騎士竜戦隊リュウソウジャー 第17話「囚われの猛者」

 モサレックスとディメボルケーノの「再会」を描く、意外性に富んだ一編。

 もう一つの「再会」は、まさかのバンバに纏わるエピソードで、カナロとバンバという、最も対極にありそうな二人の距離を縮めることにもなりました。リュウソウ族の長命設定を活かしたプロットが、実に見事でしたね。



ゴーストシップマイナソー

 幽霊船がモチーフという、こちらも意外性に富んだ一体。虹を求めて暴れ回るという、不条理極まる行動もさることながら、砂上では無敵という設定が、アクションの様々なバリエーションを生むことになりました。

 件のアクションでは、砂に足を取られて大苦戦を強いられる各々の様子、ミストソウルが逆効果となって焦るメルト、ピンチに颯爽と出現する等身大ティラミーゴ共々、砂に埋められるリュウソウレッド(!)といった具合に、少しコミカルな描写がなされました。その裏に漂う本当の危機感と相俟って名バトルになっていましたね。

 このマイナソーを生み出したのが、ゲストの賢太郎少年が師事する塾の先生。ゲスト子役の関係者という属性だけでなく、実はバンバの関係者でもあったことで、物語の構造が円環のようになり、綺麗にまとまっていたのも実に美しいですね。

モサレックス

 今回の主役の一人は勿論モサレックス。

 ワイズルーの策略にまんまと嵌まり、マイナソーに捕縛されるという失態からして魅力的。前回までの、海のリュウソウ族の守り神のような威容からすると、かなりのギャップですが、あの雰囲気は陸のリュウソウ族に対するネガティヴな感情が生み出していたものだと考えると、今回がモサレックス本来の姿なのでしょう。

 「海よりも深い恨み」という感覚で引っ張っても面白かったかも知れませんが、やはりライトな感覚の方が合ってますよね。

 ワイズルーの珍妙な催眠術にかかったフリをし、カナロとテレパシーで本当のところを伝え合うといった、設定の活かし方が抜群で、逆転劇も爽快でした。

 ただ、「ワイズルーが催眠術にかかったと思い込んで油断している」と言う割には、カナロが先にネタばらしをしていたり、網から抜け出す算段がつかないままモサレックスも芝居をやめたりと、今一つ流れが悪かったのも事実。また、バンバが水を介してモサレックスの声を聞く(?)シーンにも、ちょっと納得し辛い部分がありました。海も陸も関係ないと言われればそれまでですけど。

ディメボルケーノ

 予告の印象から、わかり合えそうにないモサレックスとディメボルケーノが、コウやカナロの説得か何かで手を取り合うという展開を想像していましたが、そんな流れは一切ありませんでした(笑)!

 なんと、モサレックスとディメボルケーノはお互いに兄弟と呼び合う仲で、「再会」した途端、昔取った杵柄と言わんばかりにスピノサンダーへと合体!

 この展開には面食らいました。しかも、そのテンポの気持ち良いこと。あらゆる障壁をすっ飛ばすエクスキューズが必要でしたが、まさか旧知の仲とは…。騎士竜の魅力がさらに増したような気がします。

 ただ、ここでもバンバの行動が気にかかるところで、何故ディメボルケーノを連れてきたのか、バンバはそもそも両者が旧知の仲であることを知っていたのか…といった部分が不明瞭でした。次回以降も何かエクスキューズがあるんでしょうかね??

