SirMilesのマニアックな日々

バトルフィーバーJ 第1話 「突撃!!球場へ走れ」

 「ジャッカー電撃隊」から約1年のブランクを経て、遂にスーパー戦隊シリーズの新作「バトルフィーバーJ」が開始されました!

 石ノ森デザインに慣れていた目には、ヒーロー達のデザインの別種の奇抜さが強烈で、正直ちょっと心配してましたが、いやぁ、予想以上の素晴らしさでしたね。

 まだ、興奮が収まりません。

 「ゴレンジャー」は、刑事モノをベースにしたスパイアクションが、黒十字軍のギャグ化に伴って徐々に明るいテイストを前面に押し出すようになり、結果的に2年ものロングランを遂げました。

 続いて開始された「ジャッカー」は、「ゴレンジャー」初期のスパイアクションをクローズアップしたハードな展開から、ややライトな作風にシフトし、後半はとうとう宮内さんを迎えて「ゴレンジャー」的な世界へと変貌しました。

 二作品とも、それぞれに見所があり、それぞれに代え難い魅力があったわけです。

 そんな強烈な前二作の後、しかも約1年のブランクを経ての続作ですから、あまり過剰な期待を寄せないようにして見たのです。

 が、これって…。

 実に面白い!

 見事、「ゴレンジャー」とも「ジャッカー」とも違う戦隊を作り出してくれました。

 まず、男性陣四人が国防省の倉間鉄山将軍(東千代之介さん!)に招聘され、秘密基地ビッグベーザーに集合するわけですが、この時点で既に四人の個性が描き分けられていて、見事。

 ちょっとチンピラ風の出で立ちながら、醸し出す雰囲気は好青年そのものの、リーダー格・伝正夫。

 乗馬を嗜む姿が爽やかながら、やや濃い味も感じさせる青年・白石謙作(ミドレンジャーの伊藤さん!)。

 パリでの美容師修行経験があり、美容室でそのカット技術を褒められるキザな男・志田京介。

 動物と話が出来るという、コミカルでワイルドな青年・曙四郎(演じている大葉さんって、JACの高橋健二さんですよね?)。

 この超個性的なメンバーが集合していくくだりで、既にワクワク感はMAXです。しかも、全員何となくソフィスティケイティドされた感じで、そこが前二作とはかなり異なります。

 敵のエゴスには、幹部に潮健児さんを配し、ボスの声に飯塚昭三さんをキャスティングするという万全の体制。怪しげなカルト的雰囲気が、これまた素晴らしい雰囲気です。

 そのエゴスの作戦も、「赤いこうもり傘の女」を暗殺者として送り込み、国防省の要人を次々と殺害していくという、ハードなもの。ヘタな刑事モノを凌駕するクールさで、物語に引き込まれていきます。

 さて、最後の一人である女性隊員は、何とその「赤いこうもり傘の女」…と見せかけ、実はエゴスの放った刺客とは別人で、FBIが囮として送り込んだエージェントでした。そのエージェントの名は、ダイアン・マーチン。「ジャッカー」のカレンを踏襲した、アメリカ人のキャスティングとなっています。ただし、ダイアンさんはミッチー・ラヴさんとは違ってアクション畑ではなく、モデル系の女優さんらしいので、そのルックスは非常に洗練されており、番組に大輪の花を添えています(ミッチー・ラヴさんも充分お美しいですが)。

 ダイアンの父・ボスナーが「赤いこうもり傘の女」に暗殺されてしまい、緊急事態を宣言した鉄山将軍は、ダイアンをバトルフィーバー隊に加入させ、いよいよ五人のバトルフィーバー隊が揃います。

 そして、五人にバトルスーツが与えられるわけですが、「ゴレンジャー」におけるゴレンジャースーツの曖昧さと、「ジャッカー」におけるチェンジの具体性の中間を行く感覚になっていました。何と、自分で背中のファスナーを上げてスーツを着込んでしまうのです!

 ちょっと笑っちゃいましたが、よくよく考えてみると直前の東映制作「スパイダーマン」と酷似しているわけですよ。

 さらに、目鼻立ちのはっきりしたマスクをカパッとかぶって、鉄山将軍から一人一人にコードネームが与えられるんですけど、何故か踊りだしてしまうんです!

 何と、バトルフィーバーは、「フィーバー」という言葉が象徴するように、各人が代表する各エリアの、代表的な舞踊を身に付けているという設定なんです。これには参りました。いやぁ、見事です。笑っちゃう部分もありますが、逆にカッコ良さも際立ってますよね。

 クライマックスのアクションは、剣友会とJACの中間的な、しかもダンスが織りまぜられた華麗な雰囲気でまとめられていました。「赤いこうもり傘の女」がコウモリ怪人なのかどうかは、よく分かりませんでしたが、とにかく画面が華やかなので、勢いに押されてしまった感じです。

 必殺の合体武器・ペンタフォースも現実感のあるタイプで、正に地に足の着いた感覚。非の打ち所がありませんね。

 なお、劇中では、巨大ロボットが建造されているシーンが登場していましたが、まだどのような活躍を見せるものなのか、よく分かりません。鎧武者のような意匠がカッコ良すぎるので、これからの活躍を期待してしまいます。「スパイダーマン」に登場したレオパルドンでノウハウを吸収している筈なので、やはり変形したりするんでしょうか?

 では、「来週も、みんなで見よう、バトルフィーバーJ!」

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