A-01 オルタニティ NISSAN GT-R/コンボイ バイブラントレッド

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サイバトロン 総司令官 コンボイ
CYBERTRON COMMANDER CONVOY
AUTOBOTS COMMANDER OPTIMUS PRIME (US ORIGINAL)

 オルタニティ第一弾のコンボイは、シルバー仕様とレッド仕様が同時発売となった。シルバーがコンセプトモデルという位置付けとするならば、こちらはコンボイのイメージを再現する為のモデルであると言えそうだ。

 このアイテムそのものの記述はシルバー仕様側にゆずるとして、このモデルをいわゆるコンボイカラーにしたことによって得られる印象を記しておきたい。

 まず、カーモードに関しては、GT-Rのレッド仕様として素直に納得できる出来になっている。塗装精度自体も、後期バイナルテックよりはかなり良いという印象だ。

 ロボットモードに関しては、レッド部分がコンボイを想起させるのは勿論、頭部、手首、膝という最小限の部分にブルーを用い、腰と腿にシルバーを用いることで、オリジナル・コンボイのイメージ再現が高い水準で行われている。これは、コンボイのトータルイメージのカラーリングを巧く落とし込んだ結果であり、高く評価できると思う。

 次のアイテムはメガトロンが予告されており、いきなりメインキャラで展開するという点に少々の不安を感じはするものの、バイナルテックより取り回しが良く、コレクション性も高いので、是非とも多様なシリーズ展開を期待したいところだ。

サイバトロン 総司令官 コンボイ
CYBERTRON COMMANDER CONVOY
AUTOBOTS COMMANDER OPTIMUS PRIME (US ORIGINAL)

 バイナルテックのエッセンスを継承した新しいライン=オルタニティ。そのコンセプトは、バイナルテックで培われたリアルなミニカー路線と、2007年度劇場版のアイテムで培われたリアルなロボット路線(そして変形のし易さ)の融合であろう。ちなみに、オルタニティはバイナルテックの海外展開名である「オルタネイターズ」を踏襲したものと思われる。

 第一弾は、トランスフォーマーファンのみならず、多くのトイファンにアピールしやすいキャラクターである「コンボイ」に決定。人気車種であるGT-Rをカーモードとして選択するなど、入念な企画が伺える。

 カーモードのスケールは1/32となり、バイナルテックの1/24よりかなり小さくなった。また、基本的に外装はプラスチック製となり、強度が必要な部分にダイキャストが用いられるなど、バイナルテックにおける質感重視の傾向を受け継ぐのではなく、強度や遊び易さが重視されている。しかしながら、外装は全面的に塗装されており、ミニカーとしての完成度はちゃんと追求されている。

 変形プロセスは、複雑すぎるきらいのあるバイナルテックより数段簡単になった。簡単になりつつも、各パーツの動きは非常によく練られており、シルエットの変化が重視されている為、簡素=チープという印象は皆無。また、今回の売りである「シンクロテック機構」は、劇場版アイテムの「オートモーフ」を取り入れた形となっており、複雑な変形手順を省略するのに一役買っている。

 ロボットモードは、初代アニメのイメージ再現に務めたバイナルテックとは全く違うアプローチになっている。むしろ、劇場版の実写CGのイメージを反映させた印象でまとめられ、フィギュアとしてかなりクールなものになった。この傾向により情報密度が高くなった為、バイナルテックよりもむしろ精密感が出ており、その満足度は高い。

 物語の方だが、もう殆どコアな同人系と化しており、私の理解の範疇を超えてしまっている(ちゃんと読めば分かるのだろうが、面倒...)。

 とりあえず、コンパクトなラインでこれだけのものが出てきたという点で、高く評価しておきたい。

MP-8 マスターピース・グリムロック

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サイバトロン ダイノボット指揮官 グリムロック
CYBERTRON DINOBOT COMMANDER GRIMLOCK
DINOBOT COMMANDER GRIMLOCK (US ORIGINAL)

