プロメテウス・プロジェクト Prometheus Project

 TLTの下部組織である医療アカデミーによる、実験的な遺伝子プロジェクト。

 「来訪者」よりもたらされた「ハイパージェネティック理論」に基づき、登録された何種類もの優秀な遺伝子から、特定の遺伝情報を持つDNAフラグメントを選別して組み合わせ、人為的にハイブリッドの新生児を誕生させるというもの。

 分かりやすく言えば、優秀な個人の遺伝子サンプルを元に、特に優秀な部分を選び出してつなぎ合わせ、優秀極まる遺伝子を作り出すということである。その「優秀な遺伝子」とは、実はクラスAの超能力者・海本隼人からサンプリングされたもので、プロメテの子は来訪者からより正確な情報を引き出すためのコンタクティを生み出すべく作り出されたのだった。

 その遺伝子から作り出された新生児は、アメリカ・ダラスの学校で養育され、概ね14歳程度で大学課程を修了する能力を持つ。

 プロメテウス・プロジェクトのデータベースにアクセスするためのパスワード「pyr」は、ギリシャ語で「炎」を意味し、ギリシャ神話でプロメテウスが人間に炎を与えたという説話に基づく。このキーワードは憐がはめている指輪にも刻まれている。

 その実験工程に若干の問題が発生していることが判明し、プロジェクト自体は一時凍結されている。問題とは、重大な遺伝的ディフェクト(欠陥)が存在することで、そのディフェクトに該当する者は、17~18歳になると、細胞のアポトーシス(細胞の自発死)が急激に発生し、死に至ると言う。

 ディフェクトに対する特効薬「ラファエル」の開発は、水原沙羅によって中止された。