Emerson, Lake & Powell (エマーソン、レイク&パウエル)

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エマーソン・レイク&パウエル+2

 エイジアで多忙なカール・パーマーに代わり、ハードロック界のスーパードラマー、コージー・パウエルを迎えたエマーソンとレイクは、新たなグループ「エマーソン、レイク&パウエル」を結成。新生ELPとして華々しくデビュー...したかに見えたが、パーマーは「ELP」の表記を承諾しなかった。ここに、ELPであって「ELP」でない、不思議なグループが誕生した。

 デビューアルバムにして唯一のスタジオ盤となった本作は、「トリロジー」、「恐怖の頭脳改革」そして「ラヴ・ビーチ」の融合とも言える、ELPのエッセンスとキャッチーな佳曲が同居するパワー溢れる快作となった。

 まずオープニングの「ザ・スコアー」から既に圧倒される。エマーソンの華麗に華麗すぎるキーボード・ワークが冴え、インストゥルメンタルかと思わせつつ、レイクのパワフルなヴォーカルでさらに派手な展開。要所要所にヘヴィ・ドラマーとしてのパウエルのアイデンティティが散りばめられ、新生ELPを強烈に印象づける。

 「ラーニング・トゥ・フライ」、「ザ・ミラクル」まで組曲っぽい構成でキャッチーな楽曲を聴かせる。キャッチーでありつつやはりパウエルのキャラクターが反映されヘヴィである。「タッチ・アンド・ゴー」はそれらキャッチーな楽曲群の中でも群を抜くカッコ良さで迫る。

 一方で「火星-戦争をもたらすもの」のようにホルストの「惑星」のカヴァーも見られ、クラシカルな題材を好むエマーソンの趣味が伺えて微笑ましい。しかし、カヴァーはあくまでヘヴィでソリッド。

 総論すれば、このアルバムはひたすらカッコ良いアルバムである。「ラヴ・ビーチ」あたりのアルバムに偏見をお持ちの方は、是非これを聴いて当時のELPを再評価してみては?

原題

Emerson, Lake & Powell

邦題

エマーソン、レイク&パウエル

パーソネル

KEITH EMERSON - KEYBOARDS

GREG LAKE - VOCALS, BASS AND GUITARS

COZY POWELL - DRUMS AND PERCUSSION

曲目
  1. The Score (ザ・スコアー)
  2. Larning to Fly (ラーニング・トゥ・フライ)
  3. The Miracle (ザ・ミラクル)
  4. Touch and Go (タッチ・アンド・ゴー)
  5. Love Blind (ラヴ・ブラインド)
  6. Step Aside (ナイフ・エッジ)
  7. Lay Down Your Guns (レイ・ダウン・ユア・ガンズ)
  8. Mars, The Bringer of War (火星-戦争をもたらすもの)
  9. The Loco-motion (ロコモーション) (bonus track)
  10. Vacant Possession (ヴェイカント・ポゼッション) (bonus track)