 マスターピース第8弾は、メガトロン以来久々の完全新作となるグリムロック。オリジナル・トイの完成度の高さに定評あるキャラクターだけに、いかにして現技術でブラッシュアップするかが鍵と言え、その試みはマスターピースブランドに相応しい完成度を伴って成功したと評価できよう。

 マスターピースシリーズは、コンボイ型がバイナルテックシリーズと違和感なく並べられる仕様とされ、メガトロンがそのサイズに追随したわけだが、ジェットロンは航空機のサイズを鑑みて小型化された。このグリムロックも、ジェットロンのサイジングに倣っており、コンボイとのスケールの整合性は完全に無視されている。

 ただし、ダウンサイジングによって得られた恩恵は大きい。何より扱いやすいし、素材の強度的にも妥当だ。また、同時期のオルタニティをオートボットのサイズと見做すと、実は丁度良かったりする。

 前述の通り、基本的な変形ギミックは旧トイで既に高い完成度を示していた為、このマスターピース・グリムロックは旧トイの変形ギミックを調整する形をとっており、各形態をよりアニメのイメージに近付けるべく工夫が凝らされている。目を引く部分としては、恐竜モードをスリムにする為の胴体伸縮と、ロボットモード脚部の再現度を高める為の尻尾の収納ギミック等が挙げられる。その割には、全体的に非常に簡素にまとめられてり、変形のし易さはマスターピース随一。極端に言えばオルタニティより変形し易い。

 ロボットモードでの各関節可動は言わずもがな、恐竜形態での腕部可動や尻尾の可動、頭部と尻尾の連動など、可動部に関する楽しいギミックはふんだんに盛り込まれている。また、マニアックなオプションパーツも充実している。

 グリムロックがこの完成度で登場したことにより、マスターピースブランドの未来は再び明るくなったように思う。主役級キャラはかなり出揃ってきたので、そろそろロディマスあたりが欲しいところだ。

MP-7 マスターピース・サンダークラッカー

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デストロン 航空兵 サンダークラッカー
DESTRON WARRIOR THUNDERCRACKER
DECEPTICONS WARRIOR THUNDERCRACKER (US ORIGINAL)

 マスターピース7弾は、サンダークラッカー。スタースクリームから始まった同型ジェットロンのリリースが、ようやく完結することとなった。

 勿論、先のスカイワープと同様、基本仕様はスタースクリームと同一であり、主にカラーリング変更によるリリースであるが、割とアニメイメージに近かったスカイワープとは、少々趣が異なる。

 旧アニメでは、このサンダークラッカーはかなりシアンに近いカラーリングだったのだが、このマスターピース版はかなり深いブルーとなっている。これは初代トイのカラーリングをイメージしたとのことだが、旧アニメをイメージソースとする主旨のマスターピースブランドには無用の配慮だろう。航空機としてリアルっぽく見えるカラーリングということなのかもしれないが。

 新造パーツはスカイワープと同様にフェイス部分のみ。ロボットモードは、旧アニメのカラー配置を一応ちゃんと踏襲しているものの、前述したブルー系の色合い相違の為、残念ながら諸手を挙げてサンダークラッカーだと歓喜するようなものではない。スタースクリームのUSAエディションや、スカイワープほどの感動が欲しかったのだが...。それ程までに、ジェットロンはイメージ構築にカラーリングが重要なのだろう。

 とはいえ、やはりジェットロン3体(4体...)が揃うのは嬉しいところ。説明書等には3体コンプの優位性が強い調子で記載されており、このアイテムを手にしたファンは一応この戦略に乗せられたことになる...。

 ※Web上で議論されたように、このサンダークラッカーの初回ロットは、胸部パーツの左右取付が逆になっています。修正を試みましたが、困難でした。変型にとりあえず支障はありません。

BT-22 バイナルテック・コンボイ

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サイバトロン 総司令官 コンボイ feat. DODGE RAM SRT-10
CYBERTRON GENERAL CONVOY feat. DODGE RAM SRT-10
AUTOBOTS COMMANDER OPTIMUS PRIME (US ORIGINAL)

