Mission 25「アバターの謎を追え!」

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 思わせ振りなサブタイトルでありながら、謎をバラ撒いて終了してしまった感のあるエピソード。時期的に考えると、盆休みといったバケーションの時期に当たる為、あまり重要な話を展開しない、制作側の良心であったのかも。この「良心」は割と伝統的で、この時期、視聴率低下対策の派手目なエピソードを配置するものの、シリーズ展開上、あまり重要なトピックを配さないという「慣例」があるように思います。

 とは言いつつも、陣を中心とした「亜空間での人々の状態」が一体どうなのかという疑問を、リュウジを通してストレートにぶつける事により、陣のミステリアスで悲壮な存在感を、否が応でも盛り上げていました。

 そんな感じで陣周辺への興味は尽きる事がないのですが、実は、夏バテに起因する体調不良でございまして、またまた今回も更に短めでご容赦願う事になります...。

 まず冒頭は、夏らしく怪談で攻めまくるのかと思いきや、それはリュウジとヨーコのみに限定され、ヒロムはニワトリの悪夢に限定されるというユーモアに溢れた展開に。しかしながら、リュウジが悪夢の中で受けたダメージは、そのままフィジカルに反映されるという、アバターの存在方式に通ずるファクターを入れ込む処が見事。

 ただ、この「悪夢の中の出来事がフィジカルに反映される」というシチュエーションは意外と多用されるもので、そのものズバリのシチュエーションが「スピルバン」に存在します。「スピルバン」の場合は、「メンタルの影響がフィジカルに現れる」という未だスーパーナチュラルな領域の現象を好意的に解釈した形跡があり、いわゆるメンタル由来の逆転劇として成立していました。

 しかし、今回の場合は、「ゴーバスターズ」のリアリティを標榜した上で、バーチャルリアリティにおける出来事が、リアルに反映されるという、「マトリックス」の世界観を導入した辺りが興味深い処です。メインターゲットである子供には、やや分かりにくいと思いますが、「ゾンビに噛まれた痕」という分かり易いビジュアルが、非常に巧かったのではないでしょうか。

 そして、リュウジの「戦いの最中に色々と考えてしまう」という傾向について、陣に指摘されたり、自分で気付いたりという展開になります。アバターの謎が云々よりも、むしろこちらがメイン。

 で、どうなるのかと思いきや、何とリュウジは陣への「尋問」を諦めて、エスケイプを「尋問」するという暴挙に。この、敵側に事件解決の糸口を求めるというシチュエーションも、割と多用される傾向があるものの、こちらはおおよそ、硬質な世界観を持った作品の専売特許といった処でしょう。考えすぎるリュウジの極みが、ここにあります。

 逆に、全く考えないリュウジの極みも登場。即ち、熱暴走です。

 エスケイプとの戦闘が巧く運ばないと知るや、自ら証明を浴びて熱暴走状態となるわけですが、自らウイークポイントを利用するという展開は、リュウジならではでしょう。ここからのエスケイプとのアクションは壮絶の一言で、今回の白眉と言って良いでしょう。エスケイプがダメージを被り、その表情が歪むという、登場以来初のシーンもあり、要所要所で表情を見せる為に吹き替えなしのアクションを見せる辺り、非常に見応えのあるものとなっています。

 巨大戦では、CB-01が全面的にフィーチュアされ、バスターヘラクレスとのタッグを展開。こちらはいつも通り素晴らしい出来でしたが、やはりリュウジ VS エスケイプのバトルが凄いので、やや印象が薄かったように思います。

 次回は、予告を拝見する限り相当なコメディ・エピソードのようです。司令官の壊れっぷりに期待しましょう(笑)。