#13 メメントモリ攻略戦 その1

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 2008年最後のエピソードは、1クール最終話でもあり、しっかり一つの区切りをつけてくれました。

 しかも、全編バトルのみ!


 サブタイトル通りの、というよりサブタイトルの内容しかない!という大胆構成で、2008年を締めくくるに相応しいド派手でテンションの高い一編でした。


 特に目新しいトピックはありませんが、ヒリング・ケア初の本格的参戦や、ネーナの単独行動本格化、リント退場、セルゲイの盟友パング・ハーキュリー大佐登場など、重要なポイントは押さえておく必要があります。


 今回の内容は前述の通り、メメントモリ撃滅作戦を遂行するトレミーと、それを防衛するアロウズの攻防戦。その一徹。

 ということで、劇中時間としては恐らく30分から1時間位しか消費していないと思われる高密度。

 私としても、うまくまとめられればいいのですが...。

 前回ラストよりの続き。

 カタロン第二艦隊は半数がメメントモリによって失われてしまい、さらにはガデッサの砲撃がカタロン艦隊を襲う!


「そっちとは射程が...ダンチなのよね!」

ヒリング

 この、いかにも戦争を楽しんでいます風の口調。ヒリングがイノベイターの中でも群を抜いて好戦的であると印象付けています。


 カタロンの宇宙艦隊は、このヒリングの駆るガデッサに次々と落とされていきます。


 カタロンの艦長はミサイル一斉発射で凌ごうとするも、アロウズのモビルスーツ隊に90%以上を撃墜されてしまい...。

カタロン艦長

 後のなくなったカタロンの艦長は、強行突破の後、自艦によるメメントモリへの体当たりを敢行すべく指示を出します。


 カタロン宇宙艦隊が全戦力を集結させたことや、元々かなり勝算の薄い作戦だったことを考えると、実はソレスタルビーイングの介入を期待していたのではないでしょうか。

 そこを考慮すると、カタロンは組織力や物量こそ巨大ですが、優れた戦術を考案できるブレインに恵まれていないようにも見受けられます。

 もっとも、カタロンが感情的に動いていくからこそ、ソレスタルビーイングの理知的な動きが光るのですが。


 で、期待通りそこへ刹那のダブルオーライザーが登場!

ダブルオーライザー

 刹那はソレスタルビーイングによるメメントモリ攻略戦開始を告げ、カタロンの艦長にメメントモリの情報を提供するよう要請。

 このあたりの連携は実に宜しい。



 一方、メメントモリ防衛戦の指揮はリントが執っています。

リント

「やらせてもらいますよ。私の大好きな殲滅戦をね」


 この防衛戦をカティが任されなかったのは、勿論話の展開としてメメントモリが堕ちるからなのですが、劇中の事情的には、先の戦闘でトレミーを追撃し損ない、ガデッサとガラッゾを落とされたという失態故でしょう。


 なおヒリングは、トレミーから発射された、ガデッサの射程に匹敵するビームを見て、プライドが許さなかったのか単独行動に移ります。

 これはつまり、防衛戦線の一部を欠くことになるのですが、リントはライセンスを理由に許容しています。

 この判断は無論誤りであり、後で分かるようにスメラギの陽動に引っ掛かったことになります。カティが指揮していればあるいは...と思わせるところがイイですね。



 その頃、王留美は紅龍の元へ戻り、紅龍に戦況を尋ねます。

 何となく衛星軌道上に居て戦況を目視しているようですが、王留美が居る場所については少々分かりにくい。


 紅龍は王留美の頬が赤くなっていることに気付きますが、


「いくら上位種とは言え、男の嫉妬は見苦しいということよ」

王留美

と努めて涼しい顔。

 イノベイターを優れた種だと認めつつも、内心は人にあらざる者として見下している節が見えます。


 一方、


「お嬢様、女の嫉妬も見苦しいんじゃない?あんたの思い通りになんかさせてあげないんだから」

ネーナ

と、ネーナは王留美と紅龍の会話を盗聴し、一人思案。単独行動に移っています。


 カタロンが入手していた情報は、メメントモリの機能と外観についての概略。

 それによると、メメントモリはオービタルリングの粒子加速器を利用した、自由電子レーザー照射装置とのこと。

 オービタルリングというのは、今回何度も登場した、衛星軌道上にある線路状の巨大なリング。

 その超巨大な粒子加速器は反物質を生成しており、その際に遊離して発生した不要な自由電子を回収し、膨大な負電荷を帯びたレーザーを照射する装置がメメントモリ...ということになるでしょうか。


 また、メメントモリの砲塔には発射角度の制限があるらしいことも判明しています。

 しかし、この情報だけでは、スメラギも作戦の詳細を確定できなかったようです。


 そこに王留美(実はネーナ)からメメントモリの内部構造が送られてきます。


「どうやって入手を...?」


とはアレルヤの弁。

 アロウズの上層部あるいはイノベイターしか知り得ない情報を、王留美が一体どのように入手したのか。

 まだ王留美とイノベイターが繋がっていることを、ソレスタルビーイングは知りません。

 勿論、ティエリアも。


 この超機密情報は、実はネーナがハロを使って送信したものでした。

 以前、サーシェスに咎められた際に入手していた情報は、これだったわけですね。


 ネーナの私怨による行動は、ソレスタルビーイングにとって今回こそプラスに働きますが、今後はどうなるか?



 さて、メメントモリの弱点である電磁場光共振部の位置を掴んだスメラギは、作戦を確定させます。

スメラギ

 その作戦の要旨は次のとおり。


  1. メメントモリの死角から接近しての直接攻撃
  2. 防衛部隊は強行突破
  3. ティエリアとロックオンの精密な連携が必須事項


 ラッセの評どおり、今回も大胆かつ繊細な戦術を展開していきます。

 また、カティ相手でないということで、スメラギの戦術が常に先手先手を打って行く爽快感が味わえることになります。



 ここでちょっと一服的なシーン。

 それは、マリーとルイスが同じ部隊に居たことを、沙慈が知るというもの。

 このこと自体はあまり重要ではない気もしますが、一応気に止めておいた方がいいでしょう。何が伏線になるか分かりません。


 そして、そこにスメラギから、


「あなたに頼みたい事があるの」


という通信が。

 マリーの超兵としての能力を利用するようです。

 後に「どんな手を使ってでも」というスメラギの言が登場しますが、マリーの能力を利用することは、今となってはいわば民間人を戦争に利用するという行為に等しい。

 マリーを利用することは、スメラギにとって背に腹は代えられぬという決意の表れだと言えるでしょう。



 先ほど陽動されたヒリングが、さらに刹那の誘いに乗る!

 トレミーにとって最も厄介な敵は、こうしてまんまと陽動されたことになります。


「イノベイター!」

刹那

「ご存知じゃないさ!」

ヒリング

 ダブルオーライザーとガデッサが激しく切り結ぶ間、トレミーはオービタルリングの上を進んできます。



 さぁ、ここからはガンダムマイスター怒涛の進撃!

 その2はキャプ画多めで行きます。