#25 刹那

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 遂に第1シーズン完結!


 刹那、アレルヤそれぞれの戦いの結末が描かれます。

 全編バトルに継ぐバトル。壮麗な作画が炸裂し、めまぐるしくも美しいシーン目白押しでした。


 それぞれの決着とあって、各キャラクターのイデオロギー戦的様相も表出。

 ある意味、ガンダム00当初の構造を再現しつつ、クライマックスに相応しい盛り上がりを見せた回だと言えるでしょう。


 今回は、勿論第2シーズンありきの結末を見せていましたが、それでも、単体シリーズとしての最終回と見做したとしても、及第点ではなかったか。

 というのも、主人公である刹那の戦いは一応完結しており(刹那の言う世界の歪みの元凶がアレハンドロだったかは度外視するとして...)、4年後を描くエピローグも、余韻を残して終わるという方法論から、さして逸脱していないような気がするからです。


 日本には比較対象がないですが、アメリカなんかだとシーズン制が当たり前なので、平気でクリフハンガー(シーズン最終回と次シーズン冒頭を前後編とすう方式)を持ってきたりするので、半年間の焦れ方はハンパじゃないわけです。

 その点、今回の「終わり方」は半年後に期待を持たせつつも、ファンがあまりイライラしないような配慮がされているのではないでしょうか。

 さて。


 「エクシア、刹那・F・セイエイ。目標を駆逐する!」


 「その程度でアルヴァトーレに対抗しようなど、片腹痛いわ!」


ということで、刹那の最後の(?)戦いを追ってみましょう。

 セリフが重要なので、セリフの採録が多いですが、まぁご容赦を。


 アルヴァトーレとの壮絶な死闘。

 アルヴァトーレはファングを使ったり、マニピュレータを駆使したりと、ラスボスらしい活躍を見せます。GNフィールドでほぼ無敵状態というのもラスボスらしいですね。


 対する刹那は、ラッセと共にGNアーマーで対抗。


 「狙い撃つ!」


のセリフがシビレます。

 この、「ロックオンの魂が乗り移った」的な演出が熱く、ファングを全て打ち落とし、アルヴァトーレのマニピュレータを破壊するまで一気に見せていきます。

 このテンポは圧巻。


 しかし、GNアーマーは刹那を庇うように被弾していき、遂に、


 「刹那! 俺たちの存在を!」


のセリフと共にラッセが散りました。


 目立たない体育会系だったラッセ。


 GNアームズ登場あたりから急に目立ち始めたのには少々違和感を禁じ得ませんでしたが、刹那に戦う意味を最後に示したのは、他ならぬこのラッセだったことを覚えておかなければなりません。


 ラッセとの通信が途絶え、怒る刹那がアルヴァトーレを切り裂く!

