西条凪 副隊長 Nagi Saijo

 ナイトレイダーの女性副隊長。

 随一の行動派で、スペースビーストは押しなべて化け物以外の何者でもないと考える。任務やその気構えに対し、非常に厳しい面を持つ。目前を現実として率直に捉えられないとする主張の裏には、かつて科学者であった両親をアメリカでビーストによって惨殺されたという過去が関わっている。

 溝呂木とは力の妄信者としての意志の共有があったが、闇の使途と化した彼をビーストとして憎む。そんな彼女も、姫矢の自己犠牲を厭わない戦いに触れ、その閉ざされた心を少しだけ開放したようだ。溝呂木の死に際しては、彼に「人間として生きる」よう懇願しており、凪を覆っていた影は少しずつ晴れていったのである。

 そして、沙羅が「恐怖に打ち勝つのは愛と慈しむ眼差し」と説いた時に、憎しみに由来する力の無力さに気付いた彼女は、誰かを守るために戦う存在となったのだ。

 恐怖や憎しみを克服した彼女だったが、幼少の頃両親を殺害されたそのトラウマはあまりにも深かった。光を継承したのもつかの間、そのトラウマにつけ込まれた彼女は闇に飲み込まれ、その光の殆どを石堀に奪われてしまった。 (演:佐藤康恵)

 「ウルトラマンティガ」における、女性隊長イルマ・メグミ、「ウルトラマンコスモス」のシノブリーダーに続く、女性副隊長として設定。女性上官の存在は、ドラマの緊張感を高めるのに効果的であり、ドラマの盛り上がりを期待できる。「帰マン」の岸田隊員や「A」の山中隊員のような批判者としてのキャラクターも併せ持つ。

 デュナミストとしての描写が一瞬だったのは残念だが、ドラマ上この展開が正しかったのは誰もが認めるところだろう。