騎士竜戦隊リュウソウジャー 第35話「地球最大の決戦」

 新合体登場編。既に駒は揃っているので、後は合体への「許可」が得られるか否かというところにドラマを求めています。

 そのための「試練」がメインですが、どうしちゃったんでしょう、荒川先生…。正直コウだけの試練で良かったんじゃないだろうかという筋運び。陸海空の超合体という、男の子垂涎の燃えるシチュエーションの割に、シルエットにあまり変化のないロボのできあがり。これは…。



スペースドラゴン

 プリシャスの手駒でしかないことが露呈してしまった今回。前回のような大破壊が「三日後」に予定されているという緊張感のなさもあって、印象が極薄になってしまいました。

 キングキシリュウオーの演出に関しては、アニメ的なケレン味を誇張した、正に陸海空縦横無尽に活躍する残像バトルが鮮烈で強烈に格好良かったのですが、スペースドラゴンの方に全くと言って良いほど見せ場がなく、危機感も薄かったんですよね。コウとカナロだけが乗り込んでいるというシチュエーションにも物凄い違和感がありました。究極なら6人乗るのが筋でしょうと…。

プリシャス

 退場かと思っていたのですが、続投で正直驚きました。

 能力コピーが表面的であるというのは、古くからの王道ネタでしたね。己を知って攻略法を得たコウの逆転劇は素晴らしく、今回の白眉たるシーンでした。あの爆発ぶりだと生存している方に違和感が…まあ、ドルイドンっていつもこんな感じですけどね(笑)。

試練

 前回のバンバとトワの試練に感心して燃えた身としては、今回の試練は実に納得がいかないところ。コウはとりあえず良しとして、メルト、アスナ、カナロの試練はアリなのかナシなのか。

 荒川先生の悪い癖が出たというところでしょうか、かなりパロディ的な描写だったのが気になりました。それぞれの試練をセトーが指南するところで、ギリギリ緊張感を保っていた感はありますね。どれも絶対にやりたくない「作業」だったことは間違いないですが(笑)。

 コウの試練は、敵すら現れないという観念的で哲学的なものだったのですが、キレたらマスターレッドが出現するというくだりにガクっと来てしまいました。コウは何も分かっていないということが露呈してしまったわけで、その後のマスターとの壮絶な手合わせがちょっと浮いてしまっているんですよね。試練じゃなくともマスターの魂が教えてくれたんじゃないかと思ってしまうわけです。

 これで6人がパワーアップを果たした(レベルが上がったと表現していた)わけですが、これがまたコウ以外プリシャスに対して何の効力も発揮しない(プリシャスのセリフでしか説明されない)のがダメポイント。アクションの凄まじさは気合い入りまくりなんですが、シチュエーションでは全く表現されていないので、何のための試練か伝わってこないんですよね。

キングキシリュウオー

 モサレックスはいとも簡単に合体に同意していましたが、カナロの試練の結果に思えない構成になっていて、ここでもアレっ??と。モサレックスがカナロに煩悩の克服を促したことは一度もなく、もうハチャメチャです…。

 前述のとおり、縦横無尽なバトルフィールド展開は燃えまくりですが、ロボ自体に全合体のようなインパクトがなく、「最強」と言われてもなかなかビジュアルでは納得し辛いんですよね。

今週の郷さん

 オトちゃんを「ルミちゃん」と呼んでました。榊原るみさんのことなのか、村野ルミ子のことなのか…。非常に気になります。

次回

 ナダ編クライマックスをピークに、ストーリーテリングが急激に下降線を辿っている気がします。次回は大丈夫でしょうか…。



投稿者: SirMiles

【マー 🏃 SirMiles / Masafumi Fujimura / https://sirmiles.com / maruzoku】 Run、音楽、プラモ。趣味は広く浅く。生業はIT系。

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6件のコメント

  1. もちろん「ルミちゃん」は村野ルミ子さんの方でしょうね。
    郷さんなら、榊原るみさんは絶対「アキちゃん」でしょう。
    (って、最初の感想がこれかいっ 汗)
    カナロの試練なんですが、もしかするとセトーにキスされたかも知れないと思うと、これが一番やばかったのかも(おいっ)
    で、本題のパワーアップ編なんですが、言われるとおりインパクトが薄い(汗)これなら今回はバンバとトワだけが強く展開で、他は次回以降で良かったんじゃないの?って思いましたね。
    最後に今回のタイトルの「地球最大の決戦」ですが、全然そんな感じじゃなかったのが、東映というか戦隊らしいですね(おいおい)
    ほら、サンバルカンの「史上最大の総力戦」も全然総力戦っぽく無かったじゃないですか(待てーっ)
    それではまた

    1. やはり「村野ルミ子」の方ですかね。劇中では「ルミ子さん」と呼んでいたので、ルミちゃんだとなかなかイメージし辛いところはあります(笑)。

      カナロとセトーの接近ですが、「勇者ヨシヒコ」で同じようなネタがあったので笑ってしまいました。

      ちなみに、「史上最大の総力戦」はデンジマンですね。ジシンラーが出てくるヤツ。確かに総力戦っぽくはなかったですけど、何となくアクション多めだったような…。今度見返してみます。

  2. キングキシリュウオー。陸海空の騎士竜が合体した最強の騎士竜、という触れ込みですが個人的にはキシリュウオーパキガルーの方がボクサーっぽくて強い感じにみえてしまいます。汗

    ここまで来たらモサちゃんと兄弟分のディメちゃんも混ぜてやれよ!って感じですが。

    試練に関しては何かと余計なことを思い出してしまいました。

    カナロの誘惑は某深夜バラエティゴッドタン。メルトの見えない橋は某賭博漫画カイジ。アスナの箸掴みはジャッキーチェンの映画。等々・・・笑

    ナダ編の感動がどこか遠くへ行ってしまいそうです。

    と、思った矢先の次回はトワの恋愛話!?多分トワがリュウソウジャー最年少(という設定)ですよね。うん、適度に期待しましょう。

    1. キングキシリュウオーだけでなく、キシリュウオー自体がくっ付くもののバリエーションなので、あんまりシルエットも変化しないですし、強くなった実感が薄いんですよね。たしかにパキガルーが一番パワフルに見えます。

      私もディメボルケーノが仲間はずれになっているのが非常〜〜に気になりました。空海陸の合体なので、ちょっとポジションが微妙なんですよね。

      試練は何かしらの引用だというのは感じてましたが、そのあたりが元なんですね。ありがとうございました。

  3. 特訓とキングキシリュウオーの合体に直接的な関連が薄かったので、別々のエピソードとした方が良かったんじゃないかと。
    リュウソウジャーは理屈無視のファンタジー系戦隊でありながら、リュウソウルの使い方など、結構論理的なところがあって、感心することが多かったのですが、今回のレベルアップに関しては、おっしゃるとおり、良くわからないケド、とにかくパワーアップしたということをビジュアルで見せるべきだったと思いますね。
    キングキシリュウオーに全員が乗っていないところも妙な点なので、もう一段上がある・・・のかも?

    1. 特訓自体がストーリーから乖離してしまっているのが、かなり惜しいんですよね。盛り込みすぎて、一年の放映スケジュールとしての尺が足りない。そんな印象があります。

      今シーズンも理詰めな場面がかなり多いのは仰るとおりの魅力なので、今回の惜しさがより際立ちます。アクションは普段から飽和状態と形容できるくらい充実しているので、ここを突破するのは相当難しいんですよね。

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