 この切り裂き方が実にスーパーロボットしていて、カタルシス充分。

 この時点でアレハンドロは憎たらしい悪役に成り果ててしまっているため、余計にカタルシスを煽られます。


 その後、アルヴァトーレから、金色のザコメカっぽいモビルスーツが登場、


 「そうさ、主役はこの、アレハンドロ・コーナーだ!」


と宣言しつつエクシアに襲い掛かります。


 仰々しいウィングこそ装備されているものの、何だかジンクスより弱そうな出で立ちがちょっと悲しいアルヴァトーレMS。

 まぁ、ジオングの頭も弱そうだし、サザビーの脱出ポッドはもっと可哀想な感じだったので、良しとしますか。


 アレハンドロ・コーナーの、ひいてはコーナー一族の真の目的は実に単純明快で、ソレスタルビーイングによって破壊され統一された世界を自分色に染め上げるというもの。

 つまりは、世界を牛耳りたかっただけでした。

 その為に、イオリア・シュヘンベルグの計画を利用した...つもりでしたが。


 イオリア・シュヘンベルグの理想はアレハンドロの姑息で浅薄な野望とは一線を画す深遠なものだったのか。

 アレハンドロは単に踊らされていたに過ぎませんでした。


 エクシアはトランザムを発動させます。


 「見つけた! 見つけたぞ世界の歪みを! そうだ、お前がその元凶だ!」


 「再生は既に始まっている! まだ破壊を続けるか!」


 「無論だ!」


 確かに、擬似太陽炉によってソレスタルビーイングの持つ圧倒的な抑止力を低下させ、不要な破壊を次々と誘発させて世界の破滅を誘引したのはアレハンドロでした。

 刹那の直感は正しいわけです。


 ただし、この時点では。

 いや、この時点と言うより、刹那の視野の中では、と言うべきでしょうか。


 ここで、GNフィールドに手を焼く刹那が、ロックオンの言葉を思い出します。


 何故、エクシアに実体剣が装備されているか。

 それは、対ガンダム戦という事態に陥ったとき、GNフィールドに対抗する為。

 故に、エクシアは切り札となる機体。


 「分かっている、ロックオン。俺は戦う事しか出来ない破壊者。だから戦う。争いを生むものを倒すために、この歪みを破壊する!」


 ロックオンの言葉を胸に秘める刹那は、GNソードでアルヴァトーレMSのGNフィールドを突き破る!


 「武力による戦争根絶。それこそが、ソレスタルビーイング! ガンダムがそれを成す! 俺と共に! そうだ、俺が! 俺たちが、ガンダムだ!」


 このセリフの区切りごとに「セブンソード」を使っていくエクシアのカッコ良過ぎること!

 エクシアは、GNビームサーベルとダガーをアルヴァトーレMSの全身に突き刺し、遂にトドメを刺します。


 アレハンドロ今際の際。

 リボンズがモニターに映ります。


 「アレハンドロ・コーナー。あなたはいい道化でしたよ」


 「な、何?」


 「これはイオリア・シュヘンベルグの計画ではなく、僕の計画になっていたのさ」


 「リ、リボンズ、貴様...!」


 「統一された世界の行く末は、僕に任せてもらうよ」


 「貴様...コーナー一族の悲願を!」


 「そういう物言いだから、器量が小さいのさ」


 「リボンズゥゥゥ!」


 ドーーーーン!!


 というわけで、結局リボンズこそが黒幕だったと暴露されました。

 古谷徹さんの声なので、やはり超重要キャラクターでした。

 蒼月昇さん? ま、いいじゃないですか。細かいことは。



 アレハンドロとの決着がついて、これで終わりだと思ったら、何とGNフラッグを駆ってグラハム登場!


 「会いたかった...会いたかったぞ! ガンダム!」


とベルばらを思わせるようなセリフで登場。

 と思っていると、その後もベルばらっぽいセリフが続出!


 「やはり私と君は、運命の赤い糸で結ばれていたようだ。そうだ。戦う運命にあった! ようやく理解した! 君の圧倒的な性能に、私は心を奪われた。この気持ち...まさしく愛だ!」


 「愛っ?」


 突如の「告白」に刹那も少々引き気味なのが笑えます。

 緊張感のあるシーンの連続でありつつも、ここでちょっと息抜き。

 しかし、


 「だが愛を超越すれば、それは憎しみとなる。行き過ぎた信仰が、内紛を誘発するように!」


と刹那のトラウマをえぐるような発言により、雰囲気がイデオロギー戦の様相に。


 「うっ、それが分かっていながら、何故戦う!?」


 「軍人に戦いの意味を問うとは、ナンセンスだな!」


 「貴様は歪んでいる!」


 「そうしたのは君だ! ガンダムという存在だ! だから私は君を倒す! 世界などどうでもいい。己の意志で!」


 「貴様だって、世界の一部だろうに!」


 これ、「貴様だって、ニュータイプだろうに!」というアムロのセリフの踏襲かと。

 ファーストガンダムのクライマックスは、ニュータイプという概念のとらえ方に関するイデオロギーの相克でしたが、ガンダム00の場合、世界に対する視野の違いというべきものを描出しているように見えます。


