第35話「ダンシング・ドリーム」

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ストーリー

 蘭のダンスチーム「7th Avenue」はレッスンに励んでいた。レッスンの後、メンバーの一人で蘭の親友ユーコが「蘭と一緒にニューヨークで踊る」という夢を語る。グランセイザーとしての使命の為に、蘭は迷う。涼子は「蘭の人生だからやりたいことをやっていい」と言うが・・・。一方、メンバーの一人であるシンジがガダル星人に襲われる。蘭とユーコは消息不明となったシンジを探すが、ふらりと現れたシンジを追ううち、ガダル星人の襲撃を受ける。ところが、装着をためらった蘭の危機を救うため、ユーコは足を負傷してしまう。

 苦悩し病院の屋上から身を投げようとするユーコを救った蘭だったが、未だ迷いを払拭できない。洸は「迷っているときはただ答えが見えなくなっているだけだ」と蘭に語りかける。その頃、ユーコはシンジによって拉致されていた! 蘭は涼子とともにガダル星人を探すことに。しかし、ギグファイターの奇策により、とらわれの身となってしまう。ガダル星人の目的は、ギグファイターに続く戦力として、地球人をインプラントによって操作し、兵士に仕立て上げるというものだった。

 今まさに、ユーコへのインプラントが開始されようとしたその時、天馬と未加が到着! 装着したタリアス、レムルズがギグファイターを蹴散らす。そして蘭は決心の元、ユーコの目前で装着! ガダル星人をタリアスとの共同戦線で撃退する。「もう踊れない」と言う蘭に、「戦わないで済む日が来たら、一緒に踊ろう」と言うユーコ。二人は固い握手で約束した。

解説

 放送以前にDVDの特典インタビューで触れられていて話題となっていた蘭メイン編。まず、レッスンが大変だったという冒頭の長いダンスシーンは必見だ。ロギア復活編の誠のように、プライヴェートとグランセイザーの葛藤が蘭にも発生するわけだが、蘭の場合はユーコという親友が理解を示すという実に爽やかな結末のため、印象はかなり異なる。

 今回の特筆ポイントは、風のトライブの大人っぷりで、涼子や洸が優しい目線で蘭を諭すシーンか印象的。青春ドラマ系の香り、宇宙の死の商人という分かりやすい敵という、シナリオの構造がシンプルな分、そういったディテールがはっきりしてくるのが嬉しいエピソードだ。

 その分、アクションも充実。ギグファイターVSタリアスの激闘シーンは、ギミックに拠らない殺陣を延々と展開。シリーズ屈指のアクションとなった。天馬と未加の素面アクションもかなりの比重が置かれ、久々に未加のアクションを堪能できる。特に未加の当て身はリアルそのもの。3シーズンは一様に天馬が戦闘を締めるのだが、今回は特にカッコいい前口上から装着につなげており、ヒーロー弓道天馬の確立が見て取れる。蘭メイン編にしては、天馬においしいところを持って行かれすぎな印象もあるが・・・。