#12 宇宙で待ってる その2

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 続いては、メメントモリの第2射、第3射を受け、遂にメメントモリ破壊へと動き出し始めるソレスタルビーイングが描かれます。

 といっても、その前までの描写が主なのですが。

 まず、撤退したアロウズの、束の間の休息を描写。

 ジニン大尉はいわゆる二階級特進により中佐に。彼のロッカーの中身が速やかに撤去されることで、中佐という華々しい階級の響きも虚しくこだましていきます。


 その虚しさを噛みしめるルイスの元に、アンドレイがやってきます。

 アンドレイは戦闘中の敵との交信についてルイスに質します。


「親しい仲のように思えた」


というアンドレイに、ルイスはあくまで「家族の敵」であり「世界に混乱を招く」者に過ぎないと答えます。

 半ば激昂するルイスの腕をとり、アンドレイは、


「華奢な腕だ。パイロットのものとは思えん。君は、アロウズに居るべきではない」

ルイスとアンドレイ

と、アンドレイなりの優しさを見せます。が、これは勿論逆効果。アンドレイ君、女性に対する経験値が不足しとるよ(笑)。


 ルイスは機械の左腕でアンドレイの左腕を掴んで跳ねのけ、その場から去っていきます...。

ルイスとアンドレイ

 リヒティに施されたものと同じ技術なのでしょうか?

 ルイスの義手の高性能振りを垣間見ることが出来ました。



 一方、アロウズに在籍する二人のイノベイター、リヴァイヴとブリングは、リボンズがツインドライヴについて教えてくれなかったと不満をあらわにします。

リヴァイヴとブリング

 そこにリボンズの脳量子波が届きます。

 リボンズは、ヒリングとディヴァインまで投入してダブルオーガンダムを奪取する作戦を伝えてきました。

 二人は、リボンズですらツインドライヴの性能を知らなかったことを悟ります。


 脳量子波を送った本人であるリボンズは、ここでは登場しませんが、登場しないだけに直接的な作戦を立案したリボンズの計り知れない怒りの程が伝わってくるようです。

 まだ姿を見せないイノベイター・ディヴァインも早々に登場しそうですね。



 そのリボンズの怒りの発露か、メメントモリの第2射が放たれます。

 それは、リチエラ王国の軍事基地を狙ったもの。

 しかも、基地の近くには百万人規模の難民キャンプがありました。


 炸裂する直前の、子供の表情がやるせなさを倍加しています。


 当然の如く怒るクラウス。


 そしてマリナも、


「私達の土地が...民が...国が...消えていく...」

マリナ

と徐々に憔悴していきます。


 そんな中、メメントモリの非道振りを目の当たりにしたセルゲイに緘口令が。

 緘口令は連邦大統領からの特令であり、目撃した兵士からメメントモリの情報が漏れないよう、管理を徹底せよとの命令です。

 勿論セルゲイの信条とは相容れない命令ですが、セルゲイは生粋の軍人でもあり、軍規に逆らうという行動も信条に反します。

 セルゲイのシーンは非常に短いものですが、彼の葛藤を推し量るに十分でした。



 そのメメントモリ発射を察知したトレミーは、遂にメメントモリ追撃へと向かうことに。

 カタロンも既に宇宙艦隊を配備してメメントモリ追撃に出ている為、ロックオンはクラウスや仲間を心配しています。


 一方、トレミーがこの宙域を離れることになる為、ルイスに逢えなくなると考えた沙慈は、オーライザーを奪取して脱出しようと試みます。


「僕たちは関係ないのに、こんなところにいるのがおかしいんだ!戦争なんて、やりたい奴等だけで勝手にやってろよ!僕たちは取り戻すんだ...あの頃を、あの日々を...」


 この沙慈の呟きは、ルイスのことを真に理解していない様子を浮き彫りにします。


 ルイスは家族を全滅させられた時点ですでに「関係ない」とは言えなくなっており、沙慈の言う「僕たちは」は実は「僕は」に過ぎないのです。

 更に、遠因とはいえ、自分の行為によってカタロン基地が襲撃を受けたのを、「関係ない」と言っていることになります。


 しかしながら、これは戦場でルイスと邂逅した故に、頭に血が上っている状態でのこと。


 沙慈はふとティエリアの言葉を思い出します。


「そういう現実から目を背ける行為が、無自覚な悪意となり、このような結果を招く。彼らの命を奪ったのは君だ!君の愚かな振る舞いだ!」


 ここで沙慈は我に返り、


「...また僕は同じことを...どうすれば、どうすればいいんだ...ルイス」


と嘆くのです。

沙慈

 今は嘆くことしかできない沙慈ですが、これからどうなっていくのでしょうか。

 私はオーライザーの正式パイロットに、半ば惰性的に固定されていくような気がしています。

 何故かと言うと、プラモのパッケージに...(笑)。


 ま、わかりませんけどね。



 その一部始終を、刹那はそっと見守っていました。

刹那

 「ガンダム00」の主人公・トップクレジットは刹那ですが、セカンド・シーズンでは成長した戦士として一歩退いた場所におり、沙慈を後ろから見守る立場に就いた印象。

 即ち、「もう一人の主人公」である沙慈を前面に押し出してくる意図が見られるのです。



 そして、トレミーはケルディムガンダム、アリオスガンダム、セラヴィーガンダムのトランザムで全速前進を開始。



 その頃、ルイスは沙慈との思い出の写真等のデータを全て削除し、過去の一切を断っていたのでした。

 ビリーがクジョウの正体を知り、憎悪からアロウズに志願したのに対し、ルイスはむしろ「迷いを断った」という印象があります。

ルイス

 結局、ルイスは家族の敵打ちを第一目的としていながら、兵士になった姿を沙慈に見られてしまうのを恐れていたのではないでしょうか。

 今回のことで、もう沙慈に素性を隠す必要もなくなり、しかも沙慈が元からソレスタルビーイングに関係していたと誤解することで、沙慈の存在を一切気にする必要がなくなったのです。


 ...実に悲しいことですが。



 エンディング後は、カタロン宇宙艦隊によるメメントモリ攻撃作戦の開始。

 しかし、メメントモリの第3射がカタロン第二艦隊の半数を消滅させるという事態に。


「あの兵器、宇宙にも撃てるのか!」

「何を狙った!?」


と驚くアレルヤ&ティエリア。


「カタロンの宇宙艦隊だ!くそったれが!」

ロックオン

 これでロックオン=ライルがカタロンに通じていることを露呈。

 実際、カタロン宇宙艦隊の動きはアロウズに漏洩していたことになると思いますが...果たして?


 そして、


「これが連邦の、いや、イノベイターのやり方!」

刹那

という刹那のカッコいいベストショットで締め。


 順調かつハイテンションで1クールを消化してきましたが、いよいよ次回で1クール最後。今年の放送も最後になります。

 さて、どんな締めで来年への期待を煽るのか...楽しみです。