快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー #21「敵か味方か、乗るか乗らないか」

 ノエルの人を食ったような言動を具に確認できる秀逸な回となりました。初登場で謎を提示し、二話目でその謎を深めてしまう罪深さ(笑)。

 どちらも裏切らず、どちらも騙し、どちらも信用させる。まさしくスパイの鑑! 彼の正体に関する情報は劇中でいとも簡単に開示されまくっていますが、結局のところ真の正体はよく分からないというのが良いです。



ガバット・カババッチ

 なんでしょう? カバの怪人ということではあるのですが、菌で建造物を腐食させるという能力が非常にユニーク。設定としては「デンジマン」のベーダー怪物に物凄く近いと思います。

 ベーダー怪物にも、ウミツラーとかサビムシラーといった細菌・腐食系、歯磨きモチーフだとまんまハミガキラーなんてのが登場しますので、今回のカバットには懐かしさを感じました。

 ネーミングはベネディクト・カンバーバッチあたりを意識しているのでしょうか?? 名優ベンの作品は「シャーロック」と「スター・トレック イントゥ・ザ・ダークネス」を観ただけなので、パロディ成分に関してはよく分かりませんでした。

 敗れた後に金庫が池ポチャし、ゴーシュが困惑するという意外なファインプレーを見せたことも高ポイントとなります。

信頼を得る。警察編

 あるときは快盗、あるときは警察を名乗るノエル。その行動から、圭一郎たちには全く信頼してもらえない状態。当然と言えば当然であり、リアルな三人の反応がいい具合に描かれていました。

 こういう時、咲也なんかはすぐに接近して信頼してしまいそうですが、彼ですら距離を置いていたという点が、ノエルのポジションを雄弁に物語っていたような気がします。

 さて、そんなノエルがどうやって警察の信頼を得ることになったか。これが実に巧妙で、今回の白眉となります。

 その手段は至ってシンプル。快盗ルパンエックスとして現れ、その場で警察パトレンエックスに変化。そしてルパンレンジャーを襲撃してコレクションを奪うという流れでした。

 パトレンジャーの目的の帰結点ともいうべき「逮捕」はなかったのですが、コレクションの回収を見せ、世界平和のために利用するという志を語ってみせることで、圭一郎たちの「一旦の」信頼を得たというわけです。ここでの、手を差し出して握手を求める圭一郎が実に格好良く、逆にかなり突き放した態度をとるつかさの聡明さも際立っていました。咲也はやっぱりすぐに接近したくなる気質なんでしょうね(笑)。

 一方で、ノエルが警察に入ったのは、ルパンコレクションの一部が警察に渡ったという情報を得たが故であり、ノエルもコグレさんと同様にルパン家に仕える身だと言っており…。

信用を得る。快盗編

 前段のルパンレンジャー襲撃は、なんと事前に魁利と打ち合わせて仕組んだ「お芝居」!!

 魁利に警察でのポジションを獲得できないという(表面上の)弱みを見せて協力を持ちかけ、警察がつかんでいるガバットの情報(=コレクションの在処)を提供。最終的に魁利たちから奪ったコレクションをコグレさんに渡すことで、魁利たちの損はちょっとした戦闘の痛み程度になるという、Win-Winな取引なのでした。

 勿論、これがすぐに信用につながるわけもなく、魁利は「信用する」というより「利用する」ことを考えるべきだと結論付けて今回は終了となります。ただし、これはパトレンジャーに対する関わり方と考え方こそ似てはいるものの、今度の相手はルパンコレクションの破壊リスクを極限まで抑え込む人物となるわけで、その利用方法は全く異なるものとなります。

 ノエル、実に恐ろしいヤツですね。フランスのスパイ映画は観たことがなのでイギリスの007になってしまいますけど、ニコニコしながら潜入してまんまと信用させるロジャー・ムーアのジェームズ・ボンドに近いかも知れませんね(もっとも見破られるのが早いのもムーア・ボンドの特徴ですが・笑)。

 というわけで、結局ノエルの真の秘めたる正体はまだ不明です。少なくとも、グッドストライカーやコグレさんとは旧知の仲であってルパン家の関係者であることは間違いなく、身分が保証される国際警察内でコレクションのエンジニアリングを行っていたことは動かしようのない事実。とはいえ、どちらかが彼のアイデンティティ…なんてことはなく、もしかすると別の出自を持っていて、両者を利用するために両方に潜入しているとか、そんな推測も現時点では充分成立するわけです。

