#21 滅びの道

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 ロックオン負傷!

 ティエリアを庇って負傷!

 とにかくそれが鮮烈で、各陣営の細かい動きが霞んでしまいました。



 とは言ってられないので、毎度の如くそれぞれの動きを整理しつつ感想なぞを。



 沙慈。


 やはり絹枝姉さんは亡くなってましたね...。

 唐突で悲しいことですが、沙慈というキャラクターにとことん追い撃ちをかけるという意味では、順調に周囲が機能しているということでしょうか。


 「報道屋でクロスロード氏の名を知らない者はいない」


 沙慈の性格からは、これほど優秀なジャーナリストが父親だとは想像もつきませんでしたが、それは絹枝に継承されていたようです。

 沙慈の父親は取材相手に濡れ衣を着せられ投獄されたとのこと。


 「事実を求め、つなぎ合わせればそこに真実がある」


 絹枝が父から聞いた言葉ですが、ここまで来ると何だかガンダムとは思えないレベル。

 ガンダムにはあんまりジャーナリズムの匂いがなかったので、逆に新鮮。

 沙慈は、絹江がイオリア・シュヘンベルグの追跡取材を専任でしていたと知り、なおもソレスタルビーイングに対する敵対心を募らせていくことになりそうです。


 一体沙慈をどういうポジションに持っていくのか。

 モビルスーツのパイロットってのは、ちょっとやめて欲しいですが。



 続いてアレハンドロ・コーナーとリボンズ・アルマーク。


 前回、ヴェーダ≒イオリア・シュヘンベルグなのかと思いましたが、今回のセリフの間からして、どうもそういうことではないらしい。

 アレハンドロのセリフで等価に扱われていたのは、イオリア・シュヘンベルグとソレスタルビーイングでした。


 今回判明したのは、擬似太陽炉搭載型のモビルスーツである「ジンクス(GN-X)」を国連に譲渡したのがアレハンドロであり、ラグナ・ハーヴェイの地位と権力を利用して工作したものだったということです。

 さらに、その準備の為にラグナを通じてトリニティを活動させ、ついには「彼の役目もここまでか」とラグナを始末。トリニティも頂武ジンクス部隊に始末させようという魂胆でした。

 多分、トリニティの言う「ラグナ」はラグナ・ハーヴェイで間違いないと思います。


 その上、リボンズにヴェーダのレベル6のレイヤーを掌握させ、プトレマイオスのガンダムへのバックアップを切断。

 これで国連軍の勝利を揺るぎないものへと仕立てようとしました。


 「世界統一の為に国連軍の勝利は必須事項だ。GNドライヴさえ残れば、いつでもソレスタルビーイングが復活できる。私は欲深い男でね。地球とソレスタルビーイング、どちらも手に入れたいのだよ」


 アレハンドロはこう言います。

 ソレスタルビーイングの「監視者」になったのは、これが目的だったというわけです。


 一番黒幕らしい人物が黒幕だった格好になりますけど、まだまだ油断は禁物です。

 リボンズやティエリア、ネーナといった、ヴェーダへの生体的アクセスができるキャラクターの動きに注目しなければなりませぬ。



 さてさて、人革連、ユニオン、AEUそれぞれの動きです。 



 人革連の頂武ジンクス部隊はトリニティを襲撃する作戦。

 ラグナとの連絡が途絶えたトリニティは、事態を予測し逆に頂武ジンクス部隊を奇襲します。


 「我々を裏切った...いや、最初から葬り去るつもりだったのか、ラグナ・ハーヴェイ」


というヨハンのセリフから、おそらく、トリニティの潜伏場所をリークしたのは、ラグナかアレハンドロでしょう。


 何だか今回のスローネカッコいいぞ!?

