#04 対外折衝

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 ガンダムで政治色を前面に出しましたが、割と成功しているのではないでしょうか。

 今回も期待通り面白かったです。


 4話目にしてOP主題歌も妙にカッコ良く聞こえるようになりました。いや、元々カッコいいメロディーラインだとは思ってましたが、ガンダムに合うかどうかという意味では疑問だったもので。うん、結構あってる(富野監督風の言い回し)。


 政治色が強いので難解かと思われましたが、場面展開がシンプルなのと、各陣営のモビルスーツに特徴があるので、逆に分かりやすいシリーズなのではないかと。

 「Zガンダム」の方が、エゥーゴやティターンズ、カラバに連邦、アクシズ、ネオジオン…とややこしいですな。


 今回は狂言回し的立場として、「アザディスタン王国」が要所要所に登場してます。マリナ・イスマイール王女の側近というか秘書というか、シーリンという人がイイですね。これまた「ガンダムW」のレディ・アンに似てるような気もしますが。ただ、この王女様とシーリンのセリフは、ちょい説明的過ぎるような気も。ここは2回くらい見た方が良く分かると思います。


 ところで、グラハムのカスタムフラッグが抜群にカッコいいです。「速い!」とかオマージュも炸裂。カスタマイズによるパワーアップと、パイロットの手腕の高さの相乗効果は、いつの時代も燃える要素だと再認識。容赦なくかかってくるGの表現もなかなか良いです。ああ、フラッグのプラモも欲しいなぁ…。

 他に、人革連「超人機関」のソーマ・ピーリス少尉が新登場。「超人機関」なんていうベタな名前が素敵ですな。いわゆる「フラナガン機関」「ニタ研」「NT研」ということでしょう。このシリーズでも強化人間の皆さんが出てくるようですな。


 ユニオンからの強攻独立を主張するタリビア。ユニオンの中心で強大な軍事力を持つアメリカ。ソレスタルビーイングの武力介入は、まだ何ら軍事行動を起こしていない(ただ街に配備しただけの)タリビアの武力を排除するというものでした。

 これにより、タリビアは水面下でアメリカに助力を要請、世論を反米から親米にひっくり返し、政権を安定させます。アメリカは、軌道エレベータの近くに位置するタリビアがユニオンに戻ることで、軌道エレベータの保有を確固たるものにし、他の国の反米感情を沈静化させることができました。


 「誰が一番得をしたか」この問いには、「タリビア」「アメリカ」など色々な答えがあると思います。まず「タリビア」は政情安定という結果を得ました。ただし、軍備はかなり損失しています。「アメリカ」は一切手を汚さずに軌道エレベータを確実に手中におさめ、しかも国際世論を自分優位にしました。

 と、いうわけで損得から言えばアメリカが得をしたわけですが、実はソレスタルビーイングの思うつぼだったことを忘れてはいけません。わざと「対外折衝」に利用されてみせ、結局は紛争の火種を根絶してしまったわけですから。