SirMilesのマニアックな日々

バンダイ スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル

スーパーミニプラ 戦闘メカ ザブングル

 毎年、DXトイとは異なるアプローチで好評を博している、戦隊ロボの「ミニプラ」ブランド。プロポーションと変形を両立させたり、アクション性を重視したりと、その完成度の高さから模型ファンからも一目置かれる存在となっています。

 そのミニプラの派生企画として、「スーパーミニプラ」ブランドが立ち上がり、第一弾として「戦闘メカ ザブングル」の主役機であるザブングルがリリースされました。既に第二弾の「イデオン」もリリース済みであり、順調にラインナップを拡げています。

 本流のミニプラはABS樹脂製で、対象年齢層を意識した強度が特徴となっていますが、このザブングルは一般のプラモデルと同様のポリスチレン製となっており、より高年齢層(というよりリアルタイム世代)を意識した仕様となりました。

 ミニプラらしく、変形にも気を遣っている上、未塗装(ただし、シールは使用)でもそれなりの完成品が手に入るため、満足度はすこぶる高いです。

キットについて

 ミニプラの「バラ売り」を踏襲しており、四つのラインナップを揃えることで、フル装備のザブングルが完成する仕組みです。一応、No.1のブングル・スキッパーとNo.2のブングル・ローバーだけでも、ザブングル本体は完成します。No.3とNo.4はそれぞれウォーカーマシンとザブングルの追加装備のセットとなっていますが、そのウォーカーマシンたちが見事な出来で、ザブングル本体より企画者の思い入れが感じられる気も(笑)。

 各パーツは精度も高く、差し替え変形ではありますが各形態の破綻もありません。ただ、現在のいわゆるバンダイプラモに比べると、ヒケが多かったり、ポリキャップ等による摩耗対策が皆無であったりと、一段劣るものではあります。しかし、そこを差し引いても、ザブングルが完成度の高い1/144サイズのプラキットとしてリリースされたこと自体が事件なので、この事件を大いに楽しむが吉です。

 前段のとおり、関節はポリパーツではないので、ガシガシ動かして遊ぶと摩耗すると思います。私は、旧キットを作る際に使うビニール袋の技を使って保護しました。

塗装について

 色分けを意識したパーツ構成が秀逸なので、塗装は比較的簡単でしょう。また、シールで補われる部分は、塗装に置き換えることで完成度が大きくアップします。

 全モデルとも、黒サフで下地を作っています。塗装後にクリアブラックでシャドウ吹きし、ガイアカラーのExフラットクリアーを吹いています。このフラットクリアーは半光沢になるので(それはそれでどうかとは思いますが…)、そのまま半光沢コートとして使っています。

 ザブングルの青は、ガイアカラーのExホワイトを下地に吹いた後、コバルトブルーを吹くという手順。赤は同様の手順でシャインレッド。黄色部分はGXメタルイエローでアクセントとしました。白は一様にExホワイトです。なお、濃い青については、フタロシアニンブルーとしました。

 トラッド11はオリーブドラブと艦底色を基本色としました。ギャロップはデイトナグリーンを本体色としています。

 ウェザリングカラー等で派手に汚すことも考えたのですが、小スケールなのと、劇中のビビッドな色遣いが印象的だったので、シャドウ吹きを強めにする程度としておきました。

 武器類は黒鉄色、ネイビーブルーといった定番色で塗装しています。

No.1 ブングル・スキッパー

 ザブングルの上半身を構成するメカです。一応、車両なんですが、あまり車っぽくないですね(笑)。窓枠は設定通りだと青いのですが、ブングル・ローバーとの統一感が欲しかったので白くしました。

 後部はエンジン等のディテール密度が高くなっています。塗り分けることで存在感が増します。

 飛行形態。ウイングを展開し、タイヤハウスを畳むだけのシンプルな変形ですが、効果的にシルエットが変化。後輪は差し替えですが、前輪は可動による変形を実現しています。

 下面にはザブングル胸部ディテールが彫刻されていますが、実はダミーです(低い車高を実現するために、ロボ形態の胸部を丸ごと外す仕様)。ここはシールやパーツによる色分けがないので、塗装するしかありません。劇中でも裏面が見えるシーンは多いので、ここを塗っておくと非常に良い雰囲気になります。

No.2 ブングル・ローバー

 基本形態は箱です(笑)。下半身メカに「ガワ」を丸ごと被せるという、思い切った構成が潔いです。「ガワ」は真っ白なパーツなのでシールか塗装でカラーリングを再現する必要があります。シールは少々中途半端なので、劇中準拠のカラーリングにするには、塗装が必要です。

