忍びの3「強敵、蛾眉あらわる!」

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 三話目。

 三話目ともなると、やはり制作姿勢が少し安定してくるもので、前回までのハラハラ感が少々減退するのですが、今シーズンは「幹部」を小出しにするという手法(?)で、テンションを上げて来ました。

 蛾眉雷蔵なる「幹部」の登場により、どことなくサークル活動的な雰囲気だった「ニンニンジャー」にも俄然緊張感が漲りました。

 何と言っても、「命のやり取り」というセリフが出てくる辺りの迫力が抜群。荒唐無稽でマンガ的な忍者モチーフであれど、本質は「斬り合い」にありますからね。

蛾眉雷蔵 VS 天晴

 蛾眉雷蔵のデザインは、割れた般若の面をモチーフとしたもので、インパクトも流麗さも一級。牙鬼軍団「一番槍」という肩書は、「ハリケンジャー」を想起させてちょっと懐かしいですね。まぁ、「一番槍」という語句自体が戦国由来なんですけど。

 声の担当は松田賢二さん。松田さんと言えばもう私の中ではザンキさんなんですけど、それ以来東映特撮では常連さんのようになっている貴重な俳優さんですね。容貌も眼光の鋭い感じでシャープなんですけど、声がまた素晴らしくて、今回はそれが存分に生かされていると思います。

 松田さんをキャスティングした事で、私はもう少し違うキャラクターを想像していたのですが、物凄く悪辣で凶悪、「親方様(あるいは御館様)」と呼ぶ牙鬼幻月の復活よりも戦に生きるというアクの強さも魅力です。

 今回は、天晴と切り結ぶという展開になり、互いのライバル関係を印象付けました。勿論、天晴の実力は蛾眉雷蔵に遠く及ばない設定なので、とにかく蛾眉雷蔵の実力を見せられるという流れでしたが、意外や天晴も、王道の中にトリッキーな戦術を織り交ぜる器用な戦い方(正に忍者!)で、一太刀浴びせる事に成功しています。

 今回は、基本的に「新幹部登場編」の流れに沿っているので、主人公が全く太刀打ち出来ないという定番展開でも違和感はないのですが、さすがにシリーズ序盤である事を考慮してか、主人公にも一応華を持たせていましたね。逆にその事が、天晴が持つポテンシャルへの惹きになっていて、巧いバランスでまとまったと思います。

 実は今回は凪編でもあるのですが、蛾眉雷蔵のインパクトが強い為、やや印象が薄かったように思います。しかも、凪自体あまり良い処を見せられなかったし...(笑)。

 今回強調されたのは、参考書が手放せない資格マニアというキャラクター付け。ただし、理詰めで物事を捉える役割は八雲が担っている感もある為、凪の資格マニアというキャラクターは、むしろコレクター的な方向性のマニアックさであると解釈するのが良さそうです。まぁ私なんかもそうですが、色んな無駄知識があるわけですよ(笑)。その辺が実戦(実践)には今一つ役に立たないという、やや可哀想な流れになっていました。

 普通の集団ヒーロー物であれば、この資格マニアという面が「役に立つ」展開になってくるものですが、今回は徹底的にダメ出しされます。ちょっと気の毒ではありましたが、凪の最年少らしさを表現するにはアリだったのでは。今回は天晴、八雲、風花、霞それぞれにアクション的な見せ場を作っていて、実は凪の周囲が「良き参考書」なのだというオチも爽やかでしたね。

 ただ、そんな中でも、制御不能なトラックからの救助劇が大胆なカットで構成されて彼のヒーロー性を上げていたり、巨大戦でもダンプマルを器用に操って大活躍する等、ちゃんと凪編たる見せ場がありました。開眼して抜群の強さを発揮したというわけではないですが、描写にカタルシスが感じられるものでしたね。

 エピローグで、ラストニンジャを目指すか否かを訊かれた際、それも資格に類するかもと答える少年っぽさも好感。天晴、八雲、凪それぞれのラストニンジャに対する考え方、温度差があるのは非常に面白いと思いました。