 「ならばそれは、世界の声だ!」


 「違う! 貴様は自分のエゴを押し通しているだけだ! 貴様のその歪み、この俺が断ち切る!」


 「よく言ったガンダムゥゥゥゥゥ!」


 ここまで来ると、グラハムは単に戦う意味を正当化すべく言葉を弄んでいるように見えます。

 自らを鼓舞してきた、特徴的な言い回し。

 ガンダムと剣を交える喜びと興奮から、そのセリフはより短文に、そして感情的になっているのが分かります。


 結果、エクシアとGNフラッグ相討ちとなります。


 グラハムはダリルとハワードに勝利を捧げつつ、爆破に巻き込まれていきます。


 刹那は、マリナに遺言めいたメールを送っていました。


 世界のあらゆる理不尽さと疑問に対する答えをマリナに求めていたことを告白し、違う道で同じものを求めるマリナならば、人と人が分かり合える道とその答えを見出しているのではないかと、期待していたようです。

 刹那は、それをガンダムと共に求め続けていたのでした。


 そして、刹那は動かないまま宇宙を漂流していきました...が...。



 続いて、アレルヤ最後の(?)戦い。


 セルゲイとソーマのGN-Xがアレルヤを追います。


 「引っ込んでろアレルヤ! 生死の境で何も出来ないてめえには用はねぇ。俺は生きる。他人の生き血をすすってでもな!」


 「僕も生きる! 僕は、まだ世界の答えを聞いていない。この戦いの意味すら...。それを知るまで、僕は、死ねない!」


 「ふん、ようやくその気になりやがったか。ならあの女に見せつけてやろうぜ。本物の、超兵ってやつをな!」


と、前回に引き続きハレルヤが主導権を握っていますが、遂にハレルヤが髪をオールバックにし、両眼を露出。

 ここでアレルヤとハレルヤの人格が統一されたのではなく、進む方向が一致したというのがウマいところ。

 しかも、左右の瞳の色が元々違うということも明確に判明。


 ティエリアのように、ヴェーダにアクセスする際、瞳の色を変化させるキャラが存在する為、瞳の色自体変化してもおかしくなかったのですが、元々左右で色が違ってたという。


 さて、アレルヤの深い思考力とハレルヤの強靭な精神により、キュリオスの猛攻が始まります。

 ソーマは当然の如く動揺。


 「な、何故だ! 私は完璧な超兵の筈だ!」


 「分かってねぇな、女」


 「何っ?」


 「お前は完璧な超兵なんかじゃねぇ! 脳量子波で得た超反射能力。だが、てめぇはその速度域に思考が追いついてねぇんだよ! 動物みてぇに、本能で動いてるだけだ!」


 「そんなこと!」


 「だから動きも読まれる...」


 「あっ...」


 「反射と思考の融合...それこそが、超兵のあるべき姿だ!」


 言葉遣いは至極乱暴ながら、実にロジカルな言を採っています。

 ここにも、アレルヤとハレルヤの「協力体勢」を見ることが出来ます。


 そして、キュリオスもトランザムを発動、ソーマを庇ってセルゲイ負傷、隙を突いたソーマの砲撃により、アレルヤは右目を負傷と続きます。

 この一連もテンポが非常に良く、まさに一気呵成という言葉が相応しい。


 ソーマがセルゲイの救助に向かいます。


 「何をしている! 私に構うな! 戦え、少尉!」


 「出来ません! 中佐がいなくなったら、私は独りになってしまう...」


 「少尉...」


 ここでのソーマの表情が実に萌えるのですが。

 「デザインベイビー」であるソーマは、いつしか勘定を芽生えさせていく過程で、セルゲイを父親的な存在として見るようになったようですね。


 そんないいシーンでしたが、ここで驚愕の伏線を張ってきます。


 アレルヤはソーマを「マリー」と呼ぶ!

 ソーマが「マリー」だったことに心を乱すアレルヤ。しかもハレルヤはどうやら知っていたらしい!


