第17話 誓いのフォーメーション

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ストーリー

 静まり返ったフェニックスネストで、リュウは一人ウルトラマンヒカリ=セリザワのことを考えていた。そこに現れたミライは「どうして戻ってきてくれないんだ」と言うリュウに何も答えられない。

 翌早朝、ミライはリュウの思いを伝える為、セリザワに会いに行く。そこへ現れたのは、怪獣サラマンドラ。ボガールが滅んだのに怪獣の出現が止まらないのは何故か、と問いかけるセリザワは、ウルトラマンヒカリに変身。ミライもウルトラマンメビウスに変身する。サラマンドラにはメビュームシュートさえ効かない。苦戦するメビウスを助けるべく、ヒカリが猛攻撃を繰り出し、ナイトブレードでサラマンドラを粉砕した。その様子をCREW GUYSはモニターしていた。リュウは、ヒカリさえいればGUYSはおろか、メビウスも不要だと考える。

 その後、再びサラマンドラが出現。処理班が破片を採取している最中に、一片から巨大な姿に復活したという。サラマンドラはかつてウルトラマンによって細胞片まで焼き尽くされたとの記録がある。それを聞いたトリヤマ補佐官は、ウルトラマンでなければ倒せないのではと言うが、リュウはそれに対し猛反論する。地球人類自らの手で守り抜くというリュウの意見は、CREW GUYS共通の意見だった。リュウが直ちにスペシウム弾頭弾を連発する作戦を提案、CREW GUYSは出撃した。メテオールを発動し、見事なコンビネーションでサラマンドラを陽動、スペシウム弾頭弾を打ち込む。しかし、サラマンドラは無傷で生存していた。

 サラマンドラの炎にリュウの乗るガンウィンガーが捉えられようとした刹那、ウルトラマンヒカリが出現。しかし、リュウは手を出すなと言い、「防衛チームが限界まで戦い抜いたとき、ウルトラマンが現れる」というセリザワの言葉を投げ返した。その時、テッペイがサラマンドラの弱点を発見した。喉の器官を破壊すれば、再生不能になるというのだ。喉を攻撃する方法はただ一つ、「フォーメーション・ヤマト」である。かつて、リュウがセリザワに鬼の特訓を受けた、急接近・急上昇を伴う危険な戦法だ。リュウは躊躇した。

 しかし、ミライの説得で「フォーメーション・ヤマト」は開始されることになった。ミライがサラマンドラに急接近・急上昇することで、上方へと注意を向けさせ、リュウが喉への攻撃を命中させることに成功。再生器官の破壊を見たヒカリは、サラマンドラへ闘いを挑む。ところが、ヒカリはサラマンドラの猛反撃に苦戦を強いられることに。そこへメビウスも登場、サラマンドラに優勢な闘いを展開する。メビウスとヒカリは同時に必殺光線を放ってサラマンドラを粉砕した。

 異空間で、ヒカリはメビウスにナイトブレスを託す。メビウスが左腕を見ると、メビウスブレスにナイトブレスが合体していた。「来るべき闘いのとき、必ず必要になる。お前に会えて良かった。でなければ、ウルトラマンとしての俺はない」というヒカリ。メビウスは「いや、僕だけではない。今のあなたがあるのは…」と答える。

 セリザワは、微笑みながらリュウに「強くなったな」と声をかける。「メビウスを、GUYSを頼んだぞ」そう言い残して、セリザワは空へと消えていった。光の国へ、ヒカリが帰るときが来たのだ。リュウは、光と化して旅立っていくセリザワに「お前なんかもう戻って来んな」と叫び、CREW GUYS全員で「ウルトラ五つの誓い」を唱和して送り出した。

 リュウは、サコミズ隊長のことを、初めて「隊長」と呼んだ。「守り抜こうぜ、地球を。俺達の手で」CREW GUYSは誓いを新たにした。

解説

 ウルトラマンヒカリの突然の退場、UGMの戦術の再展開、リュウが「今度こそ」CREW GUYS全員との絆を確認…という盛りだくさんの内容。しかしながら語り口は爽やかで、ヒカリ退場の後の余韻もいい。

 いきなり演出面から言及し始めてしまうが、今回はとにかくBGMの選曲が熱い。シリーズ当初より度々選曲されているGUYSのワンダバは勿論(歌付きの選曲は久々)、ウルトラマン80でも頻繁に使用されたBGMがワンダバ化されて登場。フォーメーション・ヤマトを展開するシーンの前後より使用され、そのシンクロ感が非常に高く、80を見たことのあるファンならば鳥肌モノだった筈だ。

 ところで、ヒカリの退場はかなり唐突な印象を受ける。実際にヒカリが光の国に帰還する根拠は、前々回にゾフィーが警告した「ヒカリ自身の限界」にあるのだが、ゾフィーのシーンはかなり短く会話の内容も抽象的だったため、帰還の直接の動機としては少々弱くなってしまった。むしろ完成作品から受ける印象としては、ツルギからヒカリへと変わった時点でセリザワとアイデンティティをも共有、ヒカリである以上にセリザワとしてリュウの成長を見届け、満足して去っていったというものだ。

 それは、ヒカリが光の国へと旅立つシーンで、「帰ってきたウルトラマン」の最終話を彷彿させる演出がなされていることに象徴的だ。実際には、ウルトラマンジャックは止むを得ず光の国へと帰って行ったのだが、ウルトラマンこと郷秀樹は、自分が弟のように接していた次郎少年の成長を見届けたことで、旅立つことができたという構図も持つ。「ウルトラ五つの誓い」が唱和されるシーンでは、唱和が終わった後「聞こえるか」というセリフまでが付け加えられているところに、深いこだわりが感じられる。

 リュウが「今度こそ」CREW GUYS全員との絆を確認。「今度こそ」としたのは、リュウが前面に出てくるエピソードでは、ほぼ確実にセリザワ時代のCREW GUYSとサコミズ時代のCREW GUYSの間でゆれる姿が描写され、一歩ずつサコミズ時代に歩み寄っていく様子が描かれてきたからだ。それぞれのエピソードで一つ一つがカタルシスを持っていた為に、リュウが現メンバーと完全に和解したように錯覚してしまっていた。しかし、今回はサコミズ「隊長」とリュウが初めて呼んだことにより、リュウは「今度こそ」新生CREW GUYSのメンバーとしてのポジションを確立した。ここから先は、ナイトブレスを託されたミライの成長が軸になっていく可能性も出てきたわけだ。

 今回の最大の盛り上げどころは、フォーメーション・ヤマトであろう。リュウの回想シーンに登場したセリザワは、UGMの主力戦闘機シルバーガルの模型を使って、フォーメーション・ヤマトの概要を説明しており、前述のBGMの高揚感と相まって、一級のファンサービスシーンとなっていた。CREW GUYSによって再現されたフォーメーション・ヤマトも、かつてUGMが展開したものを髣髴させ、熱いシーンとして成立。ヒカリ編の終結譚に選択された題材として、非常に的確だったと言えるだろう。

データ


監督

佐野智樹

特技監督

北浦嗣巳

脚本

赤星政尚