Episode 28 再開 -リユニオン-

 憐はM・Pのことを知っている。瑞生は沙耶にそう報告した。瑞生は憐に接触してしまったが、友人として引き続き接触を図るよう松永管理官は命じる。その頃、孤門は「group P.P.」の情報を探ろうとしていた。試行錯誤の末、憐の指輪にあった「pyr」をパスワードとして入力すると、「プロメテウス・プロジェクト」のデータベースへのアクセスに成功する。そこへイラストレーター・吉良沢のホログラムが出現し、憐はプロメテの子だと告げる。プロメテウス・プロジェクトとは、実験的な遺伝子プロジェクトであり、人為的にハイブリッドな新生児を誕生させるというものだった。

 石堀は、グランテラが複数の気門を持ち、そこから火球を発射して攻撃することを分析。前回の戦闘では火球は尾部のみから発射されていた。アンノウンハンドはウルトラマンの能力を試したに過ぎなかったのだ。イラストレーターは、敵が本気で攻撃してくることを予想し、ウルトラマンに戦闘を任せることを提案、チェスターδのみが偵察に出撃することとなった。孤門はδ出撃に志願し、凪も同行することに。案の定グランテラは出現した。

 察知した憐はウルトラマンに変身し、メタフィールドを展開した。しかし間髪入れずにダークフィールドGが展開される。ウルトラマンはグランテラを撃破するが、ダークフィールドGの内部で力を得たグランテラは復活してしまう。データを採る吉良沢は、憐との約束を思い出していた。憐は「一個も漏らさずデータを取ってくれ」と吉良沢に頼んでいたのだ。

 グランテラが最大のパワーで火球を放つも、ウルトラマンはそれに突進するように立ち向かい、遂にジュネッスブルーの必殺光線でグランテラを打ち破る。そんな戦い方に、不吉な思いを抱く孤門だった。

解説

 異例の速さで素性が明かされていく憐。この展開の速さは心地よい。「P.P.」はプロメテウス・プロジェクトであることが判明し、そのプロジェクトの内容も吉良沢の口より語られた(プロジェクトの詳細は、「TLT」コンテンツ内で別途記載しています)。

 孤門がプロメテウス・プロジェクトのデータベースにアクセスを果たす場面は、憐に掴みかかられた前回が良い伏線になっていた。パスワードが3文字というセキュリティの脆弱性はこの際いいとして、プロメテウスの炎を意味する「pyr」という文字列は何とも印象的。ギリシャ神話におけるこの説話は、人間がプロメテウスから知恵の炎を与えられるというものだが、プロメテウスはそのことをゼウスによって咎められ、永遠の苦痛の続く刑に処せられる。今後のストーリーとは関係ないかも知れないが、予備知識として知っておくとよりストーリーを深く楽しめるだろう。

 今回は吉良沢のセリフがこれまでにない多さとなった。当然プロメテウス・プロジェクトに関する説明ができるキャラクターは彼以外には存在しない。しかし、そういったストーリー側からの要求がキャラクターに良い影響を及ぼすこともある。それが今回の吉良沢である。今回の彼はどことなく人間的で、自分の出自(本編ではハッキリしないが)を少しだけ嬉しそうに語っているかのような印象を受ける。また、憐との邂逅で少し嬉しそうな表情をするのも印象的だ。どちらかと言えば従来の言動は冷徹な印象が強いだけに、なかなか自然で効果的なキャラクターの掘り下げになっていた。

 ところで、本エピソードは久々に、伝統的なウルトラマンのフォーマットに忠実な構成だった。クライマックスに颯爽とウルトラマンが登場し、優勢・苦戦を経て、必殺技で勝利した。ネクサス的な展開に慣れてはいつつも、やはりこのフォーマットは黄金構成であり、見る者の興奮度を高めてくれる。戦闘シーンもスーツならではの格闘シーンと、CGによる流麗かつスピーディなシーンがうまくブレンドされており、エースを思わせる美しい光線描写を特徴とするアローレイ・シュトロームまで一気に見せる。