 このあたり、一体何のことやらなのですが、一応第2シーズンに持ち越しなんでしょうね。

 ということで、アレルヤ生存はほぼ確定かと。


 ただし、一方のハレルヤは、


 「先に逝ってるぜ」


と人格を失っていく描写が。

 アレルヤは「完璧な超兵」という十字架を背負った優しい戦士となって再び現れるのでしょうか。



 ティエリアは、既に戦いの後。

 宇宙を漂流するティエリアは、計画継続の為、太陽炉を強襲用コンテナに向けて射出します。


 「これでやっと逝ける...あなたの元へ...ロックオン...」


 ロックオンは、ティエリアに多大な影響を与えていたことが分かります。

 ティエリアはGNドライヴを射出するのがやっとという感じだったので、とりあえず現時点では生死不明です。



 エピローグは、第2シーズンの予告編といった感じの構成。

 舞台は、4年後のA.D.2312。


 沙慈は宇宙での仕事に就き、ルイスとは2年前より連絡がつかない状態。

 沙慈はオリジナルのGN粒子を発して飛ぶ機体を目撃します。


 ふと、キャストのクレジットを見ると、


 「リジェネ・レジェッタ 朴璐美」


とあるではないですか。

 リジェネとは...後述。


 「国際連合が地球連邦に改名して1年。我々は連邦参加国全328ヶ国の賛同を得て、各国の軍隊を解体・一元化し、地球連邦・平和維持軍として発足することを、ここに宣言します」


 地球連邦はこうして誕生した!


 ファーストガンダムにこれから繋がっていくわけです。というのは勿論ウソですが。

 ただ、何となく前日譚っぽくて嬉しい感じがしますね。


 ここから後は、驚愕のチラ見せ続出!


 カティの後ろにパトリック・コーラサワーが!


 ネーナと王留美が会話している!


 「これで、世界は変わったのですか? お嬢様」


 「さあ?」


 「今の世界は、お気に召しませんか?」


 「期待はしているわ。世界が変わっていくことを」


 この会話をパックに、シーリンがマリナの元を去るシーンが!

 マリナが指導者として確たる能力を獲得したのか、それとも、見切りをつけられたのか...。


 リボンズが5人の人物を従えている!


 「始まるよ、イノベイター。人類の未来が」


 リボンズは「イノベイター」と呼ばれる一団のトップということでしょうか。

 第2シリーズではグンと表に出てくるんでしょうね。


 グラハムらしき男が仮面をしている!


 サーシェスと思しき男がグラスを置いてため息をついている!

 本編に一切出ていない藤原啓治さんのクレジットがあったことから、この人物をサーシェスと断定。


 ショートになったルイスの前で、ティエリアそっくりのリジェネ・レジェッタ(字幕で確認。これが朴さんのキャラ)が微笑む!

 ルイスの意外な登場にもビックリですが、リジェネが「∀ガンダム」のロランのような女性に演じられる男性キャラなのか、それとも女性キャラなのか気になりますね。


 そして、イアンの元へ訪れる王留美。

 後ろに新たなガンダムマイスターと思しき人物が立っています。

 顔は小さくて確認不能でした。


 「1機目」はロールアウトし、実戦に向けてのテストに出払っているとイアンは言います。

 新世代のガンダムのことでしょう。沙慈はこれを目撃したと思われます。


 王留美の頼みで、第一世代の0ガンダムを披露するイアン。

 遂に、0ガンダムが明瞭な形でお披露目です。

 0ガンダムキャンペーンのタイアップくさいのはご愛嬌。


 0ガンダムやエクシアの太陽炉を移植してもうまく動かないという、「00ガンダム」も登場しました。


 ここで、「ガンダム00」のタイトルを冠するガンダムが始めて登場したわけです。


 待てよ?

 「エクシアの太陽炉」ということは、刹那の生存可能性も極めて高いということに...。

 



 Mission Incomplete