魔進戦隊キラメイジャー 1〜6話

 大変なご時世ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 キラメイレッド役の小宮さんの快復が伝えられて一安心の今シーズン。序盤から飛ばしまくってますね。キャラ紹介編が一通り終了したので、甚だ簡単ながら感想等を書いてみます。



正にきらめくキャスティング

 制作発表で最初に5人のビジュアルを拝見したとき、例年になく「派手な」雰囲気を感じました。勿論、良い意味で…です。「華やか」と言った方が良いでしょうか。

 充瑠はメンバー最年少、これまた良い意味で「戦隊レッドらしくない」雰囲気でした。どちらかというと「平成ライダー」っぽいですね。高いポテンシャルを秘めた発展途上の主演俳優といった感じです。劇中でも正にそんな感じで、懸命にテンションを上げ下げして演じている姿がキラキラしていて最高です。

 為朝は「平成ライダー」における二号ライダー系の雰囲気。主人公のライバルにして最高の理解者といった感覚をビジュアルで醸し出している見事なキャスティングです。実際に劇中でのポジションがそれになっており、eスポーツ界の第一人者として参謀の格を見せつけています。

 瀬奈は元気系ヒロインの正当派。健康的なスタイルが強いインパクトを与えてくれます。陸上選手のユニフォームがネットでもかなり話題になりましたが(笑)、確実に今シーズンのファン増加に貢献していると思います。劇中では第一印象よりもテンション高めなキャラで驚きましたが、既にムードメーカーとして確実な感がありますね。

 時雨は超正当派イケメン俳優といった趣で、それも最新型というよりは少し前の時代の感覚。劇中では見事に「古き佳き大物俳優」をカリカチュアライズしたキャラクターになっており、ビジュアルとキャラクターが最高にマッチしたメンバーとなっています。いわゆる「最強の剣術師」としてアクションを牽引してくれるでしょう。

 小夜には「仮面ライダーゴースト」のカノン役で既に特撮ファンに認知度の高い工藤さんを抜擢。わずか数年で随分と大人っぽくなったものだと驚いたと同時に、「美人過ぎる外科医」という、戦隊では類を見ないキャラ付けに更なる驚きを感じました。劇中では落ち着いた大人の雰囲気を醸し出しつつも、少女っぽさを失わないところが恐るべき魅力です…。

まさかの後見人

 博多南無鈴という、もはや読むのも難しい後見人キャラには、古坂大魔王さんを抜擢。飄々とした雰囲気と、マルチタレントとしての懐の深さが見事にハマっています。

 なお、無鈴のみだとファンタジー色が弱いということなのか、異世界から来たマブシーナがサブ後見人的な立場で登場しており、そのインパクト強めな造形とあまりにも可愛らしい声のギャップで、「キラメイジャー」の世界観を独特なものにしています。

邪面師・邪面獣

 等身大怪人と巨大怪人が同時に登場するのは、嚆矢の「バトルフィーバー」を例にするまでもなく戦隊シリーズにおけるパターンの一つですが、例としては意外に少ないんですよね。大抵は怪人自身が巨大化するので。

 今回は別個体で、さらに完全別造形(あるいは巨大戦がCG)なので、かなり面白い事になっています。

 最も興味深いのは、邪面師の造形でしょう。巨大戦における「怪獣」がいわゆる週替わり造形のメイン扱いなので、邪面師はとにかく頭部に意匠が集中し、首から下はタイツ地。これにより、昔懐かしい雰囲気の「怪人」が登場することになりました。

 「ゴレンジャー」の仮面怪人や、「バトルフィーバー」の初期エゴス怪人、下って「ダイレンジャー」の一部のゴーマ怪人あたりの、シンプルで機能的なビジュアルを令和の時代に見ることができるようになろうとは。

ヨドン軍

 口元のみながら顔出しの幹部(クランチュラ)が居たり、ヒーロー側のファミリーからの裏切り者が居たりと、オールドファンも納得する悪の組織。ついでに「トッキュウジャー」の要素もあったりして、正にいいとこ取りな感があります。それでいてとっ散らかっていないのは、目的がシンプルだからでしょう。

 近年は敵側の魅力に疑問を抱くシーズンも多いので、ここらで何らかの成果を見せて頂きたいですね。

キャラ崩し

 1クール目は様子見なのが普通ですが、冒頭にも書いたとおり、今シーズンは序盤から飛ばしまくっていますね。

 私は残念ながら未見ですが、劇場版でレッド以外の4人については誕生劇を済ませているところも大きく作用していると思います。キャラ紹介を別の角度から持って来られるアドバンテージは大きいものがありました。

 瀬奈は充瑠との対立劇を展開しつつその特技を存分に披露、時雨はクールキャラ系のビジュアルをのっけから裏切るギャグ編で精神性をも表現、為朝は主役回でもそれ以外でも優れた作戦立案能力を発揮してインパクトを残します。そして、極め付きの小夜。幼児退行が頭を打っただけというただの事故(!)、従来ならば3クールあたりに出てきそうなシチュエーションで彼女の源流を浮き彫りにしました。途中にマブシーナの因縁話を挟んだのも良かったですね。

期待!