好天

 今回は旋風が登場せず、後見人キャラとしては好天のみが登場。旋風がレギュラーで、好天はたまに出てくるものとばかり思っていましたので、このスイッチングは意外でした。

 相変わらず、登場シーンはイリュージョンのような仕掛けがあって楽しいですね。厳しくも楽しく成長を見守るという、独特のポジショニングが良いです。

 冒頭の修行シーンは「忍者ごっこ」の発展形でワクワクしましたし、「ニンニンジャー」の雰囲気は好天に設定されている雰囲気そのものだという事がよく分かります。

八雲、風花、霞

 天晴と凪がメインで動いているので、基本的に他の面々はサイドに徹しています。

 しかし、八雲は前回の流れを受けて早くも天晴と共に先陣を競うようになっていて、ちゃんとキャラクターの歩みが感じられる辺り細やかですね。

 風花はまだマスコット的な扱いから脱していないように見受けられますが、変身後のアクションは五人の中で最もアクロバティックでスピーディに描写されており、戦力アップが存分に描写されています。また、素面(やられ)アクションでは、キリッとした眼力のある表情が印象的でした。

 霞は影のリーダー振りを前回に続いて発揮していました。戦況の見極めを行い、引くべき処で引かせる潔さも見せます。それでいて、普段は他の面々が何を言おうが何処吹く風といった表情が抜群で、独特の魅力がありますよね。一方で、まだ毒舌家という設定は消化できていないようにも感じます。

カシャ

 今回の妖怪は「火車」で、インラインスケートがモチーフという、なかなかハイブロウなデザイン。スケートというと、「ゴレンジャー」のスケート仮面と「デンジマン」のパンチローラーが真っ先に思い浮かぶ辺り、私も相当なものですが...(笑)。その後継者として抜群のデザインラインだったと思います。

 ただ、扱いは哀しいもので、基本的には蛾眉雷蔵登場のダシに使われるというもの。巨大戦にも呼んでもらえなかったという...。

十六夜九衛門

 幹部の一人で初回から登場している彼ですが、地位としては蛾眉雷蔵に三下呼ばわりされる「小姓」でした。

 潘めぐみさんの快演が抜群なのは言わずもがな、牙鬼幻月復活のキーキャラクターであったり、巨大戦のきっかけを作るキャラクターでもあったりと、狂言回しとしてのポジションも担っていて、実は「ニンニンジャー」最重要キャラクターと言っても過言ではありません。

 ところであの小槌、実は伊賀崎家から盗まれたものだったとか。「妖シュリケン」を使ったりと、忍者との共通点もあって謎めいています。

巨大戦

 今回はカシャが粛正されてしまったので、ガシャドクロという巨大戦専用の汎用機(?)が登場しました。前作「トッキュウジャー」のクライナーに相当するものですが、巨大戦に特化したものを用意しておくと、ドラマパートの自由度が増すんですよね。「東映スパイダーマン」程に乖離してしまうのは問題ですが(笑)。

 ただ、デビュー戦としてはあまりにも瞬殺だったので、やっぱり「東映スパイダーマン」のようでした(笑)。

雑感

 全体的に大人しい話だった印象ですけど、ビジュアル面では見るべきもの沢山がありましたね。

 キャスト陣の芝居はまだ硬いように思いますが、これは1クール消化する頃(要は追加戦士が登場する頃)には急激に変化してくるので、まずは好天みたいに見守っておこうかと。

 蛾眉雷蔵は様々な面で強力であるが故に、今後動かすのが難しいキャラクターになると思いますが、その辺りの折り合いをどう付けてくるかにも注目したい処ですね。

 次回は順当に風花編だと思っていましたが、そうでもなさそうですね。まぁ、設定編ばかりだとリズムが作れないので、当然なのかも知れません。代わりに、早くも新メカが登場するという事で、どのような仕掛けで来るか楽しみです。