#04 戦う理由

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 今回のタイトルは、ズバリ「戦う理由」。

 実に分かり易いというかヒネリのないタイトルというか(別にヒネってある必要はないけど)。

 内容的には、戦う理由について状況で見せるというよりは、個々のセリフにそれが織り交ぜられているというものでした。


 で、プロットとしては非常にシンプル。

 マリナをアザディスタンに送り届けるソレスタルビーイングと、それを待ち構えて罠を張るアロウズ、そこにソレスタルビーイングを援護するカタロンが絡む、といった構成です。

 というか、それだけです。

 あとは、それぞれのキャラクターについて少しずつ背景を描いていくことで、ドラマの厚みを持たせています。


 そして、遂に乙女座の人が本格参戦!

 ギルガザムネみたいな、はたまたバトルフィーバーロボみたいなアヘッドに乗ってましたが...。



 では、本日の解説を。

 冒頭のシーンは、アレルヤとマリーの出会いの回想シーン。

アレルヤとマリー

 このシーンを見る限り、アレルヤは比較的人間的な生活を送りつつ超兵へと改造されているのに対し、ソーマ=マリーはかなり非人間的な扱いを受けているようです。マリーは動いたり目視したりといったことが出来ていません。

 ただし、この時点で既に脳量子波の干渉を利用して、テレパシー的な会話をすることが可能だったようです。


 ここで衝撃の事実が。

 何と「アレルヤ」という名前はマリーが付けたものだったというのです。


マリー「(アレルヤとは)神様への感謝の言葉よ」

アレルヤ「感謝...何に感謝するの?」

マリー「決まってるじゃない。生きてることによ」


 少なくとも、マリーはこんな状態に置かれつつも、生きていることを喜ばしいと感じていたようです。


 アレルヤは現在の自分のルーツを回想し、


「それは、文字通り僕にとっての洗礼だった」


と呟いています。


 ちなみに、元々「アレルヤ」とはヘブライ語で主への賛辞(だったかな?)を現しており、いわば絶対神への信仰を信者に宣言させるという側面があります。

 なお、「ハレルヤ」は「アレルヤ」と同じ言葉で、スペルの頭にある「h」を発音するかしないかの違いだけです。



 さて。

 場面は変わってマリナの登場。

 5年前、刹那が丸腰のガンダムでラサー(マスード・ラフマディー)を送り届け、アザディスタン内紛を止めた行為を、マリナは見事だと評価していたことが明らかに。

 この5年前の作戦は、刹那の心情にスメラギが応えて指示したものでした。

 今回がスメラギ復活編であることを考えると、興味深い発言ではあります。


 現在のアザディスタンは連邦加盟という道をとらなかったことで困窮し、ラサーも既に亡くなっていて、派閥闘争が混迷化しているとのこと。

 連邦が独裁色を強めているのが分かります。現代の世界状況をカリカチュアライズしていると思われますが、まだ国連非加盟国へ人道支援があるだけ、現代の方がマシだということでしょうか。

 マリナは、困窮するアザディスタン再興の為、国に戻ると言います。


 ここでお待ちかね、ミレイナ登場。

ミレイナ

「つかぬ事を聞くですぅ。二人は恋人なのですか?」

「違う」

「違います」


って、いきなりギャグか。

 ガンダム00で思わず笑ってしまうとは思いませんでした(乙女座の人の言動を除いて)。


 しかし、この素晴らしく息の合ったお返事。ミレイナの「乙女の勘」も強ちハズレではない??



