#16 悲劇への序章 その2

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 これまでは、粛々と進行してきましたが、オートマトン侵入を許した段階から、急激にうねりが大きくなっていきます。

 粛々とした雰囲気はそのまま継続しつつも、連邦側の手段に、視聴者は煽られていきます。


 では、参りましょう。

 オートマトンが、市民の居るエリアにまで侵入。

 市民の近くで銃撃戦が開始されます。


 キルモードで投入されたオートマトンは市民をも攻撃!市民に死傷者が出始めます。

 アロウズのこの作戦の趣旨は「クーデター派のみを制圧」ではなく「軌道エレベーター内の無差別攻撃によりクーデター派を降参させる」にあり、もっと言うと「クーデターに関わった全ての人間の抹殺」にあったものと思われます。

 「クーデターに関わった全ての人間の抹殺」は今回描かれていませんが、メメントモリが投入されたからには...。


 「分かったかセルゲイ。これが間違った政治と軍の有様だ」

ハーキュリー

 この時点では、ハーキュリーは「軌道エレベーター内の無差別攻撃によりクーデター派を降参させる」という解釈をしているように見受けられます。



 その頃、クラウスはクーデターの世論への効果を期待していました。

 しかし、シーリンはやや冷めた視線で見ています。



 ハーキュリーは最初から市民を解放するつもりで、市民の脱出経路を確保して避難を急がせます。

 実は、人質にとった市民こそが、アロウズの悪行を目の当たりにする者たちだったのです。

 ハーキュリーは自ら必要悪となり、アロウズの蛮行の目撃者を出来るだけ多く確保し、それを目撃させたというわけ。


「彼らを目覚めさせる為なら、私は喜んで捨て石になろう」


という宣言に痺れます。



 連邦の公式発表は、本来のオートマトンによる市民への銃撃映像を、クーデター派の銃撃映像に加工・差し替えて流すというものに。

情報操作

 これを口実に、アロウズの強行突入を検討すると発表しています。

 つまり、アロウズがオートマトンを投入した事実は隠ぺいされ、まだアロウズが動いていないことになっているわけです。


 これを見て、怒るクラウス。


「こんな卑劣なやり方が、恒久和平をもたらすわけがない。だからこそ、我々は連邦政府を打倒しなければならないのだ!」

クラウス


 一方、連邦が市民への緘口を考えていたとしても、6万人もの市民の口を塞ぐことは不可能だというハーキュリー。

 確かにそうでしょう。しかし、6万人の市民の口を塞ぐことが出来たとしたら...?


「このニセ情報は世論を味方につけ、攻撃を始める為の布石。アロウズは何か手を持っている...」


 セルゲイの不安は的中するのでしょうか?



 さて、ここまで戦闘シーンらしいものが殆どなかった今回。

 土壇場で、いきなり前回のラストの続きが描かれます。


 そう、刹那VSブシドー。


 右肩の傷に苦しむ刹那。傷の具合は良くないようです。

刹那


 ここでブシドー、期待を裏切らず吠えてくれます。


「切り捨て御免!」


 もう完全にギャグキャラ化してます。


 2機の戦闘はトランザム戦へ。

ダブルオーライザー

 ガンダムとは異なり、コクピットの居住性は悪いらしく、また(?)ブシドーは口から血を。

ブシドー


 そして、ぶつかり合う両者のセリフの応酬が!

刹那とブシドー

ブシドー「私は純粋に戦いを望む!」

刹那「戦うだけの人生か!」

ブシドー「ガンダムとの戦いを!」

刹那「俺もそうだ!」

ブシドー「そしてガンダムを超える。それが私の!」

刹那「だが今は!」

ブシドー「生きる証だ!」

刹那「そうでない自分が居る!」


 全然会話になっていませんが、それもそのはず。

 ブシドーのセリフだけを並べてみると、


「私は純粋に戦いを望む!ガンダムとの戦いを!そしてガンダムを超える。それが私の生きる証だ!」


 同様に刹那の方は、


「戦うだけの人生か、俺もそうだ!だが今は、そうでない自分が居る!」


 はい。会話じゃなく、互いの主張を交互に言っているように見せていたのでした。

 このシーン、多分同時に叫んでおり、同時に叫ばれると何を言っているか分からないので、このような演出にまとめ上げたのだと思います。


 ここでトレミーの援護。

ガンダム

 ブシドーは形成不利な上、粒子残量も少ない為、退却していきます。ここでまた、


「敢えて言うぞ少年。覚えておくがいい!」


と妙なセリフを吐いて退却。

 「敢えて言う」ってことは、ブシドーにとって、こんなことを言うことに意味があるってことか(笑)。

 「少年」ってのも妙。


 疲れきった刹那。ダブルオーライザーは落下しそうになります。

刹那

 刹那の胸中に去来するロックオンの声。


「刹那、お前は変われ。変わらなかった、俺の代わりに」

「分かっている、ロックオン。ここで俺は変わる。俺自身を変革させる...」


 刹那、次なるステージの開始宣言です。



 エンディング後は、いよいよ本当の「悲劇への序章」。



 連邦軍が包囲を解いてきますが、スメラギは風向きと風速の状況と、布陣を見て、そこに込められた意味に気付きます。

風向

 カティも同じように気付いたようですが...。


 そして、メメントモリ発射準備が整っていきます。


「反乱分子、カタロン、そしてソレスタルビーイング。まとめて受けるがいい。神の雷をな!」

グッドマン

 今回は、グッドマンのおっさんのアップで終了!

 徹頭徹尾、おっさんのお話でした(笑)。



 それにしても、本当にメメントモリは発射されるのでしょうか?

 発射されれば...当然、軌道エレベーターに集まった陣営は(アロウズを除いて)全滅ですよね。


 実に気になります。