 復活バイナルテック・シリーズの第3弾リリース(4体目)は、「遂に登場」という口上が相応しい、総司令官コンボイ。これまで、マスターピース・コンボイが、バイナルテック世界におけるコンボイの役割を何となく担っていただけに、ある意味バイナルテック・シリーズの終焉と共にマスターピースとの決別を果たしたかのようで、些か寂寥感をも漂わせている。

 当アイテムの原型そのものは、既にキスぷれ・コンボイとして登場している為、衝撃度という面ではまるで期待できない。ただし、キスぷれ版がオールプラ製であったのに対し、バイナルテック版であるこのアイテムは、シリーズ伝統に倣ってダイキャストをふんだんに使用。バイナルテックシリーズ随一の大きさを誇る体躯と相俟って、重量感は抜群である。

 キスぷれ版との差異は、ダイキャストパーツの採用の他、メリッサ関係のアイテムが一切ないこと(当たり前だが)、目のペイントがアニメ準拠の青となっていること、腕部の成型色がアニメ版イメージを彷彿させる赤に置換されていること等だ。なお、重量増加に伴ってか、関節は少々固めとなっている(個体差かも知れないが)。

 塗装や仕上げは、復活バイナルテック・シリーズの例に洩れず、手堅い印象。一部ムラが見られるものの、それほど気になるレベルではない。変形ギミックに関しては、元々完成度の高いダッジラムモデルだけあり、こちらも手堅い感触だ。ただし、プラ製が前提だったのか、一部のパーツで合いを調整するのに手間取る場面があった。

 パッケージに記載されているストーリーは「オルタニティ」に言及しており、新シリーズへの準備ともとれる内容になっている。ということで、バイナルテック・シリーズは、一旦終幕ということになりそうだ。それはそうと、ここらで限定販売だったブラックコンボイの通常発売を切望したいところだが...。

BT-21 バイナルテック・アーシー

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サイバトロン 戦士 アーシー feat. Honda S2000 Hardtop
CYBERTRON WARRIOR ARCEE feat. Honda S2000 Hardtop
AUTOBOT WARRIOR ARCEE (US ORIGINAL)

 復活バイナルテック・シリーズの第2弾リリース(3体目)は、バイナルテック初の女性キャラであるアーシー。旧アニメ版「ザ・ムービー」および「2010」、「リバース」に登場した名キャラクターである。

 アーシーというキャラクター自体の説明は、ファンに対しては不要であろう。チャーミングだが勇敢な性格設定は、アメリカン・カートゥーンの由緒正しき女性キャラを踏襲したものと思われ、リアルロボットが跋扈していた日本のロボットアニメの中で新鮮な輝きを放っていた。

 さて、このバイナルテック・アーシーの商品化に際しては、いささか複雑な経緯をたどっている。元々はBT-12 オーバードライブのリデコアイテムであり、海外展開のオルネイターズでは「ディセプティチャージ」として発売(ワイルドライダーやドラッグストライプが元ネタという説あり)。その後、バイナルテック展開も考慮され、ブラックウィドーとして発売されるプランも存在したが諸事情により頓挫している。今回のアーシーは、その「ディセプティチャージ」の新造パーツをそのまま活かし、アーシーのイメージカラーにリカラーしたアイテムである。

 オーバードライブとの差異は新造形の頭部、変形ギミックを備えたリアウイング、ハードトップのパーツの3つ。新造パーツとカラーリングで随分と印象を異にしている。

 ただし、アーシーとして見た場合、カラーリングこそイメージ通りだが、元々の頭部造形がやや男らしいことや、バイナルテック随一のスマートさを誇るロボットモードでさえ、女性キャラとしてはマッシヴに過ぎるのは否めない。しかしながら、これまで商品化にはお世辞にも恵まれていると言えなかった「G1アーシー」が、こうして立体化されることには十分な意義があると言えよう。

BT-20 バイナルテック・アージェント マイスター

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サイバトロン 副官 アージェント マイスター feat. マツダ RX-8 MAZDASPEED Version II
CYBERTRON SPECIAL OPERATIONS AGENT ARGENT MEISTER feat. MAZDA RX-8 MAZDASPEED Version II
AUTOBOT SPECIAL OPERATIONS AGENT JAZZ (US ORIGINAL)

