SirMilesのマニアックな日々

海賊戦隊ゴーカイジャー Vシネマ「烈よ急げ!マーベラスよ」

 いやぁ、やってくれましたね。

 オールライダーの映画で、キカイダーやイナズマンが出ると聞いて、石ノ森先生のキャラならシリーズを超えて集合出来るんだよなぁ…としみじみ思っていたのですが。

 まさか、八手三郎名義作品でそれをやっちゃうとは。というより、村上克司御大縛りなのかな。

 なにはともあれ、我らが宇宙刑事ギャバンが、遂に登場ですよ。まぁ、TVではさすがに難しかったのか、Vシネという形ではありましたけど。

 ストーリーとしては、ギャバンが宇宙警視総監(旧「長官」のポストらしい)を務める銀河連邦警察が、遂にザンギャックの殲滅に乗り出すというのが縦糸。銀河連邦警察の規模があれば、ザンギャックなんてイチコロではないかと思っていたのですが、実はデカレンジャーの所属する宇宙警察とは管轄を分けあっていて、今まで手を出せなかったという(笑)、何ともマニアックな設定付き。銀河連邦警察って、地球から手を引いてたのかよ…と思わずツッコんでしまいました。

 しかも、銀河連邦警察のギャバンと宇宙警察S.P.D.のドギーは親友であると語られ(ショーで作られた設定らしいですね)、二人が地球で再会する事により、銀河連邦警察と宇宙警察の協力体制につながるという、上原脚本のような、「個人的な理由が宇宙紛争の解決につながる」パターンに感涙!

 残念ながら、宇宙刑事揃い踏みとはなりませんでしたが、マーベラスが「イガクリスタル」の存在に触れていたり、ハカセが「イースター島の遺跡」を分析していたりと、それぞれの世界観に即したタームを散りばめていて、不満を解消してくれます。

 では、続きの方で詳しく語っちゃいますよ。

 私、大葉健二さんはバトルケニアかデンジブルーとして出てくると思っていたんですよ。それがまさかのギャバン=一条寺烈ですからね。ホントに驚きました。

 サブタイトルは「ギャバン」最終編の初っ端にあたるエピソードのパロディ。オリジナルは「烈よ急げ!父よ」なのですが、父の部分がマーベラスになっています。

 このサブタイトル通り、マーベラスはザンギャックに参加した宇宙犯罪組織マクーの残党によって、罠にかけられます。そういえば、マクーも元々「宇宙海賊」なんですよね。この罠に関する展開が実に巧妙で、「スーパー戦隊とは別のヒーローの力」でマーベラスの興味を引き、ここで宇宙刑事シリーズの歴史を視聴者にサラッと見せています。そして、マーベラスが疑念を抱くのを計算した上で、ドギー本人を登場させてギャバンの存在を知らしめ、マーベラスの信頼を得るという、何とも狡猾な作戦が目を引きます。

 ギャバンという、スーパー戦隊以外のヒーローを登場させる事で可能になったのは、ギャバンの変身(蒸着)後を登場させる事。

 彼はレジェンド戦隊ではありませんから、存分に変身後が登場出来るわけで、Vシネらしい規模でゴーカイジャー&ギャバンの共同戦線を存分に堪能出来ます。

 で、何と言っても大葉さんが凄い。

 あのアクションのキレ、一体何なのですか!

 やっぱり大葉さんは凄い…って、こればっかり言ってますが、本当に凄いからしょうがない。蒸着ポーズも当時のままのキレで魅せてくれます。

 しかも、笑わせてくれたのは、豪快チェンジでバトルケニアとデンジブルーが登場した際、「他人とは思えない」とか言ってた処。そりゃそうでしょうよ(笑)。

 冒頭、ザンギャックの巨大戦闘艇と電子星獣ドルで戦うシーンがありましたが、再びその戦闘艇が地球に現れたとき、「また出やがった」と言ったのも聞き逃してはなりません。この「また出やがった」というのは、バトルケニアの定番セリフであり、巨大戦への突入前にほぼ全話で聞かれたセリフです。

 こういうマニアックな小ネタ、ディープなファンじゃないと絶対に分かりません(笑)。

 その電子星獣ドルのシーン、CGでかなりパワーアップしてましたね。当時のミニチュアも非常に精緻で、「金がかかっている」印象ですが、このミニチュアの質感を、うまく描写していたと思います。ドルファイアーやドルレーザーの再現は勿論の事、ドルキックが本当にキックになったのが素晴らしい。

 で、巨大戦はゴーカイジャーの担当となるわけですが、見事な構成でギャバンの等身大戦と並行しているのがいい。

 マクーの残党との戦闘は、ザンギャックがマクーのテクノロジーを研究して創りだした魔空空間にて行われます(サイバリアンでの突入シーンが超カッコイイ!)。

 ところが、オリジナルでは通常世界と断絶されていた魔空空間が、今回は少しずつ通常世界と混ざっています。これが凄いところで、ゴーカイオーのコクピットで戦闘が展開されたり、ふと巨大戦が魔空空間に発生した渦に飲み込まれたり…。この場面転換の巧みさは筆舌に尽くし難い。

 そして、レーザーブレードやギャバンダイナミックもしっかり登場。何と当時のバンクフィルムをCGでトレースして作られたというこのシーン。ここまでするのか!と思いましたね。ああ、シャリバンクラッシュやシャイダーブルーフラッシュも見たい!

 というわけで、大興奮の一編でした。本編のマジレン、デカレン、ゲキレンの登場でも興奮状態でしたが、こうしてギャバンと「再会」できるとは、正に奇跡体験でございます。

 ホント、4月1日という日に相応しい番外編でした。まさか、本気にしませんよね(笑)!?

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