 トリニティが懸命に自分達のアイデンティティを守ろうとしているのが、何となく滲み出てきたからでしょうか。

 彼らもある意味非常に可哀想なキャラクターだということです。



 ユニオンとAEUは完全に共同戦線。ジンクス部隊がユニオンとAEUのエースパイロットで構成されています。


 パトリックとダリル・ダッジが出会い、カティが指揮をとるこのジンクス部隊。


 「戦果は上げるさ。そうでなくては、フラッグを降りた意味も、隊長に会わせる顔もなくなる」


 グラハムはジンクスに乗ることを拒否した為今回登場は無し。ということで、ダリルがこのセリフで一気に目立っていきます。

 なかなかカッコいいキャラになってきました。


 「これでは隊長に申し訳が立たん!」


というセリフも良かったですね。

 グラハムに心酔している様がよく分かります。


 一方のパトリックは相変わらず。


 ヴェーダのバックアップが切断されて動けなくなったヴァーチェを襲撃する際の、


 「大佐のキッスは頂きだぁ~!」


に加え、ラッセの懸命の救出行動の前に撤退を余儀なくされた際の、


 「大佐のキッスが!」


...。

 こういうキャラでずっと行くんでしょうね。邁進して欲しいものです。



 今回のプトレマイオスは、これまでの流れを受け、かなり不利な状況。

 何といっても凄いのはスメラギさんです。


 ヴェーダに関するキナ臭い動向を察知し、「STANDALONE OPERATION SYSTEM」つまりヴェーダなしでも単独でガンダムを動かすことのできるシステムを、プトレマイオスのコンピュータに構築するという作戦に出ました。


 構築担当は、フェルトとクリス。


 途中、「最近、柔らかくなってきたわね、フェルト」とスメラギが声をかけますが、確かに当初のキャラとは変わってきてます。


 スメラギは過去にミスをしており、「とんでもなくでかかった」(ロックオン談)らしい。

 それを払拭すべく「折れそうな心を酒で薄めながら」(ロックオン談)戦うことを選んだといいます。


 「そういうことができるのも、また人間なんだよ」

 「人間、か...。!...ロックオン、あなたは僕のことを...」


 ロックオンとティエリアの会話です。また一つティエリアに関する謎が増えた感じですな。


 刹那の夢。荒野で銃を携えている。マリナがやってきて「ソラン」と呼びかける。


 「もう、戦わなくていいのよ。いいのよ、ソラン」


 こんなとこでマリナを出すとは。確かにアザディスタンは今影が薄いですけど。

 マリナをどう使うかということに関しては、結構迷ってる感じがしますねぇ。

 


 宇宙におけるジンクスとガンダムの死闘は、ハイテンポかつ凄まじい危機感に彩られた名編。


 ヴァーチェのGNフィールドを抜ける。

 ロックオンの射撃を避けられる。

 エクシアがパワー負けする。


 アレルヤ「僕らの滅びは、計画に入っているというのか!」


 ヴェーダからのバックアップ停止。


 アレルヤ「僕らは、裁きを受けようとしている」

 ティエリア「僕は、ヴェーダに見捨てられたのか」

 刹那「エクシアに乗っているのに、ガンダムにもなれず...俺は...」


 スメラギ「予定どおり、こちらのシステムに変更!」


 刹那の、夢で見たマリナの甘言を振り切るような、


 「違う! 俺はまだ生きているんだ! 動いてくれ! ガンダム!」


の叫びと同時に再起動するガンダム。


 いやぁ、凄いです。

 ガンダム00の戦闘シーンはとても頑張ってると思います。

 刹那の想いで奇跡が起きた...ような印象にしつつ、しっかりバックボーンが用意されたところに感心します。


 その後、何故かヴァーチェのシステム変更にエラーが生じ、ティエリア呆然。

 ヴァーチェを狙うジンクス。

 ロックオンがティエリアを庇いビームサーベルの直撃を!


 と続きます。ロックオンの負傷はヘルメットのシールドが透けないで顔が確認できないという演出。それ故に衝撃度はかなりのもの。


 そして、この危機に登場したのが、意外や意外なキャラクター。何とラッセでした。

 ラッセが謎の戦闘機(笑)を駆って出る!

 ジンクスを撃墜...って、ガンダムより強いじゃん!?


 この戦闘機はプトレマイオスの搭載機だと思いますが、初めて出ましたよね?

 にしても、ラッセの大活躍は意外でした。初めてですよね?