スピノサンダー

 合体騎士竜という、ロボとは一線を画す形態が素晴らしい! まさかこんな形態があるとは想像していませんでしたので、驚きましたね。

 今回はデビュー戦ということで、この形態のまま凄まじい戦力を発揮してマイナソーを倒してしまいました。でも、今後はあまり登場しないんでしょうね(笑)。

バンバの過去

 リュウソウ族が市井の人々と交流した過去は、これまでも折に触れて語られてきましたが、今回はバンバと心を通わせた人物が登場しました。

 その人物、「江美子先生」の顔がずっと隠れるアングルだったのは、勿論カナロの一目惚れした写真が「若い頃」だったから。最後のネタばらしとして、実は数十年前にバンバと心を通わせた人物であることが明かされ、さらには「虹」の正体にまで言及していく流れが素晴らしかったです。

 そして、リュウソウ族の長命を知らない江美子先生は、「現在のバンバ」と「過去のバンバ」が似ていると言いつつ、「現在」の彼が決定的に違うのは「孤独な目をしていない」という点であると告げるのでした。

 いやはや、先日の総理大臣のエピソードどころではない深さでしたね。やはりレギュラーキャラに絡んでくる話だと、切迫度が全然違うわけで、最後の最後に見せるバンバの微笑みの説得力が激ヤバレベルでした。

 色々と苦悩を抱えていそうで、実は結構若者らしく振る舞っていたんですねー。

 弟が益々子供化していくーー(笑)。

次回

 次回はそんなバンバとカナロが対立!?

 今回の二人を踏まえての対立劇ということならば、かなり期待できますね!



投稿者: SirMiles

【マー 🏃 SirMiles / Masafumi Fujimura / https://sirmiles.com / maruzoku】 Run、音楽、プラモ。趣味は広く浅く。生業はIT系。

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8件のコメント

  1. ガチレウスを倒され
    「タンクジョーさま~っ」
    と叫ぶクレヨンですが、3人の上司(?)の中では彼が一番だったんですね。
    (それにしてもクレヨン、上司に恵まれないな~)
    で、再登場のワイズルーですが、やはり彼だけだと弱いな~ってのが本音でした(苦笑)
    まあ、そこは誰か新幹部が登場することに期待して(おいおい)
    今回はバンバの意外な過去も少し描写されましたし、段々世界観が広がっていきそうですね。
    それではまた

    1. なんでタンクジョウ様なんですかね(笑)。やはりビアス様だから…でしょうか。
      最初の上司だったから思い入れも強いとか。

      ワイズルーはコミカルなキャラとして売ってますが、悪役の迫力としては不足ですね。仰るとおり、また新幹部が出てくるのではないかと思います。

      バンバはかなり優遇されている気がするので、この辺でまたアスナ編が見たいですよね。カナロは何で彼女に反応しないのか…。

  2. ワイズルーが久しぶりに登場しましたね。

    タンクジョウやガチレウスと比べるのもどうかとは思うのですが、悪の幹部でノリが軽いと番組の進行テンポも良いんだな、と感じました。

    モサレックスとディメボルケーノが「兄弟」と呼び合う姿は、まんま北島三郎の「兄弟仁義」の世界観に思えて個人的には好きです。小さいお友達にはまだ理解できないかもしれでしょうけど。笑

    バンバと江美子先生のラブ?ストーリーはリュウソウ族が長命である、という設定を上手く利用した良いお話でしたね。

    こういう「秘めたる想い」に弱いんですよね。。。年を取った証拠ですよねぇ・・・(遠い目)

    虹の正体があんな奇麗な貝殻だなんて素敵すぎるオチでした。

    お父さんも貝殻を持っていましたが相手は誰なんでしょうね。笑

    1. ワイズルーはよく喋るタイプなので、狂言回しとしては便利なキャラということでしょうね。それだけ別の部分にテンポの良さを確保できるわけですね。

      「兄弟仁義」とはまた渋いところを持ってこられましたね(笑)。まあ、ふた昔前くらいだと「ウルトラ兄弟は義兄弟」という普遍的なテーゼが浸透していたので、今でも通用しないわけではないと思うのですが、やはり難しいでしょうね。