 一方、ロックオンは射撃シミュレーションに余念がない。


「兄さんのようにはいかないな」


と一言。


 ここでフェルトが登場。

ロックオンとフェルト

ロックオン「君の視線よく感じるんだけど、何で?」

ハロ「フェルト、ロックオン好き! フェルト、ロックオン好き!」

フェルト「ハロ!」

ロックオン「俺は兄さんじゃない」

フェルト「分かってる。うん、分かってる...」

ロックオン「あんたがそれでもいいって言うなら、付き合うけど?」


という、なかなか粋な会話が。


 そして、ロックオンは強引にキスを。

 ニールと違ってライルはかなり「軽率」であるらしい。


 で、フェルトの一撃が炸裂。

フェルト

ハロ「フラれた! フラれた!」

ロックオン「気付かせてやったんだ。比較されたらたまらんだろ...」


 このセリフと前の「兄さんのようにはいかないな」という発言と併せると、どうもニールをかなりライバル視している節があります。

 どういう兄弟関係だったのか、気になりますね。



 続いて今度は、アレルヤの登場。

アレルヤ

 一杯どうですかとスメラギを誘います。



 本編では、ここでアロウズやカタロンの動きが入るのですが、流れを分かりやすくする為、まずはトレミーのシーンをまとめたいと思います。



 マリナは刹那に、自分と一緒にアザディスタン再興を手伝って欲しいと言い出します。

 しかし、刹那は戦うことで破壊の中から生み出せると信じています。

刹那

「世界のゆがみをガンダムで断ち切る。未来の為に。それが俺とガンダムの戦う理由だ」


 ここでまず、刹那の戦う理由が示されました。



 続いて沙慈が登場。イアンにメンテナンスを手伝わされます。

 その沙慈は、イアンにソレスタルビーイングに在籍する理由を尋ねます。

 ここで、イアンの戦う理由も登場。

イアン

「イヤというほど戦争を見て来て、戦争をなくしたいと思ったからだ」


 その後の、


「そうさ。ワシらは犯罪者だ。罰は受ける。戦争を無くしてからな」


というセリフに覚悟の程が現れています。



 続いてアレルヤ。


「国連軍に捕まった時、僕は罪を償う時が来たのだと感じました。あのまま朽ち果ててもいいとさえ思った。でも、今は違います。僕はマリーを取り戻したい」


と現在の自分の原動力をスメラギに吐露。


 逆に、スメラギは自分には戦う理由がないとし、「忌まわしい過去を払拭したいという自分のエゴで、多くの命を犠牲にしてしまった」と悔やむのです。

スメラギ

 この「忌まわしい過去」は未だに明確にされていませんが、これもガンダム00の謎の一つとして興味を引いています。

 さらに、もう一つ知らない名前を呟くスメラギ。


「エミリオ...」


 また謎を一つ追加してくれました...。


 アレルヤはアリオスガンダムを前に、

アレルヤ

「アリオスガンダム、キュリオスの後継機。この機体で、ガンダムで、僕はマリーを取り戻す。ハレルヤが逝き、脳量子波が使えないとしても」


と戦う理由を披露。

 このセリフからすれば、脳量子波を司っていたのはハレルヤであり、そのハレルヤは既に消滅したと断言していいのでしょう。


 このアレルヤの様子を影から見ていたのはティエリア。


「戦う理由か...。昔なら否定していただろうが...」

ティエリア

とファースト・シーズンからの変わりっ振りで魅せてくれます。


 なお、ティエリアは戦う理由を明かしません。そもそも、理由など要らない存在なのかも知れませんが。



 一方の、カタロンの動きもフォローしておくと...。



 カタロンがソレスタルビーイング支援を決定。勿論情報ソースはライル=ロックオンです。

 シーリンの為にマリナ救出をも企図しています。


 ここでシーリンがマリナの元を去った際の回想が登場。

 シーリンは、自分のやり方でアザディスタンの未来を作ってみせるといい、マリナの元を離れたようです。

 当初から連邦のやり方に異を唱えていたということですね。



 ではここらで、アロウズの動きについてまとめてみましょう。



 前回の作戦で大いに失態を犯したカティの代わりに、今回指揮を執るのは、掃討作戦を得意とする悪名高きアーバ・リント少佐。

アーバ・リント少佐

 演ずるは矢尾一樹さん。ガンダムシリーズでは「ガンダムΖΖ」で主役を張っています。

 あからさまに残虐性の見える表情が素晴らしい。

 リント少佐は、ソレスタルビーイングによってマリナが連れ出されたこと、そしてソレスタルビーイングに中東出身者のパイロット(刹那)が存在していることから、ソレスタルビーイングがアザディスタンにマリナを返しに行くと読みます。

 この読みはバッチリ当っていたわけで、しかも今回は王留美やリボンズの情報がない(と思われる)のですから、なかなか優秀な人物だと言えるでしょう。



 そして、皆さんお待ちかねの乙女座の人。

ミスター・ブシドー

 「ミスター・ブシドー」なる驚愕のネーミングで登場。

 ファースト・シーズンでは騎士道でしたが、セカンド・シーズンでは武士道らしい。どういう心境の変化があったのか(笑)。

 この仮面、いわゆる鎧兜の「面」を模しているんですね。こんな兵装を、何故かアロウズは許可しているんだよなぁ(笑)。



 一方、前回の敗因分析に余念のないカティ。

カティ

「大胆さと繊細さを併せ持つこの戦術、どこかで...」


とスメラギを評していますが、この発言からはスメラギの戦術を目の当たりにしたことがあるという意味を汲めます。



 で、今回アロウズが繰り出すのは、GNドライヴを搭載した新型モビルアーマー・トリロバイト。

トリロバイト

 トリロバイトとは三葉虫のことらしいですね。

 なお、開発の裏には「多額の寄付」があり、その出資者は女性ということらしい。

 多分、王留美ではないかと思います。皆様のご助言により、ルイスであるらしいということが判明。



 ここからがクライマックス。

 セカンド・シーズンでは、毎回割と派手目な戦闘シーンを配しているような気がします。



 リント少佐の作戦は以下の通り。


 まず魚雷でトレミーを爆撃。配合された重化合物によりソナーを無効化。

 ここでいう「重化合物」とは、いわゆるジャマーだと思われます。音波振動が伝わりにくい分子構造を利用し、音波の到達を阻害といったところでしょうか。面倒なので調べてません。