 ヒリついたドラマもなく、分かりやすくて物凄くテンポの速い作劇には、すっかり虜になりました。

 ぶっちぎりで新しい要素を沢山盛り込みながら、圧倒的に初期戦隊の雰囲気で展開している今シーズン。これからも定期的にフォローして参りますのでよろしくお願いいたします。



投稿者: SirMiles

【マー 🏃 SirMiles / Masafumi Fujimura / https://sirmiles.com / maruzoku】 Run、音楽、プラモ。趣味は広く浅く。生業はIT系。

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4件のコメント

  1. 再開ありがとうございます。
    正直、4月に無かったので諦めかけていたのですが・・・本当に嬉しいです。
    さて、本題のキラメイジャーの感想ですが、時間が経ちすぎてエンディングの踊りと瀬奈の走る姿しか記憶に(こらーっ)
    あと、マブシーナを見てると、どうしてもイナズマンを連想してしまいます(汗)
    それではまた。

  2.  久しぶりです。

     「魔進戦隊キラメイジャー」ですが、私の第一印象は正直良くありませんでした。まず、第1話の、視聴者がエピソードZEROを見たことを前提に進めているようなざっくり・説明不足の展開。それはまだいい方で、一番苦しかったのは、番組の基本テイストです。ギャグ全開で、雰囲気がシュール。不思議コメディシリーズか、カーレンジャーに近い感じです。それに加え、平成仮面ライダーシリーズでよく見かける、文字のテロップを駆使したギャグ演出。恐らく、平成仮面ライダー制作班からスライドした山口恭平監督が吹き込んだと思われます。そんなコッテリ内容が強烈で、特に第3話の「頭に万力を付けた時雨」「時雨のオーバー演技」などには、見ていて何度も頭を抱えてしまいました(爆)。

     余談ですが、前作「騎士竜戦隊リュウソウジャー」の第34・35話はキラメイジャーのメインライター(?)の荒川稔久担当回でした。番組のテイストに合わないギャグ・パロディー全開の内容で、このサイトでも評判が良くありませんでした。しかし、今にして考えると、「次回作(のキラメイジャー)は、こういう作品なんですよ」という「予告」だったような気がしています。

     閑話休題。

     しかしそんな作品も、下亜友美脚本の第6話や、三条陸脚本の第7・8話を経てからは、「洗練されてきたな」という印象を持てるようになりました。下氏は経験が浅いのかこなれておらず、結果としてギャグが抑えめで好印象。そして三条氏が荒川氏と同じような話を書いているということは、この作品は荒川氏の素の作風ではなく「元々そういう(ギャグ作品として)提示され、荒川氏はそれに従っただけ」の可能性が高くなります。第9・10話でパイロット版のコンビ(荒川・山口)に戻ってしまいますが、それらの回もかつてのどぎつい印象は抑えられています。この調子でいけるのか、期待したいところです。

     作品のストックが無くなり、次回(5/17)は「エピソードZERO」の放送になりますが、今後も視聴していくつもりです。ブログ筆者やコメンテーターたちの感想の書き込みを楽しみにしています。

  3. どうも、お久ぶりです。リュウソウジャー終了時には、まさか世界がこんなことになるとは夢にも思いませんでした。ネタでも冗談でもなく、こんなセリフを口にすることがあるとは・・・。
    リュウソウジャーはファイナルライブツアーもすべて中止になってしまいました。いずれ、何らかのイベントは開催してもらいたいところですが・・・東映さん、お願いします!

    さて、お題のキラメイジャーですが、タイトル発表時の不安感とは裏腹に、すごく楽しんで見ています。系統としては、ファンタジー戦隊になるのでしょうが、昭和の初期戦隊を意識しているような設定や演出が実に肌にあいます。特に嬉しかったのが、基地からの発進シーン。発進するのが石という、なんともシュールな映像ですが、遡って考えてみると、ちゃんとした基地がある戦隊って、ゴーバスターズ以来なんですよね。キラメイジンも動くとかっこよかったですし。

    今回の騒動で、ゼロワンも含め、当面は厳しい状況が続くのでしょうが、ピンチをチャンスに変えてきたのが歴代のヒーローたちです。「禍を転じて福と為す」未来を楽しみにしましょう!

  4. お久しぶりです。
    すでに閉鎖されていますが、ウルトラセブンのチーフ助監督だった安藤達己氏のブログで、ご自分の関わった作品の感想を述べておられたのですが、
    「特撮の尺を確保する為に本編がカットされて説明不足になっている」
    という記述があり、作り手もそう感じる時があるんだと思いました。
    特撮物では大なり小なりストーリーの展開に?となる時が無きにしも非ずですが、振り返りの蔵出しカットを見ていると、今の作品でも結構重要なカットがバッサリ切られてるんですね。
    キラメイジャーはまだ手放しで大好きと言えるほど話数が進んでいませんが、明るく楽しい作風で突っ走って欲しいですね。
    個性豊かな邪面師の登場に期待です。

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