 足裏はモールドが密集。チラッと見えるタイヤが実在感を醸し出します。

 飛行形態。下半身パーツに機首とウイングを取り付けて完成します。操縦席内部までは再現されていませんが、キャノピーがクリアパーツなのは嬉しいですね。

 腿に伸縮ギミックがあるわけではなく、縮んだ状態のパーツに差し替える方式。この方が塗装擦れ等を気にしなくて良いので嬉しいですね。

No.3 トラッド11タイプ + オプションセットA

 素晴らしいスタイリング! 強度対策でコクピットのフレームが太いのは少々気になりますが、小スケール(全高がザブングルの膝あたりまでしかない)とは思えない密度です。

 後ろ姿もパワフル、しかも可愛らしいです。適度な関節可動ギミックを備えているので、色々なシーンを再現できます。排気管はピンバイスで穿っておきました。

 腕と時間があれば、コクピット周りをディテールアップしてみるのも良いですね。素組でも充分な存在感を持っています。

 ホバギーも付属。こうなると同スケールのフィギュアが欲しくなりますが、小さすぎて塗装できそうにないですね(笑)。

 ホバギーは自立できるデザインではないので、スタンドが付属。なお、劇中では濃紺となっている部分を、緑にしてしまいました。後述のギャロップと併せて統一感が出たので、まあ良いかと。

 ザブングルに装備できる「4連ハンドキャノン」が付属します。スコープは可動式。パーツ差し替えで右腕にも装備可能です。銃口が塞がっているので開口しています。

No.4 ギャロップタイプ + オプションセットB

 こちらも実に素晴らしいスタイリングです。銃口は開口しました。写真だとスケール感を誤ってしまいますね。

 後ろに大きく突き出た「荷台」っぽいパーツがユニーク。排気管をピンバイスで穿ってちょっとディテールアップ。

 こちらはコクピットを丁寧に塗り分けると良いアクセントになります。トラッド11もそうですが、合わせ目が結構目立つところに出るので、処理しておくと完成度が上がります。

 ザブングルに装備可能な3連バズーカが付属。角度を変えられる可動ギミック付きです。こちらも勿論開口しておきました。

 もう一つ、9連ミサイルポッドも付属。こちらも角度を変えられるのですが、ヒンジのクリアランスが今一つ。破損したので接着してしまいました。武器類はシールを貼っても色が不足気味なので、塗り分けると雰囲気がグッと良くなります。

ザブングルに合体

 いわゆるザブングル・カー。上半身メカに下半身メカを牽引させるというアイディアは秀逸です。古き佳きクローバー製のトイも良い雰囲気で再現していましたね。多機能性への憧憬とでも言いましょうか、実に魅力的です。

 接続部は一軸のヒンジになっているので、トレーラーの雰囲気を見事に演出可能。

 オリジナルギミックとして、オプションセットをカーゴに搭載可能。劇中ではロープでくくりつけて運んでいました。こういう遊び心は大歓迎ですね。

 合体前は一旦飛行形態になります。本編をよーく観ると、スキッパーのタイヤハウスは車形態のままなんですね。この写真では完全に飛行形態にしてしまいました。

 ガシーンと合体。当キットでは、スキッパー後部のパーツを外してタイヤハウスを下半身に付け替えるという工程が必要です。この形態でそのまま飛んでいるシーンも結構見られますよね。

 上昇して変形開始。繰り返しになりますが、この時、劇中では胸部パーツがよく見えるので、塗っておくのとそうでないのとでは雰囲気がまるで違ってきます。 

 接続部の回転が印象深い変形シーン。大腿部は前述の通り差し替え方式となります。

 腕部を展開。ここは機首を取り外すのみで肩部は完全変形。ローバーのウイングは一旦取り外して翼端のみを取り付けます。

 頭部&胸部パーツを取り付け、脚部のウイングを折りたたみ(付替方式)、変形完了でもって着地!

こちらも合体

 劇中では三段重ねでしたが…(笑)。

ウォーカーマシン ザブングルタイプ

 いやはや、格好良い立ち姿ですね。ライフルは標準装備となります。旧キットはその評判の悪さ故に手にしたことがないのですが、逆に並べてみたくなりました。今度再販があったら買ってみようかな。

 情報量の多い背面。車両であることを主張するパーツが散りばめられていてユニークです。

 頭部のゴーグル部分はクリアパーツですが、厚みがあるので暗くなってしまいます。ヘルメット断面の白い部分はシールでもフォローされていないので、塗る必要があります。塗るだけで一層ザブングル感が増すので、ガンダムマーカーを用いてでも塗っておくが吉!

 オープニングで印象的な横向き射撃も難なく。脚部も注目に値する面白い可動ギミックを搭載しています。

 ウイングを破損バージョンに差し替え、両腕のタイヤハウスを取り外すと、一般に言うところの「ジロン機」を再現できます。

 ウイングがなくなることで、少しスーパーロボットの雰囲気が弱まるあたり、リアルロボットのパイオニアたる富野監督のセンスが感じられますよね。監督はザブングルのデザインに対して、かなり抵抗がおありだった模様。

 フル装備状態も再現できます。物騒で無骨な感じが世界観に合っています。

 グレートーンが増えることで、少しばかりミリタリー寄りになるのが楽しいですね。

 「ちょっと重いかなぁ? 為せばなる! ザブングルは男の子っ!」

 最後に揃い踏み。それぞれ個性的なので賑やかな絵面になります。ザブングルつながりでは、ウォーカー・ギャリアもスーパーミニプラでリリースが決定していますので、楽しみですね。ウォーカー・ギャリア、ハイコンを持っていたのですが、どこに行ったのか…?

 

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