 続いてトリロバイトが搭載している新型魚雷でGNフィールドを突破。

新型魚雷

 連邦側にも擬似太陽炉があるので、このようなことが可能なんですね。

 爆撃によってトレミーは浸水。ガンダムを出せる深度ではない為、速攻の反撃は不可能になります。


 さらに海上から降り注ぐ爆雷はケミカルボム。

ケミカルボム

 樹脂で船体を覆い、武装、操舵を使用できなくする効果があります。


 最後にトリロバイトで急接近し、直接攻撃に出ます。



 ここで、スメラギの鳥肌モノの戦況予測が見られます。


「ラッキーね。私達は」


といきなり。

 スメラギはトリロバイトの攻撃を好機とみます。根拠は次の三つ。


  1. 索敵不能のトリロバイトがすぐそばに居る。
  2. ガンダム出撃可能深度までトレミーは既に到達している。
  3. トリロバイトの一撃により、下部コンテナの注水時間が短縮された。


 1はトリロバイトがトレミーに突き刺さっているから、見つけ出すのも叩くのも容易ということ。

 2は爆雷に耐えている間にトレミーがうまく浮上できたということ。

 3は海中でコンテナのカタパルトを開けるには、内部を一度海水で満たす必要があるが、トリロバイトの空けた穴がその手間を省いてくれたということ。


 思わず唸ってしまいました。

 運は良過ぎですが、いいです。巧いです。



 そして、ガンダム達の反撃開始。


 セラヴィーがトランザムでトリロバイトを押し戻す!

セラヴィー

 トリロバイトのクロー攻撃をケルディムの射撃が阻止!

ケルディム

 ダブルオー発進。一瞬マリナの言葉が脳裏をよぎり、その手が止まる。が、トリロバイトをメッタ切りに!

ダブルオー

 しかし、マリナのことがよぎるとは、どうした刹那!?



 海中での戦況を打開したガンダム達は、続いて海上へ。

 アリオスがトランザムを発動し、ダブルオーと共に一気に海上へ(否、空中へ!)と上がります。


 ダブルオーは指揮艦のブリッジを速攻で狙いますが、それを阻止したのは、ミスター・ブシドー!

アヘッド

 前述のバトルフィーバーロボ仕様・アヘッドです(笑)。


 そして、お待ちかねの乙女座語が炸裂!


「その剣さばき、間違いない。あの時の少年だ。何という僥倖! 生き恥をさらした甲斐が、あったというもの!」


 す、素晴らしい...。



 一方、アレルヤのアリオスを追撃するは、ソーマのアヘッド。


「機体の所為じゃない。僕の能力が!」

アリオス

「落ちろガンダムゥ!」

アヘッド


と、アレルヤが脳量子波を使えなくなった為か、少々戦力的にダウンしている様子が描かれます。



 そこにカタロンの援軍が。

カタロン


「反政府組織が!私の道を阻むな!」

ミスター・ブシドー

と怒るブシドー氏。それにしても凄いパイロットスーツ。角生えてるし。


「手合わせを拒まれたか」


とあくまでサムライかぶれなのが嬉しい。



 結果的にアロウズは惨敗を喫し、カティは


「大変勉強になりましたよ、少佐殿」


とリント少佐を皮肉りました。カティのキャラがかなり立ってきてますね。



 エンディング前のエピローグはマリナとシーリンの再会で。


 「マリナ・イスマイール」

 「シ、シーリン・バフティヤール!」


とフルネームで呼び合うのはガンダムのお約束。

 刹那も「スメラギ・李・ノリエガ」とフルネームで呼んでましたな。


「私は今、カタロン構成員。地球連邦のやり方に、異議を唱える女よ」

シーリン

 カッコいいですねぇ。



 そして、エンディング後は、制服のサイズが小さいと赤面する可愛いスメラギで。

スメラギ

 イアンの「そのままがイイ」発言と、ミレイナの「セクハラですぅ」発言がイイ感じ。


 一方、ビリーはスメラギに利用されていたとして彼女を憎み(って逆恨みな気も)、伯父であるカタギリ司令の元、アロウズにおいて、エイフマン教授のポストである新型モビルスーツの開発主任に就きます。

ビリー

 ここで別の愛憎劇が生まれたわけです。

 過去も気になりますが、二人の場合、今後の方がよっぽど気になりますね。



 ともあれスメラギ復帰により、ソレスタルビーイングは再び本格的に動き出すことになります。


 ところで、制服を着たスメラギの戦う理由は、何だったのでしょうか。

 恐らく、過去を払拭するというネガティヴなものではなく、「大切な人を守れるのか」というセリフにあるように、未来に目を向けたものだったのでしょう。