 ちなみに、こういうキャラクターが登場した際に、「普通」の展開として考えられる「三つ巴」を回避したのは大英断だと思います。ギャングラーを加えて既に「三つ巴」ですし、更なる対立劇を持ち込んだところで複雑にこそなれ面白くはならないでしょう。例の収奪シーンが「ひと芝居打った」ものだと判明して、心底ホッとした次第です。

ルパンコレクション

 鉄アレイ型の武器と言えば、「ファイブマン」のツインアレイ。オリジナルは両円盤にカッター刃のついた武器ですが、今回はつるっとした物体でした。

 公式サイト上にも特筆すべきヒントはなく、円盤部に施されたVのマーキングがファイブマン由来であることを主張していました。

 防御力を極限まで高めるという能力がシンプルで、その代わり、その無敵ぶりに油断してまんまと回収されるという、これまたシンプルでユーモラスな決着が秀逸でしたね。

次回

 咲也と初美花の関係に割り込んでくるノエルという、またまた秀逸すぎる構図が…! 楽しみですね。

 



投稿者: SirMiles

【マー 🏃 SirMiles / Masafumi Fujimura / https://sirmiles.com / maruzoku】 Run、音楽、プラモ。趣味は広く浅く。生業はIT系。

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6件のコメント

  1. 新たに登場したノエルですが、このタイミングで登場したのは何故でしょうかね?
    (視聴率とか商品展開とか大人の事情は無視で 汗)
    最近の展開で考えられるのは、ギャングラーのボスであるドグラニオが登場してパトレンジャーを一瞬のうちに倒した件が引き金となったか?
    または、ザミーゴが日本に現れたという情報を掴んだパリ本部が派遣を決めたのか。
    潜入捜査官という肩書きが本当なら、どちらかの理由だと思えるのですが・・・多分どちらでも無いんでしょうね(苦笑)
    とにかく、彼の登場によってある程度安定してきた展開が良くも悪くも大きく変わってきたのは確かです。
    と思ったら、次週はギャグ編ですかね?楽しみです。
    それではまた

    1. ノエル登場の理由…そうですねぇ…なんとなく警察側というよりは快盗側の要件のような気もしますが、全く分かりません(笑)。

      ところでパリ本部と言えば、インターポールとか科学特捜隊を思い出すわけですが(もっとも、インターポールは既にパリに本部を置いてないですけど)、やっぱり「国際」的な警察組織としてのリアリティがあって良いですね。パリロケとかあると、楽しいんですけど…無理か。

      追加戦士は安定に揺らぎを与える存在なので、その点では大成功ですよね。後は世界観さえキッチリキープしてくれれば、言うことありません。

  2. とても元体操のお兄さんとは思えない胡散臭さですね(褒め言葉)。
    ノエル自身、嘘はついていないのでしょうけど、肝心要の部分は隠しているのは明白で、ルパレン、パトレン双方ともに重々承知のうえで、「一応」の信頼関係というところでしょうか。
    アクションは、六人入り乱れての戦闘が凄かったですね。敵対しているのにいつの間にか協力しているかのようになっているという。
    ノエルはコグレさんとも対等の存在に見えます。コグレさんの秘密も少しは明らかになるのかも?

    1. いやぁ…実に胡散臭くて良いですね。
      これまで、イヤなヤツを装っていて実はイイヤツというのは百出でしたが、このタイプは新しいと思います。

      アクションの方、言及してませんでしたが、パルクールの動きで確実に変化がもたらされていて素晴らしいですね!

      コグレさんの正体、ユイ・イブキみたいに土壇場でやっと分かる感じですかね(笑)。

  3. 中々簡単には素性が明らかにならない追加戦士。

    まぁ、当たり前といえば当たり前ですが・・・笑

    なんとなくですが、現状が五差路又は五芒星みたいに思えてきました。

    ルパンレンジャー、パトレンジャー、X、ギャングラー、ザミーゴ。

    ザミーゴも一匹狼要素が強いので、登場した頃はギャングラーを裏切るのでは?みたいなことを個人的に思ってしまった訳ですが、その上にルパパトXまで絡んできて、どことどこが敵対していて繋がっているやら、頭が疑心暗鬼で一杯一杯です。

    すぐに答えを出すのはもったいないので、ちょっとずつ楽しんでいくことにします!

    1. そう簡単に素性が分かっても…ですね。
      特にノエルはミステリアスであることが現状最大の特徴ですからね。

      ザミーゴ、正直なところノエルほどのインパクトも魅力もないので困ってしまうんですけど、これから露出が増えてその辺をカバーして欲しいですね。

      そして、一話一話を楽しむのが吉だと思います(笑)。

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