      龍井パパの謎は深まるばかりですね。リュウソウ族の誰かと深い繋がりがあったのではないかと、勝手に想像しているのですが…。

  3. 愚兄です。
    今回は人間ドラマ部分の良さと活劇部分のつながりの悪さ(細部の詰めの甘さ)、さらに特撮部分の画面の面白さとそれぞれのレベル差が激しかったです。つまらないわけではなく「もっと面白くなるのに」という感じです。活劇部分が良くなれば…というだけでなく人間ドラマ、特撮の画面作りはそれぞれ別の話にした方がより作りこめるのにという思いもあります。リュウソウジャーは全体的に詰め込み過ぎな感じがするんですよね。
    個人的に今回気になったのは封印されていたディメボルケーノと海に追いやられたモサレックスが兄弟と呼び合う仲だったということ。古代の竜装族はいったい何をやらかしていたんでしょうか。自分たちに都合の悪いものは全部なかったことに? そしてそのことを全く弟子に伝えていない先代リュウソウジャー。これから伝えるつもりだったという可能性もありますが、騎士竜をとの連携が不可欠なリュウソウジャー(候補)が全然知らないというのはどうなのでしょうか。
    ところで江美子先生の思い人は結局バンバだったわけですが(そうですよね?)、これが尚久さんだったら面白かったんですけどね。だって尚久さん怪しいじゃないですか。地図やら貝殻やらいろいろ持っているし、そもそもリュウソウジャーが最初に出会った人間がういというのもね。

    1. 詰め込みすぎとのご指摘は正にその通りで、尺不足からディテールの欠損が見られるのが惜しいところなんですよね。恐らくは原点回帰とその破壊を達成する手段として、「豪華さ」を前面に出していく方針なのでしょう。

      もうひとセリフ説明があると分かり易いとか、そういう部分がちらほらあって、話に集中できなくなる場面が出てくるのは本当に惜しいです。

      説明不足はそのまま劇中人物にも波及しているようなので、そこが後から補足されると嬉しいですね。ないかもですが(笑)。

  4.  使命とか関係なく、ただの女好き疑惑のカナロ。雑誌のインタビューにあったのですが、海のリュウソウ族は、もうカナロとオトしか残っていないという設定らしいです。本編で言及されるかは不明ですが、かなり重い・・・割りに、作風のせいか、二人ともかなりあっけらかんとしていますね。
     誰もつっこまないんですが、あの少年は何故に昔の先生の写真を持っていたのか・・・(汗)。話の流れとしては、最後にバンバがからんでくるという意外と同時にせつない締めでしたね。軽い感じに婚活に励むカナロと別れを知っているバンバの対比というところでしょうか。
     スピノサンダーって、意外と玩具開発時に偶然見つかった形態じゃないかと思うんですけど。騎士龍がブロック的に組み合わせる仕組みになっているので、想定外の組み合わせが色々あるんじゃないかと考えると楽しいですね。変形ロボでも、立体化して初めて気づいた、ということは結構あるらしいです。
     バンバに関する?な演出は、実は海のリュウソウ族と何か関係があるのという伏線では?という説が某ラジオでは話されていました。自分はそこまで深く考えずに観ていたのですが果たして・・・。

    1. カナロとオトの「後のなさ」は、劇中では今のところ殆ど言及されていないので、これからのフックになるのか、それとも「なかったこと」にされるのか…。私は後者だと推測していますが(笑)。

      私もつっこみませんでしたが、確かに何で江美子先生は昔の写真を彼に渡していたんでしょうね。仕掛け上必要ではありましたが、よくよく考えると結構不自然ですよね…。

      偶然見つかった形態というと、私はトランスフォーマーのシックスショットを思い出します。シックスなのに七番目の形態が劇中に出てきてしまうという展開で、当時はちょっと興奮した覚えがあります。今作のようにブロック構造だと、ムゲンバインじゃないですけど、色々組み合わせできそうですよね。

      バンバの妙な行動に関しては、伏線ではない説に一票です。2クール目に入っても、相変わらず謎らしい謎も出てきませんし、ガイソーグもほぼ忘れられてますし(次回出るみたいですが??)…。

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