トロポジカル・ディフェクトの謎

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 #17「スローネ強襲」で、エイフマン教授が発していた謎の言葉、「トロポジカル・ディフェクト」。


 これ、「トポロジカル・ディフェクト」の間違いです。多分。


 「トポロジカル・ディフェクト」は「topological defects」であり、「位相欠陥」という宇宙物理のキーワードです。


 では、一体何なのかというと...。



 宇宙のある場が高温から低音に移る時に、1つの収束点ではなく非対称の2つの収束点に到達する為、その境界が位相から漏れる。



 話を簡単にする為に、大雑把なイメージで言えばこんな感じです。本当はもっと複雑です。


 ここで注目なのは、「漏れた」部分に何が残るかということ。

 ここには、宇宙が高エネルギーだった時代の残留物があると仮想されています(現在のところ「方便」であり、実測はない)。



 結局、この仮想の存在はSFでは格好の材料であり、代表的なものにモノポール(磁気単極子)が挙げられます。


 物質とぶつかると対消滅を起こす反物質なんかはSFの古典的なエネルギー源として有名ですが、このモノポールは超高密度である為、場合によっては反物質と同様に凄まじいエネルギーを取り出せると考えられています。


 これですよ、これ。

 このモノポールのことが言いたかったんでしょう。



 にしても、硬派なSFの演出を意図したにしては、致命的なミスを犯した気がしなくもありません。

 前にソーマの「デザインベビー」発言(「デザイナーベビー」が一般的)もありましたし...。




 勿論、「トロポジカル」が「ミノフスキー」みたいな造語だったら別ですよ。

 たとえば、木星で発見された何かが「トロポジー」的な欠陥を持ち、それが半永久的にエネルギーを取り出すのに有効な性質であるとか。

 その欠陥によって生成されるエネルギー源を実用レベルに蓄積するまで、かなりの時間がかかるとか。



 う~ん、やっぱり「トロポジー」なんてのは、しっくりきませんね。

 結局、「トポロジー」の誤植なんでしょ(ちなみに字幕でも「トロポジカル」と書いてありました。恐らく脚本段階からのミス)。