 突如復活を果たしたバイナルテック。第一弾リリースはブルーストリークとこのアージェント マイスターとなった。

 「アージェント マイスター」とはマイスター副官その人であるが、実写映画版ジャズのカラーリングをイメージし、銀色(Argent)で塗装されることとなった。また、BT-08 マイスターの単純なリカラーバージョンではなく、BT-13 レーザーウェーブのボディを採用、つまりマツダスピード・バージョンとし、パワーアップを端的に表現した。

 本体パーツ自体、レーザーウェーブからの変更は見られず、完成度の高いRX-8モデルを堪能できる。マイスターヘッドに関しても殆ど変更はないが、ややバイザーの塗装が濃い。全体的に、BT-08 マイスターの印象から特に飛躍してはおらず、順当なカラーバリエーションの一つととらえても差し支えない。

 元々機構がタイトにまとまっているRX-8モデルだけあって、懸念された精度の低下は殆ど感じられない。「サンライトシルバーメタリック」の再限度は高く、実写映画版ジャズとの近似性も嬉しいものがある。ただし、軟質素材で構成される武器に関しては、やや劣化の度合いが高くなっているようだ。

 同時発売のブルーストリークと同様、キャラクターカードと豪華な取扱説明書がオミットされているのは残念。しかしながら、RX-8モデルの充実度を再確認するには充分すぎるアイテムである。過去の商品が入手困難となった現在、バイナルテックの何たるかを体感するに最適だ。

BT-19 バイナルテック・ブルーストリーク

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サイバトロン 射撃手 ブルーストリーク feat. スバル インプレッサWRX
CYBERTRON GUNNER BLUESTREAK feat. SUBARU IMPREZA WRX
AUTOBOT GUNNER BLUESTREAK (US ORIGINAL)

 実写版映画アイテムや「変形!ヘンケイ!トランスフォーマー」シリーズの好評を得てか、バイナルテックがまさかの復活を果たした。復活第一弾としてアナウンスされたのは、このブルーストリークとアージェント マイスターであった。

 このブルーストリークは、BT-03 ストリークのリカラーバージョンであるが、ステアリング連動機構はマグネットではなくロック式に変更されている。2003年式インプレッサWRXの代表カラーであるWRブルー・マイカを採用し、ナンバープレートを展示車仕様とすることで、より実車イメージの再限度を上げている。何にしろ、ダイキャストを多用したバイナルテック復活には素直に喝采を贈らねばなるまい。

 そのカラーから図らずもオリジナルの英名である「Bluestreak」を踏襲することとなったが、さらにその英名のオリジンとされるダイアクロンのフェアレディZ(ブルーとシルバーのツートンカラー)のイメージにも、ある程度近似する印象となった。逆にオリジナルアニメ版からは完全にイメージを異にしている。深い興味のない者から見ると、BT-01 スモークスクリーンと殆ど同じに見えてしまうのはご愛敬。

 心配された金型劣化や精度低下は、個体差をある程度度外視して言うならば、さほど心配に値しないレベルであり、むしろインプレッサモデルの完成度の高さを存分に味わえるものと言える。また、塗装の精度もアスタリスク時代より相当気遣われている印象だ。

 残念なのは、キャラクターカードと豪華な取扱説明書がオミットされたことである。ただし、ストーリーに関してはパッケージにてフォローされている。新たな段階に突入したストーリーであるが、かなり難解なものとなった。

MP-3 マスターピース・スタースクリーム(USA Edition)

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デストロン 航空参謀 スタースクリーム
DESTRON AIR COMMANDER STARSCREAM
DECEPTICONS AIR COMMANDER STARSCREAM (US ORIGINAL)

 マスターピース第3弾のスタースクリームは、トイとしての完成度は高かったものの、そのオリジナルアニメとかけ離れたカラーリングに非難が集中し、公式的にも「キスぷれ世界の姿」とされた不遇なアイテムであった。

