SirMilesのマニアックな日々

バンダイ 1/72 オーラバトラー・ビルバイン

バンダイ 1/72 ビルバイン

 ビルバイン。ダンバイン体験者ならば言わずと知れた後半の主役機です。

 多分に商業的な要請を感じさせる「変形ロボ」ですが、私としてはその要請と世界観を巧みに止揚させた希有なデザインワークだと思う次第です。

 確かに、それまでの少々怪物的な、あるいは生物的なラインからは離れ、スーパーロボット然とした佇まいを有してはいます。しかしながら、オーラバトラーであることを主張する部分は不足なく盛り込まれていますし、何と言ってもウイング・キャリバーに変形するという点で、主役機たるをアピールし、抜群の存在感を感じさせるわけです。

 物議を醸したHGキットは以前作りましたが、今回は旧キット。変形ギミックはないものの、プレーンな設定画のトレースが心地良いシルエットを生み出しており、隠れた傑作キットだと思います。

キットについて

 前段とは重複しますが、隠れた傑作キットだと思います。

 開田裕治先生の箱絵が格好良すぎる(←旧キットシリーズ全部!)ので、「中身」とのギャップが強くなってしまい、損をしていると思います(笑)。キット自体は、ちょっとファットな印象のある設定画に程近いシルエットを持っているので、やはり股関節や首関節を調整するだけで化けるのではないでしょうか。

 残念ながらウイング・キャリバーへの変形ギミックや、オーラ・ソード・ライフルのギミックはオミットされていますが、ヘタにギミックを搭載しなかった分、スタイルは良好となっています。

 オーラ・キャノンは設定通りレールによって可動するようになっており、その点ではHGよりも設定に近いギミックを持つと言えます。

改造箇所について

 首、股はボールジョイント化(例によってボールデンアームアームズ使用)。

 足は、爪が前後で計三個の別パーツになっていて、それらを脛で挟み込む方式になっており、変形ギミックを思わせる構成になっているのですが、三つの爪を一体化させて明確に「足」とした上で、ボールジョイントにて脛と接続しました。

 肩、上腕、手首の一軸可動部の軸受けは、ジャンクポリパーツに換装しています。

 手は例によってビルダーズパーツHDのジオン系MSハンド。メカメカしいので入念に削って丸くしています。オーラ・ソード・ライフルの持ち手はライフルと一体化しました。左手はオーラソードの持ち手と平手を用意しました。

 主要な関節はキットのままです。こちらも例によってランナー袋による補強。これが一番確実かつ早いです。正に先人の知恵。

塗装について

 合わせ目を丁寧に消した上で、黒サフ、ガイアカラーのEx-ホワイトで下地作り。

 ホワイト部はいわゆるGM(ジム)カラーですが、大昔のダンバインカラーが余っていたので、それを使用。赤はシャインレッド、青はフタロシアニンブルー、濃紺はネービーブルーで、それぞれMr.カラーの定番色です。

 キャノピーと青い翼は、GXメタリックブルーに少量のウィノーブラックを混ぜたものを吹いています。

 細かい部分を適宜エナメル塗料で筆塗り後、シャドウ吹きとパール吹きを行い、ガイアカラーのEx-クリアーでトップコート。最後にコンパウンドで研磨して完成です。

各部ショット

 設定画風のフロントビュー。キット素組みでは、ガニ股でやや短足なシルエットになってしまいますが、股関節を少し下に下ろしてボールジョイント化するだけでかなり変わります。実のところ、腰部の軸はデザイン的に位置を変えられないので、腿側のボール受けを上に上げて対処しています。

 リアビュー。ビルバインの魅力の一つとして、背中にたくさん武装を背負っているという点が挙げられます。特に、オーラ・キャノンのシステマティックな構造が目を引きますね。なお、かかとの爪は説明書通りに塗り分けましたが、設定では全部黄色なんですよね…。後から気づきました。

 アクション性能はあまり高くないですが、可動部自体は多いので、それなりのポージングが決まります。

 左手の平手を用意したので、両手持ちの雰囲気でオーラ・ソード・ライフルを構えられます。膝関節は、変形ギミックを中途半端に意識している感じを受けますね。

 腕、特に肩関節の開き具合は、HGより優秀です。外連味のあるポーズが可能。

 頭部はややヒラメ顔でアッサリしていますが、設定から大きく外れているわけではないです。シンプルさはHGにない魅力。

 アクションベースを用いて飛行ポーズ。オーラバトラーの中でも、特にビルバインは飛んでばかりいるイメージなので、急激に劇中の印象に近づきます。オーラ・キャノンが設定通りに可動し、攻撃的なシルエットになります。

 この状態でのリアビュー。オーラ・キャノンのレールはこのようにシンプルそのもの。プラの柔軟性を利用しているので、クリアランスの調整に手間をかけなくても、確実な動作をします。この設計には驚嘆。

 箱絵風。武器の造形上、左右は逆ですが、それらしい雰囲気に。ボールジョイントによって、ある程度内股にできるのがポイントです。

 試しに画像を左右反転してみました。

 この状態でのサイドビュー。角度によってはちょっと格好悪い…。

 やはりリアビューは格好良いです。足の間のノズルは元々脛内部に接着するものですが、土踏まずの部分に設置しました。このような見えない部分のディテールが用意されていること自体、かなり変形ギミックを意識していたものと思われます。

 旧キットのダンバインと。HGのダンバインと並べるとこのビルバインの方が小さくなってしまいますが、旧キット同士だと良い対比になります。

 次のオーラバトラーは、再販されたHGビルバインと、旧キットのボチューンが控えています。その前にあれやこれやとあるので、またしばらく休止となりそうです。

 

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