第36話「さらば相棒!」

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ストーリー

 仁は親友の中尾真司と共に、スポーツジムへ向けてドライブ。真司のあまりの体力不足を気遣ってのことだが、真司には全くヤル気はない。そこへ突然、閃光が襲う。閃光の主は赤い異星人。そこへ別の異星人も出現し両者は戦闘となるが、赤い異星人が勝機を得ることに。銃弾を受けた異星人は、光粒となって真司の体へ入り込んだ。すると真司の態度が一変。真司は異星人によって肉体を乗っ取られてしまったのだ。真司の体を破壊すると仁を脅し、車を出すよう命じる異星人。

 異星人はアジャンテ星の警察官フリードで、第一級犯罪者クリミネルを追って地球に来たと言う。赤い異星人はクリミネルだったのだ。堀口研究室の整理に追われる未加と堀口博士のもとに、仁がパトカー爆破の現場に居たことを伝える電話がかかる。パトカー爆破が異星人の仕業だと直感した天馬は、未加と共に仁を探すことに。一方、仁と真司=フリードはクリミネルを発見、フリードは戦闘を試みるが、体力不足の真司の肉体であるため全くクリミネルに歯が立たない。見かねた仁は装着、クリミネルを退け、銃を奪うことに成功する。フリードは仁の力を見て、さらに脅迫的なやり方で協力を仰ぐのだった。なぜ必死になるのかと問う仁に、クリミネルが持っていた銃はパートナーのもので、そのパートナーはクリミネルに殺されたのだとフリードは告げる。

 赤い光球を追ってクリミネルを追い詰めた天馬と未加だったが、予想以上の戦力に翻弄され、敗退してしまう。そこへ仁=ダイルが登場! ダイルが開いた突破口をめがけ、フリードが相棒の銃を放ちクリミネルを撃破! すべてを果たしたフリードは、真司の体より離れ、静かに昇天していった。開放された真司の体のあちこちには痛みが・・・。

解説

 割と不遇な(?)扱いをされてきた仁、待望のメイン編。親友の真司も体育会系からはほど遠いということで、仁の交友関係がある程度推し量れる好編だ。屈強なアジャンテ星人フリードと、真司のひ弱な肉体とのギャップが生み出す可笑しさが、かなり前面に押し出されており、仁のコメディリリーフ振りが際立っている。

 しかしながら、コメディだけではなく、細かい部分で仁のカッコ良さが見られるのも嬉しいポイント。真司(の肉体)を気遣って、フリードの暴走をあらゆる機転で抑止していくところなど、大人な部分が随所に見られる。この「大人な部分」が重要なポイントで、仁というキャラクターは事の解決に武力を用いる前に、まず軽妙な言動で相手を煙に巻く。彼ならではの処世術ではないだろうか。これで風のトライブの面々が「大人」の役回りを担っていることがはっきりしたというわけだ。

 今回の特筆ポイントとして、天馬があまり活躍できなかったということがあげられる。第3シーズンでは、天馬=タリアスが必ず締めの役割を担っていたのだが、今回は仁が完全に主役。ただ、天馬と未加のキレの良い素面アクションは用意されており、更に激しいアクションを展開する装着後の2人が一時敗退することでクリミネルの強さをアピールするなど、なかなか効いた演出だ。ラストシーンの真司のトボケっぷりと、仁の情感に溢れたフリードとの別れ。この2つの対比が爽やかな感動を残す。