SirMilesのマニアックな日々

騎士竜戦隊リュウソウジャー 第40話「霧の中の悪夢」

 遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 新年一発目のエピソードは、新春バージョンを全く押し出さない、通常回のような趣でかなり驚きました。最終クール突入としての特別感もなかったので、サラッと観られてしまいましたね。

サタンマイナソー

 「忘れ去られた呪いの鏡」から生み出されたマイナソーで、これまでの無機物系と共通の「付喪神」的なアイテムからの発生でした。

 このサタンマイナソー、「最強バトル」に登場した「究極大サタン」のリデコ・リペイントで、今回のプロットを含めてリサイクル感が満載なのでした(笑)。

 恐怖を吸収してさらに強化される無敵ぶりは、意図的に耳に馴染まないようにしたであろうビームの効果音も相まって、視聴者に恐怖を与えるに十分な迫力。どう攻略するかという、「リュウソウジャー」における見どころを物言わず潰していくところが目新しかったですね。

 コウたちが逆転への手がかりを掴んでからは、一気に敗退への道を突き進んでいきますが、巨大戦でもほとんど善戦する余地なく、最強のマイナソーという肩書もクレオンの戯れに収斂していく様子が少々悲しく感じられました。

メルトの悪夢

 幼少期のメルトを出して雰囲気たっぷりに演出されていたので、最終クール・恐怖の前兆として機能するのかと思いきや、何と今回のみの仕掛け! 正直それで良いのかとツッコみたくなりましたが…(笑)。

 この悪夢によってサタンマイナソーの姿が作り出されたわけで、ある意味、メルトも生み主の一人と言えるかも知れません。

 メルト由来故に、メルトが悪夢を払拭すべくノブレス化して戦うシーンは格好良さに満ち溢れていました。リュウソウカリバーがコウとカナロ専用というわけではないと明らかになり、俄然魅力を増したと思います。一方で、リュウソウカリバーが何らかの脅威の鍵として機能していることも(敵側の会話のみで)語られ、後の展開への言及になっていましたね。

 そして、ノブレスリュウソウブルーでも撃破不能だった意味は、今回のテーマとしてフィーチュアされました。

仲間の再確認

 このプロセスについては、最終クール突入に際しての一種のイニシエーションとして効いていたように思います。ただ、前述のようにやや「リサイクル」感覚は否めないところで、今更な雰囲気も若干はあるんですよね。

 しかしながら、それぞれの恐怖、例えばトワの足が動かなくなるとか、アスナが太るといった硬軟取り混ぜた語り口は実に巧い。そして、サタンマイナソーを強化したのが面々の「仲間を失う恐れ」だったのも非常に巧いと思いました。

 バンバが、「仲間の存在が弱さに直結する」という短絡的な結論に至る一方で、コウが「皆がそう思っているということは、皆が仲間を大切にしている証拠だ」と無邪気に応えることで、全員が恐怖を克服できるというくだりが、正に「リュウソウジャー」が掲げる第一義のテーマであることは、論を待たないでしょう。バンバがカウンターとして機能する限界ギリギリの線に立てたのは、恐らく今回が最後なのではないかと思います。

 私なんかは「スター・ウォーズ」のジェダイと比較してしまうんですが、ジェダイとリュウソウジャー最大の相違点は、コウの無邪気さにあるのではないかと思うんですよね。むしろバンバこそジェダイの原理主義的なものに近く、コウの行動自体はそれに反するものです。しかし、コウが無垢である故に、ノーブルな騎士であり続けられるというテーゼ。この辺りはルーク・スカイウォーカーの呈するポリシーによく似ている気もします。

次回

 どう見ても「逃走中」なビジュアルが予告の時点で炸裂しており、コメディ要素強め?? 坂田梨香子さんも登場ということで、楽しみです。

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