーリー

 ヨシナガ教授は、ウルトラマンマックスが人類の味方であるという見解を示しつつも、高い能力を持ったエイリアンでもあり、注意が必要であるとした。カイトはその分析に憤る。その頃、中米の古代遺跡より古代怪鳥レギーラが復活。西北西の方向に飛行を開始した。DASHはただちに出撃する。

 ウルトラマンマックスが、人類の味方であり、地球を守る勇士であることを証明せんと逸るカイトは、早々にダッシュバード1へ搭乗していた。早速フォーメーションβ6でレギーラへの攻撃を開始。しかし、ウルトラマンマックスに変身するチャンスを作りたい一心のカイトはフォーメーションを乱す。結局マックススパークは反応せず、ダッシュバード1は海へと墜落、レギーラには逃げられてしまった。カイトは夢の中でマックスと邂逅するも、マックスは姿を消す…。

 カイトは病室で、ミズキに心中を暴露される。無理な行動をすればマックスが現れ、人類の味方であると証明できる…。ミズキはカイトの行動を依存心ととらえ批判する。ヒジカタ隊長は、果たして地球を守ることに証が必要だろうかとカイトに問いかける。隊長はカイトを信じた上で、DASHのエンブレムを一時剥奪した。

 その頃、エリーはレギーラの居所をスキャンし続けていた。カイトを心配しつつも実際は楽観視しているコバとショーンは、カイトの復帰が無理だと分析するエリーに、人間の心は数値じゃ測れないと一石を投じるのだった。

 サイパンに出現したレギーラは日本に向かって飛行、ミズキの放ったミサイルに被弾してエリアJK928に着陸。レギーラの猛攻にコバとショーンの載ったダッシュバード2が墜落してしまう。一方、消沈したカイトは公園で少女にキャンディを貰う。自分が守らなければならないのは、勇士としての証明などではなく、平和に暮らす人々なのだと悟ったカイトは、ダッシュアルファで出撃、コバとショーンの危機を回避すべく行動を開始する。

 レギーラの凄まじい強風に晒されたカイトは、ウルトラマンマックスに変身。マックスはレギーラとの凄まじい超能力戦を経て、遂にマクシウムソードで勝利する。晴れてカイトは、DASHに不可欠な隊員として認められた。

解説

 ウルトラマンに変身する主人公が、心理的な問題からウルトラマンに変身できないという展開は、帰ってきたウルトラマンの第2話を皮切りに、度々描かれた定番ストーリーである。ところが意外とこのパターンを純粋に扱っているエピソードは少なく、前述の帰マンを除けば、あとはダイナの第3話とコスモスの第3話くらいしか挙げられない。このパターンが何故か「定番」としてファンに印象付けられているのは、それらのエピソードが非常に印象深いからである。

 今回もそれらの伝統に漏れず、印象深いエピソードとなった。ただし、指摘すべき新しさがあるのを確認しておきたい。というのは、これまでのパターンが、自らが大いなる力を手に入れた事に対する驕りに起因した「肥大した自我にウルトラマンが反応しない」パターンだったのに対し、今回はウルトラマンの言う「一心同体」とカイトの考える「一心同体」にズレが生じたために変身不能となったという新しいパターンだったからだ。

 マックスの考える「一心同体」は、自らの「人類を守る」という使命を果たすにあたって、意志を同じくするカイトが必要だったに過ぎない。しかし、カイトはマックスと「一心同体」であるがゆえに、マックスに対する疑いの目が自らに向けられているような短絡的な錯覚に陥ってしまう。ここには、カイトの謙虚さといったものがひしひしと感じられ、力を手に入れたことに対する驕りはない。ディープな見方をすれば、これは紛れもなく新しいパターンだ。一方で、ミズキがそんなカイトの態度を、マックスに対する依存心だと見るあたりが非常にうまいと思う。カイト自身の問題と、それを外部から見た場合に見えている問題を、両方解決した上で、ウルトラに付きまとう矛盾を止揚してみせたのは、鮮やかだった。早くも傑作の匂いが…。

 ところで、今回もDASH隊員たちの描写が面白い。今回は特にショーンが目立つ。カイトを「サムライボーイ」と呼ぶ根拠が描写されていないのが惜しいが、この人なら突然そんなことを言い出しても違和感がないように思えて微笑ましい。意見を対立させるミズキとカイトを仲裁したり、感情論に過剰に反応するエリーをたしなめたりと、そのムードメーカーっぷりが遺憾なく発揮されている。コバの登場シーンも多かったが、個性という面ではまだまだ。これから主役エピソードが必ず作られるはずなので、期待したいところだ。

 1話、2話では、ダッシュバードの顔見世的な演出が目立ち、むしろ発進描写に重点が置かれていたが、今回は縦横無尽に高速で飛び回るアクロバティックなダッシュバードを見ることが出来る。随所にCGが使用され、ネクサスに続いての登板となったCGIモーションディレクター・板野氏の面目躍如となった。やはりミサイル連射は板野サーカスそのものだった! こうして見ると、何となくオモチャっぽい雰囲気を危惧していたダッシュ・メカが、結構カッコいいことに気付かされる。コクピットのクローズアップから一気に旋回するシーンなどは映画版並の贅沢さだ。

 また、ウルトラマンマックスのバトルは、アクロバットと光線系の合成が美しい「超越者のバトル」。空中で静止してバリアをあれだけ長く維持し続けたウルトラマンは、このマックスが初めてではないだろうか。マクシウムソードを手持ちで見舞うという、セブンファンに嬉しい描写もあった。マクシウムソードが純粋な切断技じゃないのが何とも残念だが、時代の要請だろう。

オマケ

 公園でカイトが自分の使命を再自覚するシーンでの、太極拳を練習していた青年。どうしても彼に目が行ってしまい、カイトの決意を少し印象の薄いものにしてしまっていた。

 変身シーンについて。前回はダッシュメットなし、今回はダッシュメットありのパターン。状況に応じてちゃんとバンクが使い分けられているのがイイ仕事。