 マスターピース・スタースクリーム発売から1年以上が経過し、途中アニメカラー準拠のスカイワープが発売されたことで、当然ながらアニメカラー版が切望された。マスターピースのアメリカ輸出版はアニメカラーで発売され、日本のファン垂涎の的となった。

 それからしばらく経過し、「USAエディション」として日本に「逆輸入」されたのが、このアイテムである。

 パッケージは従来のマスターピースとは異なり、アメリカ版のブリスタを流用した仕様となった。本体に関しては、アメリカ版の安全基準対策がオリジナルのディテールに戻され、シャープな印象に。また、各種アクセサリもそのまま付属している。ただし、以前のマスターピース・スタースクリームと比べて塗装パターンなどは大幅に省略されており、コストダウンは否めない。

 スタイルについても散々な評価を得てしまったマスターピース・スタースクリーム。だが、カラーリングがアニメカラー準拠となることで、かなり劇中のオリジナルイメージに近づき、むしろ非常に完成度の高いスタースクリームを手中に出来たと言っても過言ではない。気になる腕部や脚部の形状も、スカイワープの時にも指摘したように意外と気にならない。

 勿論、戦闘機形態もマスターピース・スタースクリームならではの完成度を誇る。カラーリングも劇中のものを踏襲し、実に満足度が高い。やはり、当初からこの仕様で(欲を言えばもう少し塗装精度を上げた仕様で)発売して欲しかったと思うのは、私だけだろうか。


※以下の解説は、一部を除き、MP-3 スタースクリームとほぼ同一のものです。

サイバトロン 諜報員 リジェ
エレクトロ・ディスラプターモード
feat. Ford GT
CYBERTRON
COUNTER-INTELLIGENCE
RIJIE
ELECTRO-DISRUPTER MODE
feat. Ford GT
AUTOBOT SPY MIRAGE (US ORIGINAL)

 e-Hobbyで限定出荷された本アイテムは、オルタネイターズ版ミラージュ(即ちリジェ)の成形色を変更し、バイナルテックとして発売したものである。「エレクトロディスラプターモード」とは、リジェの特徴である透明化機能を動作させた状態を指し、クリアパーツによる成形に説得力を持たせている。

 フォードGTモデルは、オルタネイターズ・ミラージュ、キスぷれ・ホットロディマスの順で発売された為、日本においてはキスぷれ・ホットロディマスが初出であり、このリジェは2体目ということになる。しかし、元々はリジェとして設計開発されたものである故に、やはり各部にリジェとしてのデザインラインを落とし込んだ痕跡が見られる。

 クリアバージョンというカテゴリーは、コレクターズアイテムとしての感覚が強く、キャラクターモデルとして成立するケースは少ない。しかしながら、このリジェに関しては、透明化機能という設定もさることながら、バイナルテックの複雑な変形機構を支える高密度のパーツ構成や、インテリアやエンジンルームの再現などによって、見事にキャラクターモデルとして成立している。

 クリアパーツは部分によって透明度が多少異なるのだが、それが却って画一的な印象からの脱却を成功させているほか、あえてクリアパーツを選択しない部分を残すなど、素材の選抜の的確さが光る。カーモードは、さながらCGによるコンセプトイメージモデルと見紛う美しさだ。

 ロボットモードは、キスぷれ・ホットロディマスで高評価を得た、スタイルおよび可動をそのまま継承。バイナルテックブランドでは初となるオールプラ製であり、ホットロディマスのポテンシャルは重量に左右されることなく受け継がれている。クリアパーツはロボットモードでも違和感なく配置され、改めてバイナルテック系の密度の高さに溜め息をつく。

 ところで、当サイト管理人は未だにBT-17ブラックコンボイを入手できていない。リアルタイムでは買い逃し、オークションも高値安定の為手を出せていない。BT-17が欠番になってしまうのは心苦しい限りだ。パッケージに記載されたストーリーでは、ブラックコンボイが重要なポジションにおり、大変悔しい思いをしている...。