Episode 33 忘却 -A.D.2004-

 石堀はプロメテウス・プロジェクトのデータにアクセス、TLTに対する疑念を募らせる。その頃、基地最深部「SECTION-0」にアンノウンハンドが侵入を試みるも、自動防衛システムにより阻まれる。一連の事件を受け、TLT北米本部より査察官・水原沙羅がTLT-Jに入るという。

 憐のもとに不思議な女子高生が現れ、突然デートを申し込んだ。彼女は松永葉月と名乗る。そう、彼女は松永管理官の娘だった。松永の妻は、2004年に新宿で起きた大災害に巻き込まれ、犠牲に。葉月は、父親との喧嘩のときに見た写真で憐に興味を持ったらしく、どんな人かを探ろうと思ったと言う。

 TLT-J上層部は、アンノウンハンドに関連する一連の事件が、忘却の海「レーテ」に関連するものと判断し、水原沙羅を招聘したのだった。東郷や沙羅の口から語られる恐るべき事実に、和倉隊長も驚きと混乱を隠せないでいた。

 その頃、石堀は北米本部のサーバをハッキングしていたが、失敗に終わる。しかし一部ダウンロードに成功したファイルには、2004年に新宿で起きた大災害の真実を映し出していた。大災害は、ウルトラマンとビーストとの最初の戦いだったのだ。「来訪者」は、「忘却の海・レーテ」にその戦いに関する記憶一切を封印したのだった。

 一方、憐は葉月によって瑞生への想いをはっきりと自覚し始めていた。そこへ現れるビースト。憐はウルトラマンに変身する。遂に市街地に現れたビーストとウルトラマン。その姿は、多くの人々の目撃するところとなる!

解説

 ほのめかされていた映画「ULTRAMAN」との関連。真木舜一がファースト・デュナミストであったことは既に周知となっていた。では、なぜ最初のウルトラマンは人々の記憶から排除されたのか…? その疑問は本エピソードでほぼ氷解することなった。そしてTLT関係者の口から頻出した「来訪者」なるキーワードの正体もほぼ明らかとなった。

 ネクサスのような複雑な物語を展開する際、どうしてもバックグラウンドを説明するようなエピソードを用意しなくてはならない。通常のTV特撮ドラマとしては難解な部類に入るネクサスは、これまでも度々エクスキューズやディスクリプションに相当するエピソードを配してきた。それらのエピソードも構成の巧さによって極力説明臭が廃されていたが、今回は憐と瑞生の関係が発展(?)するという重要なポイントを押さえることでそれが達成されている。

 しかし、重要度としては「説明」に関する部分の方が遥かに高いことは一目瞭然であり、その「説明」は映画「ULTRAMAN」から「ネクサス」へと続く一連のサーガの謎を解き明かすキーである。そのため今回に限っては、延々と展開されるディスクリプションがカタルシスをもたらすという、ある種異常な事態となっている。これはネクサスならではの感覚だろう。映画の映像がふんだんに使用されたのも、この感覚を増幅する結果になっているようだ。

 今回はあまりにも情報が多く、詳細についてはここには書かないことにした。沙羅についてはこちらを、プロメテの子のディフェクトに関する事項はこちらを、来訪者とレーテに関してはこちらをご参照いただきたい。これらの情報だけを眺めてみても、ネクサスに秘められたバックグラウンドの深さや壮大さといったものが、いかに凄いかを感じ取ることが出来る。

 ところで、今回はそれら「説明」の間に配された各キャラクターの行動が光っている。憐と瑞生に関しては言わずもがな。松永の娘・葉月の可憐さと、松永自身の父親としての戸惑い振りが新鮮な親子の描写が良い。石堀のハッカー振りと寄り添う詩織の睦まじさもマル。石堀はここのところキャラが立ってきているように思う。残り本数が少ないのが残念だ。そして遂に市街地に現れたビーストとウルトラマン。根来たちがかつて地道に追いかけた事柄は、突如白日の下にさらされることとなった。さて、いかなる展開が待っているのか!?